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M life 記事

老後 2018.10.31

年金は何歳から貰えるの?受給開始年齢のホントの話し

 

残念ながら年金は、退職したらすぐ自動的にもらえるものではありません。65歳になった場合に無条件に年金が受給できるというわけでもありません。そこで今回は、年金がもらえる正確な時期や年金引き上げの動き、それに伴うメリット・デメリットについてもまとめてみましたのでご紹介いたします。

 

年金の受給開始年齢は65歳ってホント?

 

 

確かに、年金受給時期を満65歳で開始する方が多いものです。しかしながら、すべての方が満65歳で年金受給を開始するわけでもありません。実際のところは、受け取る年金の種類と性別によっても年金受給開始時期がいくらか異なります。それでは、年金受給の為の受給資格期間(10年)を満たしたものと仮定して、いつから受給可能なのかを見ていきましょう。

 

原則は65歳で年金の受給が可能!

国民年金に加入していた方は、原則として満65歳から老齢基礎年金を受け取れます。また、65歳の誕生日の前日の翌月分から受給開始となりますので、1955年4月2日生まれの人は2020年の5月分から、1955年4月1日生まれの人は2020年の4月分からが老齢基礎年金の受給対象者となります。

 

厚生年金は生年月日によっても受給開始年齢が異なる?

まず、現役時代に厚生年金に加入していた方は、老齢厚生年金の受給が可能です。次に、老齢厚生年金は老齢基礎年金に上乗せされる形(いわゆる2階建て部分として)で支給されますので、本来ならば老齢基礎年金と同様に65歳の誕生日の前日の翌月分から支給されることが原則になります。

 

しかし、厚生年金等の加入期間が1年以上ある方は、満60歳以上で生年月日や性別に合わせて段階的に特別支給の老齢厚生年金を下記の通り受けられます(男性:1961年4月1日以前、女性:1966年4月1日以前に生まれた方)。

 

・まず、既存の年金受給者ですが、1953年4月1日以前に生まれた男性と1958年4月1日以前に生まれた女性は満60歳から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分+年齢や性別により定額部分も)の受給をすでに開始しているわけです。

 

・年金の受給を開始されている方もいますが、1953年4月2日~1955年4月1日に生まれた男性と1958年4月2日~1960年4月1日に生まれた女性は、満61歳から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給がその後も①~③と順次開始となります。

 

①1955年4月2日~1957年4月1日に生まれた男性と1960年4月2日~1962年4月1日に生まれた女性は満62歳から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給が開始となります。

 

②1957年4月2日~1959年4月1日に生まれた男性と1962年4月2日~1964年4月1日に生まれた女性は満63歳から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給が開始となります。

 

③1959年4月2日~1961年4月1日に生まれた男性と1964年4月2日~1966年4月1日に生まれた女性は満64歳から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給が開始となります。

 

・ここからは現状での原則受給ですが、1961年4月2日以降に生まれた男性と1966年4月2日以降に生まれた女性は満65歳(見直される予定)から受給開始となります。

 

女性と男性の受給開始年齢は異なる

このように、老齢厚生年金は誕生日によって支給開始の時期が若干異なります。また、男性と女性でも支給開始時期が異なりますので、60歳の誕生日までに必ずご自身の支給開始時期をねんきん定期便などで確認しておきましょう。

 

受給の仕方?年金受給開始年齢の「繰り上げ」と「繰り下げ」

 

原則、老齢厚生年金は、誕生日によって受給開始となる年齢が一律に決まります。誕生日によって受給開始時期が決まりますので、通常、年金受給者の意思では年金受給開始時期を選択することができません。

 

一方、老齢基礎年金は誕生日に厚生年金の受給開始年齢には関係なく、原則として満65歳から受給を開始します。しかしながら、日本の年金制度では、年金受給者の意思によって、最大5年間の受給開始時期を繰り上げることや最大5年間受給の開始時期を繰り下げることを可能としています。また、老齢厚生年金の繰り上げ受給を請求する方はこの老齢基礎年金の繰り上げも同時にすることになります。

 

「繰り上げ」すれば減額される?

通常ですと満65歳(65歳0カ月)からの老齢基礎年金の受給開始を、1カ月単位で最大60カ月(満5年間)繰り上げることができます。もちろん、受給年齢を繰り上げる場合は年金を受給できる期間が長くなりますので、1カ月あたりの年金支給額は減額されます。

 

1カ月繰り上げるごとに支給額が0.5%減額し、最大繰り上げ月数である満60カ月分を繰り上げると、支給額は本来の金額よりも30%も減ってしまいます。例えば2018年4月以降の支給額は満額で年779,300円ですので、満5年の期間を繰り上げ受給する場合は年に545,510円を年金として受け取ることになります。

 

繰り上げ年齢は早くて60歳から

繰り上げできる年数は5年間ですので、早い人は満60歳0カ月の分から老齢基礎年金を受給できるようになります。つまり、60歳で定年退職を迎える勤務先にお勤めの方は、給与の支給が終わっても継続して年金収入を得られることになるのです。

 

「繰り下げ」すれば増額される!?

老齢基礎年金の受給時期を、1カ月単位で最大60カ月(満5年間)繰り下げることができます。年金受給開始時期を遅らせることにより本来よりも年金を受給できる期間が短くなってしまいますので、公平性を保つために1カ月繰り下げるごとに0.7%も支給額が増える仕組みです。

 

例えば2018年4月以降の老齢基礎年金支給額は満額で779,300円ですので、満5年間支給開始年齢を遅らせると、金額は年間1,106,606円にもなります。

 

繰り下げ年齢は70歳までが限度いっぱい

繰り下げできる年数は最大5年間ですので、もっとも遅い年金支給開始時期を選んだ方は、満70歳0カ月の限度いっぱい分から年金を受給することになります。定年時をある程度自由に選択できる会社役員の方や、民間の保険会社等に自助努力の個人年金をかけていて70歳になるまでの収入源が確保されている方は、年金支給額が増える繰り下げ受給を活用することもおすすめです。

 

繰り下げ受給ってお得なの?注意点2つ

年金支給開始時期を繰り下げると年金受給額が年間では最大42%も増えますので、一見、非常にお得なことのように思えます。また、老齢基礎年金・老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を除く)はそれぞれに繰り下げ受給が可能です。しかしながら、本当にお得かどうかは何とも言えないのが実際のところです。次の2つのポイントを熟慮した上で、繰り下げ受給についてご検討ください。

 

①まず教えてくれる人が少ないこと

こうした年金の繰り下げ受給を活用している方は、老齢基礎年金受給者全体のわずか1.4%と限られています。つまり、実際にご利用されしている方人が少ないため、「繰り下げ受給を利用して良かった」という体験談や「やはり繰り下げをしない方が良かったいのではないか」という率直な意見を聞く機会もおそらく少ないと言えます。

 

参考:厚生労働省年金局「平成29年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

 

②生涯累計額で考えると

1年間の受給額だけで見ると、繰り下げ受給は非常にお得な制度に見えます。最大42%も受給額が増える訳であり、金額だけで見ると最大327,306円も増えるのです。しかし、生涯の総累計額で見るとお得かどうかは何とも言えないところです。

 

※2018年4月以降の年金受給額をベースに計算しています。

 

寿命別の年金受給額を比較してみると、79歳11カ月で死亡するときの総累計額は通常受給を選択した方が多くなりますが、84歳11カ月で死亡する場合の総累計額は5年間繰り下げ受給の方がもっとも多くなります。

 

寿命が長いかどうかを予測することは難しいことですが、自分自身長生きしそうだと考える場合は繰り下げ受給、長生きが難しそうだなと考える場合は繰り上げ受給を選択する方がお得となっています。

 

受給開始年齢が68歳に引き上げられる可能性も!?

 

 

2018年の現時点では老齢基礎年金の受給開始の基準年齢は満65歳ですが、平均年齢の上昇に合わせて受給開始年齢が68歳程度まで引き上げられるという話も飛び出しています。

 

68歳に引き上げられると仮定した場合、受給開始年齢を5年間繰り上げたとしても満63歳にならないと年金を受給できなくなってしまいますので、お勤めの会社が同程度の定年延長でもしない限り退職後の収入源を各自で確保しておくことが必要となります。

 

年金受給開始年齢を引き上げる目的

国としては例え3年でも年金受給開始年齢を引き上げることで、国民全体に支給する年金総額を減らすことができます。今後ますます高齢化が進むと、1人当たりの年金受給年数が増え、それに伴って年金受給累計総額も増えます。つまり、年金制度を維持するためにも、平均年齢に合わせた年金支給のリスケジュールが急ぎ必要になっていると見られているのです。

 

2025年までに実施される予定!?

2025年までには年金支給年齢の引き上げが実施される予定です。もちろん、いきなり支給開始年齢を3年も遅らせるのではなく、当初は段階的に実施されると予想されています。

 

健康的な体を保持する準備を!

68歳から年金を受給するということは、60歳が定年退職の方にとっては8年間もの収入が途絶えてしまうことを意味します。それでも定年退職を迎える前までに十分な老後資金を貯蓄できれば良いのですが、日々の生活費や子どもの教育費等でなかなか老後資金まで手が回らない方も少なくありません。常日頃から健康な体を保ち、定年退職後も8年程度は働けるように準備しておきたいものです。

 

年金受給開始年齢を引き上げるメリット・デメリット

 

今後、年金受給開始年齢が引き上げられることには、デメリットもあればメリットも少なからずあります。それでは予想されるメリットとデメリットを考えしましょう。

 

メリット1:今まで以上に長く働けて、その分老後準備期間も長くなる

年金受給開始年齢の引き上げに伴って、当然定年退職の時期を繰り下げる動きが出てくると予想されます。60歳になると大抵子どもも社会に巣立っていますので、自分や配偶者のために収入の大半を活用することもできるようになるでしょう。こうなると今までよりも長く働き、余裕を持って老後資金を準備することも決して不可能ではありません。

 

メリット2:公的年金の引き下げを抑えることが可能?

年間の国民年金支給額が減額されるという案もありましたが、これに比べて年金受給開始年齢が引き上げられることになると、この年金支給額の減額案は消滅すると予想されています。2018年4月以降の支給額でみても年間779,300円と決して高い金額ではないのですから、これ以上年金支給額が減らさないためにも、年金受給開始年齢の引き上げの方が好ましいと考える方も少なくはないかも知れません。

 

デメリット1:年金改正がいつ行われるか分からない

確かに満68歳から年金受給が開始されるようになるという話は出ていますが。これがいつから開始されるのかについてはまだ何も決まっていません。つまり、実施時期が分からないため、老後資金の準備予定が立てにくいというデメリットがあるのです。

 

デメリット2:今以上に長く健康的に働けるとは限らない

健康寿命が世界ではトップクラスの日本人と言ってもすべての人が満68歳まで健康で働けるわけではありません。想定されるのは年金受給が開始されるまでの間に病気になり、日々の生活費にも事欠くようになる可能性です。

 

まとめ

 

 

2025年には高齢者人口が約3500万人になると試算されているように年金制度維持は大変重要な課題です。今後、年金受給の開始時期が遅くなる可能性は非常に高いので、将来の老後資金をどのように確保するのかも各自が綿密に計画を立て直しましょう。

監修者:木村 正人(ファイナンシャルプランナー)

 

 

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