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お金 2018.10.31

所得税はいくらからかかる?所得税の徴収方法と目安となる金額

 

「女性が働く場合、収入が上がると税か何かがかかってかえって損になるのじゃないの?」と思っていませんか?また「103万円の壁」などの言葉が気になる人もいるかもしれませんね。所得税はいくらからかかるのか、どのように徴収されるのかその仕組みを把握しましょう。

 

所得税の徴収方法とは?

 

 

日本の納税は、全ての納税者が自分で税務署に申告する申告納税とされています。しかし、給与所得については給与を支払う側が、あらかじめ税金を給与から差し引いて納税することになっています。この制度を源泉徴収制度と呼びます。

 

源泉徴収の方が簡便だなどのメリットがあるからですが、毎月の給料から差し引かれる源泉所得税は所得税の前払金です。そこで「納税額が多すぎた」、または「納税額が少なかった」ということも起こります。そこで給与を支払う側が年末に行う年末調整により、多すぎた場合は還付となり、少なかった場合は追加で納税してもらうことになります。

 

勤務先には源泉徴収義務があり給与から天引きされる

給与所得については源泉徴収をすると所得税法で決まっています。給与を支払う側は源泉徴収義務者と呼ばれ、税務署に対して納税の義務があります。

 

給与所得者は給与以外に所得がないことが多く、各個人が確定申告するより支払者が税額を計算し納税する方が簡単だから、という理由です。企業などの支払者にとっては負担ですが、支払う企業側に税額の計算と納税の義務が課せられているのが現在の仕組みです。

 

「どうして天引きされるの?」「自分で納税したらダメなの?」と思っても、給与から天引きして納税するのは勤め先の義務であると法律で決まっているのです。

 

源泉所得税は確定額ではなく概算払い

源泉徴収義務者は給与を支払った翌月の10日までに事業所の住所を所轄する税務署へ納税をしなければなりません。ですから、源泉徴収については原則毎月給与から天引きされた額を、勤め先が納税しています。

 

ところが、源泉徴収税額は確定額ではありません。所得税は本来1月1日から12月31日までの1年間の所得に対してかかるものです。この1年を単位として計算された税額が正式な納税額です。しかし、源泉徴収の計算ではいくつかの原因で本来の納税額とズレが生じます。

 

ズレが生じる原因の1つは課税対象額の計算が概算計算である点です。課税対象となる所得は、収入そのものから各納税者の事情に応じて一定額を差し引いて決まります。これを所得控除と呼びます。扶養家族がいたり、生命保険などを掛けていたりする場合などには、その分課税対象額が少なくなります。

 

源泉徴収時にも扶養家族などある程度考慮されていますが、算定の基となる月額表は簡略化されておいます。また、扶養家族の増減や生命保険などに入ったかどうかなど毎月把握しているわけではなく、これらについては年末調整で精算することになっています。

 

もう1つは課税対象となるかどうかが1年を通じてみないと分からないという点です。後でも述べますが、年間の所得が38万円(給与収入なら103万円)までは所得税はかかりません。1年のうちの何カ月かに収入があって納税をしていても、年間で見れば本来の課税額より少なくて済む場合もあるのです。

 

払い過ぎた所得税は還付される?

所得控除がきちんと反映されていなかったり、特定の月だけ収入が多かったりして本来の納税額より多い場合はどうなるでしょうか。このような場合は、年単位で正確な納税額を求め、その差額は還付されることになっています。

 

扶養控除などの変更や生命保険料などについて年末調整が始まる前に勤め先から届出用紙が渡されるはずです。これを受けて年末調整で勤め先の源泉徴収の税額で精算します。払い過ぎなら還付してもらえます。

 

年末調整まで同じ勤務先で働いていない場合や、複数個所で働いている場合などは確定申告で正確な納税額との差額を精算し、払い過ぎた所得税は還付を受けます。

 

女性がライフスタイルに合わせて働き方を変えた結果、収入が月ごとに一定しない人も多いでしょう。源泉徴収は月単位で納税していますが、本来の納税額は年単位で決まりますから、特定の月だけ収入が多ければ還付される可能性が高いです。年末には一度確認しておきましょう。

 

103万円の壁とは?

 

 

女性が働く際には「103万円の壁」があるとされてきました。確かに103万円を境に税との関係が変わってきます。本人が課税対象となり納税の必要が出てくるかどうか、世帯での納税が増えるかどうかが変わってきます。

 

103万円未満は非課税

収入が給与だけの人の場合、103万円までの給与収入は課税の対象となりません。納税額はゼロです。

 

勤め先企業が毎月源泉徴収する際には、国税庁が定める源泉徴収税額表に基づいて計算します。扶養親族の数にもよりますが、所得税がかかる目安は、給与が月額8万8000円未満かどうかです。

 

103万円を超えるとどうなる?

ある月に8万8000円以上給与があっても、年間で103万円以下であれば所得税は掛かりません(給与所得のみの場合)。しかし103万円を超えると本人に課税されたり、夫の配偶者控除から外れて世帯での納税額が増える可能性が出てきたりします。

 

課税される

本人に一定の収入があれば、本人に納税の義務が生じます。給与所得については103万円までは所得税がかかりませんが、この103万円を超えると課税の対象です。

 

課税されるといくらになるでしょうか。日本の所得税は超過累進税率で所得が大きくなるにつれて税率が変わります。195万円以下なら5%で、所得金額が190万円を超えて330万円以下までは10%で控除額が9万7500円と、分離課税のものを除くと5%〜45%の7段階とだんだん税率が上がります。

 

【参考】国税庁HP:所得税の税率
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

 

扶養控除から外れる

夫の扶養家族かどうかについては、妻が配偶者控除や配偶者特別控除を受ける条件として合計所得金額が一定以下であることが必要です。

 

配偶者控除については給与収入が103万円を超えてしまうと、配偶者控除の対象から外れます。配偶者控除の対象であれば、夫の所得税を計算する時に最大38万円の所得控除が認められます。配偶者控除から外れると所得税の計算時の課税対象額が増え、増税となる可能性が出てきます。

 

なお、配偶者控除は2018年から夫の合計所得が1000万円以下という条件も加わりました。夫と妻の所得の組み合わせで控除額も変わります。

 

基礎控除(38万円)と給与所得控除の最低金額(65万円)の合計

「103万円」という数字が重要なのは、基礎控除と給与所得控除の合計額だからという理由です。基礎控除の38万円と給与所得控除の最低金額65万円を加えると103万円になります。

 

基礎控除は誰にでも認められるもので38万円までの所得は税が掛かりません。

 

給与所得控除は給与所得を計算する時に、給与収入から差し引くことができる必要経費に相当するものです。正確には収入金額に応じて決まります。収入金額が180万円以下の場合は収入金額の40%となりますが、65万円に満たない場合は65万円とされています。収入からこれを引いた後の金額が所得とされます。

 

収入が給与だけの場合は、給与から最低でも65万を引いたものが給与所得となり、それが基礎控除の38万円以下であれば課税対象額はゼロ円となります。配偶者控除も給与所得から給与所得控除65万円を引いた合計所得金額が38万円以下であれば対象なので、ここでも103万円という金額がポイントとなります。

 

なお、2020年からは基礎控除が現在から10万円多くなり、給与所得控除は10万円引き下げられることが決まっています。給与所得だけの場合の最低ラインは48万円と55万円の組み合わせで103万円となることは変わりありません(所得が高い人には基礎控除や給与所得控除に上限が設けられたため影響があることもあります)。

 

制度変更により103万円から150万円になる

配偶者控除の範囲を超えて所得が増えても急に夫の所得控除がゼロになるわけではありません。配偶者特別控除というものがあり、妻の所得が増えるにしたがって段階的に夫の所得控除が減っていきます。そして、この配偶者特別控除でも一定額まで配偶者控除と同額となっています。

 

2018年から配偶者控除と同額の控除が受けられる額が150万円となりました。正確には給与収入から65万円を引いた所得の金額が85万円以下であればよいことになります。65万円+85万=150万円までの給与収入なら夫の所得控除を気にせず働くことができるようになりました。

 

130万円の壁とは?

 

女性就労の壁としてよく知られているものに「130万円の壁」というものもあります。こちらは社会保険についてのものです。

 

社会保険の扶養から外れる

夫の社会保険の扶養者であるには、収入が130万円未満であることなどの条件があります。扶養者であれば医療保険や国民年金などの社会保険料を支払わなくても済みますが、扶養から外れると社会保険料の負担が発生します。

 

130万円の壁とは別に、妻の勤め先によっては収入が106万円を超えると勤め先での社会保険に加入するように求められることもあります。自分の社会保険に入ると夫の扶養から外れます。

 

社会保険料の目安

社会保険料は収入(標準報酬月額)に料率をかけて決まります。勤め先の健康保険や業種、介護保険の負担の有無(40歳から負担が始まります)によりますが、会社勤めの場合は大体半分を企業が負担してくれ、本人の負担は約15%となります。

 

内訳についての一般論は以下の通りです。厚生年金保険料は9.15%、健康保険が協会けんぽであれば東京都の場合4.75%、介護保険が0.785%、雇用保険については一般の事業なら0.3%のいくらかを会社と被保険者で負担します。

 

社会保険加入のメリット

保険料を負担する分、メリットもあります。まず自分の厚生年金が老後に貰えるようになります。また、自分が労働者として医療保険に入るので、病気で仕事を休んだ時に賃金の約3分の2の給付を受け取ることができます。

 

まとめ

 

給与所得者の場合、給与の金額が103万円を超えると所得税を納める義務が発生します。実際には勤め先の企業が毎月源泉徴収をして納税をしています。この源泉徴収は確定額ではないため年末調整や確定申告で納税額を精算します。納めすぎた分は還付されます。

 

夫の扶養から外れるかどうか心配な女性も多いでしょう。2018年現在150万円までは夫の所得税の計算時に配偶者控除・配偶者特別控除の最大額が適用されます(夫の年収に制限があります)。社会保険については妻の収入が130万円を超えるなどすると扶養から外れます。保険料を負担しなければなりませんが、年金や医療保険などの保障が手厚くなるなどのメリットもあります。

 

監修者:添田 裕美(税理士)

 

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