5人家族の生活費の平均はどのくらい?支出の内訳と節約のポイントを解説
5人家族の世帯では、食費や光熱費などの生活費がかさみやすく、毎月の支出が気になる方も多いかもしれません。
生活費を節約するためには、現状の家計の問題点をしっかり把握し、理想的な家計バランスに近づけることが大切です。
この記事では、5人家族の生活費の平均や理想的な家計のバランス、節約を成功させるための具体的なコツについて詳しく解説していきます。
日々の家計管理の参考にしてください。
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この記事の目次
5人家族の生活費の平均はいくら?
総務省が実施している「家計調査(2023年)」によると、5人家族の1ヶ月の平均的な消費支出の合計金額は約34.2万円です。
生活費の内訳は下記の通りとなります。
項目 | 金額 | 割合 |
食料 | 101,806円 | 29.8% |
住居 | 12,549円 | 3.7% |
光熱・水道 | 27,100円 | 7.9% |
家具・家事用品 | 13,915円 | 4.1% |
被服及び履物 | 12,579円 | 3.7% |
保健医療 | 11,346円 | 3.3% |
交通・通信 | 54,140円 | 15.8% |
教育 | 30,339円 | 8.9% |
教養娯楽 | 34,276円 | 10.0% |
その他の消費支出 | 43,923円 | 12.8% |
消費支出合計 | 341,973円 | 100.0% |
消費支出の中でもっとも大きな割合を占めるのが「食費」で、生活費全体の約3割を占めています。
次いで大きな比率を占めるのが「交通・通信」で、こちらは約16%に達します。
「住居費」については、住んでいる場所や持家か賃貸かといった条件によって支出金額が大きく異なるため、家計全体に与える影響も個々の状況によって大きく変わります。
出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表 年次 2023年」
5人家族の生活費の目安
平均的な生活費の水準を参考に、自分たちの家計を見直す際の目安となる生活費を確認してみましょう。
ここでは生活費全体および住居費や食費の目安を紹介します。
生活費全体の目安
生活費の目安を考える際には、収入に対する支出の割合を意識することが大切です。
この基準として参考になるのが、アメリカの上院議員であるエリザベス・ウォーレン氏が提唱した「50(NEEDS):30(WATS):20(SAVING)」という「家計の黄金比率」です。
これは、支出を「必要なもの」「欲しいもの」「貯蓄・投資」の3つに分け、毎月の収入に対して50:30:20になるように設定するという考え方です。
「必要なもの」は生活に欠かせない支出のことで、住居費や食費、水道光熱費、保険料、日用品、医療費といった項目が該当します。
「必要なもの」の支出は収入に対して50%程度に収めることが理想とされています。
次に「欲しいもの」は、外食費や被服費、交際費などが当てはまります。
生活に直接必要はないものの、ちょっとした贅沢や娯楽に使うことで生活を豊かにしてくれるお金です。
この項目の収入に対する割合としては30%を目安とします。
毎月の収入から、上記の「必要なもの」「欲しいもの」を差し引いた残りの20%を「貯蓄・投資」に回すというのが、家計の黄金比率における基本的な考え方です。
この黄金比率を意識することで、バランスの良い家計管理が実現できるでしょう。
住居費の目安
住居費は一般的に世帯月収の3割が目安とされています。
ただし5人家族の場合、広い間取りが必要になることが多く、3LDK以上の間取りが理想的でしょう。
その一方で、間取りが広くなるほど家賃や住宅ローンなどの住居費が家計に与える負担は大きくなりやすいため、支出を抑えるための工夫が必要になります。
家賃相場の安いエリアに引っ越しを検討したり、住居費以外の項目で支出を減らしたりすることで、家計全体のバランスを取ることも一つの方法です。
適切な住まいを選びつつ、他の支出を賢く管理することで、広い間取りを確保しながら家計を健全に保つことが目指せるでしょう。
食費の目安
総務省の「家計調査(2023年)」によれば、5人家族の平均的な食費は約10万円とされています。
このうち外食費は18,956円と、食費全体の約2割が外食での支出となっています。
理想的な食費の目安を設定するためには、自分の生活のエンゲル係数をチェックすることもおすすめです。
エンゲル係数は、消費支出における食費の割合を指し、「(食費 / 消費支出 × 100)」で計算されます。
一般的にエンゲル係数は20%前後が理想的と言われていますが、「家計調査(2023年)」によると5人家族の平均的なエンゲル係数は29.8%とやや高めです。
そのため食費の削減を目指す場合、いきなり大幅に抑えるのではなく、まずはエンゲル係数を25%程度にすることを目標としてみましょう。
例えば、1ヶ月の手取り収入が30万円の方は、食費を7.5万円以内に抑えるイメージです。
これにより、無理のない範囲で家計改善に取り組むことができます。
出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「家家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表 年次 2023年」
生活費の現状把握と改善方法
生活費を今よりも抑えたい場合、まずは現状の課題を認識することが大事です。
ここでは生活費の現状を正しく把握する方法や、今よりも家計を改善するためのポイントを解説します。
現状の収支を把握する
家計が赤字になってしまう原因の一つとして、収支を正しく把握できていないことが挙げられます。
現在の収支を漏れなく把握するためには、家計簿をつけて現状を見える化することが大切です。
日々の収入と支出を記録することで、どの項目にどれだけお金が使われているのかを把握でき、無駄な出費や改善の余地が明確になります。
また、前月や前年との比較を通じて、収支の変化や傾向も把握しやすくなるでしょう。
手書きの家計簿を細かく記録するのが苦手という場合は、家計簿アプリを活用するのもおすすめです。
クレジットカードや銀行口座などと連携すれば、収支を自動的に記録して項目ごとに分類してくれるため、手間をかけずに家計の管理が行えます。
家計簿をつけることは、支出をコントロールし、赤字を防ぐための基本です。
まずは、自分に合った方法で収支の管理を始め、家計の状況をしっかり把握することから取り組んでみてはいかがでしょうか。
【2025】資産管理アプリのおすすめ8選!無料のアプリや選ぶ際のポイントも解説
赤字を改善する
現状の収支が把握できたら、赤字となっている部分を見直していきましょう。
ここでは、「固定費」と「変動費」に分けて、赤字改善のコツを紹介します。
固定費を見直す
家計が赤字に陥る大きな原因の一つは、収入と支出のバランスが取れていないことです。
中でも、住居費は家計に与える影響が大きく、住宅ローンや家賃などの固定費は、住むエリアや住居の性能に応じて大きく差が出るのが特徴です。
「職場に近い方が便利」「高機能住宅に住みたい」といった希望を優先し、収入に見合わない高額な住居費を支払い続けると、家計に負担がのしかかります。
その結果、貯蓄が難しくなるだけでなく、教育費や急な出費に対応できなくなる可能性も高まるでしょう。
長期的に安定した家計を維持するためには、収入に見合った生活水準を保つことが不可欠です。
固定費を適切な範囲に抑えることで、自然と毎月の支出も削減されるため、1年間を通して無理なく赤字の改善が期待できます。
必要に応じて住むエリアや住宅の条件を見直し、無理のない範囲で固定費を調整することで、家計の安定と長期的な安心を実現していきましょう。
固定費7項目を節約・削減する方法一覧!節約のためのポイントも紹介!
変動費を見直す
5人家族において変動費を抑えるポイントは「食費」の見直しです。
平均的な5人世帯の食費は毎月10万円以上になるため、ここを上手に節約することで家計全体の負担を軽減できます。
食費を節約するためには外食の頻度を減らし、自炊を増やすことです。
自炊を習慣化するだけでなく、計画的に行うことがさらなる節約につながります。
たとえば、1週間分の予算をあらかじめ設定し、その範囲内で買い物をするように心がけましょう。
さらに、事前に1週間分の献立を決めておくと、必要な食材だけを購入でき、余計な買い物や食材を余らせてしまって廃棄することを防ぐことができます。
買い物の頻度も工夫することで無駄遣いを抑えられます。
週に1〜2回程度と決めておくと、余計なものを衝動的に購入するリスクが減り、家計のコントロールがしやすくなるでしょう。
こうした工夫を積み重ねることで、無理のない形で食費の節約を実現し、家族全体の生活をより安定させることが目指せます。
節約を成功させる3つのポイント
節約を成功させるためには、以下の3つのポイントを意識することが重要です。
これらを実践することで、無理なく効率的に節約を進められるでしょう。
- 目標を決める
- 計画的に進める
- 無理のない範囲で行う
目標を決める
節約を成功させるためには、まず具体的な目標を設定することが大切です。
ただ漠然と節約を始めても、目的が明確でないと途中でモチベーションが低下し、挫折する可能性が高くなります。
「5年間で貯金1,000万円貯める」「3年後に住宅を購入するための頭金として500万円貯める」など、期間と目標金額を具体的に決めて節約を始めることがおすすめです。
目標を設定することで、日々の暮らしの中でも「目標達成まであと〇円」という意識が自然に芽生えるため、より効果的に節約に取り組めるようになるでしょう。
また、目標達成に近づいている実感が得られると、さらにやる気が湧いてくるため、長期的な節約計画でも継続しやすくなります。
計画的に進める
節約はただ無駄を省くのではなく、最終目標から逆算して計画的に取り組むことが重要です。
例えば、「1年で60万円を貯める」という目標を掲げても、具体的に何を節約すれば良いのかが曖昧だと、計画が進みにくくなります。
しかし、これを「1ヶ月に5万円を貯める」という目標に置き換えることで、何をどのくらい削れば良いのかが明確になります。
さらに、「美容費を1万円削る」「飲み会を1回我慢する」といったように、日々の具体的な節約行動を設定すれば、日々の生活の中で達成感を得やすくなり、モチベーションを維持しやすくなるでしょう。
節約を続けるためのポイントは、目の前の小さな目標を一つずつクリアし、その積み重ねで最終目標に到達する仕組みを作ることです。
目標達成の進捗を定期的に振り返り、自分の努力が結果につながっていることを確認する習慣をつけるのも効果的です。
こうした方法を活用することで、無理なく、そして楽しみながら節約を続けることができるでしょう。
無理のない範囲で行う
節約を成功させるためには、無理なく続けられる方法を取り入れることが重要です。
例えば、食費を大幅に削ったり、趣味にかけていたお金を一気に減らしたりするなど、急に生活水準を大きく下げるのはおすすめしません。
これまでの生活を大きく変えるとストレスが溜まり、結果として節約そのものが長続きせず途中で挫折してしまう可能性が高まります。
特に、趣味や娯楽にかけるお金は、心を豊かにして日々の生活を楽しいものにしてくれる支出でもあります。
このような支出を極端に削ると、生活に楽しみがなくなり、節約に対するモチベーションが維持できなくなることがあります。
無理せずにできるところから少しずつ支出を見直すことで、ストレスを最小限に抑えながら、節約を続けることができるでしょう。
まとめ:5人家族の生活費を節約する方法を知って改善ポイントを見つけてみよう
5人家族の生活費を節約するためには、現状の生活費を正確に把握した上で、自分の家庭にとって理想的な生活費を計算することから始めてみましょう。
現状の家計の収支が詳しくわからないという方は、家計簿を活用して支出の「見える化」することで、無駄な出費を見つけやすくなり、改善ポイントを明確にすることができます。
本記事では、5人家族の生活費の目安や節約するポイントなどを紹介しました。
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記事監修者
山口 祐平
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、証券外務員の資格を持つ専門家。
証券や投資用不動産の販売において、卓越した商品分析力を発揮し、幅広い商品知識を駆使して顧客に最適な投資プランを提案している。
商品特性の深い理解に基づき、複雑な金融商品や不動産投資に関するニーズに対応し、信頼性の高いコンサルティングを提供。
これまで培ってきた知識と経験をもとに、顧客の資産形成に寄与している。
記事監修者
山口 祐平
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、証券外務員の資格を持つ専門家。
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