私たちの生活とお金は、密接に関わっています。

  • モノやサービスの対価としてお金を払う
  • 労働の対価としてお金を得る
  • マイホームの購入資金や車の購入費用としてお金を借りる

日々さまざまな場面でお金と関わっているので、生活とお金を切り離して考えるのは難しいでしょう。

そのため、生きていくために必要な「お金に関する知識」や「判断力」として「マネーリテラシー」を高めることが大切です。

この記事では、マネーリテラシーの意味や、お金に関する知識を高める方法・高めることによるメリットについて解説します。

マネーリテラシー(金融リテラシー)の意味とは

マネーリテラシー(金融リテラシー)の意味とは

「マネーリテラシー」は、「マネー(お金)」と「リテラシー」が合わさった言葉です。

リテラシーは「読み書きの能力」を意味する「literacy」を語源とするカタカナ用語です。

日本語では「与えられた材料から必要な情報を引き出し、活用する能力」という意味で使われることが多いです。

お金を意味する「マネー」と「リテラシー」を組み合わせた「マネーリテラシー」は、お金の知識やお金の知識を活用して判断する能力、と捉えられます。

お金の知識や判断力のこと

マネーリテラシーが意味する「お金の知識や判断力」についてもう少し具体的に解説します。

金融庁は、「最低限身に付けるべきマネーリテラシー(金融リテラシー)」として4つの分野をあげています。

  • 家計管理
  • 生活設計
  • 金融と経済の基礎知識と、金融商品を選ぶスキル
  • 外部の知見の適切な活用

出典:知るぽると 金融広報中央委員会「金融リテラシー・マップ「最低限身に付けるべき金融リテラシー(お金の知恵・判断力)」の項目別・年齢層別スタンダード」

1. 家計管理

家計管理は収入と支出を明確にし、収入以上の支出がないよう適切な収支管理を習慣づけることを意味します。

「収入>支出」の生活を習慣にすると手元に確実にお金が残るため、家計管理がしっかりできれば計画的に貯金を増やすことができます。

2. 生活設計

ライフプランを明確にし、思い描いたライフプランを実現するためにどのくらいのお金が必要になるかを想定できるようにします。

いつまでにいくら必要かを算出したあとは、計画的に貯金・資産運用を行うことが大切です。

3. 金融と経済の基礎知識、金融商品を選ぶスキル

金利やインフレ・デフレ、為替などの金融と経済の基礎知識に加えて、金融取引や金融商品などの基礎知識を学び、目的に合わせて適切な金融商品を選択できるスキルをいいます。

金融商品の販売・勧誘行為に適用される法令や制度を理解し、詐欺に遭わない慎重な契約を心がけることが必要です。

また、複利や割引現在価値、長期投資など、お金の価値と時間との関係について理解していることも大切です。

4. 外部の知見の適切な活用

金融商品を利用する際には、ファイナンシャルプランナーや金融機関の担当者など、専門家の知見を適切に利用することも大切です。

まずは気軽に助言を貰えるような相談先を明確にし、資産運用する際は金融商品毎に適したアドバイスを求められるようにしましょう。

日本人のマネーリテラシーが低いといわれている理由

金融広報中央委員会による「金融リテラシー調査 2019年」の結果によると、上述した「最低限身に付けるべきマネーリテラシー」の4分野に関するテストで知識問題の日本の正答率は56.6%でした。

米国と比べると共通問題の正解率が6%程低く、イギリス・ドイツ・フランスと比較しても共通問題の正答率は下回っていました。「望ましい金融行動や考え方」という項目でも、他の先進国と差が開いていることが分かります。

このような結果からも、日本人のマネーリテラシーは低いといわれています。

出典:知るぽると 金融広報中央委員会「金融リテラシー調査2019年調査結果」

お金・金融に関する教育の機会が少ないことも要因

同調査による、「学校で家計管理や生活設計に関する授業などの金融教育を受けたと認識している人の割合」は7.2%でした。

加えて、「家庭で金融教育を受けたとの認識がある人」は全体の20.3%です。

これらの調査結果から、日本人のマネーリテラシーが低いといわれる背景には、お金に関する知識について学ぶ機会が少ない点にあると考えられます。

マネーリテラシーが高まることによるメリット

マネーリテラシーが高まることによるメリット

お金に関する知識と判断力を身につけ、マネーリテラシーが高まると世の中のさまざまなことが分かるようになり、生活にも役立ちます。

例えば、ローン金利についての知識があると、人生で大きな買い物といわれる「マイホームの購入」をする際に役立ちます。

また、正しい家計管理や税金の知識などを身につけることで、貯金・貯蓄がしやすくなる点もメリットです。

ここでは、マネーリテラシーが高まることによるメリットを紹介します。

資産形成に積極的になれる

マネーリテラシーが高くなると、資産形成の手段として銀行預金以外の手段を積極的に選べるようになります。

現在の普通預金の金利は大手メガバンクで0.001%、普通預金の金利が高い一部のネット銀行でも条件付きで0.1%です。

メガバンクの金利の場合、100万円で10円の利息、ネット銀行の金利では100万円で1,000円の利息がつくという計算になります。

定期預金に預ける場合でも金利が高くはないため、銀行預金はお金を預けることがメインでお金を増やすことには向いていません。

そのため、ライフプランに合わせて必要なお金を準備する際には、銀行預金以外の資産形成が必要な場面が訪れます。

  銀行 ネット銀行
(条件付き)
投資信託
(元本割れリスクあり)
元本 100万円 100万円 100万円
年利 0.001% 0.1% 3%
利息 10円 1,000円 30,000円

マネーリテラシーを高めて、株式や債券、投資信託、外貨など、他の金融商品のメリットやリスクを理解すると、必要に応じて適切に資産形成できるようになります。

経済の動き(世界の動き)への関心が強くなる

マネーリテラシーが高まると、金融や経済についての基礎知識がついてくるため、日本(世界)経済の動きに関心を持つようになります。

さまざまなニュースや情報に対して経済的な視点で捉えられるようになり、その情報が自分や身の回りにどのような影響を与えるか、どのように対処すべきか、などを考えられるようになります。

マネーリテラシーが高まり財務・金融知識がつくことで、経営陣と対等に話せたり、決算書が読めるようになるなど、仕事面でもプラスになることがあります。

マネーリテラシーを高める方法5選

マネーリテラシーを高める方法4選

マネーリテラシーを高めるための手段として、本や動画で勉強するのがいいでしょう。今はYoutubeで良質な動画がいっぱい投稿されています。

他にも経済ニュースを見たり、資格取得の勉強をするのも知識が身につくだけでなく、今後の人生に役立つことが多いのでおすすめです。

お金の勉強におすすめの本

知らないと損する 池上彰のお金の学校

知らないと損する 池上彰のお金の学校

池上彰さんが銀行や保険、投資、税金など、生きていく上で欠かせないお金に関する知識を丁寧にまとめてくれています。

お金に関する知識がほとんどない方に、まず読んでいただきたい一冊です。

「知らないと損する 池上彰のお金の学校」の購入はこちら

図解・最新 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!

図解・最新 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!

初心者向けの投資に関する本です。お金を増やすために「具体的にどのようなことをすればいいのか」を知りたい方におすすめです。

会話形式の文章で読みやすく理解しやすい内容となっています。

「お金の増やし方を教えてください!」購入はこちら

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん

世界中で販売されているベストセラーです。

タイトル通り、「金持ち父さん」と「貧乏父さん」が登場し、2人のお金に関する考え方の違いがどのように人生に影響を与えるのかが描かれています。

お金の流れや資産と負債の違いなど、お金持ちになるための考え方がまとめられています。

「改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん」の購入はこちら

誰も教えてくれないお金の話

誰も教えてくれないお金の話

「お金が貯まらない」「知らないうちにお金が消えていく」といった悩みを抱える主人公がお金に関する知識を学んでいく内容の作品です。

漫画部分とその補足部分の活字に分かれています。家計や住宅ローン、保険、年金など、さまざまなお金に関する内容を学べます。

漫画は読みやすく、章の間にある補足で知識が深まるため、お金の勉強を初めてする方に特におすすめです。

「誰も教えてくれないお金の話」の購入はこちら

漫画 バビロンの大富豪の教え「お金」と「幸せ」を生み出す黄金法則

漫画 バビロンの大富豪の教え「お金」と「幸せ」を生み出す黄金法則

世界的ベストセラーの漫画版です。大昔に実在していたバビロンの大富豪がお金を増やすための知恵を教える内容です。

この漫画では、お金を「貯める」「守る」「増やす」ための原則を学べます。

今日から実践できるものや将来役立つ考え方が多くあるおすすめの作品です。

「バビロンの大富豪の教え」の購入はこちら

インベスターZ

インベスターZ

「ドラゴン桜」の作者による投資をテーマにした漫画です。内容は、主人公の中学生が学校経営のために投資でお金を稼ぐ、といったものです。

投資に関する内容に加えて、投資をするためのお金に関する内容も多くあります。

活字が苦手な方でも「投資」や「お金」の勉強ができるためおすすめです。

「インベスターZ」の購入はこちら

お金の勉強におすすめのYoutube動画

両学長 リベラルアーツ大学

お金に関するさまざまな情報をYouTubeで発信されています。

すでに公開されている動画には下記のようなものがあります。

  • 積立NISAやiDeCoなど、資産運用に関するもの
  • 生命保険に関するもの
  • 毎月の経済ニュースをまとめたもの
  • 転職、副業など「お金を稼ぐ」に焦点を当てたもの など

10分〜30分ほどの動画でわかりやすくまとめられています。

また、両学長が出版している「お金の大学」も大人気で、Amazonや楽天市場でも常に人気ランキング上位にあります。

動画の内容がギュッとまとめたものになっているので、本でじっくり勉強したい方におすすめです。

「お金の大学」の購入はこちら

はじめての金融リテラシー

全国銀行協会が学校教育や消費者教育に携わる方向けに公開している動画です。

資産運用やローン・クレジットなどの基礎知識をはじめとしてマネーリテラシーを学べます。

お金に関する基礎的な情報が中心です。マネーリテラシーを身につけたいと考えている方で、書籍ではなく動画で勉強したい方におすすめです。

参考:一般社団法人全国銀行協会 [全銀協]「はじめての金融リテラシー」

経済ニュースを見る癖をつける

いきなり経済ニュースを見ても、最初は何を言っているのか全然分からないことも多いでしょう。

ニュースでは図やグラフ、映像などを利用して見ている人が理解しやすいように解説してくれているため、見続けることで少しずつニュースの内容が分かってきます。

まずは知っている企業や興味のあるジャンルの経済ニュースから見てみてはいかがでしょうか。日々経済ニュースを見ることで、世の中の流れをおさえられる点からもおすすめです。

実際に少額から投資してみる

マネーリテラシーを高めるためには、実際に行動に移してみることがおすすめです。

投資をする際は、いきなり大金を投入するのではなく、少額から始めてみましょう。

実際に投資をして値動きや売買を経験することで、知識を体得しやすくなります。

まずは少額から投資をしてみて、自分にあった投資スタイルを探しつつ、価格の値動きに慣れることから始めてみてください。

投資を始めると、株価に影響するニュースへの関心も高まり金融知識の学習速度も増していくでしょう。

簿記やFPの資格勉強をしてみる

簿記やFPなど、お金に関する資格の勉強もおすすめです。

簿記とは、お金やモノの出入りを記録する方法のことです。簿記を理解して決算書が読めるようになると、どのようにして会社が利益を出したのか、会社の財産はどのくらいあるのか、などといったことが分かるようになります。経済ニュースを理解する際にも役立つでしょう。

FPの資格では、家計に関わる金融や税金、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など、お金に関する幅広い知識を勉強できます。

簿記やFPなどの資格勉強すると、マネーリテラシーを高めるだけでなく、就職や転職、個人事業主として独立する際にも役立つ可能性があります。

これらの知識は本業で役に立たなくても、副業につながる可能性もあり無駄になることがありません。

最初の投資はNISAやiDeCoがおすすめ

マネーリテラシーを高める方法4選

マネーリテラシーを高める方法として、少額から投資を始めることをおすすめしました。

その際には、NISAやiDeCoといった国が推奨する制度を利用することをおすすめします。

ただし、NISAやiDeCoは全ての金融機関を通して1人1口座までしか開設できません。

金融機関によってNISAやiDeCoで運用できる金融商品も異なります。

ご自身が運用を検討している金融商品を取り扱っていることを確認してから口座開設をして、投資を始めてみてください。

NISAの特徴

NISAは「少額投資非課税制度」と呼ばれている制度です。本来であれば、投資の利益に対しては20.315%の税金が発生するところ、NISA口座で運用している商品に限っては非課税となります。

NISA制度には、一般NISAと積立NISAがあり、ここでは一般NISAの特徴を簡単に解説します。一般NISAでは国内株や米国株などの個別株やETF、REITなど、幅広い金融商品に投資できます。1年間で運用できる金額は120万円までで、最長で5年間非課税で運用できます。

一般NISAは個別株や高配当株投資、株式だけでなく不動産(REIT)やコモディティなど幅広い選択肢から投資先を選びたい方におすすめです。

積立NISAの特徴

積立NISAもNISA制度のひとつで、投資の利益が非課税です。一般NISAと積立NISAの両方の制度を利用することはできないため、どちらかを選択する必要があります。

積立NISAで運用できる金融商品は、金融庁が「長期」「積立」「分散投資」に適していると認めた投資信託とETFのみです。

1年間で運用できる金額は40万円で、最長で20年間非課税で運用できます。基本的には毎月一定額を積み立てることになり、証券会社によっては100円から始めることもできます。

積立NISAは長期間運用をしたいと考えている方や、定期預金のように毎月コツコツ積み立てていきたい方におすすめです。

iDeCoの特徴

iDeCoは「個人型確定拠出年金」のことで、公的年金とは別で老後資金を確保するための投資制度です。

iDeCoで運用できる金融商品には、定期預金や保険、投資信託があります。月々5,000円から1,000円単位で毎月積み立てる金額を設定できます。ただし、毎年積み立てられる金額には上限があり、上限は職業によって異なります。

iDeCoのメリットは毎月積み立てるお金が全額所得控除の対象になる点や、運用で得た利益が非課税になる点にあります。しかし、60歳になるまでは原則引き出しできない点には注意が必要です。

老後資金を準備するために投資を検討している方や個人事業主・フリーランスなど、公的年金が多く見込めない方におすすめの制度です。

まとめ:マネーリテラシーを高めて豊かな人生を送りましょう

まとめ:マネーリテラシーを高めて豊かな人生を送りましょう

マネーリテラシーとは、お金の知識や判断力のことで、私たちが生きていく上で重要なスキルです。日本では学校や家庭で金融教育を受ける機会があまりないため、多くの人にとってマネーリテラシーは自発的に学習して身に付ける必要があります。

マネーリテラシーを身に付けるとことで、適切な収支管理が習慣になり、効率的に貯蓄できるようになったり、経済状況に合わせて適切な金融商品を選ぶスキルが身に付きます。

人生のさまざまな局面でお金に関連する選択が必要になる場面があります。その時々で適切な判断ができるようにお金の知識や判断力を身につけ、豊かな人生を送りましょう。

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