財布に何枚ものクレジットカードを入れている方を多く見受けられるようになり、すでにキャッシュレス時代に近づきつつあります。

しかし、便利なクレジットカードもすべての方が持てるわけではありません。クレジットカードを持つためには審査というものがあり、それに通らないとカードは持てないのです。

そこで、クレジットカードの審査の際に気になる審査基準やその基準に通るための対処方法についてご説明します。

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無職でもクレジットカードを作れる場合、作れない場合がある

カードローンの場合には、管轄する貸金業法において「融資を受けられる対象者は安定した一定の収入があること」が条件になっており、無職の方は借りることはできません。

しかし、クレジットカードの場合は、管轄する法律は割賦販売法であり、無職でも絶対にクレジットカードが作れないわけではありません。無職の場合でも作れる場合と作れない場合があるのです。

無職でもクレジットカードを作れるケース

では、無職でもクレジットカードが作れるケースというのはどのような場合なのでしょうか。

扶養してくれる家族がいる

クレジットカードには、家族カードというものがあります。収入のない専業主婦の方でも、ご主人がクレジットカードを作った際には、家族カードを発行してもらってカードを持つことができるのです。

基本的な利用限度額は、ご主人の信用で認められた限度額が家族全員の限度額となりますが、扶養家族になっている専業主婦の女性でも持つことのできるカードになります。

でも、働いておられる女性の場合は、自分名義のクレジットカードを持つことは充分に可能です。

潤沢な預貯金や資産がある

銀行などのカードローンの場合には、資産家で1億円を越えるような潤沢な金融資産(株式、預貯金など)や不動産資産がある場合には、無職の方でも銀行の優良顧客に迎えるために高額のカードローンを発行します。銀行は貸金業法の対象外であり、子会社などの保証会社に保証をさせて融資を行なうのです。

それと同じように、クレジットカードでも潤沢な金融資産や不動産資産がある方にはカードを発行してくれます。しかも大きな限度額のあるカードの場合が多いのです。

無職でクレジットカードを作れないケース

原則的には、カードローンと同様、失業中で無職の方の場合にはクレジットカードは作れません。しかし、クレジットカードでは、それ以外でもクレジットカードを作れないケースがあります。

信用情報に傷がある(ブラックリスト)

クレジットカードもカードローンも、個人の方の信用情報(借入残高や返済情報など)を登録して蓄積している信用情報機関というものがあります。クレジットカード業界ではCIC(CREDET INFORMATION CENTER)であり、カードローン業界はJICC(日本信用情報機構)がそれに当たります。

クレジットカードを申込んだ場合には、クレジットカード会社などはこれらの信用情報機関から申込まれた方の個人登録情報を確認することができます。そして、その際に延滞情報がある場合にはカード審査には通らないのです。

この信用情報機関で延滞情報、金融事故情報などがある方については、ブラックリストに掲載されていると呼んでおり、どこのクレジットカード会社に行っても審査には通りません。

・CIC
https://www.cic.co.jp/

・JICC
https://www.jicc.co.jp/

住所が特定できない

クレジットカードの審査に通らない方の場合によくあるのは、住所が特定できない場合です。基本的には、クレジットカードは自宅に郵送されますが、それが宛所不明などで帰ってきた場合には、審査そのものに通ってもカードは持つことができません。

無職の場合クレジットカードの審査はどのように行われる?

では、無職の方の場合、どのようなクレジットカードの審査が行われるのでしょう。中には、その審査によって通る場合もあるのです。

信用情報機関で本人情報が照会される

 クレジット会社ではまず申込まれた方の信用情報について、信用情報機関に問い合わせをします。昔は、クレジットカード業界のCICの情報に限られていたのですが、現在ではクレジットカード会社はJICCにも加盟しており、その信用情報も取ることができるのです。

従って、この段階で、その方の現時点における借入金状況と返済状況が把握されます。その中で、延滞情報があったり、事故情報(長期延滞や自己破産)の情報が含まれていれば、無職でなくても審査には通りません。

また、借入金情報などで過大な借入残高が判明した時にも審査に通らない場合が多く、無職であればまず審査には通りません。

無職でもクレヒスに問題なければ審査に通ることも

信用情報機関の情報で、他社のクレジットカードやカードローンに延滞がなく、きれいなクレジットヒストリーが長期間続いている場合には、信用力、すなわち、返済能力があると認められます。クレジットヒストリーはクレジットカードの支払い、利用実績の記録を言います。

無職の場合でも、これまでのクレジットヒストリーがきれいな方の場合には、ある条件に合致している場合には審査に通ることもあるのです。

資産や預貯金が潤沢であれば審査に通る可能性が高い

すなわち、条件というのは株式、預貯金などの金融資産や不動産資産が潤沢にある場合を言います。女性でもこれまで貯蓄してきたり、資産運用によって潤沢な資産を持っていたり、ご家族の遺産がある場合には、審査に通る可能性は高いのです。

但し、その場合でも、クレジットヒストリーに延滞や金融事故があれば、審査には通りません。

クレジットカードの利用期間中に無職になった場合の対処方法

これまではクレジットカートを申込む際に無職である方の審査について述べてきましたが、すでにクレジットカードを持っている時に失業などで無職になった場合の対処方法についてご説明します。

アベノミクスによって景気は回復基調にあり、倒産件数も減少し、失業率も大幅に低下してきていますが、最近では、女性に多いパート、アルバイトや派遣社員の場合には、雇止めが問題になっています。

退職して無職になった場合について

無職になるケースとして、会社などに勤めている女性が結婚を機に退職したり、子供ができたため、退職をすることになったという場合があります。このような場合には、たいていは勤めていていた時期に作ったクレジットカードを既に持っているケースが多いと言えます。

基本的には、退職して無職になった場合には、クレジットカード会社に勤務先変更の届け出をすることが必要です。但し、無職になってしまいますと、基本的にはクレジットカードを新たに作ることは難しくなりますので、そのまま使い続けるのも一つの方法になります。

ご主人のクレジットカードの家族カードとして発行してもらうことも可能ですが、利用可能額はご主人の限度額の範囲内になるのです。それであれば、そのまま自身の持っているクレジットカードとして使い続けるのも一つの方法になります。

無職になったことをクレジットカード会社に報告しなかったら?

会社を退職したことをクレジットカード会社に報告しなかった場合でも、当面は住所さえ変わらなければ、手元のカードはそのまま使うことはできます。クレジットカード会社では会社を退職したということはわかりません。

ただ、新たに他のクレジットカード会社にカード申込みをしてしまいますと、その時点で信用情報機関であるCICに無職として登録されてしまいます。

クレジットカード会社は、カードローンを発行している大手消費者金融会社のように途上与信(定期的再審査)を行いません。3ヵ月から6ヵ月程度の短いサイクルで信用情報を更新していないため、基本的に新たな情報が登録されたとしても当面は影響が出ることはありません。但し、影響のある時期があります。

クレジットカードの更新時に審査に通らない可能性がある

新たな申込みをした情報はすぐには確認されませんが、確認を行う時期があります。それは、カードの更新時期です。クレジットカードにはカードの有効期限があり、期限前になりますとクレジットカード会社は更新のための審査を行います。

その際に、他社に申込みをして無職のために審査に落ちている場合には、長期間情報変更の報告をしなかったことによって更新審査でカード更新が出来ない場合があるのです。

また、キャッシングを50万円以上使用している場合には収入証明書を要求される場合があります。その際には無職であることがわかってしまいますので、審査には通らないことになります。

無職でも収入がある場合のクレジットカードの申し込み方法

どこの会社にも努めていませんが、内職をしたり、家賃収入がある場合にはクレジットカードを申込んで審査に通ることがあります。

不動産収入がある人

クレジットカードの審査は収入や勤務先が中心の審査になりますが、不動産収入、すなわち賃貸資産として不動産を持ち、家賃収入がある場合には審査に通る可能性は高いのです。

あくまでも審査は、延滞なく返済する方を選別するためのものであり、一定の定期的な収入があることが前提になります。その意味で、不動産収入がある場合には、定期的な収入が確保されており、逆に審査には通りやすいと言えるのです。

アフィリエイトや転売による収入がある人

インターネットのブログやYoutubeなどに投稿して多くのアクセスのある場合にはアフィリエイト収入が可能です。また、最近ではフリマやオークションで落札した安い商品を転売することによって収入がある人や、家電チェーン店などの目玉商品を朝早くから並んで購入し、ネットで転売している人もいます。

このような方の場合には、どこかに勤めていて副業としてやられているのであれば、審査に通ることは可能です。しかし、勤めておらず、無職の場合には審査には通らない可能性が高いと言えます。定期的な安定した収入とは見てくれないのです。確定申告をしていない場合はなおさら審査には通りにくくなります。

株式投資やFXで収入がある専業トレーダーの人

株式投資やFXなどで収入のある個人の専業トレーダーの場合も、安定した収入とは見てくれません。但し、株式投資として1億円以上の規模で行っているような場合には、資産家としてみてくれますので、審査に通る可能性は高いです。ただ、分離課税申告書の控えのコピーなどを提出する必要があります。

学生や主婦など無職でも作りやすいクレジットカード

クレジットカードでも、それぞれの発行会社によって学生、主婦などの無職の方でも作りやすいカードがあります。特に、後発のネット展開をしているカード会社やネット銀行のクレジットカードの審査は甘いと言われているのです。

基本的にクレジットカードの場合には、業界の自主規制で18歳未満の方には発行されませんが、18歳を越えている学生の場合にはアルバイトをしていれば、発行してくれます。また、学生の場合は、就職すれば当然クレジットカードを持つことになりますから、その青田買いの意味で発行しているカード会社も多いのです。ただ、キャッシング枠は付かない場合が多いです。

楽天カード

インターネットショッピングモール大手の楽天が発行している楽天カードは、テレビやネットでもよく宣伝を行っているだけに、審査は甘く、作りやすいカードと言えます。特に、楽天市場や楽天銀行などて実績のある方であれば、学生、主婦の方でも審査には通りやすいのです。

Yahoo!JAPANカード

Yahoo!JAPANカードは、Yahoo Japanが自社発行を行なっているクレジットカードで、オークション、ショッピングなどの実績のある顧客を中心に積極的に発行しています。従って、Yahoo Japanでオークション落札やショッピングの実績がある場合には、学生や主婦の方でも審査に通る可能性は高いです。

イオンカード

イオンカードはご存知のように、大手スーパーチェーンであるイオンが発行しているクレジットカードです。イオンカードも後発だけに、カード発行には積極的です。これまでイオンはポイントのみのカードでしたが、その実績のある主婦の方に対してクレジットカードを積極的に発行しています。

ACマスターカード

ACマスターカードは、基本的にはそのブランド力で国内のクレジットカード会社や流通系企業と提携してカード発行を行なっており、自身での審査はほとんど行われていません。それだけに、審査力は弱く、学生や主婦でも審査に通る可能性があります。

無職が原因でクレジットカードを作れない人におすすめの解決策

無職に限られませんが、クレジットカードを作れない方でも使えるカードが解決策になる場合があります。

無職でも作れるデビットカード

デビットカードは、銀行が、クレジットカード会社の決済システムを使って、買い物などの際に使えるようにしているカードであり、預金から直接支払われるカードです。預金口座さえあれば、自己破産した方でも作れるカードで、無職の方でも作ることができます。審査は基本的にありません。

預金残高の範囲内で、カードを使って買い物ができますので、クレジットカードを持てない方の代用になることができます。また、クレジットカードを持てる方でも、浪費癖があってすぐに買ってしまうという方の場合には、預金の範囲での買い物に限られますので、安心して使うことができるカードです。

無職でも作れるプリペイドカード

交通機関などが発行しているSuicaなどのプリペイド型のカードは、審査はないため、無職でも作ることができます。カードにチャージ(入金)することで、交通機関を利用したり、買い物をしたりすることができます。

無職でも作れる家族カード

既にご紹介していますが、家族カードの場合は、ご主人のクレジットカードを基に発行されますので、無職の専業主婦の方でも持つことができます。但し、家族合わせての利用可能額になっていますので、利用範囲はこれまでよりも小さくなります。

無職でもクレジットカードを作るために虚偽の申し込みをするのはNG

無職の方がクレジットカードを作るために、既に会社を辞めていても昨年の源泉徴収票などを使って虚偽の申込みをする場合も見受けられます。しかし、これらは見破られる可能性が高く、その場合にはどこでもカード申込みができなくなりますので、虚偽の申込みはしないようにしてください。

嘘の申告をした会社に在籍確認されることがある

無職であることを隠すために、昨年勤めていた会社の源泉徴収票を提出したり、申込書に架空の会社を記入する方がいます。

しかし、クレジットカードでもカードローンなどと同様に在籍確認をする会社が多く、その時点で勤務先に勤めていないことがわかってしまいます。虚偽申告が判明して信用情報機関のブラックリストに載ることになりますし、トラブルとして記録もされます。

従って、勤務先に関しては嘘は通用しないと考えた方がよく、そのようにして審査に落ちた場合には、新たに就職したとしてもどこからカードを発行してもらえないのです。

申し込み内容に嘘が発覚すると信用情報に傷がつく

勤務先だけでなく、カードの申込みをした際に嘘を記入し、それが発覚した場合には、それらのトラブル報告は信用情報機関に登録されます。その結果はすでに述べたように、どこのカード会社に行っても信用情報機関のブラックリストに載っているため、審査には通りません。

発覚するような嘘の申込書の記入をやれば、自分自身の信用を無くすことになってしまいます。絶対にやらないようにしてください。

無職の人でも条件によってはクレジットカードを持つことが可能!

クレジットカードは非常に便利なカードであり、女性でも多くの方が複数のカードを持たれています。しかし、結婚や子供ができたことによって会社を退職して無職になった方の場合は、新たにカードを作ることは難しいと言えます。

そのような場合には、勤めていた時代に作ったクレジットカードを使ったり、無職でも発行可能な家族カードなどがあり、さらに新規のネット会社のカードなどはその会社での実績があれば、カード発行も可能なことなどをご紹介しました。