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M life 記事

老後 2018.10.16

【FP監修】退職すると確定拠出年金はどうなる?期限内に手続きするための簡易マニュアル

 

 

皆さんの中には、お勤めの会社で確定拠出年金に加入されている人がいるかと思います。その確定拠出年金は、退職時にご自身で手続きが必要なことをご存知でしょうか。 

 

今回は、確定拠出年金と退職金の制度の違いに触れつつ、確定拠出年金の退職時の具体的対応について分かりやすく解説していきます。

 

確定拠出年金と退職金の比較

 

 

まずは、確定拠出年金と退職金それぞれの基本的な特徴を整理しておきましょう。

 

どちらも退職後の生活を保障するための制度

現在は人生100年と言われるほどに、日本は長寿国家になっています。そこで確定拠出年金と退職金どちらも、退職後何十年と続く老後の生活を安心して暮らすための保障をする制度です。体が不自由になったり、急な出費が必要になったりしたときに、国民年金や厚生年金にプラスアルファの生活資金が蓄えられていることは、何とも心強いことだと思います。

 

掛金は誰が支払う?

確定拠出年金は企業型と個人型に分けられますが、ここでは企業型を中心に話を進めていきます。企業型の場合、掛金の拠出は会社が負担することになり、従業員は基本的に負担することはありません。国民年金保険料のように、ご自身が負担するわけではないため、経済的にはとても安心できる制度であります。一方で、退職金も会社が掛け金を負担するため、確定拠出年金との違いはありません。

 

会社が倒産した場合はどうなる?

確定拠出年金の場合は、資産管理機関と呼ばれる信託銀行による分別管理のため、たとえ会社が倒産したとしても積立資産は保全されることになります。

 

一方で退職金は、内部留保、つまり社内積み立ての場合は、会社の倒産の際に積立資産が保全されない可能性があります。

 

積立金の運用は誰が決める?

そして、積立金の運用に関しては、確定拠出年金が自己責任のもと、従業員が運用方針と投資する運用商品を決めるのに対し、退職金は基本的に会社側が運用方針を決定することになります。

 

企業型確定拠出年金の場合、企業によって投資できる運用商品が異なります。基本的には、元本確保型の定期預金や保険、そしてリスクを積極的にとりにいく投資信託などバラエティに富む商品が取り揃えられていますので、ご自身のリスク許容度に応じて商品を選択することになります。

 

一般的に、資産が大きく目減りすることを避けたい場合は元本確保型の定期預金や保険を、資産を大きく増やしていこうとする場合は、積極的にリスクをとり投資信託などの商品を中心に選ぶ必要があるでしょう。

 

なお、企業型確定拠出年金で初めて投資を行う人にとっては、どのように運用する商品を決めていくべきか悩ましいところだと思います。そのような時は、勤務先で確定拠出年金を担当するスタッフに聞いてみたり、企業の確定拠出年金の運営サポートを行う金融機関にアドバイスをもらったりしてください。

 

将来受け取れる金額はどうやって決まる?

将来の受取金額については、確定拠出年金が拠出金額と従業員による運用パフォーマンスに応じて受取額が変わってくるため、 掛金累計額が保証されているわけではありませんし、個人ごとに受取額は異なってきます。また、確定拠出年金は原則60歳まで、積立資産を受け取ることができません。

 

そのため、長い年月をかけて運用を行うことになり、運用が上手くいけば拠出金の倍の金額を受け取ることができる方もいれば、全く資産が増えず、拠出金よりも目減りしてしまう方も出てくる可能性があります。

 

一方で、退職金はあらかじめ社内規定に準じて配分される決まりとなっています。

 

税制上のメリットは?

税制上のメリットに関して、確定拠出年金には3つの税制優遇メリットがあります。まず1つ目は、運用益が非課税となるため、定期預金の利子や投資信託の分配金、売却益などに通常掛かる20.315%の税金がありません。そのため、本来税金として差し引かれる分も含め再投資に回すことができるため、資産を大きく増やしていける可能性があります。

 

2つ目の税制優遇メリットは、受取時の節税効果です。これまで確定拠出年金にて積み立て、運用してきた資産を受け取る際には、年金方式または一時金方式、もしくはその併用を選択する形になります。そして、5年以上20年以下の期間で受け取る年金方式を選択した場合は、公的年金等控除の対象となり、一時金方式の場合は退職所得控除の対象となり、それぞれ税制優遇を受けることができます。

 

具体的には、年金方式で受け取る場合、公的年金等の合計収入が65歳未満だと70万円まで、65歳以上だと120万円までは非課税となります(※)

 

出典:国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm

 

また一時金方式により一括で受け取る場合の、具体的な退職所得控除の計算方法は以下の通りになります。

 

勤続年数(iDeCoの積立期間)が20年以下40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合は、80万円)

勤続年数が20年超800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年)

 

出典:国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm

 

税制優遇メリットの3つ目は、従業員がマッチング拠出をした場合、その掛金の全額が所得控除の対象となり、所得税・住民税を節税することが可能となります。マッチング拠出とは、会社が掛け金を拠出するだけでなく、従業員自身もそれに上乗せする形で掛け金を拠出することです。

 

例えば、マッチング拠出にて毎月5,000円を拠出した場合、年間6万円が全額所得控除の対象となります。 具体的には、6万円にかかる所得税と住民税が軽減されます。さらに毎月給与から拠出することにより、社会保険料の等級が変わる場合は、社会保険料も軽減されます。

 

なお、マッチング拠出を行うには、社内の確定拠出年金規定にてマッチング拠出を行えることが記載されている必要があります。また、会社の掛金との合計で拠出限度額である月額55,000円の範囲内までとなります。

 

出典:確定拠出年金(企業型DC):マッチング拠出について|労働金庫連合会
http://www.rokinren.com/kigyonenkin-support/company_dc/matching.html

 

退職した場合どうなる?

そして、退職時の対応として、確定拠出年金は転職先にこれまで積立してきた資産をそのまま移すことができるポータビリティがあります。一方で退職金の場合、勤続年数に応じて相応の金額が支給されるものの、転職の場合には金額が少なくなってしまう可能性があります。

 

このように、確定拠出年金には3段階の税制優遇メリットやポータビリティがあり、計画的に老後資産を形成してためのおすすめの 制度と言えるでしょう。

 

退職時の具体的な対応

 

 

ここからは、確定拠出年金に関する退職時の具体的な対応について解説していきます。

 

6ヵ月以内に移換手続きを行う

まず始めに、注意が必要なのが、確定拠出年金は退職から6カ月以内に移換手続きを行わないと、積立資産は自動的に国民年金基金連合会に移換されてしまいます。このことを自動移換と呼び、もし自動移換されてしまうと、その間は資産の運用ができないほか、管理手数料を負担することにもなります。

 

具体的な手数料として、自動移換される際に、自動移換された人の記録を管理する特定運営管理機関へ3,240円、国民年金基金連合会に1,029円、そして毎月51円の管理手数料、加えて個人型に資産を移管する際には、特定運営管理機関に1,080円、国民年金基金連合会に2,777円の移管手数料、企業型に資産移換する際には、特定運営管理機関に1,080円の移管手数料を負担することになります。 また、確定拠出年金の加入期間に含まれないため、受給可能年齢が遅くなる可能性も出てきます。

 

出典:国民年金基金連合会

https://www.ideco-koushiki.jp/retirement/

 

個人型確定拠出年金の場合

それでは個人型確定拠出年金に加入している場合の対応から説明していきます。

 

そのまま継続する

まずは、現在加入している個人型確定拠出年金をそのまま継続するケースです。

 

企業型確定拠出年金に移管する

転職先が企業型確定拠出年金を導入している場合には、そちらに積立資産を移換することになります。

 

企業型確定拠出年金の場合

次に、企業型確定拠出年金の場合です。

 

転職先の企業型確定拠出年金に移管する

転職先に企業型確定拠出年金制度が設けられている場合には、そちらに移換することになります。

 

脱退一時金を受け取る

条件を満たすことで確定拠出年金を止めて脱退一時金を受け取ることも可能です。

 

個人型確定拠出年金に移管する

転職先に企業型確定拠出年金がない場合には、個人型確定拠出年金に積立資産を移換させることもできます。どこの金融機関を選択するかはご自身で決めます。

 

個人型確定拠出年金への移管方法

 

 

それではここからは、個人型確定拠出年金への具体的な移換方法を解説していきます。

 

金融機関に資料請求する

まずは、どこの金融機関に確定拠出年金を申し込みするか決めるために、資料請求を行いましょう。その際には、金融機関によって運営管理手数料が異なってきますので、しっかりと手数料を確認することが大切になります。また、手数料以外に投資ができる運用商品も大きく異なってきますので、ご自身が投資をしてみたい運用商品が取り揃えられているかも事前に確認してください。

 

必要書類を投函する

金融機関を選択したら、本人確認書類を含む必要書類を投函しましょう。

 

移管可否の記入された通知書を受け取る

その後、移換可否の記入された通知書を受け取ることになります。

 

資産配分等を決定する

移管される資産は、一旦現金化されて、その現金で新たな運用商品を購入することになります。また、新たな掛金額を決めて、経済情勢やご自身のリスク許容度などを鑑みながら、運用商品、資産配分等を決定していきます。なお、運用商品として投資信託を選択する場合には、保有期間中、信託報酬という費用がかかってきます。

 

確定拠出年金は長期に及ぶ資産運用となるため、この信託報酬をいかに抑えるかが重要となってきます。投資信託によって信託報酬も異なってきますので、商品選択時にしっかり確認しましょう。

 

また投資信託で運用する場合、リスク低減を図るため、国(先進国や新興国など)や対象資産(株、債券、不動産、コモディティー(金や原油、小麦などの先物商品)など)で投資対象を分散させることも大切なポイントとなってきます。

 

まとめ

 

 

 

最後となりますが、確定拠出年金は豊かな老後を暮らすための年金制度です。自己責任での運用とはなりますが、3つの大きな税制優遇メリットを活かしつつ、着実に老後資産を形成していきましょう。

 

監修者:菅田 芳恵(ファイナンシャルプランナー)

 

 

 

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