ソーシャルレンディングとは?比較ポイントやおすすめ5選を紹介
新しい投資の手法として注目を集めているソーシャルレンディング。株式投資や投資信託などに比べ、手間がかからず初心者でも挑戦しやすい投資方法です。
この記事では、ソーシャルレンディングの基本からメリット・デメリット、選び方のポイントまで具体的に解説します。
ソーシャルレンディングを理解して、資産運用の選択肢の一つにしてみましょう。
この記事の目次
ソーシャルレンディングとは
ソーシャルレンディングとは、インターネットを活用した資金融資のことです。
初心者でも簡単に始められることや、高い利回りを期待できる投資の新しいサービスとして注目を集めています。
企業と個人投資家をマッチングさせるサービス
ソーシャルレンディングは「お金を借りたい企業」と「お金を貸したい個人投資家」をインターネット上でマッチングするサービスです。ソーシャルレンディングの運用会社は、個人投資家からお金を集め、そのお金を資金が必要な企業に融資します。
お金を借りた企業が借入金に利息を付けて返済することで、個人投資家には投資額に応じた利息(利益)が分配される仕組みです。
例えば、投資したお金を運営会社が金利12%で企業に融資したとします。そのうち、4%の利益を運営会社が取得した場合、個人投資家は残り8%の利益を得られるといった形です。
クラウドファンディングの一種
ソーシャルレンディングは、インターネット上で不特定多数の個人投資家から資金を集める仕組みで、その方法はクラウドファンディングと同じです。
ソーシャルレンディングはクラウドファンディングの一種とされ、「貸付型(融資型)クラウドファンディング」とも呼ばれています。
運営会社や融資先にもよりますが、最低投資額は1万円からというところが多いので、元本が少なくても始められます。
日本ではまだ始まったばかりの投資
2005年からアメリカやヨーロッパで普及し始め、日本では2008年にmaneo(マネオ)社がソーシャルレンディングサービスを開始しました。
日本におけるクラウドファンディングの市場規模は、2020年で約1,800億円といわれています。クラウドファウンディングはまだまだ発展途上で、今後さらに成長していくことが予想されます。
出典:株式会社矢野経済研究所「国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2021年)」
ソーシャルレンディングのメリット
ソーシャルレンディングのメリットは、主に以下の5つです。
- 手続きが簡単
- 少額でも運用できる
- 保全性が高い
- 利回りが高めである
- 時間や手間などの運用コストがあまりかからない
手続きが簡単
ソーシャルレンディングは、インターネット上で手続きするだけで簡単に始められます。
基本的な手続きの流れは次の通りです。
- 利用する運用会社を選ぶ
- 会員登録する
- 口座開設
- 口座へ資金を入金
- 企業を選んで投資をスタート
口座開設時に本人確認書類とマイナンバーの提出が必要ですが、パソコンやスマホから写真を提出するだけで申請できる会社が増えてきました。
運用会社により細かい手続きは異なりますが、基本的には利用する運用会社で口座を開設するだけでソーシャルレンディングを始められます。
口座開設にあたっての審査もないため、ソーシャルレンディングに興味が湧いた方はまずは気軽に口座開設してみることをおすすめします。
少額でも運用できる
ソーシャルレンディングは最低投資額が1万円と、少額からスタートできるものが多くあります。
少額から始められるため、分散投資でリスクも回避しやすいです。
毎月1万円ずつ積み立てるような形で取り組むこともできる投資です。
保全性が高い
ソーシャルレンディングは、ほかの投資案件と比べても保全性が高いものが多くあります。大手運用会社では、その多くが貸し倒れ率1%未満です。
投資案件の中には、担保付きや保証付きの案件もあります。
担保を設定している場合、融資先の企業が倒産したら運営会社が担保を売却するので、元本割するリスクが小さくなります。
保証付きの案件は、企業が保証会社を利用して保全対策がなされています。企業が資金を返済できない場合は、保証会社が代わりに返済してくれます。 ただし、保証付きはあくまで保証契約がついているというだけであり、元本保証ではありません。また、返済条件は保証契約の内容によって異なります。
担保付き・保証付き案件だからといって必ずしも全額回収できるわけではないので注意が必要です。
利回りが高め
ソーシャルレンディングは、株式投資や投資信託に比べて利回りが高めで4%~8%のものが多く、ゼロ金利ともいえる定期預金と比較するとかなり高めの利回りになっています。
利回りが高いということは、企業への融資の貸出金利も高いということです。金利が高くても融資を希望する企業があるのは、経営状況が健全でも銀行から融資を受けられない企業や事業があるためです。創業年数が浅かったり借入希望額が少額で短期間の場合は、銀行からの借り入れが難しくなります。
ソーシャルレンディングの場合、企業側は返済の確実性を厳しく審査されるものの、創業年数は柔軟に審査されることが多いです。そのため、金利が高くても融資を希望する企業が多く、高い利回りでの分配を期待できます。
運用にともなう労力が少ない
ソーシャルレンディングは融資でもあるため、一度融資すると期間満了まで何もする必要はありません。
日々価格変動がある株式投資と違い、ソーシャルレンディングは返済を待つだけなので、運用にかかる労力や時間があまりかかりません。
忙しくて運用の時間を取れないという人でも、安心して投資できるのはメリットといえるでしょう。
ソーシャルレンディングのデメリット
ソーシャルレンディングのデメリットは、主に以下の3つです。
- 資金提供先で発生する元本割れ
- 投資期間中は解約できないことが多い
- 事業者が倒産する可能性がある
資金提供先で発生する元本割れ
ソーシャルレンディングは企業への融資のため、貸し倒れのリスクは必ず伴います。
貸し倒れとは、融資先の企業が経営不振や倒産などの理由により元本の返済ができなくなってしまうことで、「デフォルト」とも呼ばれています。
貸し倒れてしまうと融資したお金を回収できなくなるため、融資した側は元本割れするだけでなく、最悪の場合全額が返済されないという可能性もあります。
担保付きや保証付きの案件であれば、もし貸し倒れが起きた場合でも損失を抑えられる可能性があります。実績や返済延滞状況を公開している運営会社もあるため、融資する際は事前に確認するとよいでしょう。
運用期間中は解約できないことが多い
ソーシャルレンディングにはそれぞれ運用期間が設定されています。運用期間は数ヶ月のものから、2、3年といった長期の案件まであります。一度投資をしたら、期間満了まで資金を引き出すことができません。
たとえ融資先の経営不振により返済が滞っているしている場合でも、基本的に契約期間中は解約できません。そのため、急に資金が必要になった場合でも、期間が満了するまで資金を返却してもらうことができません。
投資案件によっては長期間資金を動かせなくなるので、投資している資金がなくても生活に支障がない範囲で投資することが大切です。
事業者が倒産するリスクがある
ソーシャルレンディングは歴史の浅い金融商品で、運用会社の経営状態も融資先の企業規模も様々です。
各社予め対応策を提示していますが、運営会社が倒産すると投資金額が全額変換される保証はありません。
運営会社の経営状態を確認して、リスクも理解してから投資を始めましょう。
ソーシャルレンディングの比較ポイント
ソーシャルレンディングを安心して始めるには、信頼できる運営会社を選ぶことが大切です。現在は多くの運営会社があり、取り扱っている案件も各社さまざまなものがあります。それぞれの違いや特徴を理解し、慎重に選ぶようにしましょう。
運営会社を選ぶうえで押さえておきたいポイント次の3つです。
- ファンドの透明性があるか
- ファンドの数が豊富に用意されているか
- ファンドの貸し倒れリスクはないか
ファンドの透明性があるか
運営会社を通して企業に融資するため、資金を預ける運営会社の情報を把握しておく必要があります。
運営会社がどこに融資しているのか、融資先企業の経営状況はどのような状況かなどの情報を公開しているファンドは透明性が高いといえるでしょう。
反対に、情報公開の項目が少ないファンドは信頼性が低いため注意が必要です。
ファンドの数が豊富に用意されているか
取り扱いファンドの案件が豊富にあれば、自分の希望に合わせた案件を比較し選択しやすいです。募集頻度が多いほど、投資できる機会も増えます。
ファンドの数が少ない場合は比較検討ができないだけでなく、希望の案件があってもすぐに募集が締め切ってしまい投資ができない場合もあります。
取り扱い中の件数は運営サイトに公開されているので確認しておきましょう。
ファンドの貸し倒れリスクはないか
貸し倒れが起こってしまうと、融資したお金を回収できない可能性があります。貸し倒れ件数や延滞件数は公開されているので、ファンドや運営会社を選ぶ際に確認しましょう。合わせて、万が一貸し倒れが起こってしまった場合の対応も確認することをおすすめします。
また、貸し倒れリスクの一つの目安として融資金利が適正かどうかも確認するとよいでしょう。融資金利が高すぎると返済できなくなる企業が出てくる可能性があります。
利回りが高い案件は、それだけ貸し倒れリスクも上昇します。ソーシャルレンディングに慣れていないうちは、金利が低くても安全性に力を入れている運営会社を選ぶことで安心して投資できるでしょう。
ソーシャルレンディングのおすすめ運用会社5選
ここからは、運営企業や運用実績などの面から比較的安全に投資できるおすすめのソーシャルレンディング運営会社を紹介します。
Bankers(バンカーズ)
泰平物産株式会社という、45年以上貸金業を営んでいた老舗企業が前身のBankers(バンカーズ)。
1口10,000円から投資ができるので、初心者でも投資ハードルが低いです。
平均利回りは2.5%~4.5%に設定されていて、老舗貸金業のノウハウを活かした堅実な運用を期待できるのが魅力です。
Crowd Bank(クラウドバンク)
日本クラウド証券会社が運営する「クラウドバンク」は、日本の代表的なソーシャルレンディングサービスです。
2021年8月時点で1,486億円の融資を行っており、融資回収率は100%という実績があるため安心して利用することができます。平均利回り6.8%という数字も魅力です。
口コミも評判のいいものが多く「アプリが使いやすい」「実際に高利回りで運用できている」「案件が多く申し込みがしやすい」といったものが投稿されています。利回り重視で運用したい方におすすめです。
LENDEX(レンデックス)
LENDEX(レンデックス)は毎月複数のファンド募集があり、ファンドの募集頻度が高いというメリットがあります。
ほとんどの案件に対して担保を設定しているため、貸し倒れ時の損失リスクが少ない点も魅力です。
期待利回りも6%~10%と高水準になっています。
Funds(ファンズ)
1円から投資ができ、手数料も無料のため初心者におすすめなのがFunds(ファンズ)。
Fundsは上場企業への融資を中心に行っており、融資先には「アイフル」や「王将」、「メルカリ」などの大手企業がラインナップされています。
投資対象を厳しく審査しているため、貸し倒れリスクが低いのが特徴です。人気が高く、募集案件がすぐ募集終了になることもあります。
OwnersBook(オーナーズブック)
不動産に特化した融資が特徴のOwnersBook(オーナーズブック)。
プロが厳選した案件に1万円から投資ができます。
上場企業のロードスターキャピタル株式会社が運営しており、すべての不動産に担保が設定されているため、貸し倒れのリスクを抑えられるでしょう。
独自のSNSで情報交換できる仕組みや、スマホを利用して投資申し込みまで簡単にできるサービスなどが充実しており、少額から手軽に始めたい初心者にもおすすめです。
まとめ:ソーシャルレンディングなら少額から投資を始められる
ソーシャルレンディングは、資金を集めたい企業と融資したい人をつなぐ新しい投資手法です。
少額から始めることができ、株式投資のように売買や株価チェックなどの手間がかからないため初心者でも始めやすい投資です。
しかし、貸し倒れリスクや運営会社の倒産リスクなどのデメリットもあります。
運営会社や融資案件の情報を確認し慎重に投資案件を選ぶことで、より安心して投資できるでしょう。
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記事監修者
マネカツ編集部
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