» 【FP監修】所得税の控除とは?所得税控除の仕組みと種類のメインビジュアル  » 【FP監修】所得税の控除とは?所得税控除の仕組みと種類のメインビジュアル

M life 記事

お金 2018.11.14

【FP監修】所得税の控除とは?所得税控除の仕組みと種類

所得があれば、税金がかかる。みなさんご存知のことかと思います。個人に関わる税金の中で、最も割合が多いものが所得税とも言われています。「所得税」できることなら少なく抑えたい。こう考える方は多いですよね。

 

今回は、所得税の負担を軽くすることができる仕組み「所得税控除」について、控除の仕組みと控除の種類についてご紹介します。

 

所得税の控除とは

 

 

まずは所得税の控除を理解しておきましょう。

 

所得税控除の仕組み

所得控除は個人個人の事情に合わせて税金を公平に支払うことを目的としたシステムです。「健康な夫婦2人の家庭」「扶養する両親がいる家庭」や「子どもがいる夫婦の家庭」などといった個人的事情によって必要な生活は変わってきます。所得控除は、より大変な家庭事情をもつ家庭のほうが税金を低く抑えることができ、家計を助けてくれます。

 

所得控除と税額控除

所得にかかわる控除の話をするとき、2種類の控除について耳にします。1つは「所得控除(今回はこちらです)」もう1つは「税額控除」です。同じく所得にかかわる控除ですが少し意味合いが違います。

 

「所得控除」は、受け取った所得の合計額から差し引く控除で、所得金額から一定の控除額を差し引くことができます。
一方、「税額控除」は、各所得から計算された所得税額から、一定の控除額を差し引くことができる制度になります。

 

課税対象所得の計算方法

次に、所得税の計算方法をご紹介しておきます。

 

所得税は個人の所得にかかる税金ですが、総所得金額から所得控除を差し引くことで課税所得金額を計算し、その課税所得金額に税率をかけることで税額を求めます。この計算の中では課税所得金額を算出するために、まず所得控除を算出することになります。

 

まとめると、

 

所得金額-所得控除=課税所得金額

 

課税所得金額×税率=所得税額

 

同じ所得であっても、家庭の事情によって課税される金額が変わります。
総所得金額から所得控除を引いて計算された課税所得金額にかかる税率は以下の速算表を用います。

 

 

出典:所得税の税率|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

 

 

投資やお金の殖やし方が学べるマネカツセミナー
↓ 詳しくは画像をクリック ↓

 

 

所得控除の種類

 

 

今回は所得控除14種類についてひとつひとつ控除の中身と適応できる範囲を少し詳しくご説明いたします。

 

①基礎控除

全ての人が対象で、38万円控除されます。納税者の所得要件などはありません。

 

出典:No.1199 基礎控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm

 

②雑損控除

ご自身または同一生計の親族で総所得金額が38万円以下の方の資産について、災害または盗難などによって損失を受けた場合に、一定金額が控除されます。損害の原因は以下のいずれかになります。

 

①震災、風水害、冷害、落雷など自然現象による災害

 

②火災、火薬類の爆発など人為による異常災害

 

③外注などの生物による異常災害

 

④盗難

 

⑤横領

 

また、対象にならないものとして、別荘や事業用資産、1個の価格が30万円を超える貴金属、詐欺や恐喝の被害によって被った損失は対象になりません。また、適用を受けるためには確定申告をする必要があり、その年の所得から控除できなかった額がある場合には、3年間繰り越すことができます。

 

雑損控除の計算は、

 

・(差引損失額)-(総所得金額等)×10%

 

・(差引損害額のうち災害関連支出の金額)-5万円

 

のどちらか大きい金額になります。

 

※差引損害額は、「損害金額+災害等に関連したやむを得ない支出の金額-保険金などで補てんされる金額」で求めます。

 

出典:No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1110.htm

 

③医療費控除

医療費控除では、ご自身と家族のために支払った医療費が一定金額(一般的には10万円)を超えた場合に、200万円を上限にその超えた金額を控除できます。

 

計算式は、以下のようになります。

 

控除額=(医療費の支出額-保険金などによって補てんされる金額)-10万円

 

※ただし、総所得金額が200万円未満の場合は、10万円ではなく、「総所得金額×5%」で計算します。

 

医療費控除の対象になるものとならないものをあげると、以下になります。

 

 

医療費控除の適用を受けるためには会社員の方でも、確定申告する必要があることを覚えておきましょう。

 

出典:No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm

 

④社会保険料控除

ご自身と生計を一にする配偶者や親族の社会保険料を支払った場合に、その全額が控除されます。社会保険料とは、健康保険・国民健康保険料、厚生年金保険・国民年金保険の保険料、雇用保険の保険料、介護保険の保険料などがあたります。

 

出典:No.1130 社会保険料控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1130.htm

 

⑤小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済の掛金、確定拠出年金の個人拠出金、心身障害者扶養共済制度の掛金を支払った場合、その金額全額が控除対象になります。

 

出典:No.1135 小規模企業共済等掛金控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1135.htm

 

⑥生命保険料控除

その年に支払った保険料から契約者への配当(剰余金の分配など)を差し引いた金額が生命保険控除として控除されます。また、控除には3種類があり、適用限度額は、合計して12万円となっています。

 

・一般生命保険料控除

生存または死亡によって一定の金額の保険金、その他給付金を支払うことに関わる部分の保険料が対象となります。

 

・介護医療保険料控除

入院・通院などに伴う給付に関わる部分の保険料が対象となります。身体の傷害に対して保険金が支払われる傷害特約や災害割増特約などの保険料は対象外です。

 

・個人年金保険料控除

個人年金保険料税制適格特約の付加された個人年金保険契約などに関わる保険料が控除されます。

 

個人年金税制適格特約とは、

 

①年金受取人は契約者または配偶者で、被保険者と同一人

 

②保険料の払い込み期間が10年以上

 

③確定年金または有期年金の場合は、年金受取開始時に60歳以上で受取期間が10年以上

 

以上の3つの条件を満たすものです。

 

会社員の方の場合、確定申告の必要はなく、年末調整で生命保険料控除の適用が受けられます。

 

出典:No.1140 生命保険料控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm

 

⑦地震保険料控除

その年の損害保険契約などに関わる地震保険による損害部分の保険料や掛金を支払った場合、または2004年12月31日までに締結した長期損害保険契約に関わる保険料を支払った場合に、一定の計算式で算出された金額(最高5万円まで)が地震保険控除となります。

 

控除額の金額は以下の通りです。

 

 

出典:No.1145 地震保険料控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1145.htm

 

⑧寄附金控除

特定の寄付金の額を支払った場合に、一定の計算式によって算出された金額が控除されます。特定寄付金の対象になるのは、国または地方公共団体に対する寄付、日本学生支援機構や日本赤十字社に対する寄付などがあります。ただし、宗教法人や学校の入学に関する寄付金は控除の対象にはなりません。また、こちらも確定申告が必要です。

 

控除額は「特定寄付金の額または所得金額の合計額×40%のいずれか少ない金額-2,000円」で計算します。

 

出典:No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1150.htm

 

⑨障害者控除

自身または生計を一にする配偶者、扶養親族が障害者である場合に、障害者1人につき27万円、特別障害者の場合は40万円が控除されます。
障害者控除の対象になる方は、以下になります。

 

 

出典:No.1160障害者控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/1160.htm

 

⑩寡婦(寡夫)控除

ご自身が寡婦または寡夫に当てはまる場合に27万円が控除されます。また、扶養親族である子どもがいる場合には、合計所得500万円以下であれば、控除額は35万円となります。

 

出典:No.1170 寡婦控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1170.htm

 

⑪勤労学生控除

ご自身が勤労学生である場合に、27万円が控除されます。勤労学生とは、その年の12月31日に以下の3つの条件に当てはまる方のことを言います。

 

①給与所得など、勤労による所得があること

 

②合計所得金額が65万円以下かつ勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であること

 

③特定の学校の学生、生徒であること

 

・学校教育法に規定する小学校・中学校・高等学校・大学・高等専門学校など

 

・国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校又は各種学校のうち一定の課程を履修させるもの

 

・職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の過程を履修させるもの

 

出典:No.1175 勤労学生控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1175.htm

 

⑫配偶者控除

所得税の法上の控除対象配偶者がいる場合には一定の金額が控除されます。生計を一にする配偶者でその年の合計所得金額が38万円(年収103円)以下の場合、38万円控除されます。

 

ただし、青色申告者の事業専従者に該当する場合は、適用されず、また、婚姻届を提出していない内縁関係にある場合は配偶者控除の対象外になります。控除対象配偶者であって、年齢が70歳以上であった場合には、控除金額は48万円となります。

 

出典:No.1191 配偶者控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191.htm

 

⑬配偶者特別控除

配偶者の所得が38万円を超えてしまっているため配偶者控除が受けられない場合でも、配偶者の所得金額に応じて、一定金額の控除を受けることができます。条件は以下の6つです。

 

 

※2018年分以降は、年間所得38万円超123万円以下が要件となります。合計所得に対する控除額は以下の表のようになります。この控除を受ける場合には配偶者控除と併用はできません。

 

出典:No.1195 配偶者特別控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1195.htm

 

⑭扶養控除

控除対象の扶養親族がいる場合に、一定金額が控除されます。扶養対象となる方とは以下の通りです。

 

・一般の控除対象扶養親族

生計を一にする親族で、年齢が16歳以上で年間所得金額が38万円(年収103万円)以下である場合に、38万円控除されます。

 

・特定扶養親族

控除対象扶養親族のうち、年齢が19歳以上23歳未満である場合、63万円控除されます。

 

・老人扶養親族

控除対象扶養親族のうち、年齢が70歳以上である場合、48万円控除されます。

 

・同居老親等

ご自身、または配偶者の直系尊属(父母、祖父母など)で同居している場合には58万円控除されます。

 

出典:No.1180 扶養控除|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1180.htm

 

控除を受けるための手続き・申請方法

 

 

所得税の負担を軽くしてくれる控除を受けるためには、どんな手続きをすればいいかをまとめておきます。

 

勤め先による年末調整

会社員の方は、 「年末調整」で所得税を支払います。年末調整とは、1年間(その年の1月から12月)に支払われた給与から差し引かれた所得税を精算する手続きです。所得税は1年間の所得に対して税額が決まりますが、会社は従業員の毎月の給料から、所得税を差し引いています。

 

確定申告

給与所得者以外の方は、確定申告をして、所得控除の適用を受けます。確定申告は納税者自身が1月1日から12月31日までの1年間の所得を計算し、税務署へ税額を自己申告して税金を納めます。また、個人事業主などの方で、一定の水準の記帳を行い、正しい申告をすると特典を受けることができる「青色申告制度」というものがあります。

 

年末調整と確定申告が両方必要な場合

給与所得者であっても、次に当てはまる人は、確定申告しなくてはいけません。

 

 

出典:確定申告が必要な方|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/01/1_06.htm

 

青色申告特別控除:青色申告者のみに適用される所得控除

 

 

最後に先程の申請の話で出てきた、青色申告について、補足しておきましょう。

 

青色申告とは

青色申告とは、一定水準の記帳を行い、その記帳に基づいて正しい申告をする方については、所得金額の計算などについて有利な取扱いが受けられる制度になります。

 

青色申告控除を受けるための条件

青色申告控除を受けるためには、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。また、青色申告ができるのは、「不動産所得」「事業所得」「山林所得」のある方です。

 

控除額は10万円と65万円の2種類

不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいる青色申告者は最高65万円、それ以外の青色申告者については、不動産所得、事業所得及び山林所得 を通じて最高10万円を控除することとされています。

 

出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

 

まとめ

 

 

「所得税の控除とは?所得税控除の仕組みと種類」はいかがだったでしょうか。今回は、個人個人の事情に合わせて税金を公平に支払うことを目的としたシステムである所得控除について以下のことをまとめました。

 

・所得控除は14種類ある

 

・控除を受けるための手続きは、年末調整と確定申告がある

 

・年末調整をしている方でも、確定申告しなくてはいけない場合がある

 

・確定申告には、優遇制度である「青色申告」がある

 

所得控除の種類が、思っていたよりも多いと思われた方もいるかもしれませんね。もしかすると、みなさんもまだ適用できる控除があるかもしれません。ご自身の所得と控除について、一度確認してみてはいかがでしょうか。

 

 

監修者:大間 武(ファイナンシャルプランナー)

 

 

 

記事一覧に戻る
記事一覧に戻る

高年収女性のためのスマート投資術セミナー情報 資産運用や投資についてのセミナー初めての方向け 高年収女性のためのスマート投資術セミナー情報 資産運用や投資についてのセミナー初めての方向け

セミナー一覧を見る