2017年からほぼすべての現役世代が加入できるようになった「iDeCo(イデコ)」と2018年から始まった「つみたてNISA」。将来の資産形成を自分で行う代わりに、政府が税制面で優遇してくれる制度です。

iDeCo(イデコ)とつみたてNISAは両方とも利用して、ずっと使い続けるのがベストです。しかし、なかには資金的な余裕がないなどの理由で、「両方は難しい」という方もいるでしょう。

そこで、今回はiDeCo(イデコ)とつみたてNISAの違いを徹底的に比較してみました。そして、どちらを選べば良いのか、そのポイントを詳しく解説します。

iDeCo(イデコ)とつみたてNISAの違い

iDeCo(イデコ)とつみたてNISAの主な違いは次のようになります。

それでは、詳しく見ていきましょう。

違い1:加入条件と途中解約  

● iDeCo  日本国内に住む20~60歳未満

● つみたてNISA  20歳以上

 

iDeCo(イデコ)もつみたてNISAも20歳以上ならほとんどの方が加入できます。ただし、iDeCo(イデコ)には年齢制限(60歳まで)があります。

20歳以上の現役世代は、iDeCo(イデコ)とつみたてNISA両方加入できます。ただ、両方始めるのが難しい人はどちらから始めれば良いのでしょうか? iDeCo(イデコ)は原則として60歳まで引き出すことができません。

通算加入期間が10年に満たない場合は、引き出せるのが60歳以降になる点に注意が必要です。ただ、iDeCoは老後の生活に必要な資産を形成するための「自分年金制度」です。いつでも引き出せるようになったら、老後資金を用意できないかもしれません。中途解約が制限されているのは合理的といえます。

ただし、病気やケガなどで仕事を休まざるを得ない時や、急にお金が必要になることもあります。そのような場合には、いつでも解約できる「つみたてNISA」の方が適しています。

老後の資金を貯めるために余裕資金がある方はiDeCo(イデコ)。資金的に余裕はないが、将来に向けて資産形成をしたいという方は「つみたてNISAから始めると良いでしょう。

【ポイント】

● 60歳以上の人はiDeCoでの運用は不可

● 20歳以上の現役世代は、老後資金のための余裕資金があれば「iDeCo」、あまり資金的な余裕がない場合は、いつでも解約できる「つみたてNISA」

違い21年間に投資できる金額と運用期間

● iDeCo 14万4,000円~81万6,000円(最低5,000円) 60歳まで続けることが可能

● つみたてNISA 年間40万円(最低100円) 最長20年

 

次に非課税投資枠と運用期間について見ていきましょう。

iDeCo(イデコ)は職業や年金加入状況により拠出できる金額(上限)が異なります。以下の表をご覧ください。

*会社員①:企業年金なし

 会社員②:企業型確定拠出年金のみ加入

 会社員③:確定給付型の企業年金あり

iDeCo(イデコ)の場合、職業や企業年金の加入状況に応じて毎月拠出できる金額が変わる仕組みです。掛金は5,000円以上からで、1,000円刻みで金額を設定できます。iDeCo(イデコ)は60歳までずっと続けられます。

一方、つみたてNISAの非課税投資枠は一律年間40万円、月額では3万3,000円程度になります。また、運用期間は最長で20年と決まっています。

【ポイント】

● 20年以上積み立てる予定なら「iDeCo」

● 公務員や確定給付型の企業年金がある会社員など、iDeCoの上限が低い人は「つみたてNISA」

 

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違い3:税制面での優遇

● iDeCo  :拠出時、運用時、受取時すべてで税制優遇あり

● つみたてNISA :運用時の非課税のみ

 

iDeCo(イデコ)には次の3つの節税効果があります。

1)拠出時

1つ目は、掛金が全額所得控除になることです。所得額が下がれば、所得税と住民税が安くなります。年収と拠出金額が多いほど、節税メリットは大きくなります。

(2)運用時

値上がり益や分配金が全額非課税になります。通常、投資信託などの運用益に対して20.315%の税金がかかります。例えば、投資信託で10万円の運用益を上げた場合、

10万円×20.315%=2万3,150円

2万3,150円の税金がかかりますが、iDeCo(イデコ)では非課税になります。

 (3)受取時

iDeCoでは、受取時にもメリットがあります。60歳で一度に受け取ると、退職金と同じように退職所得控除の対象になります。また、年金のように定期的に受け取ると、公的年金等控除が適用されるのです。

このように、様々な節税効果のあるiDeCo(イデコ)に対し、つみたてNISAでは運用時のみ非課税となります。

【ポイント】

 ● 税制面でのメリットは圧倒的にiDeCoがおトク。

違い4:金融商品の種類 

● iDeCo :投資信託・保険商品・定期預金

● つみたてNISA: 投資信託のみ

 

iDeCo(イデコ)の運用商品は、投資信託の他、元本確保型の定期預金や保険商品も含まれています。

一方、つみたてNISAは「長期・積立・分散投資」に適した投資信託を金融庁が厳選しています。

それでは、どのような金融商品を選べばいいのでしょうか?初心者の方には、iDeCo(イデコ)もつみたてNISAも「バランス型投資信託」をオススメします。

バランス型投資信託とは、世界中の株式や債券にバランスよく投資するファンドです。資産配分やリバランス(銘柄の調整)を自動的に行ってくれます。

それでは、人気のあるバランス型投資信託を2つご紹介します。

 

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 

  • 基準価額 10,976(45日時点)
  • 運用会社 三菱UFJ国際投信
  • 信託報酬 17172

 

 

国内外の株式や債券、リート(不動産)の8資産に12.5%ずつ均等に配分します。信託報酬が0.17172%以内とバランス型投資信託の中で最安水準です。信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうための費用で、保有している間ずっとかかるコストです。

出典:三菱UFJ国際投信

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド

  • 基準価額 14,835(45日時点)
  • 運用会社 セゾン投信
  • 信託報酬 62

 

バンガードは世界のインデックス型投資信託の中でもナンバーワンのシェアを誇ります。このファンド1本で世界30ヵ国以上の株式と10ヵ国以上の債券に分散投資できるのが魅力です。資産配分比率は以下のようになります。

出典:セゾン投信

どちらの投資信託もiDeCo(イデコ)、つみたてNISA対象商品です。ただし、金融機関によっては取り扱っていない場合があるので、必ず問い合わせて確認するようにしてください。

【ポイント】 

● iDeCoもつみたてNISAもバランスファンドで運用を始めるのがオススメ

違い5:運用コストや手数料 

● iDeCo :加入時手数料・運営管理手数料・信託報酬・受取手数料

● つみたてNISA:信託報酬

 

iDeCoの手数料は次のようになります。

  • 加入時     2,777円
  • 運営管理手数料 月167円~
  • 信託報酬 金融機関による
  • 受取時  432円(送金1回につき)

iDeCo(イデコ)では、加入時の初期費用として2,777円がかかります。また、毎月の口座管理手数料は最も安い金融機関で167円、高いところだと671円かかります。さらに投資信託の信託報酬と受取時の手数料もかかります。

一方、つみたてNISAは、購入時の手数料がかからないノーロードファンドがほとんどです。また、コストは信託報酬のみなっています。

【ポイント】  

● 手数料の安さで選ぶならつみたてNISA

まとめ

今回は、iDeCo(イデコ)とつみたてNISAの違いと、どちらがオススメかを解説しました。まとめると次のようになります。

違い1:加入条件と途中解約

  • 60歳以上の方は「つみたてNISA」のみ
  • 20歳以上の現役世代は、老後資金のための余裕資金があれば「iDeCo(イデコ)」、あまり資金的な余裕がない場合は、いつでも解約できる「つみたてNISA」

 

違い2:1年間に投資できる金額と運用期間

  • 20年以上積み立てる予定なら「iDeCo(イデコ)」
  • 公務員や確定給付型の企業年金がある会社員など、iDeCo(イデコ)の上限額が低い方は「つみたてNISA」

 

違い3:税制面での優遇

  • 税制面でのメリットは圧倒的に「iDeCo(イデコ)」がおトク。

違い4:金融商品

  • 「iDeCo(イデコ)」も「つみたてNISA」もバランスファンドで運用を始めるのがオススメ

違い5:運用コストや手数料

  • 手数料の安さで選ぶなら「つみたてNISA」

iDeCo(イデコ)とつみたてNISAは両方投資できますが、どちらかを選ぶ場合は、今回ご紹介した違いとポイントを押さえて、ご自身の運用スタイルに合った方を選択するようにしましょう。

記事 山下 耕太郎

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