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M life 記事

老後 2018.5.16

【FP監修】老齢厚生年金とは?受給資格や支給額を知ろう

 

「年金」と一言で言ってもいろいろあることをご存知でしょうか?今回はその中の1つ「老齢厚生年金」についてご説明したいと思います。「老齢基礎年金」ではないですよ。「老齢厚生年金」です。この段階で「?」がいっぱい出てくる方もいるかと思います。その違いについてもこれからご説明していきたいと思います。

 

老齢厚生年金をもらえる人とは?

 

「老齢厚生年金」とは、会社に勤めている間に、厚生年金に加入していた人が給与(賞与)の額や加入期間に応じて受け取れる年金になります。具体的にご説明してきます。

 

受給資格

下記3つの条件を満たすことによって受給することができるようになります。

 

・老齢基礎年金の受給資格を満たしている

・厚生年金の被保険者期間が1ヶ月以上ある

・65歳以上であること

 

加入期間

「老齢基礎年金の受給資格を満たしている」とは、後ほど「老齢基礎年金(老齢年金)」のところでもご説明しますが、平成29年8月からは保険料の納付期間が10年間あれば受け取ることが可能です。「厚生年金の被保険者期間がある」とは、会社に勤めて、1ヶ月以上厚生年金に加入している期間があれば良いということになります。

 

受給開始年齢

65歳から受け取ることが可能となります。ただし、以前は年金は60歳から支給されていました。そのため、当面の間は経過措置として65歳まで「特別支給の老齢厚生年金」というものが支給されることになっています。「特別支給の老齢厚生年金」については、また後述に説明いたします。

 

 

老齢厚生年金と老齢基礎年金の違いとは?

老齢厚生年金と老齢基礎年金と言葉が似ていますが、老齢厚生年金については先ほど説明しましたが、今度は老齢基礎年金についてご説明していきます。

 

老齢基礎年金とは?

老齢基礎年金は、20歳から60歳までに支払った保険料に応じて65歳から国民年金の老齢年金として受け取れる年金になります。

 

老齢基礎年金の受給資格

20歳から60歳まで保険料を支払う必要があります。老齢基礎年金を受給するために必要な受給資格期間は10年間です。個10年の受給資格期間を満たしていれば65歳から国民年金より老齢基礎年金を受け取ることが可能となります。

 

また、ポイントとなるのは、厚生年金の保険料には国民年金の保険料も含まれているため、厚生年金保険の加入者は同時に国民年金にも加入していることになります。つまり、会社勤めの方は厚生年金の加入期間が10年あれば老齢基礎年金の受給要件を満たしていることになります。例えば国民年金に7年、厚生年金をに3年の加入歴の場合、国民年金の加入期間は10年になります。

 

受給額はどれくらい違う?

40年間保険料を納付することにより満額支給されますので、40年間払わなければその分減額されます。2018年(平成30年)は、満額の場合、年額779,300円受け取ることができます。例えば30年間しか払っていない場合は、779,300×360/480ヶ月=年額584,475円ということになります。

 

いくらもらえる?老齢厚生年金の受給額

 

老齢厚生年金早見表

実際、老齢厚生年金をいくらもらえるかにおいてですが複雑な計算方法から算出するのが苦手な人はおおよその目安となる早見表がいくつかありますので、そちらを参考にしていただければと思います。

 

「保険の疑問をしっかり解決」

http://hokenstory.com/kosei-nenkin-hoken-how-much/

「老後資金の教科書」

https://avenue-life.jp/blog/money/supply/

 

そもそも老齢厚生年金はどのように決まる?

老齢厚生年金の受給額は下記計算式で算出されます。非常に複雑です。計算が苦手な方は早見表を参考にするといいでしょう。

 

老齢厚生年金受給額=報酬比例部分+経過的加算+加給年金額

 

「報酬比例部分」とは、厚生年金に加入期間中の報酬と加入期間に基づいて計算されます。

 

計算式は、

平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準月額×5.481/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数

となります。

 

「経過的加算」とは、厚生年金の加入期間の内、国民年金の老齢基礎年金の計算に入らない20歳未満や60歳以降の期間分を加算するためのものです。

 

計算式は、

1,625円×生年月日に応じた率×厚生年金保険の被保険者月数 – 779,300円×昭和36年4月以降で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者月数/(加入可能年数×12)

となります。

 

「加給年金額」とは、厚生年金の加入期間が20年以上ある場合、被保険者が65歳になったとき、配偶者が65歳未満もしくは18歳未満の子どもがいる場合に支給されます。

 

支給額は、

要件に該当するする場合の平成30年度の加給年金額は224,300円となります。さらに受給者の生年月日が昭和9年4月2日以降の場合、生年月日に応じて33,100円から165,500円の特別加算がつきます。

 

18歳未満の子供がいる場合は、2人目までは、1人に対して、224,300円となり、3人目以降は1人に対して、74,800円となります。

 

以上ですが、だいぶ複雑ですよね。

 

老齢厚生年金シミュレーションツール紹介

計算以外に厚生年金額の試算ができるツール(サイト)がありますので、ご紹介しておきます。

 

日本年金機構「ねんきんネット」
https://www.nenkin.go.jp/n_net/

 

老齢厚生年金の繰上げ・繰り下げとは?

原則として65歳から支給されますが、条件を満たせば65歳より前に繰り上げて受け取る「繰上げ受給」や66歳以降に遅らせて受け取る「繰り下げ受給」があります。

繰上げ受給とは?

65歳に受給予定となっている年金を、65歳を待たずに繰り上げて受け取ることが可能となります。受け取ることが可能な分、年金額が減ってしまうのと、生涯その減額が続くというデメリットもあります。繰上げ受給は繰上げした月数に応じて1ヵ月当り0.5%減額されます。65歳を100%とした場合、支給率は、請求時の年齢が60歳だと70%~75.5%、61歳で76%~81.5%、62歳で82%~87.5%、63歳で88%~93.5%、64歳で94%~99.5%となります。

繰り下げ受給とは?

逆に65歳の段階では、まだ生活面に余裕があるため66歳以降に遅らせて受け取ることも可能となります。その場合は、当初受給する金額よりも多く受給でき、繰下げした月数に応じて1ヵ月当り0.7%増額されます。支給率は65歳を100%とした場合は、請求時の年齢が66歳で108.4%~116.1%、67歳で116.8%~124.5%、68歳で125.2%~132.9%、69歳で133.6%~141.3%、70歳になると142%になります。

 

請求方法

繰上げ、繰り下げについて両方とも手続きが必要となります。 繰上げ受給の手続きは年金事務所などの窓口で行います。 

 

繰下げ受給の手続きは、まず65歳になる直前に、送られてくる老齢基礎年金と老齢厚生年金をもらうための手続き用紙に繰下げ受給の希望する箇所にチェックをし、はがきを返送する必要があります。そして70歳到達月末までに繰下げ受給の請求書を年金事務所に提出し申請手続きをする必要があります。また繰下げ受給の申請は電子申請も可能です。

 

特別支給の老齢厚生年金とは?

以前は、公的年金は60歳から支給されていましたが、平成13年度から受取開始年齢が段階的に65歳に引き上げられています。受け取り開始年齢の引き上げの経過措置として60歳から64歳まで支給されるのが「特別支給の老齢厚生年金」となります。平成37年度以降、「特別支給の老齢厚生年金」は支給されません。

 

対象者

下記3つの条件を満たす方が対象になります。

・生年月日が男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前である

・老齢基礎年金の受給資格を満たしている

・厚生年金の被保険者期間が1年以上ある

 

受給開始年齢

これが少々複雑です。まず、「特別支給の老齢厚生年金」は、65歳からの老齢厚生年金とは少し異なり、「定額部分」+「報酬比例部分」となります。「定額部分」は、男性は昭和16年4月2日から昭和18年4月1日(女性は昭和21年4月2日~昭和23年4月1日)生まれの方は支給開始が60歳から61歳に引き上げられ、その後1歳ずつ段階的に引き上げられています。

 

そして、男性は昭和24年4月2日以降(女性は昭和29年4月2日以降)に生まれた人からは支給されなくなります。「報酬比例部分」については、男性は昭和28年4月2日~昭和30年4月1日(女性は昭和33年4月2日~昭和35年4月1日)生まれの方は支給開始が60歳から61歳に引き上げられ、その後1歳ずつ段階的に引き上げられます。

 

そして、男性は昭和36年4月2日以降(女性は昭和41年4月2日以降)に生まれた人から支給されなくなります。

 

注意点

先ほど「老齢厚生年金」の繰り上げ請求、繰り下げ請求についてご説明しましたが、「特別支給の老齢厚生年金」については、繰り下げ請求をすることができませんので注意してください。

 

請求方法

「特別支給の老齢厚生年金」は、受給資格があって、受給時期になったとしても自動的に支給が始まるわけではありませんので注意してください。受給資格がある方については、3ヶ月ぐらい前になりますと「年金請求書」とういものが本人宛に届きます。その「年金請求書」を年金事務所に提出してはじめて受給することができます。ただし、受け付け開始は誕生日の前日からとなります。手続する際に必要となる添付書類は、「手続の案内」に記載されていますので、確認するようにしましょう。

 

また、受給可能開始年齢から5年を過ぎてしまうと、5年を過ぎた分については 時効により受け取れなくなりますのでご注意ください。

 

在職老齢年金とは?

 

老齢厚生年金を受け取れる方が60歳以降も働いて収入を得ていると年金の一部または全額が停止されます。この仕組みのことを「在職老齢年金」制度といいます。この「在職老齢年金」について説明します。

 

在職老齢年金の仕組み

老齢厚生年金の受給月額(老齢基礎年金、加給年金は含みません)を「基本月額」とします。また、1ヶ月の収入(毎月の賃金と1年間の賞与を12で割った金額)を「総報酬月額相当額」とします。この22つの金額によって支給停止される年金額が算出されます。

 

在職老齢年金が支給停止されるケースとは?

60歳から64歳までと65歳以上で停止される金額の算出方法が異なります。詳しい計算方法は、この後「在職老齢年金の概要」にてご説明します。

 

在職老齢年金の支給停止を解除するには?

自分自身では何もする必要がありません。勤めている会社が「総報酬月額相当額」に変更が発生する場合は、「報酬月額変更届」を届け出ることになっていますのでこの書類に基づいて再計算されて年金停止額が再度算出されることになります。

 

在職老齢年金の概要

「在職老齢年金」の制度については、60歳前半と後半で支給の停止方法が異なります。この部分について詳しく説明します。

 

60歳以上65歳未満の場合

老齢厚生年金の受給月額(老齢基礎年金、加給年金は含みません)を「基本月額」とします。また、1ヶ月の収入(標準報酬月額と1年間の賞与を12で割った金額)を「総報酬月額相当額」とします。

 

・「基本月額」と「総報酬月額額の合計が28万円以下の場合、年金は全額支給となります。(支給停止はなし)

 

・「総報酬月額額」「基本月額」が28万円以下で「総報酬月額相当額」が46万円以下の場合は、

支給停止額は(「総報酬月額相当額」+「基本月額」- 28万円)÷ 2

「基本月額」が28万円超え、「総報酬月額相当額」が46万円以下の場合、支給停止額は「総報酬月額相当額」÷ 2

となります。

 

・「基本月額」が28万円以下で「総報酬月額相当額」が46万円を超える場合

支給停止額は(46万円+「年金月額」- 28万円)÷ 2 + (「総報酬相当月額」- 46万円)

「年金月額」が28万円超える場合、支給停止額は 46万円÷2 + (「総報酬月額相当額」- 46万円)

となります。

65歳以上の場合

先ほどと同じく、老齢厚生年金の受給月額(老齢基礎年金、加給年金は含みません)を「基本月額」とします。また、1ヶ月の収入(標準報酬月額と1年間の賞与を12で割った金額)を「総報酬月額相当額」とします。

 

・「基本月額」と「総報酬月額相当額」の合計が46万円以下の場合

年金は全額支給となります。(支給停止なし)

 

・「総報酬相当月額」が46万円を超える場合は、

支給停止額は、(「総報酬相当月額」+「基本月額」- 46万円)÷ 2

となります。

 

在職老齢年金シミュレーションツール紹介

実際にどのくらいの金額が支給停止となるのが計算できるツール(サイト)ご紹介しますので、そちらにて計算してみるのも便利です。

 

「Ke!san - 生活や実務に役立つ計算サイト – 」https://keisan.casio.jp/exec/system/1323220491

 

まとめ

 

 

「老齢厚生年金」についてお分かりいただけましたでしょうか?「老齢厚生年金」自体について、および「老齢基礎年金」との違いについてわかっていただければよいかと思います。「特別支給の老齢厚生年金」などは請求手続きが必要ですので手続しないと、受給資格があっても受け取ることができず損をしてしまいます。またやむを得ない事情によって時効を過ぎてしまった場合の救済措置も用意されていますので、すべてを覚えておくのは難しいかもしれませんが、このようなものがあるというのを1度理解しておければ今後何かをきっかけに思い出し、役に立つかと思います。

 

監修者:寺野 裕子(ファイナンシャルプランナー)

 

 

 

 

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