毎年4月後半になりますと、土地、家屋などを持っている方には固定資産税の納税通知書が送られてきます。毎年のことなので税金の根拠も確認しないまま、払い続けている方が多数です。

この固定資産税とは何なのか、また、その計算は正しく、払いすぎていないのかについてご説明をします。

固定資産税の概要。誰がいつ支払うの?

固定資産税はどのような税金であり、誰がいつ支払うのかについて見てみることにしましょう。

 

固定資産税は、市町村税であり、東京都以外は住んでいる地域の市町村に支払い、地域の自治活動に使われる税金なのです。なお、東京都については、多摩、島嶼(とうしょ)地域については市町村が課税し、23区にある固定資産については、都が都税として課税します。

【参考】:東京都主税局HP
http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/kotei_tosi.html

納税義務者について

固定資産税の納税義務者は、毎年11日に該当市町村に、土地、家屋及び償却資産を所有している方が納税義務者となります。その市町村に住んでいるかどうかは関係ないのです。

 

従って、田舎の家は空き家にして、都市部に住んでいるという場合でも固定資産税は支払わなければなりません。

共有名義の場合はどうなるのか

土地や家屋が親子や夫婦などで共有名義になっている場合には、持ち分に関係なく、共同連帯して固定資産税を負担することになります。納税通知書は代表者に1通送られます。

 

一般的に代表者は、現在その土地に住んでおり、該当の固定資産の持ち分が一番多い方、もしくは登記簿の記載順位が一番早い方を市町村で基準を用いて判断しているのです。

 

代表者の変更は可能

この共有名義になっている場合の代表者については、市町村で決めていますが、共有名義者全員の同意があれば、各市町村に代表者の変更を申し出ることは可能です。

納税通知書を分けて発行してもらうことは出来ない

固定資産税は、もともと共有名義に関係なく、固定資産台帳に記載されている評価額に基づいて計算されており、納税通知ならびに納付書は代表者一人に送ることに決められています。従って、持ち分に応じて案分して発行することはありません。代表者を含む共有者全員で協議し、納付しなければなりません。

 

固定資産税はいつの時点でかかるのか

固定資産税は、毎年の11日土地や家屋を所有しているかどうかで、課税が決まってきます。そこに住んでいるかどうかではなく、所有している方にかかってくるのです。

納付時期について

固定資産税の納付時期については、各市町村によって異なっており、一般的に4月~6月ごろに通知書と納付書が届きます。数期に分けた納付書が来る場合が多いですが、一括の納付も可能になっています。

滞納を続けると差し押さえの可能性も

固定資産税の通知書と納付書が届いても、無視したり、忘れたりして支払わない場合には、督促状が送られてきます。それでも滞納し続けると、マイホームや家屋などを差し押さられてしまう可能性があります。

 

支払うことができない場合には、滞納するのではなく、市町村の担当部署に行って、事情を話して延納などの措置を依頼することが必要です。

都市計画税との違いとは?

固定資産税の通知書を見てみますと、固定資産税とともに都市計画税というものも請求されています。固定資産税はどこでも不動産を所有していることによってかかってくる税金ですが、都市計画税は市街化区域に所有している住宅のみにかかります。

 

市街化区域は、すでに市街化が形成されている地域や今後10年以内を目処に計画的に市街化を図る地域を言います。都市計画税については、通常税率は0.3%ですが、市町村によっては、税の不公平感が出るため、廃止している自治体もあります。

いくらかかるか知りたい! 固定資産税の計算方法とは

固定資産税の税金計算はどのように行われているのかについて見てみます。基本的には、各市町村の固定資産台帳に登録されている固定資産の評価額を元に計算が行われます。

 

この固定資産台帳に登録されている固定資産の評価額は、毎年11日時点での不動産の公示価格を元に算出されています。

固定資産税の計算式について

固定資産税の計算は、「固定資産台帳にある固定資産税の評価額 × 標準税率(1.4%)」によって行われています。但し、標準税率の1.4%については、自治体によって条例で変更している所もありますので、確認しておく必要があります。

 

また、実際には居住用土地、家屋の場合には軽減措置がとられており、実際にはもっと低い税率あるいは金額になっています。

土地と家屋の両方に固定資産税がかかる

固定資産は、土地と家屋の両方が計算の対象になっており、それぞれ1.4%がかかってきます。

 

但し、前述の通り土地も家屋も居住用の場合には軽減措置がありますので、税率がそのまま適用されている場合は少なくなっており、どの軽減措置がとられているのかを確認しておく必要があります。

土地の固定資産税の計算方法

土地の固定資産税は、固定資産台帳の固定資産税評価額に対して1.4%がかかってきますが、住宅用地の場合には軽減措置が認められています。この軽減措置は、用途の変更などの土地の状況が変わらない限り、継続して軽減を受けられます。

 

計算式は、「固定資産評価額×1.4%×軽減率」で計算されます。

 

一般用住宅地の場合

住宅用地でも、200平米を越える宅地(一般住宅用地)の場合には、税率は1.4%1/3に軽減されます。すなわち、0.4667%になります。

 

「固定資産評価額×1.4%×1/3」となるのです。

 

また、都市計画税も2/3に軽減され、0.2%になります。

小規模住宅用地は特例がある

住宅用地でも、200平米までの小規模住宅用地の場合には、一般住宅用地よりも軽減率は大きく、1.4%1/6となります。すなわち、0.2333%と大きく下がります。また、都市計画税も1/3に軽減され、0.1%になります。

 

家屋の固定資産税の計算方法

基本的には家屋の固定資産税率も土地と同様に1.4%になりますが、住宅用の家屋にはいろいろな軽減措置が講じられています。

一般的な家屋の場合

通常の住居用家屋の固定資産税の計算は、「家屋の固定資産税評価額×1.4%」で行われます。

 

家屋の固定資産税評価額は、建築時にかかる住宅取得税の取得価格を元に、経年減点補正率という評価額が下がっていく方式を使って各市町村で計算されています。ただ、この経年減点補正率では評価額は8割程度までしか下がりませんので、どれだけ住宅に住んでいても家屋の固定資産税はそれほど下がらないのです。

 

新築住宅の税額控除とは?

新築の住宅用家屋の場合には税額控除の形で軽減措置を一定期間受けることができます。原則として、固定資産税額は1/2に軽減されるのです。(2020331までに新築された場合の特例)

【参考】
https://www.mf-realty.jp/tebiki/mtebiki/09.html

 

但し、新築でも戸建ての場合とマンションの場合では軽減される期間が違います。マンションの場合には軽減措置は新築後5年間受けられますが、戸建ての新築住宅の場合は3年間になります。

 

また、この軽減措置が受けられるのは、一戸当たりの居住面積が120平米までであり、それ以上の部分については通常の固定資産税額になります。

 

新築住宅の場合には、それ以外でも時限立法により軽減措置が設けられています。国土交通省の基準に合致した長期優良住宅では、軽減措置の期間が2年延長されますし、登録免許税、不動産取得税などの優遇措置もあります。

 

それ以外に、3階建て以上の耐火構造・準耐火構造の住宅の軽減措置、耐震建て替え家屋、耐震改修の軽減措置、バリアフリー改修工事の軽減措置、省エネ改修工事の軽減措置などがありますので、それぞれ建設業者などに確認してみるようにしてください。

 

簡単に固定資産税を知るには?

以上のような固定資産税の軽減措置の種類のうち、実際の固定資産税にどれが適用されているのか、また、それにより固定資産税はいくらになるのかについては、住宅を購入する際には不動産会社に計算してもらえます。また、改修工事の場合には建築会社に確認してもらうことで、簡単に知ることができます。

 

固定資産税は住宅の購入後も、毎年かかってくるものですので、最初によく確認しておき、実際に市町村から通知書と納付書がきた時に軽減措置などがきちんと行われているか確認してみるようにしましょう。

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固定資産税を払い過ぎないためにはどうしたらいいのか

固定資産税は、毎年支払うものですが、知らない間に長期間払い過ぎていたと言う場合もあるのです。そのため、通知書の税額が本当に正しい金額なのかを調べてみることも必要です。

固定資産税の払い過ぎが問題になっている

固定資産税は4月の短い期間に算出して、納付書を送る必要があるために、各自治体で確認が充分にされないままに請求される場合もあり、払い過ぎが問題になっているケースもよく報じられています。

 

従って、送られてくる固定資産税の納付書は一度確認してみる必要があるのです。

住宅用地の特例が適用されているか確認する

まず確認すべき事項として、住宅用地の軽減措置がきちんと適用されているのかを見てみる必要があります。住宅用地の軽減率は1/31/6と大きく、しかもその軽減率は用途を変更する場合を除いて変わりませんので、適用されていない場合の差は大きいのです。

二世帯住宅の場合は要確認

親子で二世帯住宅になっている場合にはよく注意して見ることが必要です。実際に構造や機能が二つの世帯に別れていると認められた場合には、2軒分の特例措置を受けることができるのです。

 

すなわち、200平米の土地にそれぞれ100平米の二世帯住宅が建てられている場合には、それぞれ100平米に対する軽減措置を受けることが可能なのです。持ち分による案分ではなく、2軒分の住居と見てくれます。

 

従って、2世帯住居かどうかを市町村とよく相談してみる必要があります。

 

相続した土地は登記簿の面積が正しいか確認する

親からの相続を受けた古い住宅の場合には、後から取り壊したり、改造していたりする場合がありますので、登記簿の面積が正しいかどうかを確認してみることも必要です。

 

すでになくなっている家屋についても固定資産税がかかっている場合があります。古い家屋の場合は軽減措置が適用されませんので、金額が大きく違っていることもあるのです。

私道やセットバック部分の扱いに注意

住宅を購入する場合に私道負担があり、土地の前の部分が道路になっている場合があります。また、公共道路の拡張などのためにセットバックをして道路になっている用地もあります。

 

このような私道負担やセットバックの場合には、税の公平性の観点からそれらの土地については非課税扱いとなっているのです。

 

しかし、そのような私道負担の土地やセットバックの土地も固定資産税の対象として税金がかかっている場合があります。そのような場合には、市町村に申請すれば非課税となり、固定資産税が安くなる可能性が高いです。

 

通知書でよく確認してみてください。

自治体任せにせず、自ら固定資産税について知ることが大切

固定資産税は、短い期間にそれぞれの自治体で計算が行われるため、計算誤りや確認漏れが生じている場合が多数見られます。

 

そのため、自治体からくる通知書に基づいてそのまま支払うのではなく、自分でその税額が正しいのかを確認してみることが大切です。また、新しく住宅を購入する場合には販売業者によく確認して、その通りの金額で請求が来ているのかを確認する必要もあります。

 

それによって、固定資産税が大きく下がるということもあるのです。

 

家を買う前に、固定資産税について詳しく知っておこう

固定資産税は、住宅を所有している限り、毎年支払い続けるものです。しかも、短い期間に市町村で計算が行われるため、計算誤りや確認不足で税額が多く請求されているケースも多数見られます。

 

従って、固定資産税の計算についてよく知り、税額が正しいのか確認してみることが必要なのです。

 

監修:小林 弘司(不動産コンサルタント)