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お金 2018.11.15

【税理士監修】知らない人は損する?固定資産税を軽減するための基礎知識

 

 

固定資産税は、毎年4月上旬~6月上旬頃に自治体の方から送られてくる税金で、個人で自宅などの不動産を持たれている方が対象になっています。

 

固定資産税は毎年3月後半に発表される公示価格を元に固定資産台帳に記載され、それを元に税額が決められていますが、軽減措置があることをご存じないまま納付されている方が多いのではないでしょうか。

 

今回は、固定資産税の軽減措置とそれを受ける方法についてご説明します。

 

固定資産税の基礎知識

 

固定資産税は、毎年4月上旬から6月上旬頃に送られてくる税金ですが、たいていの方は送られてくる納付書に基づいて一括納付か分納である4期に分けて支払いをされています。この固定資産税の基礎知識について少し詳しく見てみます。

 

なお、4月、5月、6月と自治体によって納付時期が異なります。各月の上旬に納付書が届くので、それぞれ月末が納付期限となります。

 

市町村に支払う税金

固定資産税は地方税になりますが、都道府県ではなく、市区町村に払う税金になっています。市県民税とは別に市区町村の財政を支える税金になっているのです。(なお、東京都区部の場合は東京都になります)

 

ただ、都市圏とローカル地域の地価には大きな差があり、都市部は人口も多く、その収入格差は大きくなっています。また、日本の人口は減少局面にあり、地方の過疎化も進んでいるため、地方の財源としても限界が近づいているのが現状です。

 

1月1日時点の土地・家屋所有者に課税される

この固定資産税の税額の根拠になっているのは、毎年1月1日時点の土地・家屋であり、公示価格の70%程度に課税標準額が決定されて固定資産台帳に掲載されます。そしてその固定資産台帳の課税標準額に対して一定の税率をかけたものが土地・家屋の所有者に課税されるのが固定資産税なのです。

 

公示価格は、毎年1月1日時点の各地の基準値標準価格としての地価を不動産鑑定士が鑑定し、その結果を国土交通省や都道府県の土地鑑定委員会が検討、認定して発表される地価です。

 

計算方法は「課税標準×1.4%」が原則

固定資産税は、公示価格を元に、想定される地価の70%を課税標準(課税対象額)にして、その価格に1.4%を掛けたものになっています。

 

しかし、不動産には土地と建物があり、あくまでも公示価格で決まるのは土地の地価であり、建物については取得価格の70~80%で決められています。

 

固定資産税は毎年課税される

固定資産税は、1月1日時点で固定資産を有している方に毎年課税される税金です。

 

バブル期のように急に地価が急上昇した場合には実際に取引される価格よりもかなり低く出てしまいますし、逆にバブル崩壊して地価が大きく下落しても公示価格は低くなる現象も見られました。

 

しかし、現在では地価は下げ止まり、むしろ上昇に転じているところもあり、公示価格も落ち着いて固定資産税額もそれほど変動しなくなっています。

 

軽減税率や優遇措置が認められている

この固定資産税には、通常の課税方式に対して軽減税率や優遇措置が設けられています。しかし、あくまでも市区町村税であり、それの適用の詳細については居住されている地域で差がある場合もあります。

 

固定資産税は自分で動かないと軽減されない

固定資産税は、所得税のように自分で申告(源泉徴収税は会社が申告)して決まる税金ではなく、市区町村がかってに公示価格に基づいて決める税金です。従って、個々の事情は考慮されていませんし、間違いもあります。

 

そのため、間違いがある場合には訂正の申請が必要ですし、固定資産税の軽減税率や優遇措置を受けるためには、取得時に市区町村に行って申請(業者がしてくれる場合もあり)をしなければ、なかなか受けられないのです。

 

市区町村による土地と建物の課税ミスがある

市区町村内にある不動産である土地、建物は特に都市部の場合にはかなりの件数にのぼります。それを僅か1カ月に満たない間に税額を算出するためには、機械的な作業とそれを管理する人間の数にも限界があり、課税ミスも多く見られます。

 

そのために、本来は通知書が送られてきた段階で、固定資産税額を調べてその税額が正しいのか確認する必要があります。しかし、固定資産税の通知が送られてきても、納付書の記載のまま支払われる方がほとんどです。

 

毎年課税額が正しいかどうかしっかりと確認しましょう。

 

固定資産税の評価に疑問を持った場合は評価額審査の申し出が可能

固定資産税の税額根拠となる評価額に疑問などを持った場合には、各市区町村に評価額審査の申し出が可能になっていますので、ぜひ行ってしてください。その方法について紹介します。

 

申出人

固定資産税の不動産評価額に疑問を感じた場合には、不動産の所有者(固定資産税課税対象者)は、各自治体にある固定資産評価審査委員会に評価額査定を申し出ることができます。なお、所有者の代理人が申し出ることもできますが、委任状に所有者の押印が必要です。

 

内容

固定資産税評価審査委員会は、知事から独立した今はやりの第三者委員会であり、基本的に公正中立の立場で固定資産台帳に記載された評価額が適正に決められたものかを審査してくれます。

 

固定資産税評価審査委員会が申し出を受ける事項は評価額だけです。評価額以外の軽減などの適用などについての不服については、行政不服審査法に基づいて審査請求を自治体首長にすることになります。

 

期間

固定資産税の不動産の評価額についての審査請求をできる期間は、該当年度の4月上旬から9月上旬までの半年間になります。

 

また、固定資産台帳の評価額にその後修正があった場合には、その時点から3カ月間が申し出期間になります。

 

方法

固定資産評価額審査の申出は、固定資産の所在する各市区町村の税担当部署に行ないますが、書面で郵送による申出も期間内の消印があれば可能です。収受印の押された控えが返却されます。

 

審査申し出書の様式は、各自治体のホームページからダウンロードすることができます。また、委員会の事務局や各自治体の税務担当部署でも入手は可能です。

 

住宅用地の軽減措置

 

 

固定資産税の根拠(固定資産台帳)になる評価額についての疑問がなければ、次は住宅用地の軽減措置が適正に適用されているかを確認する必要があります。

 

基本的には評価額に対して全国一律に1.4%の税率で税額が決められますが、住宅用地などについては軽減措置が認められているのです。

 

この住宅用地の軽減措置について見てみます。

 

状況が変わらない限り続く

一度軽減措置がとられますと、時限立法以外では、用途の変更などの状況に変化(申告されたもの)がない限り続きます。

 

適用条件

住宅用地は、自身が居住するための家屋が建っている敷地であり、庭、駐車場を含みます。ただし、同じ敷地などにアパートなどを建てている場合には、自宅との面積などの割合などで軽減措置が変わってきます。

 

また、この住宅用地は、その面積によって軽減率が変わってくるので注意が必要です。すなわち、

 

・小規模住宅用地(200平米まで) 課税標準額を6分の1に減額

 

・一般住宅用地(200平米を越える)課税標準額を3分の1に減額

 

となっているのです。

 

小規模住宅用地の場合

住宅用地の軽減措置は、その面積によってその軽減率が変わってくるのです。小規模住宅用地(200平米まで)の場合には、課税標準額を6分の1にまで減額してもらえます。すなわち、通常の固定資産税が1.4%ですから、住宅地の固定資産税率は実質0.233%程度まで下げてもらえるのです。

 

地価の高い都市部の場合には、小規模住宅用地が多く、かなりの方が軽減措置を受けられます。

 

また、都市計画税も評価額が3分の1となります。都市計画税は通常税率が0.3%ですので、0.1%になるのです。

 

一般住宅用地の場合

200平米を越える一般住宅用地の場合にも、課税標準額は軽減を受けられますが、軽減の割合は3分の1であり、小規模住宅用地の半分になります。これにより、住宅地の固定資産税率は、実質0.47%程度になるのです。

 

また、都市計画税は、一般住宅用地の場合には、評価額が3分の2になりますので、税額は0.2%に軽減されます。軽減措置が適用されているかどうか確認しましょう。

 

新築住宅に対する固定資産税の軽減措置

 

 

住宅用地の軽減措置は土地の固定資産税率の軽減ですが、実際に居住する新築の住宅用建物についての固定資産税の軽減措置もあります。

 

新築の戸建て軽減措置は、3年間の固定資産税が2分の1に軽減され、マンションの場合には5年間2分の1に軽減が適用されます。

 

特別な申請は不要

新築住宅の固定資産税の軽減措置は特別に申請しなくても、建築時にかかる住宅取得税が課せられることに伴い、それを元に課税されます。

 

適用条件

新築住宅の軽減措置が受けられるのは、1戸当たり120平米相当分までになります。従って、戸建てもマンションもこれを越えている部分については、軽減措置が受けられず、1.4%のままです。

 

長期優良住宅の場合

新築住宅の軽減措置は一般住宅であり、長期優良住宅に該当する場合には、さらに優遇措置を受けられます。ただし、時限立法になっており、2020年3月31日までに取得した新築の長期優良住宅に限られます。(延長される可能性はあります。)

 

長期優良住宅は、長期にわたって住宅が良好な状態で使用できるように、国土交通省が決めた基準に従って建築された住宅であり、国土交通省が認定する制度です。

 

新築などの際に申請された物件について、認定長期優良住宅建築証明書が発行され、それによって固定資産税だけでなく、所得税の住宅ローン減税、登録免許税、不動産取得税なども軽減されます。

 

固定資産税の優遇措置は、減額率は変わりませんが、適用される期間が、戸建ての場合は5年間(通常3年間)、マンションの場合は7年間(通常5年間)と長くなります。

 

また、長期優良住宅として認定されるためには、床面積が50平米以上280平米以下の必要があるのです。

 

3階建以上の耐火構造・準耐火構造住宅の場合

3階建て以上の耐火構造や準耐火構造の新築住宅の場合にも同様の軽減措置があります。但し、通常の新築住宅との重複はできず、固定資産税の評価額の2分の1は同じです。期間はマンションと同じ5年間に限られ、長期優良住宅と同じ期間になります。

 

3階建以上の耐火構造・準耐火構造住宅以外の場合

基本的には、3階建以上の耐火構造・準耐火構造住宅以外の場合には、通常の戸建ては2分の1の軽減税率が3年間適用されることになります。

 

その他の軽減措置

 

 

固定資産税の軽減措置には、通常の軽減措置以外にもさまざまなものが設けられています。

 

耐震建て替えに関する固定資産税の軽減措置

1982年1月1日以前からある家屋を取り壊して、新たに耐震化を含めた建て替えを行う場合には、固定資産税の軽減措置が受けられます。

 

新築後に課税される年度から3年間は固定資産税が全額減免されます。適用される条件としては、居住家屋の2分の1が新築であることや古い家屋を取り壊してから1年以内に建てられていることなどがあります。

 

マンションの建て替えの場合でも対象になる場合がありますので、それぞれの市区町村に確認してください。

 

耐震改修に関する軽減措置

既存の住宅を耐震改修工事した場合には、翌年1年分の固定資産税が2分の1に減額されます。

 

条件としては、耐震改修工事費用が50万円を越え、住宅が1982年1月1日以前から存在する住宅であることです。なお、適用された住宅でも120平米相当分の固定資産税に限られます。

 

また、現在のところは、2020年3月31日までの時限立法になっています。(延長される可能性はあります。)

 

バリアフリー改修工事に関する固定資産税の減額措置

バリアフリーのための改修工事を行なった住宅については、工事を行なった翌年度分の固定資産税が3分の1に減額されます。(100平米相当分までの固定資産税に適用)

 

但し、工事費用が50万円超であり、賃貸住宅でないことが要件です。
また、該当する住宅には、65歳以上の方、要介護又は要支援の認定を受けている方、障碍者の方のいずれかの方が居住されている場合に限られます。

 

また、工事要件などもありますので、地元の市区町村に相談してください。

 

省エネ改修工事に関する軽減措置

省エネのために自宅の改修工事を行なった場合にも固定資産税の軽減措置を受けられます。翌年分の固定資産税(120平米相当分まで)が工事の翌年度に3分の1に減額されるのです。

 

これも時限立法で2020年3月31日までの工事に限られています。(これも延長される可能性はあります。)工事費用が50万円超であること、賃貸住宅ではないことで、工事後の床面積が50平米以上280平米以下で、全体の2分の1以上が居住用であるなどが条件になります。

 

省エネ改修工事の要件などもありますので、市区町村の地方税担当部署に問い合わせてください。

 

空き家に関する減免規定

現在は空き家になっている家屋の固定資産税については、減免規定が適用されています。ただし、空き家の増加が社会問題になっていることから、この減免規定は見直しの方向にあります。

 

従来は、もともと住んでいた住居が空き家になっても建物が建っている場合には、軽減措置が受けられたのです。(住居以外との申告がない限りは、軽減措置が継続)すなわち、建物が建つ住宅用の土地は、200平米まで6分の1、200平米超部分は3分の1に軽減されています。

 

ただし、2016年度からは、特定の一部空き家については、軽減措置の対象外になる可能性があるのです。

 

危険な空き家は対象外になる可能性がある

2014年に空き家対策特別措置法が成立し、倒壊の危険がある空き家の場合には、各市区町村が所有者に撤去・修繕などの指導をして、従わない場合には勧告・命令が出せ、代執行ができるようになりました。

 

この対象になった場合には、固定資産税の軽減を受けられなくなり、通常の税額(1.4%)を支払うことになります。

 

自治体が支援策を行っている場合もある

なお、自治体によっては、空き家になっている危険な建物を除去する場合に支援が受けられる制度があるところがあります。

 

建物を除去する場合は、5年間の土地の固定資産税と都市計画税を80%減免になります。また、不燃化住宅への建て替えの場合には、整地費の100%助成などの支援を行い、さらに建物の固定資産税、都市計画税を5年間全額免除のケース(東京都荒川区)もあるのです。

 

詳しくは、地元の市区町村に問い合わせてください。

 

まとめ

 

 

固定資産税は、毎年市区町村の地方税担当部署から4月上旬から6月上旬頃には通知書が送られてきます。それに従って一括で納付か分納である4期に分けて納付するのが通常です。

 

しかし、固定資産税には、課税ミスがあったり、軽減措置もあったりするので、通知書が届いたらよく確認する必要があります。

 

その確認の方法や軽減措置のあらましについてご説明しました。

 

監修者:添田 裕美(税理士)

 

 

 

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