【比較】NISAとiDeCoはどっちがおすすめ?併用できるかや違いについて解説

「NISA」と「iDeCo」は、国が推奨する資産運用制度の1つです。
どっちも節税効果があり、お得に資産運用するための制度として注目を集めています。
ただ、いざ利用しようと思った時にどっちが自分にあった制度なのか?それぞれどんな特徴やメリットがあるのかなど、詳細にはわからないことも多いかと思います。
この記事では「NISA」「iDeCo」それぞれの特徴や違い、どっちを優先して利用すべきかを解説していきます。
ご自身の資産運用の目的に合わせてそれぞれの制度を上手く活用することが大切です。
目次
- 1 NISA(積立NISA)とiDeCoの違い
- 2 NISAとiDeCoはどっちがおすすめ?
- 3 NISAとiDeCoは併用できる
- 4 NISAやiDeCoにおすすめの証券会社
- 5 まとめ:NISAとiDeCoの特徴を理解しましょう
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NISA(積立NISA)とiDeCoの違い
まずはNISA(一般NISAと積立NISA)とiDeCoの違いについて解説します。
どっちの制度を利用すべきか判断する際は、それぞれの制度の特徴や違いを理解することが重要です。
ここではNISAとiDeCoの特徴をまとめています。年間投資額や運用機関などが細かく異なることがわかります。
一般NISA | 積立NISA | iDeCo | |
利用条件 | 日本に住む20歳以上の方 | 日本に住む20歳〜60歳の方 | |
最大年間掛金 |
120万円 | 40万円 | 14.4万円 〜 81.6万円 ※職種で異なる |
主な 対象商品 |
・株式 ・投資信託 ・ETF ・REIT |
・国が厳選した投資信託 ・国が厳選したETF |
・投資信託 ・保険 ・定額預金 |
運用期間 | 5年間 | 20年間 | 60歳まで |
資産の 引き出し |
いつでも可能 | 原則不可 | |
税制優遇 |
・運用益が非課税 |
・運用益が非課税 | ・掛金が全額所得控除 ・運用益が非課税 ・受取時に定額控除 |
一般NISAとは
株や投資信託などを5年間、毎年120万円まで非課税で投資できる制度です。
値上がり益や配当金、分配金など、投資で得られる利益にかかる税金が非課税になります。
一般NISAを利用した投資は対象商品の幅が広いため、個人の投資目的に合わせた投資が行えます。既に投資経験がある方に特におすすめです。
5年間で最大600万円の金融商品を非課税で運用できる点が特徴です。

一般NISAはいつまで利用できる?積立NISAとの違いやロールオーバーについて
積立NISAとは
積立NISAも一般NISAと同様に運用益が非課税です。
積立NISAで購入可能な商品は長期・積立・分散投資に適していると国が判断した投資信託やETFに限定されます。
毎月定額を積み立てていくだけで資産運用できるため、投資初心者や将来に向けた資産を築きたい方におすすめの制度です。
年間の非課税枠は40万円(毎月最大3.3万円)で、最長20年間運用ができます。最大800万円を非課税で運用できるため、運用益も含めれば20年後には大きな資産になっている可能性が高いです。

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iDeCoとは
iDeCoは老後資金の形成に特化した個人年金制度です。年金というだけあり老後に向けた資産運用になるため、iDeCoに拠出した資産は60歳まで原則引き出せないという制限があります。
ただ、NISAと比較した際の節税効果はかなり高いです。拠出金の全額が控除されたり、年金として受け取る際の税金も大きく免除されます。
もちろんNISAと同様運用益にかかる税金も非課税になるため、長く運用できるほど節税効果が大きくなります。
制限はあるものの、税制優遇も含めてお得に資産運用したい方におすすめの制度です。

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NISAとiDeCoはどっちがおすすめ?
NISAとiDeCoを比較した際に最も大きな違いは資金拘束の有無です。
NISAで運用している資金はいつでも引き出し可能ですが、iDeCoで運用している資金は原則60歳まで引き出しできません。
つまり、NISAで運用している資金はマイホームの購入資金や子どもの教育費など使い道が自由ですが、iDeCoで運用する資金は60歳以降の老後資金にしか使えないということになります。
NISA(一般NISA・積立NISA)とiDeCoのそれぞれおすすめなケースを解説します。上記を踏まえてどの制度を利用するか検討してみてください。
一般NISAがおすすめな人
一般NISAの特徴は、個別株の投資ができる点と年間の非課税可能枠が大きい点です。
投資経験が既にある人
一般NISAで投資可能な商品は、株式・投資信託・ETF・REITなど、積立NISAやiDeCoと比べて自由度が高いです。幅広い選択肢の中から、自分の投資目的に合う商品を選べるため、既に投資経験がある方がおすすめです。
運用益だけでなく配当金にかかる税金も非課税になるため、120万円満額を高配当株に投資し、安定的に配当を得るということも可能です。もちろん成長株に投資し、運用益を非課税で受け取るのもいいでしょう。
ご自身の投資スタイルによって戦略を変更できるため、普段の株式投資の延長として捉えるのがいいでしょう。
毎年まとまった金額を投資に回せる人
一般NISAは年間120万円までを非課税枠として利用できます。積立NISAのように定額で積み立てて行く必要がないため、120万円の一括投資も可能です。
ただ、NISA制度ではその年の非課税枠の余りを翌年以降に繰り越せません。例えば、2021年の非課税枠を60万円までしか利用できなかった場合は翌年に繰り越しはできず、2022年の非課税枠は120万円と同じになります。
そのため、一般NISAの恩恵を最大限に受けるためには、毎年まとまった資金を投資に回せる必要があります。
積立NISAがおすすめな人
積立NISAは長期・積立・分散投資に適した投資信託・ETFのみを非課税枠で運用可能です。そのため、長期投資で将来の資産形成を目的とする方に適した制度です。
投資初心者の人
株式や債券、投資信託など金融商品は商品ごとに特徴があり、長期投資に適したものもあれば短期投資に適したものもあります。投資初心者が数多くある金融商品の中から、自分の目的に合った商品を見つけることは困難です。
積立NISAで投資できる商品は、国が長期・積立・分散投資に適した商品と認めたものとなっています。株価チャートの確認や商品分析は必要なく、毎月機械的に資金を積み立てて行くだけで資産運用ができます。
そのため投資に慣れていない初心者や、普段からチャートや評価損益のチェックなどに時間を取られたくない方におすすめです。
既に定期預金をしている人
定期預金と同様、積立NISAで資産形成する際も毎月の積立を継続することが大切です。既に定期預金をしている人は、毎月決まった金額を貯蓄する癖ができているため、積立NISAでの資産形成に向いています。
積立NISAは定期預金と比べて元本割れのリスクはありますが、その分利回りは大きいです。例えば、利回り3%が期待できる商品に毎月1万円ずつ積立すると、20年後には約328万円になります。元本は240万円(1万円 × 12ヶ月 × 20年)なので、約88万円が運用益になります。
投資には元本割れのリスクがあるため、抵抗がある方もいるかと思います。ただ10年後、20年後の資産額に大きな差が出るため、まずは少額からでも始めてみるのをおすすめします。
長期的にコツコツ資産運用したい人
積立NISAの非課税投資枠は最大で年間40万円で、月の上限額は約33,000円です。ただ、積立NISAの非課税投資枠は必ず最大まで利用しなければいけないわけではないため、毎月1万円、2万円と調整することが可能です。最低100円からでも大丈夫です。
非課税投資枠は一般NISAと比較して少ないですが、20年という長い時間運用益や分配金が非課税になるため、長期的にコツコツと資産運用したい方におすすめです。
iDeCoがおすすめな人
iDeCoは一般NISAや積立NISAと比べて節税メリットが大きいものの、60歳まで資金を引き出せないという大きなデメリットもあります。
1度始めてしまうと原則途中解約はできないため、始める場合はしっかりと制度を理解してから申し込みましょう。
老後に資金を準備したい人
iDeCoは原則60歳まで資金を引き出しできない点から、老後資金の準備に特化した制度です。
税金の負担を減らしながら、公的年金だけでは不足するといわれている老後資金を準備したい方におすすめの制度です。
お金に余裕がある人
生きている中で急な出費が必要になることはよくあります。
例えば結婚に出産、子どもの教育費や住宅購入費用などです。これらのライフイベントに関わる費用として、iDeCoに拠出した資産を引き出して利用することはできません。
節税効果は大きいものの、引き出せないデメリットをあまり考えずに始めてしまうと、いざという時にお金が足りないケースが出てくる可能性があります。
老後資金の準備をしつつ、節税効果を得られる点から魅力的な制度といえますが、無理なく続けるためにはある程度資金に余裕が必要です。
個人事業主・フリーランスの人
個人事業主やフリーランスの方は会社員が加入している厚生年金のような追加の年金制度がないため、何も対策をしていないと会社員よりも貰える年金が少なくなりがちです。
ご自身で老後資金を準備する必要性があるため、そのための手段としてiDeCoの利用がおすすめです。
また、会社員や公務員の拠出上限額が月額1.2万円〜2.3万円(年間14.4万円〜27.6万円)なのに対して、個人事業主やフリーランスは月額6.8万円(年間81.6万円)まで可能です。iDeCoの掛金は全額所得控除になるため、より多くの節税効果が期待できます。
NISAとiDeCoは併用できる
一般NISAと積立NISAはどっちかを選択しなければなりませんが、NISAとiDeCoは併用できます。
老後資金を準備する際はiDeCoを、それ以外にも対応できる資金を準備する際はNISAを利用して運用するのがいいでしょう。
これらの制度を併用することで、より大きな節税効果が得ることができます。
特定口座で投資を始める前に、まずは両制度から始めるのがおすすめです。
NISAやiDeCoにおすすめの証券会社
NISAやiDeCoを始めるためには証券会社や銀行などの金融機関を利用する必要があります。
しかし、NISAやiDeCoを利用するための口座は1人1口座しか開設できません。複数の金融機関で口座開設できない点から、どこで開設するかが大切になります。
NISAやiDeCoを運用する金融機関は途中で変更することができますが、手続きや審査等があり、すぐに変更できるわけではありません。
購入できる金融商品に差がある場合もあるため、証券会社を選ぶ前からどの銘柄に投資するかを事前に調べておくのがおすすめです。
ここでは特に人気の2つの証券会社をご紹介します。

【2022】楽天証券とSBI証券はどっちがおすすめ?比較や使い分けるポイント
楽天証券
楽天証券は楽天ポイントを利用した投資ができる点が特徴です。
楽天カードで投資信託の購入ができ、購入額の1%が楽天ポイントで還元されます。積立NISAの投資信託も楽天カードで購入でき、楽天ポイントが貯まります。
普段から楽天経済圏を使用している方は楽天証券で始めるのがおすすめです。
- 積立NISA:177本
- iDeCo:31本
※対応している投資信託の数(2021年8月時点)
iDeCoは投資信託に加えて、元本確保型商品が1本あります。積立NISAに対応している投資信託は合計199本と、ほぼ全ての商品を購入できる点がおすすめです。
NISA口座の取引では、国内株の売買手数料と一部の海外ETFの購入手数料が全額キャッシュバックされるため、一般NISAを利用する方にもおすすめできます。
SBI証券
SBI証券は最大手のネット証券です。取引手数料が安い点やIPO(新規上場株式)取扱件数が多い点などが特徴です。
また、Tポイントを利用した投資や三井住友カードによる投資信託の購入も可能です。
- 積立NISA:175本
- iDeCo:83本
※対応している投資信託の数(2021年8月時点)
iDeCoに対応した投資信託が豊富な点と、積立NISAに対応している商品も多い点がおすすめです。
元本確定型商品も4本あります。積立NISAでもiDeCoでもご自身に合った商品を選びやすいです。
一般NISAを利用する方にとっても、NISA口座での国内株の売買と海外ETFの購入手数料が無料な点、外国株式の取扱が多い点がおすすめです。
まとめ:NISAとiDeCoの特徴を理解しましょう
NISA(一般NISAと積立NISA)とiDeCoの特徴や違いを解説しました。
それぞれ特徴が異なる制度なため、ご自身の目的に合わせてどっちを活用するか検討する必要があります。
- 一般NISAがおすすめ:投資経験があり毎年多くの非課税枠を利用したい方
- 積立NISAがおすすめ:毎月コツコツと積み立てて、将来に向けて着実に資産形成したい方
- iDeCoがおすすめ:老後資金の準備をしたい方
NISAとiDeCoは併用できるため、資金に余裕のある方は2つの制度を積極的に活用して資産形成を進めましょう。
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記事筆者
マネカツ編集部 Manekatsu Henshubu
"将来への漠然としたお⾦への不安はあるけど、何から始めていいのかわからない…"
そんな方に向けて「資産運用」や「節税」など、お金に関する情報を発信しています。

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