ふるさと納税の制度が始まってから10年以上が経ち、毎年ふるさと納税の話題と一緒に住民税という言葉もニュースなどで耳にするようになりました

住民税という言葉は多くの方が知っていますが、住民税の具体的な内容や、徴収方法となるとわからない方も多いでしょう。

今回は、住民税の内容から、徴収方法まで解説します。

 

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1.住民税とは

住民税は、都道府県民税と市区町村民税からなり、都道府県もしくは市区町村が住民に対して行う行政サービスに必要な経費を分担して支払う税金です。

住民税には「個人住民税」と「法人住民税」の2種類ありますが、ここでは「個人住民税」について解説します。

住民税は、前年の所得に応じて計算する「所得割」と、定められた額で一律に課税される「均等割」の合計です。

所得割は、前年度の1月から12月の所得金額(収入金額から必要経費を除いた金額)をもとに算出されます。

所得金額から控除額(基礎控除、扶養控除、生命保険料控除、社会保険控除など)を引いたものが、課税の対象となる金額です(課税標準額)。

その課税標準額に対して、標準税率10%(道府県民税+市町村民税)を掛けることで所得割の税額が算出されます。

もし、配当控除、住宅ローン控除などの税額控除がある場合は算出された所得割の税額から引くことができます

一方、均等割は所得から算出するのではなく、すべての住民一律に一定の税金を課す制度で、市民村民税が3,500円道府県民税が1,500円となっています。

参照:総務省

2.住民税の徴収方法

住民税の納付方法は、本人が納める「普通徴収」と会社が給与から天引きし、本人の代わりに納付する「特別徴収」の2種類があります。

 ①普通徴収

まずは普通徴収方法について確認していきましょう。

〇普通徴収とは

市区町村から送付される納税通知書を使用して、納税義務者本人が直接納税する方法です。

〇主な普通徴収者

普通徴収対象者となるのは、

・給与所得以外の所得のある方

・退職して次の就職先がまだ決まっていない方

・次の就職先は決まっているが特別徴収の申請手続き中の方

・特別徴収から普通徴収への切り替えが認められた方

などが対象です。

〇普通徴収の時期

前年の所得から算出された住民税額を当年の6月、8月、10月、翌年1月の4回に分けて支払います。6月頃にまとめて納付書が送付されますので、その時に一括で納入することも可能です。

〇納付期限を過ぎた場合の延滞税

納付期限を過ぎると翌日から延滞金が発生してしまいます。納付期限翌日から納付日までの日数で算出されるため、期限を過ぎてしまった場合は1日でも早く納付するようにしましょう

〇市区町村によりクレジットカード払いでポイントを貯めることができる

市区町村によっては、納付方法としてクレジットカード納付に対応しています。クレジットカードで納付することでポイントを貯めることができます

クレジットカード払いに対応しているかどうかは、事前に各市町村のホームページなどで確認するようにしましょう。

〇普通徴収から特別徴収への切り替え

年度の途中で会社に就職し、普通徴収から特別徴収に切り替えることになった場合は、市区町村役場に「特別徴収切替届出(依頼)書」を提出します。納期限が過ぎている税額は特別徴収に切り替えできないため直接納税しなければなりません

②特別徴収

次に特別徴収方法について確認していきましょう。

〇特別徴収とは

給与支払者である事業主が、所得税の源泉徴収と同様に納税義務者である従業員に代わって、納入する制度です。法人、個人を問わず、事業主は特別徴収義務者として、すべての従業員に対して個人住民税の特別徴収を行う必要があります

〇特別徴収の時期

前年の所得から算出された住民税額を、当年の6月から翌年の5月までの間に     毎月の給与支払額から住民税額を天引きし、翌月の10日までに市区町村に納めます

〇年金からの特別徴収

65歳以上の公的年金受給者で個人住民税を納めている方は、住民税の納付は平成21年10月から公的年金からの引き落とし(特別徴収)となりました。

それまでは、公的年金受給者で、個人住民税の納税義務がある方は、年4回銀行等の窓口に足を運んで個人住民税を納めていました。

公的年金からの引き落としとなり、納税者側の手間も省かれ、市区町村側も業務の効率化が見込めるようになりました

参照:総務省

③特別徴収から普通徴収への切り替え

基本的には、全事業所を特別徴収義務者と指定されています。しかし下記のような場合は、専用の切替申請書兼理由書を市区町村へ提出し、承認されれば特別徴収から普通徴収に切り替えることできます。

また、切り替える場合には申告理由など妥当性の判断が市区町村によって異ならないように、更なる統一化を図っています。

・給与所得者総人数が2名以下

・ほかの事業所で特別徴収

・毎月の給与が少なく、税額を特別徴収しきれない

・給与の支払いが不定期

・専業専従者

・退職または5月末までの退職予定者及び求職者

参照:総務省

〇給与以外に所得がある場合は

会社に勤めていて給与を受け取っている場合は、基本的に住民税の納付は会社が代わりに行ってくれます。しかし会社の給与以外にも所得がある場合は、別途確定申告をして、納付する必要があります。

所得税は、給与以外の所得が20万円を超えている場合は確定申告が必要です。その際、住民税の納付方法については、特別徴収にするか、普通徴収にするかを選択することができます

所得が20万円以下の場合は、確定申告は不要ですが、住民税はそのような取り扱いはなく、住民税の申告が必要になりますので注意しましょう。20万円以下の住民税の申告の際も、自分で納付という方法を選択することは可能です。

3.特別徴収と普通徴収の比較

特別徴収と普通徴収について個別で確認してきましたが、会社、納税者、地方自治体のそれぞれの立場から確認していきましょう。

①会社側のメリット・デメリット

特別徴収することで、従業員の納付手続きの負担を減らすことができ雇用維持につながります

特別徴収は従業員の代わりに会社が納税をするため、経理担当者等の事務負担が増えることにもなります。また、業種によっては、パート、アルバイト等の短期従業員が多い会社にとっては、入退社の切り替え手続きが煩雑になり、負担が多くなります。

普通徴収の場合は会社の事務負担が少ないと言えるでしょう。

②納税者のメリット・デメリット

特別徴収の場合、会社が代わりに納付をしてくれるため、納税の手間を省くことができ、納め忘れの心配もありません

また普通徴収の納期が年4回であるのに対し、特別徴収は年12回なので、1回あたりの納税額が少なくて済みます

ただ最近ではクレジットカード払いが可能な途方自治体も増えてきたので、普通徴収の場合でも支払作業が楽になり、ポイントを無駄なく貯めたい人にとっては普通徴収でもメリットを感じることができるでしょう。

③地方自治体のメリット・デメリット

地方税の滞納残高は平成21年度以降、着実に減少している中でさらに、特別徴収のような納め忘れの心配もない徴収方法を行うことで、滞納の未然防止を期待できます。

逆に特別徴収も普通徴収のどちらでも言えることですが、各地方団体の行革による税務職員が年々減少している中で、大量に発生する紙の管理、情報漏洩するリスクも考えられます。

参照:総務省 平成29年度における「地方財源の状況」

参照:総務省自治税務局 地方税における収納・徴収に関する取組について

4.まとめ

個人住民税の徴収方法である、普通徴収と特別徴収について説明しました。各地方公共団体としては、住民税は普通徴収より特別徴収の方がより確実に徴収できるため、例外を除いて、特別徴収を義務化しています。

※住民税の申告手続きについては国税庁「住民税に関する事項を記入する」よりご参照ください。

監修者:須栗 一浩(税理士)

 

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