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お金 2018.11.13

【FP監修】どんな人に資産管理会社が必要?設立の仕方とメリット・デメリット

近年、不動産投資をして安定した収入を求める方が増えています。不動産投資においてよく利用されているのが、資産管理会社を使った節税対策です。

 

不動産投資の場合には、不動産特有の税金がかかってくるため、思ったような利回りを得られないという可能性もあります。一方、軌道に乗って安定的な収益を得られるようになると、所得税が増えます。

 

これら税金に対する対策のため、資産管理会社を利用して節税をするケースが増えているのです。しかし、資産管理会社にはメリット・デメリットがあり、内容を知らないと失敗するケースもあります。

 

そこで、不動産投資における資産管理会社の検討が必要となるケース、資産管理会社設立の仕方とメリット・デメリットについてご説明します。

 

普通の会社とどこが違う?資産管理会社とは

 

 

不動産投資の節税を、資産管理会社を活用して行う場合、普通の会社を運営するのとどこが違うのでしょうか。

 

大きな違いは、会社の目的が違うことです。通常の設立法人においては、会社の持続的な発展を目指して事業を行い、儲けることを目的としていますが、資産管理会社の場合には、個人の資産管理を目的として設立されるプライベートな法人という位置づけになります。いわば、不動産収益による税金を節税することを目的として設立される法人です。

 

すなわち、儲けることを目的とした会社ではないため、赤字でも構わないのです。

 

節税のため、資産管理会社を活用する

不動産投資の場合、投資した当初は修繕などがなく、減価償却費や支払利息、固定資産税以外はほとんど経費がないため、大きな所得金額になってしまいがちます。すると、給与所得などに不動産所得が加算されて税率が高くなってしまい、多額の所得税が発生します。投資効果が思ったように出ないということになってしまうのです。

 

そこで、資産管理会社を活用することになります。ある程度以上の賃貸用不動産などを所有している場合には、資産管理会社を設立して、儲けを会社からの給料として受けとることで給与所得控除を受けることができます。サラリーマンであれば、給与所得控除額をさらに増やすことができます。また、資産管理会社での青色申告や法人におけるさまざまな経費計上による節税もできるのです。

 

ただし、資産管理会社を設立するための費用や会社を維持するための費用もかかりますので、賃貸用資産が少なく、収入が少ない場合にはコスト倒れになる可能性もあります。また、勤務先の給与所得などが既にかなり多い場合には、資産管理会社からの給料で給与所得控除が受けられない場合もありますので、設立には充分な検討が必要です。

 

資産管理会社は資産のある人におすすめ

このように、資産管理会社は賃貸不動産用資産がある方におすすめです。次に、資産管理会社を検討している方に、資産管理会社についてご紹介します。

 

サラリーマンでも資産管理会社を設立できるのか

資産管理会社を設立して節税をする場合にメリットが大きい方は、給与などをもらっているサラリーマンが副業として不動産投資などを行う場合です。

 

サラリーマンの場合には、個人の副業として行っている不動産投資における収入のかなりの部分が事業所得になり、給与所得などに加算されてしまいます。

 

しかし、資産管理会社を設立してそちらに不動産資産を現物出資してしまえば、会社で不動産運営に関する経費を計上して節税ができます。さらに利益部分は給料として本人や配偶者などに支払うことで、給与所得控除を受けることができます。この両方でかなりの節税効果が望めます。

 

年収いくらくらいの人におすすめなのか

では、サラリーマンで不動産投資などをしている方は、どれくらいの収入であればメリットがあるのでしょうか。

 

一般的には給与と副業を合わせて700万円以上の年収になる方の場合にはメリットが出てくると言われています。ただし、扶養家族、副業の収入などによってもメリットがでるラインは違ってきますので、設立費用、副業による税額などを踏まえてよく検討する必要があります。

 

資産管理会社の2つの法人形態

資産管理会社の法人としての形態は2つあります。すなわち、株式会社と合同会社です。合同会社は21世紀に入ってから設立が増加している会社形態で、設立費用が少なくて済むのが特徴です。

 

株式会社

株式会社は、よく知られた会社形態ですが、会社の設立費用は20万円~24万円ほどします。

 

合同会社

合同会社は、家族経営などによる会社設立などで利用されることが増えている会社形態です。設立費用が株式会社に比べて10数万円ほど少なく済みますし、株主総会などの運営も簡略化できます。また、税制面で株式会社と同じ節税メリットを受けることができます。

 

そのため、設立費用が少なく、運営の負担が少ない合同会社は、節税のための資産管理会社としてはおすすめです。

 

不動産投資で資産管理会社を活用するには

不動産投資で資産管理会社を利用する場合、その活用の仕方としては3つの方法があります。

 

資産管理会社が不動産を所有する方式、管理会社が賃貸不動産を借り受け、それを実際の入居者に転貸するサブリース方式、管理会社に不動産資産は移動せず家賃回収のみを委託する方式の3つです。

 

これらは資産の持ち方によって分かれています。ここでは、通常資産管理会社に賃貸物件を現物出資する場合以外の方式である、サブリース方式と管理委託方式を見てみます。

 

サブリース方式

サブリース方式の資産管理会社は、オーナーから不動産資産を実際の家賃収入の8割程度で借り受けて転貸することで運営します。(8割以下の場合には贈与税がかかる可能性があります。)

 

賃貸不動産のオーナーは、資産管理会社から、家賃収入と給料の両方の収入を得ることになります。

 

物件の管理を委託する方法

賃貸不動産の家賃回収などの管理業務のみを資産管理会社に委託する方式で、管理会社に管理料を支払う形で経費を発生させて節税メリットを得ます。

 

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資産管理会社を活用するメリットとは

 

 

サラリーマンが副業の不動産投資で収入を得る場合、資産管理会社を活用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。節税メリットはどのようにして生じるのかについて見てみます。

 

法人税なら税率が低い

給与以外に賃貸不動産による収入がある場合には所得は合算されます。合計所得に対する所得税率は累進課税であるため、所得が大きいほど税率が上がってしまいます。個人の場合の最高税率は45%となっています。

 

しかし、資産管理会社を設立して法人で申告した場合、中小企業(資本金1億円以下)の場合の最高税率は24.5%となっています。個人の所得税の最高税率の半分近くで済むのです。

 

また、給与収入であれば給与所得控除があり、給与が多くなるに従って控除率は下がりますが、一定の控除を受けられます。ただし、給与額が1,000万円を越えますと220万円の控除が限度となります。

 

例えば、年間給与収入が500万円であれば、給与所得控除は154万円であり、ここに資産管理会社から給与を500万円支払う場合には、66万円の控除を追加で受けることができるのです。

 

経費計上できるものが多い

資産管理会社では、個人と違って会社の損金として認められる経費が多くあります。それらについて見てみましょう。

 

生命保険の保険料

生命保険料は、個人ではどれだけかけても最高12万円までの控除にしかなりませんが、会社契約の生命保険料は、控除の限度額などはありません。

 

 

建物の共済掛金

賃貸不動産は、将来的な修繕などが必要になる場合が多く、そのために修繕積立金を用意しておく必要があります。法人であれば、共済掛金の必要経費部分は保険料として費用計上できます。

 

しかし、個人では共済掛金は事業経費とならず、地震保険料控除の対象になります。

 

土地取得用借入金の利息

個人では、自宅の敷地内にアパートを建てた場合には建物の借入金の利息は経費として認められますが、土地部分の借入金利息は経費にできません。一方、資産管理会社に土地も含めて現物出資する場合には、その土地についての借入金の利息も経費算入することができます。

 

資産を分散することで節税に

資産管理会社に賃貸不動産を移動し、不動産を投資用と住居用に分散させることで固定資産税などの節税メリットが得られます。

 

個人の固定資産税の場合には、一般住宅と小規模住宅で軽減措置が違っており、分散させて小規模住宅扱いにすることができれば、固定資産税は通常の3分の1から6分の1に軽減率が大きくなる可能性があります。また、資産管理会社であれば、固定資産税はすべて経費計上できます。

 

遺産分割もしやすくなる

子どもたちに賃貸用不動産として相続させる場合にも、会社を活用することができます。相続の際、不動産そのものを相続させることなく、資産管理会社の株式を相続させることができます。そのため、会社の利益を小さくしておくことで、株の資産価値は下がり、相続しやすくなります。

 

生前贈与で節税効果あり

また、相続と同様、株式の生前贈与を行う場合にも、会社にして計画的に株式を贈与することにより、贈与税をかなり軽減することが可能になります。配偶者などに株式の贈与をしておくことで財産分与も可能になります。

 

また、贈与を受けた配偶者は、資産管理会社の共同経営者として給与をもらうこともでき、給与所得控除によって節税もできます。

 

損益通算・繰越控除による節税

不動産投資案件が複数ある場合には、損益通算や繰越控除によって節税メリットを得ることも可能になります。

 

複数の事業や投資をしている場合

サラリーマンでなく、不動産事業を本格的に行っている場合には、持ち株会社化することで、赤字のある資産管理会社の赤字金額を本業に通算(合算)して、本業の黒字会社の税金を節税することができます。

 

また、経過年数の違う物件を複数持っている場合には、それらの利益を通算することができます。

 

不動産投資の場合には、借入金の利息や減価償却費は当初は大きくても年々減少するため、当初は赤字でも黒字化してきます。建築年数の違う不動産がある場合、それぞれ資産管理会社を作れば、赤字と黒字を通算することもできます。

 

損失の繰越ができ、事業安定化もはかれる

資産管理会社を設立することにより、会社の赤字(損失)を繰り越すことができます。

 

法人の損失は10年間繰越が可能です。借入金の利息や減価償却費が減って黒字化してきた際に、投資当初に出た赤字分から控除することができますので、資産管理会社の損益を一定に保つことができ、経営の安定化を図ることができます。

 

厚生年金に加入できる

資産管理会社を作り、給与をもらう形にすることで、厚生年金に加入できるため、会社で加入する厚生年金にさらなる上積みができます。また、自営業をして国民年金に加入している場合には、厚生年金に移行することができ、個人で払う保険料を下げることができますし、会社の負担分は経費算入することができます。

 

知らないと損!資産管理会社を設立するデメリットとは

 

不動産投資などの収入に対する課税所得を軽減できる資産管理会社ですが、逆に設立することによるデメリットをよく理解しておかないと、マイナスが大きくなってしまうこともあります。次にデメリットについて見ていきます。

 

設立の際にお金がかかる

法人の資産管理会社を設立するためには設立費用がかかります。ご自身で設立する場合でも、株式会社の場合には20~24万円、合同会社は6~10万円程度の設立経費がかかってきます。設立を司法書士などに依頼した場合にはさらに費用がかかってしまいます。

 

不動産投資の物件が少なく、収入も少ない場合には節税効果は少なくなるため、個人事業の方がメリットを得られる可能性もあります。事前検討が必要です。

 

登録免許税や不動産取得税が掛かる

資産管理会社の設立費用だけでなく、投資不動産を資産管理会社に移すためには登録免許税や不動産取得税がかかってきます。

 

登録免許税は、固定資産評価額に対して土地1.5%、建物2%がかかりますし、不動産取得税も同様に4%がかかってきます。しかも、居住用ではありませんので、軽減税率は適用されません。

 

譲渡益課税が掛かる場合がある

賃貸不動産を資産管理会社に移行させる場合、その譲渡価格によっては個人に譲渡益課税がかかってくることもありますので、現物出資する場合の価格設定には注意が必要です。

 

取得時の価格で現物出資してしまいますと、購入時点から価値が下がっている場合もありますので、価格は慎重に見積もる必要があります。また、逆に低すぎる場合には贈与税がかかる可能性があります。

 

設立後も税理士費用などのコストがかかる

資産管理会社を作ると、決算書の作成、申告作業は複雑になりますので、どうしても税理士に依頼する場合が多くなります。

 

設立費用などを実費だけでやってもらえるメリットもありますが、資産管理会社の収入が少ない場合には節税効果よりも経費アップのほうが大きくなる場合もあるので、よく検討する必要があります。

 

法人住民税の均等割7万円は必ずかかる

個人の場合、個人住民税はまったく所得がなければかかりませんが、法人の場合には、赤字でも年間7万円の均等割り税額が発生します。個人の給与所得に対する住民税と二重にかかってしまうのです。

 

従って、所得税の節税効果が7万円以下の場合には実質マイナスになる可能性もありますので、事前に良く検討する必要があります。

 

決算・申告など事務処理に手間がかかる

すでに上記の税理士費用で記載しましたが、法人化することにより、決算、申告等は複雑化しますので、事務処理に大きな手間がかかり、どうしても専門家に依頼する場合が多くなります。サラリーマンで会社に勤めている場合には、専門家に支払う費用負担はかなり大きくなるでしょう。

 

このコスト負担を上回る節税効果が得られるか検討しなければなりません。

 

社会保険料の支払い義務がある

資産管理会社を設立することにより、会社は社会保険料の半分を負担する義務が出てきます。社会保険に加入することになるため、個人として給料を資産管理会社からもらう場合には、勤務形態や給与面で調整が必要になります。

 

調整をしない場合には、節税効果よりも保険料の支払いが多くなってしまうこともあり得ます。

 

資産管理会社を設立するには?

 

 

資産管理会社を設立するには?

資産管理会社を設立する場合は、通常の会社設立と同じ手続きが必要です。資産管理会社だからといって特別な手続きはありません。次に会社を設立する場合について見てみます。

 

設立に必要な費用

会社の設立のためには、出資金や設立費用が必要です。費用について詳しく見てみます。

 

出資金は1円でも可能

現在の法律では、会社は資本金が1円でも設立は可能です。ただ、資産管理会社に不動産を移行させるためには、譲渡をする必要があり、高すぎれば譲渡益が発生して所得税がかかりますし、安すぎれば贈与税がかかります。

 

出資の金額によっては登録税が変わってきますので、うまく出資額を調整して移行させることも検討する必要があります。場合によっては、サブリース方式や管理委託方式などの検討も必要です。

 

登記の際に支払う費用

資産管理会社の設立登記をする際には、法務局の登記所の登記費用や、株式会社の場合には定款の公証役場での手数料、登録後の証明書類などで、株式会社で20~24万円程度、合同会社で6~10万円程度がかかります。

 

法務局に登記申請するには

資産管理会社の設立を法務局の登記所に登記申請するには準備手続きが必要になります。必要な手続きを見てみます。

 

社名の決定をする

法人化して商業登記する場合には会社名が必要です。

 

この会社名は、どんな名前でもよいわけではありません。基本的に、法務局の登記所管内にすでに存在している会社名がある場合は受け付けてもらえません。そのために、事前に登記所であらかじめ決めた社名の重複がないかどうかを確認する必要があります。

 

昔は、登記所に行って実際に閲覧する必要がありましたが、現在では、インターネットのオンライン登記情報閲覧サービスで確認することができます。忘れずに確認してください。

 

【参考】法務省:http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00076.html

 

3つの印鑑を準備

基本的に法人化する場合には、印鑑が3つ必要になります。代表者印、角印(会社印)、銀行印です。ただし、規模の小さい資産管理会社の場合には、代表者印と銀行印を同じにする場合もあります。

 

就任承諾書の用意

資産管理会社を登記する場合で、特に合同会社の場合には代表者の就任承諾書を用意しておく必要があります。

 

定款を作る

株式会社を設立する場合には、定款の作成とその定款の公証人役場での認証が必要になります。

 

定款は、会社の設立時の発起人が「会社の基本規則」を定めるもので、発起人が多くなる株式会社では、会社の紛争などを事前に食い止めるために公証人の認証が必要事項となっているのです。

 

そして、この定款の認証費用は、手数料5万円、印紙代4万円、謄本作成費用1枚250円となっており、設立費用の半分近くをここで支払うことになります。ただし、合同会社の場合は、必要要件とはなっておらず、設立費用もその分安く済むのです。

 

登記申請の仕方

基本的には、法務局の登記所に行って設立の申請をしますが、最近ではネット上でも申請手続きをすることができるようになっています。登記所は、数が少なくエリアが広いため、交通費もかかりますし、手続きに長い時間がかかることもあります。

 

コストを考えると、できればネットで行うのが良いでしょう。

 

【参考】法務省商業・法人登記:http://www.moj.go.jp/MINJI/minji60.html

 

税務署や自治体への届け出も必要

法人を設立した場合には、同時に税務署への法人設立届出書類が必要になりますし、節税効果を大きくするために青色申告の申請もしておく必要があります。また、都道府県税事務所や市町村役場にも設立の書類を提出しておく必要があります。

 

 

 事業開始等届出書

事業開始の届け出は、設立後2カ月以内に事業所のある地方自治体の県税事務所に行います。

 

法人設立届書

税務署へ設立後2カ月以内に提出します。

 

青色申告承認申請書

青色申告承認申請書は税務署に基本的には設立後3カ月以内に行います。

 

給与支払事務所等の開設届出書

設立した資産管理会社で給与を支払う場合には、税務署に源泉徴収税関係の給与支払事務所等の開設届出書を提出する必要があります。また、自治体にも届け出が必要です。節税効果を得るためにも必要になります。

 

会社設立の代行サービスもある

最近では、このような資産管理会社の設立も多く、会社設立の代行会社なども存在しており、ネットなどでも宣伝をよく見かけます。税理士事務所などが設立後の決算申告業務などの業務受託とセットで行っている場合もありますので、会社に勤めていて時間がない場合には、利用を検討しましょう。

 

デメリットも踏まえた上で、資産運用会社の設立を検討すること

 

 

不動産投資を行い、ある程度の賃貸収入を得ている場合には、資産管理会社を設立して節税効果を得ることができます。ただし、資産管理会社の設立や運営にはさまざまな費用がかかってくるデメリットもあるため、その費用を上回る節税効果がなければかえってコスト倒れになってしまう場合もあります。

 

事前によくメリット・デメリットを調べ、メリットが上回ることを確認して資産管理会社の設立を進めるようにしてください。

 

監修者:山﨑 貴史(ファイナンシャルプランナー)

 

 

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