日本の人口が減少し始め、少子高齢化と首都圏への人口集中が続いています。そのため国内経済は縮小し、企業の業績や株価にも影響を及ぼす可能性があるのです。

ところが、沖縄県だけは未だに人口が増加していることをご存知でしょうか。沖縄県は他の地域と違う歴史と文化を歩んできたてめ、人口が増加し続けているのです。

さらに、沖縄県の経済には独自のものがあります。そのため全国的には知られていなくても、沖縄県内で強い経営基盤を持つ企業があるのです。

そしてそれら企業のうちいくつかは株式を上場しており、長期的に株式投資をする価値があります。

この記事では、沖縄県の人口推移や今後の見通しについて解説します。次に沖縄県で高いシェアを有している上場企業3社を紹介し投資する価値について解説します。

最後までお読みいただければ、これまでとは違った見方で株式投資をすることができます。ぜひ、最後までご覧ください。

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沖縄県は日本でも貴重な「人口増加県」

沖縄県は日本でも貴重な「人口増加県」

総務省統計局は、2019年4月に2018年10月時点における日本の人口推移について発表しました。

これによると日本の人口は1億2644万3千人で、前年に比べて26万3千人減少(0.21%減)でした。

そして日本の人口減少はこれで8年連続となり、長期的にもこの傾向は続くとのことです。

ところが都道府県別の人口推移では、地域ごとに特徴が見られます。

統計局の発表では、人口が増加した都道府県が7つあったとのことです。

この7つとは首都圏の5都県、愛知県と福岡県、そして沖縄県でした。

また増加率では東京都が第1位(0.72%)で、沖縄県は第2位(0.31%)です。

沖縄県だけが「自然増加」

沖縄県だけが「自然増加」

さらに人口増減の要因は、大きく2つに分けることができます。

1つは「自然増減」、もう1つは「社会増減」です。

自然増減とは出生数と死亡数の差から生じる人口増減を表し、社会増減は人の移動を伴う人口増減を表します。

これらの分類をすると、違った視点が得られます。先述の人口増加した都道府県7つのうち、自然増加で人口が増えたのは沖縄県だけなのです。

これは2018年日本の合計特殊出生率が1.42であるのに対して、沖縄県は1.89という点からも理解できます。

さらに沖縄県は人口のうち15歳未満の占める割合が17.0%であり、都道府県別で最も高い比率でした。

15歳未満は10年以上先に労働者となり、消費活動の主役となる世代です。

したがって沖縄県は、全国の中で最も経済成長を見込むことができる地域なのです。

沖縄県は独自に展開する「インフラ型企業」が高いシェアを有している

沖縄県は独自に展開する「インフラ型企業」が高いシェアを有している

このように沖縄県は、他の都道府県とは違った経済動向を示しています。

したがって沖縄県では大型商業施設や通信、そして電力といった誰もが使うインフラ型企業は沖縄の経済成長を取り込むことができるのです。

そして企業の動向を見ると、興味深い点が見つかります。

沖縄県には、沖縄に特化してビジネスをしている企業が多くあります。

その中には先述のインフラ型企業も多く含まれており、沖縄県の主要なビジネスになっているのです。

さらに興味深い点はこれら沖縄企業の中に、株式を上場している企業があることです。

つまり沖縄企業に株主として参加して、沖縄県の経済成長から恩恵を受けることができます。

沖縄で強い基盤を持つ「沖縄上場企業」3社

沖縄で強い基盤を持つ「沖縄上場企業」3社

ここからは、沖縄県で高いマーケットシェアを持っている上場企業3社を紹介します。

経済成長が見込める地域で、大手企業に投資することは低いリスクで高いリターンを見込める典型的なケースです。

したがって投資を検討する価値は十分にあります。

【2659】サンエー:沖縄地盤の総合小売業

サンエーは、沖縄県宜野湾市に本社を置く沖縄最大手の小売業です。

大型ショッピングセンターを軸に、中小のスーパーマーケットを沖縄県内に70店舗出店しています。

同社はこれら店舗網を各地域に多店舗展開することで、高いシェアを確保しているのです。

さらにコンビニでは、ローソンと契約して沖縄ではサンエーがフランチャイズ店舗を展開しています。

さらにサンエーは家電量販店・雑貨店・ファミレスなど様々な業態の国内大手企業と契約を結び、店舗を展開しているのです。

【2659】サンエー:沖縄地盤の総合小売業

このようにサンエーは、総合小売業として高いシェアと強い経営基盤を有しており、沖縄県の経済成長にしたがって伸びることが見込まれるのです。

【9436】沖縄セルラー電話:沖縄トップシェアの携帯キャリア

沖縄セルラー電話は、平成3年に設立した電気通信事業者(携帯電話キャリア)です。

当時の沖縄の有力企業と、第二電電(現在のKDDI)が共同出資することで生まれました。

当時は、全国各地に「セルラー電話会社」が設立されていました。

そしてセルラー電話がauブランドで統一される時、沖縄セルラー電話は独自色が強かったことと、既に株式を上場していたため現在も別会社として運営されているのです。

沖縄セルラー電話には、特筆すべき点があります。

それは沖縄地域での携帯キャリアとして、トップシェアを保持していることです。

これは沖縄セルラー電話が沖縄の有力企業から支援を受けられたことと、戦後しばらくはアメリカ領だったためNTTの影響力が低かったことが根底にあると思われます。

それを証拠に沖縄セルラーは基地局数が圧倒的多く、受信可能範囲が広いのです。

さらに沖縄セルラーは光ケーブルによるインターネット通信や、格安SIM事業にも力を入れています。

通信事業は、今後も5G時代の到来など事業の拡張性が期待される業界です。

そしてさらなる経済成長が望める沖縄という地域性をふまえると、沖縄セルラー電話の成長は十分見込まれます。

【9511】沖縄電力:原発を持たない電力会社

最後に紹介する沖縄企業は、沖縄電力です。

沖縄電力はアメリカから返還された昭和47年に、政府や沖縄県が出資する特殊法人として設立されました。

その後、昭和57年に全島に電力供給を達成したのです。さらに昭和63年に民営化、平成4年には株式を上場しました。

沖縄電力の特筆すべき点は、「原子力発電所を保有していない」ことです。その理由は、明確ではありません。

しかし、他の電力会社に見られる「原子力発電所稼動の収益リスク」を考える必要がないのです。

一方で主力の火力発電には、二酸化炭素排出の問題があります。

そのため沖縄電力では、二酸化炭素排出量が比較的少ないLNG(液化天然ガス)による火力発電の導入を強化しているのです。

さらに沖縄電力の良い点は他の国内電力会社と比べて、保守的な財務方針をとっていることです。

日本の電力会社の多くは強固な地域独占性を盾にして、低い自己資本比率で経営していました。

しかし東日本大震災による原発事故では、東京電力の財務のもろさが経営基盤を大きく揺るがすことになったのです。

このように他の電力会社の多くが10~20%程度の自己資本比率なのに対して、沖縄電力は30%後半で推移しています。これは沖縄電力が、財務面でも安全性を重視した経営を行っていることを表しているのです。

まとめ:外国株に手を出す前に沖縄株を検討しよう

外国株に手を出す前に沖縄株を検討しよう

ここまで沖縄県の経済事情と独自の展開をしている上場企業について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。この記事のポイントは以下の通りになります。

  • 沖縄県は全国唯一人口が「自然増加」している
  • 沖縄県は今後も国内平均を上回る経済成長が期待できる
  • 沖縄県の経済成長から恩恵を受けられる沖縄独自の上場企業がある
  • 小売業界では「サンエー」が沖縄県で強い地盤を持っている
  • 携帯電話では「沖縄セルラー電話」がトップシェア
  • 「沖縄電力」は他社と比べて独自の事業展開をしている

日本は、経済成長が期待できないから外国株が良いと考える方が増えています。

しかし外国株は情報が少ないため、簡単に手出しすることができません。

一方で沖縄企業は国内企業でありながら、経済成長の恩恵を受けられる貴重な存在です。

これを機に、沖縄企業への投資を検討される方が増えることを願っております。

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