楽天VTIとは?メリット・デメリットや利回りを解説
アメリカの4,000社以上の企業に分散投資できるVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)という投資商品に人気が集まっています。
リスクを抑えつつ、景気好調な米国市場に投資できるのが魅力のVTIですが、日本円で購入できない点がデメリットとして上げられていました。
そんな本家VTIのデメリットを解消するために生まれたのが、今回ご紹介する「楽天VTI」という投資信託です。
楽天VTIは日本円で購入できるため為替手数料が発生せず、数百円から投資できるメリットがあります。
この記事では、楽天VTIの仕組みやメリット、利回りなどについて解説します。
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この記事の目次
楽天VTI(楽天・全米株式インデックスファンド)とは
商品名 | 楽天・全米株式インデックスファンド |
商品分類 | 追加型投信/海外/株式/インデックス型 |
連動指数 | CRSP USトータル・マーケット・インデックス |
設定日 | 2017年9月29日 |
決算日 | 7月15日(年1回) |
基準価額 | 20,005円 |
管理費用 | 0.162% |
純資産総額 | 7,202億万円 |
※2022年9月13日時点
楽天VTI(楽天・全米株式インデックスファンド)とは、楽天投信投資顧問が運用している投資信託です。
ここでは楽天VTIの特徴や本家VTIとの違いについて詳しく解説します。
楽天が運用する米国株式全体に投資する投資信託
VTIの正式名称は「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(Vanguard Total Stock Market ETF)」と呼ばれ、VTIはそのティッカーシンボル(銘柄コード)です。
米国約4,000社以上の株式で構成されているETFで、アップルやマイクロソフト、アマゾンなどの大企業はもちろん、アメリカのベンチャーや中小企業銘柄も含まれています。
「VTIに投資する=米国市場全体に投資する」と言っても過言ではありません。
楽天VTIは、米国証券取引所で扱われているVTIを日本人投資家向けの整備した投資信託になっています。
本家VTIの価格に連動しているため、アメリカ全体に日本円で投資したいという人におすすめです。
なお、お笑い芸人でFIREを達成した「厚切りジェインソン」さんが、書籍で楽天VTIを取り上げられたことから、現在より大きな注目を集めています。
本家VTI(ETF)との違い
楽天VTIと本家VTIの違いは以下の通りです。
項目 | 楽天VTI | 本家VTI |
商品種別 | 投資信託 | ETF |
手数料 | 年0.162% | 年0.03%+為替手数料 |
最低購入金額 | 100円 | 228ドル (2022年3月27日時点) |
リアルタイム取引 | 不可 | 可能 |
分配金 | 受け取らず自動で再投資 | 受取可 |
積立NISA | 可能 | 不可 |
iDeCo | 可能 | 不可 |
楽天VTIは本家VTIと同じ値動きを目指していますが、細かい部分に差があります。
もっとも大きな違いは商品種別で、楽天VTIは「投資信託」本家VTIは「ETF」という点です。
投資信託もETFもひとつの商品にさまざまな銘柄が含まれているという仕組みは同じです。
しかし、リアルタイムにチャートを見ながら売買できるかや、日本円・ドルで購入するか、最低購入金額等に違いがあります。
また、楽天VTIは積立NISAやiDeCoに対応しているなど、日本人には馴染みやすい商品かもしれません。
どちらがいいという話ではなく、それぞれ特徴の違いを理解して投資することが大切です。
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日本円で投資できる
日本円で米国株に投資できるというのは、楽天VTIの特徴です。
本家VTIは米国の投資商品なので、投資するには日本円を米ドルに両替してから行う必要があります。
しかし、楽天VTIは本家VTIを基にして生まれた日本の投資信託であるため、米ドルに両替する必要がなく日本円で購入できます。
両替の手間を削減できるだけではなく、為替手数料が発生しないという点は嬉しいでしょう。
本来は取引金額が多くなるほど為替手数料が高額になっていたため、為替手数料が不要な楽天VTIを購入するほうが運用コストを抑えられます。
楽天VTIに投資するメリット
楽天VTIに投資するメリットは以下の通りです。
- 最強と言われるアメリカ株全体に投資できる
- 積立NISAやiDeCoにも対応している
- 信託報酬が安い
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
最強と言われるアメリカ株全体に投資できる
約4,000社に分散投資できる楽天VTIは、アメリカ市場全体に投資するものなので、米国の景気が良くなるほど大きな恩恵を得られます。
米国株に投資できる商品は、ほかにもS&P500関連の投資信託やETFがあります。
こちらも日本では非常に人気が高いものの、S&P500は米国の上位500銘柄しか含まれていません。
構成銘柄のほとんどが大企業の株式なので、大企業以外にベンチャーや中小企業まで含んでいる楽天VTIのほうが、よりリスク分散効果が高いといえます。
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積立NISAやiDeCoにも対応している
積立NISAやiDeCoに対応しているのも、楽天VTIの特徴です。
積立NISAは積み立てをスタートしてから20年間の運用益が、iDeCoは60歳になるまで引き出せないものの運用をやめるまでの運用益が非課税になります。
いずれも大きな節税メリットがあるため、着実に運用益を積み上げたい方は、積立NISAやiDeCoの制度を活用しましょう。
投資を始めたばかりの頃は積立NISAやiDeCoの制度を使って投資し、非課税枠を使い切ってもまだ余剰資金がある場合は特定口座で運用するのがおすすめです。
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信託報酬が安い
楽天VTIの信託報酬は「0.162%」です。
0.162%という数値は、数ある投資信託のなかでもかなり低めに設定されています。
参考までに、主要な投資信託と比較したものを表にまとめました。
商品名 | 信託報酬 | 楽天VTIとの差 |
楽天VTI | 0.162% | – |
世界経済 インデックスファンド | 0.55% | +0.388% |
ニッセイ日経225 インデックスファンド | 0.275% | +0.113% |
SBI日本株4.3ブル | 0.968% | +0.806% |
ひふみプラス | 1.078% | +0.916% |
楽天VTIに必要なコストは信託報酬のみで、為替手数料が不要な点もメリットです。
楽天VTIに投資するデメリット
楽天VTIに投資するデメリットは以下の通りです。
- アメリカ企業にしか投資ができない
- 短期で大きなリターンは見込めない
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
アメリカ企業にしか投資ができない
楽天VTIの成績は、良くも悪くも米国の景気に左右されます。
米国の景気が右肩上がりに伸びていけば楽天VTIも大きな成長を見せますが、アメリカ国内の不況やリーマンショックのような世界的な金融危機が起こると、成績が悪化しやすくなる点には注意が必要です。
投資信託はさまざまな銘柄で構成されるため、楽天VTIひとつの商品を買うだけでリスク分散はできます。
しかし、楽天VTIの場合は米国企業だけで構成されているので、一国集中という「カントリーリスク」があります。
アメリカの景気が不調な場合でもほかの銘柄でカバーできるよう、投資する国を分散しておきましょう。
たとえば米国以外に日本の景気に左右される投資信託やETFを購入する、全世界や新興国といった地域包括的な銘柄に着目するのもひとつの方法です。
短期で大きなリターンは見込めない
楽天VTIは堅実な投資ではありますが、個別株のように短期間で大きなリターンを得るのは困難です。
そもそも楽天VTIという投資信託は、ローリスクローリターンな商品であり、短期間で一攫千金を狙うのではなくコツコツと長期運用するための商品になっています。
実際、楽天VTIのパフォーマンスは2017年9月の設定日から2022年3月までの約5年間で100%(2倍)近く成長していますが、直近3ヶ月の短期で見るとわずか1.2%止まりです。
短期間で大きなリターンを狙いたい場合は、楽天VTIだけでなく個別株にも投資してみましょう。
性質の異なる2種類の商品に分散投資することで、低リスクで運用できる楽天VTIのメリットと、大きなリターンを狙える個別株投資のメリットの両方を享受できるようになります。
楽天VTIの利回り
楽天VTIの直近2~3年の利回りは以下の通りです。
上のグラフは2019年3月から2022年3月まで3年間のパフォーマンスを表しています。
2019年3月をゼロとして、2021年あたりから50%を超えるパフォーマンスを記録していることが分かります。
グラフのなかで一時的にパフォーマンスがマイナスに落ち込んでいる部分がありますが、これは新型コロナウイルスが世界的に流行したことで、世界経済が低迷したためです。
しかし、そこから基準価額は右肩上がりで堅調に推移しています。
なお、2022年3月27日時点における楽天VTIの騰落率(価格の変化率)は以下の通りです。
期間 | 騰落率 |
1ヶ月 | △0.2% |
3ヶ月 | △5.3% |
6ヶ月 | +0.2% |
1年 | +21.5% |
3年 | +66.8% |
設定来 | +84.2% |
楽天VTIの上位組み込み銘柄
次に楽天VTIの構成銘柄のうち、上位10社の銘柄や配分比率を見てみましょう。
銘柄 | 業種 | 比率 |
アップル | テクノロジー | 6.06% |
マイクロソフト | テクノロジー | 5.10% |
アマゾンドットコム | 一般消費財 | 2.83% |
アルファベット(クラスA) | テクノロジー | 1.71% |
テスラ | 一般消費財 | 1.91% |
ユナイテッドヘルス | 医療 | 1.23% |
アルファベット(クラスC) | テクノロジー | 1.50% |
エヌビディア | テクノロジー | 1.05% |
バークシャー・ハサウェイ | 金融 | 1.22% |
ジョンソンエンドジョンソン | ヘルスケア | 1.11% |
出典:Bloomberg「VTI(2022年9月13日時点)」
構成されている銘柄は、日本でも耳馴染みのある企業が目立ちます。
上記の構成銘柄は、本家VTIの構成銘柄とほとんど変わりません。
VTIの構成銘柄は各企業の業績に合わせて定期的に組み換えられますが、ほかのETF商品に比べて売買回転率を低めに設定しているのが特徴です。
売買回転率が高いとファンドの保有コストが高くなるため、数値の低いVTIは非常に低コストで運用できるということです。
楽天VTIはこんな人におすすめ
ここまでお伝えしたメリットやデメリットを参考にすると、楽天VTIと相性が良い人の特徴が分かります。
楽天VTIは以下のような人におすすめです。
着実に資産形成したい方
米国経済は長い目で見ると右肩上がりに成長しているため、楽天VTIは着実に資産形成を行いたい方に最適です。
アメリカの経済成長率は、リーマンショックやコロナショックなどで一時的に落ち込むことがあっても、近年はプラス2~3%で堅調な推移を見せています。
楽天VTIは米国経済が成長するほど価格が上昇しやすいため、長期的にコツコツと資産を増やしていきたい方に向いています。
株価チェックや銘柄分析に時間を使いたくない方
楽天VTIは、手間なく資産運用したい方にもおすすめの投資商品です。
楽天VTIへの投資は事前に毎月の積立金額を設定し、その金額を入金するだけなので、手間がほとんどかかりません。
個別株投資のようなこまめな株価チェックや、銘柄分析に時間をとられないのは大きなメリットです。
仕事や家事に忙しくて投資に時間を割けない場合や、各企業の決算書を見比べるのに慣れていないという場合には、手間なく簡単に投資できる楽天VTIを選びましょう。
まとめ:楽天VTIで長期的な資産を形成しよう
楽天VTIは積立投資で長期的に資産を形成したい方に最適です。
本家VTIの場合、アメリカの4,000社以上の企業に分散投資できるメリットがある反面、手続きが面倒だったり、為替手数料が発生したりと日本人投資家には購入しづらい面がありました。
楽天VTIなら日本円で購入できるため、本家VTIのように日本円をドルに両替する必要がなく、為替手数料でコストがかさんでしまう心配もありません。
100円から投資できることもあり、少額から投資を始めたい初心者の方にもおすすめです。
楽天VTIは「SBI証券」や「楽天証券」といった主要ネット証券で購入できるため、気になる方はチェックしてみてください。
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