みなさんは、年金の「振替加算」という言葉を聞いたことがありますか。言葉自体聞いたことない方や、聞いたことはあるけど、具体的な意味はあまり分かっていないという方も少なくないと思います。もしかしたら、知らないと損をするかもしれません。

 

今回は、その「振替加算」について説明していきます。

振替加算とは

「振替加算」とは、いったい何なのか、内容から、対象者、請求方法まで順を追って確認しましょう。

加給年金停止時に配偶者の老齢基礎年金に加算される

厚生年金保険の被保険者期間が原則として20年以上ある人(世帯主)が、65歳になった時に、①その人に生計を支えられている65歳未満の配偶者か、②18歳になる年度の末日までの子供がいるときには、加給年金が加算される制度があります。

老齢厚生年金、障害厚生年金に加算されている加給年金額の対象者になっている世帯主によって生計を維持されている配偶者が65歳になると、それまで世帯主 に支給されていた加給年金額は 打ち切られることになります。

配偶者が65歳になった ときに、老齢基礎年金を受けられる場合には、一定の基準により配偶者 自身の老齢基礎年金の額に加算がされるようになります。これを「振替加算」と呼びます。

また、配偶者が65歳以降になって老齢基礎年金の受給権が発生した場合は、世帯主 が受けている老齢厚生年金や障害厚生年金の加給年金額の対象者ではなくても、一定の要件を満している場合に配偶者自身の老齢基礎年金の額に加算がされるようになっています。

また、配偶者  が65歳以降になって老齢基礎年金の受給権が発生した場合は、世帯主 が受けている老齢厚生年金や障害厚生年金の加給年金額の対象者ではなくても、一定の要件を満している場合に配偶者自身の老齢基礎年金の額に加算がされるようになっています。

(参考)日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.files/0000023671vykmAvBRnB.pdf

請求手続きが必要

「振替加算」は、世帯主が年金を請求する際に、 裁定請求書に「配偶者の年金証書の基礎年金番号・年金コード、配偶者の氏名、生年月日」(配偶者が年金の受給権を有していない場合は「配偶者の基礎年金番号、氏名、生年月日」)を記入することで実行されます。

そのため、裁定請求書を記入する際には、必ずこ の内容を記入する必要があります。

裁定請求書に「配偶者の年金証書の基礎年金番号・年金コード、配偶者の氏名、生年月日」の記入がないと、振替加算が行われませんので、くれぐれも注意しましょう。

(参考)日本年金機構

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html

 

追加の届け出が必要な場合がある

老齢基礎年金を受給している配偶者が65歳になった後に、世帯主の年金が下記のいずれかにあてはまるときには、新たに振替加算を受けることができます。

 

・世帯主が厚生年金保険、共済組合等の加入期間を併せて240カ月以上の老齢年金もしくは障害年金(1,2級)を受けられるようになった場合

・世帯主が受けている年金が退職による年金額改定によって、厚生年金保険、共済組合等の加入期間を併せて240カ月以上の老齢年金になった場合

 

この場合は、振替加算を受けるためには、「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」が必要となります。「老齢基礎年金額加算開始事由該当届」は、必要書類を添えて、お近くの年金事務所に提出することになります。

(参考)日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html

振替加算額は生年月日によって変わる

振替加算の金額については、(1926年4月2日~1927年4月1日生まれ)の方は、配偶者加給年金額と同じ224,300円で、それ以後、年齢が若くなっていくごとに減額されていきます。( 昭和41年4月2日以後生まれ)の方はゼロになるように決められています。

詳しくは、日本年金機構のホームページhttps://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.htmlで確認できます。

 

配偶者が生涯受け取ることができる

配偶者は、振替加算を受給する条件を満たせば、生涯この年金を受け取ることができます。

配偶者が年上の場合でも受給できるが、注意が必要 

配偶者が年上の場合でも振替加算は受給できます。ただし、世帯主が年金受給を開始した後で、振替加算を受け取れるようになる場合、自動的に振替加算はつきません。 

あらたに、「国民年金 老齢基礎年金額加算開始事由該当届(様式222号)」とともに、戸籍謄本、世帯全員の住民票、振替加算を受ける人の所得証明書を、年金事務所に提出する必要があるので、ご注意ください。 

加給年金が対象外であっても受け取れる場合がある

生計維持関係にある配偶者 の老齢基礎年金が65歳を過ぎてから開始される場合に、加給年金額の対象者でなくても振替加算の対象となる場合があります。お近くの年金事務所に確認するようにしましょう。お近くの年金事務所の場所は、日本年金機構のホームページhttps://www.nenkin.go.jp/section/soudan/から確認できます。

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振替加算対象者の条件

「振替加算」の対象者の条件を確認していきます。「振替加算」の対象となる配偶者は、通常、配偶者が老齢基礎年金を受給する資格を得たとき(満65歳到達時)に、世帯主が受けている年金の加給年金額の対象となっている方のうち、次の 条件を満たす方になります。

生年月日が1926年4月2日~1966年4月1日の人

192642日から196641日までの間に生まれている人

配偶者が老齢厚生年金や退職共済年金等を受けている場合は合計加入期間が240ヶ月未満

配偶者が老齢基礎年金の他にも老齢厚生年金や退職共済年金を受けている場合などは、厚生年金保険や共済組合等の加入期間を併せて240カ月未満であること

 

配偶者の共済組合等の加入期間を除いた厚生年金保険の加入期間が一定年数未満

妻(もしくは夫)の共済組合等の加入期間を除いた厚生年金保険の35歳以降の(夫の場合 は40歳以降)加入期間が、下記の条件未満であること

・生年月日が、1947年4月1日以前の場合は、加入期間180カ月(15年)

・生年月日が、1947年4月2日から1948年4月1日の場合は、加入期間192カ月(16年)

・生年月日が、1948年4月2日から1949年4月1日の場合は、加入期間204カ月(17年)

・生年月日が、1949年4月2日から1950年4月1日の場合は、加入期間216カ月(18年)

・生年月日が、1950年4月2日から1951年4月1日の場合は、加入期間228カ月(19年)

(参考)日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html

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加給年金とは

厚生年金保険の被保険者期間が原則として20年以上ある人(世帯主)が、65歳になった時に、①その人に生計を支えられている65歳未満の配偶者か、②18歳になる年度の末日までの子どもがいるときには、加給年金が加算される制度があります。

年金事務所への届け出が必要

加給年金の受給をするには、お近くの年金事務所や年金相談センターでの手続が必要になります。年金事務所の場所などについては、日本年金機構のホームページ(https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/index.html)でも確認することができます。また、必要な書類としては、下記のとおりとなります。

・「受給権者の戸籍抄本または戸籍謄本(記載事項証明書)」受給権者と加給年金額の対象者(配偶者や子)の身分関係を確認するため

・「世帯全員の住民票の写し(続柄・筆頭者が記載されているもの)」受給権者と加給年金額の対象者(配偶者や子)の生計同一関係を確認するため

・「加給年金額の対象者(配偶者や子)の所得証明書、非課税証明書のうち、いずれかひとつ(加算開始日からみて直近のもの)」加給年金額の対象者(配偶者や子)が受給権者によって生計維持されていることを確認するため

 

(参考)日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/rourei/jukyu/20140421-27.html

配偶者・子の数に応じて支給される

加給年金の金額については、対象となる配偶者や子の数に応じて変わってきます。配偶者については、年齢制限としては、65歳未満にあること(192641日以前に生まれた配偶者には年齢制限はありません)となっており、加給年金額については、224,300円となっています。

 

子については、年齢制限として、18歳到達年度の末日までの間の子または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子となっており、加給年金額については、1人目、2人目の子の場合は、224,300円で、3人目以降の場合は、1人あたり 74,800円となります。

(参考)日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html

受給権者の生年月日に応じて配偶者特別加算が上乗せされる

先ほど、配偶者が年齢制限条件を満たす場合は、224,300円の加給年金額が支給されると説明しましたが、老齢厚生年金を受けている方の生年月日に応じて、配偶者の加給年金額にさらに特別加算されます。

・受給権者の生年月日が、193442日から194041日の場合は、特別加算額が、33,100円となり、加給年金額の合計として、257,400円となります。

・受給権者の生年月日が、194042日から194141日の場合は、特別加算額が、66,200円となり、加給年金額の合計として、290,500円となります。

・受給権者の生年月日が、194142日から194241日の場合は、特別加算額が、99,300円となり、加給年金額の合計として、323,600円となります。

・受給権者の生年月日が、194242日から194341日の場合は、特別加算額が、132,300円となり、加給年金額の合計として、356,600円となります。

・受給権者の生年月日が、194342日以降の場合は、特別加算額が、165,500円となり、加給年金額の合計として、389,800円となります。

 

注意としては、配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上もしくは共済組合等の加入期間を除いた期間が40歳(女性の場合は35歳)以降、15年以上の場合に限る)、退職共済組合(組合員期間が20年以上)もしくは障害年金を受けられる間については、配偶者加給年金額は支給停止となります。

 

(参考)日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html

配偶者が年上の場合は受給できない

配偶者が、年上の場合は受給できません。例えば、妻が3歳年上の方の場合、夫が65歳になったときは、妻は68歳であるため、加給年金の要件を満たさないということになります。

生年月日が1951年4月1日以前の人は中高齢者の特例が適用可能

加給年金を受給できる方は、厚生年金に20年以上加入している人が条件となります。しかし、195141日以前に生まれた方については、男性は40歳、女性は35歳以降の厚生年金の加入期間(共済組合等に加入していた期間は除きます)が、生年月日に応じて、一定の期間以上ある場合は、加入期間が20年あるとみなされます。これを「中高齢者の特例」と言われています。

・生年月日が、194741日以前の方は、資格期間が15年(180カ月)

・生年月日が、194742日から194841日以前の方は、資格期間が、16年(192カ月)

・生年月日が、194842日から194941日以前の方は、資格期間が、17年(204カ月)

・生年月日が、194942日から195041日以前の方は、資格期間が、18年(216カ月)

・生年月日が、195042日から195141日以前の方は、資格期間が、19年(228カ月)

 

(参考)横浜市
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/nenkin/5-1-2roureikiso.html#tokurei2

加給年金対象者の条件

「加給年金」の対象者の条件を確認していきます。

受給権者の条件

条件は下記のとおりとなります。

厚生年金保険に20年以上加入している

厚生年金保険の被験者期間が20年以上あること(ただし、先ほど説明しました、中高齢の特例を受ける方については、被保険者期間が15年から19年になります)

配偶者・子との間に生計維持関係がある

年齢制限対象となる配偶者または子と生計を維持している状態にあること

生計を維持とは、下記の要件を満たす場合となります。

・同居していること(別居していても、仕送りをしている、健康保険の扶養親族である当の事項があれば認められます)

・加給年金額対象者について、前年の収入が850万円未満であること。または、所得が6555千円未満であること

 

(参考)日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/yougo/sagyo/20160824.html

配偶者の条件

配偶者の条件は、下記の通りとなります。

・婚姻届を出している、もしくは、事実婚の関係にある

・厚生年金の被保険者期間が20年未満

・障害を理由とする公的年金を受けていない

65歳未満

・年収が850万円未満

(参考)日本郵政共済組合
https://www.yuseikyosai.or.jp/service/popup/popup-7.html

子の条件

この条件は、下記の通りとなります。

18歳に到達する年度末までの子

・障害等級1級・2級の場合は20歳未満の子

・未婚の子であること

(参考)日本年金機構
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html

まとめ

「振替加算」と「加給年金」について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。もし、身近に該当者などがいる場合は、ぜひとも教えてあげてください。もし、ご自身が「振替加算」と「加給年金」の対象に該当する場合は、その時期が来た時に手続を忘れないようにしましょう

 

監修者:川上 壮太(ファイナンシャルプランナー)