九州一の大都会、福岡。国際空港もあり、九州の玄関口としても知られています。

実は、福岡は物価が安く、住みやすい街でもあるのです。今回は福岡の住みやすさとメリット、物価についてまとめました。

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住みやすい街として知られる福岡

住みやすい街として知られる福岡

住みやすい街として知られる福岡。実際、どのような点が住みやすさにつながっているのか、街の概要や特性、文化などを紹介します。

福岡ってどんな街?

福岡県は九州の北東部にあり、北は玄海灘や響灘、東は周防灘に面しています。県の北西部の「福岡地域」は国や九州地域、県の中枢機関、大学等の研究施設が多く集まり、人口密度も高いです。

県第二の都市・北九州市を含む北東部の「北九州地域」は自動車工業や半導体、ロボットなどの生産工場が集積しています。

中央部はかつて炭鉱で栄えた「筑豊地域」で、現在では自動車産業を含む工場誘致を積極的におこなっています。

南部に広がる「筑後地域」は広大な土地と筑後川を囲む豊かな自然が特徴で、八女茶などの全国的に名高い農産物も多く産出しています。

福岡は日本海に面していますが、一年を通して比較的温暖な日が続く太平洋気候区に属し、過ごしやすい点も魅力です。

朝鮮半島や中国に近いことから、古代から人が多く集まり、7世紀末には大宰府、平安時代には鴻臚館などの政府施設も建てられました。

なお、江戸時代には、北西部は福岡藩、北東部は小倉藩、中南部は久留米藩と3つの行政地域に分かれていました。

福岡の人口

福岡県の人口は510.8万人(令和2年3月1日時点)で、全国の都道府県では9番目に多いです。

福岡県最大の都市、福岡市の人口は159.7万人(令和2年3月1日時点)で、全国の市区町村では5番目に多くなっています。福岡市は、九州だけでなく日本を代表する都市といえるでしょう。

参考:福岡県公式サイト「統計情報」、福岡市公式サイト「福岡市推計人口」、総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数 (平成31年1月1日現在)第17-1表 市区町村の人口」

福岡の文化

中国や朝鮮半島に近く、大きな港があるという地理的要因もあり、福岡の文化は外国の影響を強く受けて発展しました。

たとえば、福岡最大の祭りとして知られる「博多どんたく」は、オランダ語で「休日」を意味する「ゾンターク」に語源を発するといわれています。

もちろん、あまり海外の影響を受けない福岡ならではの文化も多数あります。

たとえば17世紀初めに井上伝によって創始された「久留米絣(くるめがすり)」は、木綿を藍染めにしたもので、久留米の特産品であるだけでなく、国の重要無形文化財にも指定されています。

ほかにも、繊細な表情が美しい「博多人形」や木を細かく組み込む「大川組子」、100を超える複雑な工程から生み出される「筑後和傘」などの素晴らしい伝統工芸品が多数あります。

福岡に住むメリット

福岡に住むメリット

実際に福岡に暮らすとどのようなメリットがあるのでしょうか。福岡ならではの5つの利点を紹介します。

新鮮で豊富な食材

福岡は美味しい食べ物の宝庫でもあります。北からは日本海の海の幸、南からは広大な土地で産出される農産物が届き、食卓を豊かに彩ります。

また、いちごの「博多あまおう」や、つやと粘りが特徴の米「つくしろまん」、高い糖度が魅力のキウイフルーツ「博多甘熟娘(はかたうれっこ)」など、全国的にも名前が知られるようになった、ブランド農産物が多いのも魅力です。

交通の利便性

福岡には国際空港があり、羽田や成田、関空、伊丹、新千歳、仙台などの日本のほとんどの空港との直行便があるだけでなく、ホノルルや北京、シンガポールなどの海外都市へもダイレクトにアクセスできます。

福岡は、飛行機だけでなく電車での移動も便利です。博多駅と小倉駅の2つの山陽新幹線駅があり、乗り換えなしで大阪や名古屋、東京に行くことが可能です。

また、博多駅を起点とする九州新幹線に乗れば、熊本や鹿児島中央などの九州内の都市へも乗り換えなしで行けます。

福岡市内には地下鉄も走っており、市民の足として利用されています。その他にも路線バスや高速バス、福岡中心部の都心100円バスなどもあり、交通の利便性の高さは全国でも指折りといえるでしょう。

豊かな自然

豊かな自然も福岡の魅力です。博多の都心部からわずか10分程バスに乗れば、風光明媚な博多湾に到着します。

陸続きで行ける志賀島(しかのしま)や、フェリーで10分の美しい花々が咲き乱れる能古島(のこのしま)などもあり、手軽にリゾート気分を味わえます。

福岡の自然は海だけではありません。江戸情緒残る柳川の川下りや八女の大茶畑を通して、自然を身近に感じることができます。

また、登山に適した山や展望台のある山が多いことも福岡県の特徴です。北九州市の皿倉山や糸島市の井原山などは、県外からの観光客も多く、人気の観光スポットです。

人が優しい

都会の人は冷たい…という言葉は、福岡では当てはまりません。先に述べたように県としても市としても規模が大きく、まさしく都会ですが、人情に厚く世話好きな人が多いという特徴があります。

道に迷っている人がいたら「案内したい!」と思うのが福岡県民ですし、まったく面識がない人とでも声をかけて話が始まることは普通のことです。

もちろん個人差はありますが、殺伐とした都会とはちょっと違うのが福岡市・福岡県なのです。

福岡に住む最大のメリットは物価が安いこと!

福岡に住む最大のメリットともいえるのが、物価の安さです。たとえば、日本の県庁所在地と政令指定都市を合わせた全52の都市中、福岡市はもっとも食料品価格が安い街です。

52都市の平均食料品価格を100とすると、福岡市は94.6しかありません。

また、食料品以外の物価も安いです。政令指定都市と東京都区部を合わせた21の地域のうち、福岡市は総合的な物価がもっとも安い地域です。

「都会は物価が高くて…」と思い込んでいる方にこそ、福岡市はおすすめの場所といえるでしょう。

参考:福岡市公式サイト「Fukuoka Facts 住みやすさの理由の一つです。」

福岡に住むデメリット

福岡に住むデメリットもあります。とりわけ、他の地域から福岡に引っ越してきた方が気になるデメリットとして、次の3つが挙げられます。

電車が混む

福岡市は人口150万人を超える大都市のため、朝夕の通勤・通学の時間帯は地下鉄・バス・電車などさまざまな交通機関が混雑します。

もちろん、土日も混雑します。県下随一の繁華街・天神には人があふれ、電車もバスも満員になります。

お正月には、九州を代表する初詣スポット・太宰府天満宮に向かう西鉄電車が混雑します。

臨時便も多数運行していますが、電車に乗るのも困難なほど大勢の人が押し寄せます。

年収が低い

厚生労働省の統計によりますと、福岡県の平均賃金(月収)は286.7千円と、全国平均賃金の306.2千円よりも月に約2万円低いようです。

高年収を期待するなら、東京都(380.4千円)や神奈川県(339.1千円)、大阪府(329.1千円)がおすすめです。

参考:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査の概況 第8図 都道府県別賃金」

食文化の違い

美味しいものがたくさんある福岡県ですが、人によっては味付けや食材が合わないこともあるでしょう。

自炊する場合でも、醤油やみそなどの基本的な調味料の味が他地域とは異なる場合があります。

福岡の物価

家賃が安い

全国の平均家賃は月55,695円ですが、福岡県では48,429円です。

家賃は毎月かかるものですから、安いのは嬉しいですよね。

ちなみに東京都の平均家賃は81,001円で、福岡県の2倍弱と高額です。

参考:総務省「平成30年住宅・土地統計調査住宅及び世帯に関する基本集計結果の概要」

食費が安い

安いのは家賃だけではありません。先述のように食費が安いため、暮らしやすさは抜群です。

福岡は農産物も豊かな地域ですから、美味しい食べ物を安く購入できます。

交通費が安い

たとえば西鉄電車なら、初乗り運賃は160円と低額で手軽に移動できます。通学に利用する場合はさらに安く、通学定期の平均割引率は81.3%にも上ります。

福岡市営地下鉄の初乗り運賃は210円と平均的ですが、市内を循環している福岡都心100円バスを利用すればどこで乗り降りしても100円(小人は50円)です。

通勤通学やショッピングも、交通費が安いと嬉しいですね。

参考:西日本鉄道株式会社「鉄道運賃(天神大牟田線・貝塚線)の改定申請について」

なんでも物価が安い

生活費の10大項目の費用を合計した平均物価指数において、福岡市は97.0(平均を100とした場合)と、21大都市中1位です。

政令指定都市でもっとも物価の安い福岡市なら、便利さと暮らしやすさを両立させることができますね。

なぜ福岡の物価は安いのか

交通費や食費、家賃、その他の物価も安いとなると、なぜそんなに安いのか気になりますよね。福岡が安く生活できる理由について見ていきましょう。

新鮮で豊富な食材の生産地である

福岡は農産物や海産物、酪農製品などの生産地としても有名です。つまり、輸送費があまりかからないため、食料品も安くなるのです。

所得がそれほど高くない

福岡は人口の多い県・市ですが、所得はそれほど高くはありません。土地も高額ではないため、交通費や家賃、住宅価格も高くなり過ぎません。

オペレーションコストの安さ

賃金が安いということは、商品を売るまでのコスト(オペレーションコスト。検品や値札付け、陳列、補充などのバックヤード業務)も安いということです。

つまり、人件費が高すぎないため、スーパーなどで商品を安く買えるのです。

まとめ

気候と自然に恵まれた福岡。都市部と郊外が適度にミックスした暮らしやすい街です。

大学などの教育機関も充実し、子育て世代にもおすすめです。物価も安いですので、引っ越し先の候補として考えてみてはいかがでしょうか。

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