JPX日経インデックス400とは?構成銘柄や連動する投資信託について解説
近年、資産形成を目的に株式投資を始める人が増えています。
日本株に投資する場合は、「日経平均株価」「TOPIX」と並んで注目されている「JPX日経インデックス400」という株価指数についても理解しておくことが大切です。それぞれの株価指数の特徴を理解することで、より自分にあった投資方法を選択できます。
この記事では、JPX日経インデックス400の特徴や構成銘柄について解説していきます。また、指数との連動を目指した投資信託についても紹介します。
この記事の目次
JPX日経インデックス400とは
JPX日経インデックス400は、日本取引所グループ(JPX)と日本経済新聞社が共同で公表している指数です。特徴をそれぞれ解説していきます。
持続的に企業価値向上が見込まれる会社で構成
JPX日経インデックス400は、東京証券取引所に上場している企業の中で資本効率や収益性が高く、継続的に企業価値が向上していくだろうと考えられる上位400の企業が選定されています。投資家にとって魅力が高い企業で構成されていることが特徴です。
同じような日本株の指数として「日経平均株価(日経225)」や「TOPIX(東証株価指数)」があります。
日経平均株価は「東証1部上場銘柄の代表的な225社」の株価に重きをおいた指数、TOPIXは「東証1部上場全銘柄」の時価総額(株価×株数)に重きを置いた指数です。指数ごとの特徴をそれぞれ把握しておくと良いでしょう。
2014年1月から公表されている株価指数
JPX日経インデックス400は、2014年1月6日から公表がスタートした株価指数です。
上記のチャートは、2014年から2021年9月までのパフォーマンスの推移です。
中国の景気減速を機に世界同時株安となった「チャイナショック」や、新型コロナウイルスの影響による大幅な株価下落などはあるものの、指数の公表開始時と比較するとおよそ1.5倍になっていることが分かります。
出典:日本取引所グループ「株価指数ヒストリカルグラフ -JPX日経インデックス400- 月足チャート」
日銀や年金も運用対象に選定
JPX日経インデックス400は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日本銀行が運用の対象としていることでも注目を集めている株価指数です。GPIFは世界最大規模の機関投資家として約190兆円を超える運用をしています。
また、日本銀行もJPX日経インデックス400に連動するETF(上場投資信託)を買い入れの対象としています。日銀は金融緩和のためにETFを買い入れて、市場にお金を供給しています。
投資家が動向をチェックしているGPIFや日銀の運用対象になっていることも、大きな特徴のひとつです。
定期的な銘柄の入れ替え
JPX日経インデックス400に組み入れられる銘柄は、選定基準をもとに定期的な入れ替えが行われます。
毎年6月の最終営業日を選定の基準日として、8月第5営業日に入れ替え銘柄が公表されます。その後8月の最終営業日に銘柄の入れ替えが実施されます。
毎年、選定の基準に達していない企業は除外されていくので、収益性が高い銘柄だけが残り続けるという特徴があります。
JPX日経インデックス400の銘柄選定基準
JPX日経インデックス400は、スクリーニングした上位銘柄にスコアリング・加点をしていき構成銘柄を決定しています。銘柄を選定する基準について解説していきます。
安定した経営と企業統治
まず、経営状態が不安定な企業を除外するために、以下の項目に該当する銘柄は選定の対象から除外します。
- 上場後3年未満
- 過去3期いずれかの期で債務超過
- 過去3期すべての期で営業赤字
- 過去3期すべての期で最終赤字
- 整理銘柄(上場廃止が決定している銘柄)等に該当
その後、上記に該当するものを除いた銘柄の中で、以下の2つの項目をもとにスクリーニングを行います。
- 直近3年間の売買代金
- 選定基準日時点(毎年6月最終営業日)における時価総額
上記2つの項目を基準にして上位1,000銘柄を選定します。こうした基準で銘柄が選ばれるため、安定した経営が行われている企業が残ります。
収益力の低い企業を除外
スクリーニングによって選定された上位1,000銘柄に、以下の3項目でスコアリングを行って順位付けを行います。
- 3年平均ROE(自己資本利益率)
- 3年累積営業利益
- 選定基準日時点における時価総額
ROEや累積営業利益をチェックすることで、効率的な営業ができていない企業や収益性が低い企業を除外していきます。
グローバルスタンダードに見合った経営努力
スコアリングで順位をつけた後、以下の項目で加点を行います。
- 3年平均ROE(自己資本利益率)
- 3年累積営業利益
- 選定基準日時点における時価総額
国際的な標準に合わせた経営を行なっていることも、JPX日経インデックス400の選定に影響しています。
以上のような流れで上位400銘柄が決定します。
JPX日経インデックス400の主な構成銘柄
JPX日経インデックス400は2021年8月末時点で、400銘柄のうち394銘柄が東証一部から採用されています。
2021年時点で構成比率が高い主な銘柄は以下のとおりです。
- ソニーグループ
- 三菱UFJファイナンシャルグループ
- リクルートホールディングス
- キーエンス
- トヨタ自動車
- 信越化学工業
- 日立製作所
- HOYA
- 日本電信電話
- 日本電産
すべての構成銘柄は以下のサイトから確認することができます。気になる方はチェックしてみてください。
構成銘柄の入れ替えについて
JPX日経インデックス400は、定期的に構成銘柄の入れ替えが行われています。入れ替えの内容についてチェックしておきましょう。
毎年8月第5営業日に入れ替え銘柄が公表される
入れ替えられる銘柄は毎年8月の第5営業日に公表され、実際に入れ替えが行われるのは8月の最終営業日です。
上記で解説した銘柄の選定基準に適さなくなった銘柄は毎年8月に除外され、新たに銘柄が加えられます。そのため、指数への採用が長期にわたって継続されている銘柄は、高い収益を出し続けていて、安定した経営を行なっている企業であるといえます。
2021年8月の銘柄入れ替え
2021年の8月に行われた銘柄の入れ替え内容の一部をご紹介します。
40銘柄が除外の対象となり、41銘柄が新たに追加されました。
主な除外銘柄
- JR東日本
- JR西日本
- すかいらーくHD
- JAL
- ANA
- 楽天グループ
- ニコン
- マツダ
- マルハニチロ
- イオン など
主な新規採用銘柄
- 関電工
- 富士フイルム
- JCRファーマ
- ライフコーポ
- 郵船
- みずほリース
- コーナン商
- 大王紙
- 東和薬品
- 商船三井 など
出典:モーニングスター「JPX日経400の定期銘柄入れ替え―新規採用は大王紙、みずほリースなど買い需要大きいか」
JPX日経400指数を指標とした投資信託
JPX日経インデックス400に投資したい場合は、投資信託に投資することがおすすめです。JPX日経400インデックスを指標とした投資信託をご紹介します。
銘柄名 | 委託会社 |
JPX日経400アクティブ・プレミアム・オープン(毎月決算型) | ニッセイアセットマネジメント株式会社 |
ニッセイJPX日経400アクティブファンド | ニッセイアセットマネジメント株式会社 |
iFree JPX日経400インデックス | 大和アセットマネジメント株式会社 |
JPX日経ファンド | 野村アセットマネジメント株式会社 |
eMAXIS JPX日経400インデックス | 三菱UFJ国際投信株式会社 |
過去の運用パフォーマンスや手数料などを比較して、ご自身の運用スタイルに適した投資信託を選ぶことをおすすめします。
まとめ:JPX日経インデックス400の特徴を理解して運用方法に取り入れましょう
この記事では、JPX日経インデックス400の特徴について紹介してきました。
JPX日経インデックス400は、持続的な収益性が期待できる銘柄が組み入れられた指数です。定期的に銘柄の入れ替えが行われるため、収益性が低下した銘柄は除外されることも特徴となっています。
指数に連動した投資信託は各運用会社から販売されているので、上手く活用してご自身の運用方法に取り入れてみましょう。
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記事監修者
マネカツ編集部
"将来への漠然としたお⾦への不安はあるけど、何から始めていいのかわからない…"
そんな方に向けて「資産運用」や「税金対策」など、お金に関する情報を発信しています。
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