将来設計の立て方とメリット!人生設計ノートの書き方とシミュレーション例を紹介
将来に向けて考えるキャリアプランは、人によってさまざまでしょう。
- 仕事でキャリアアップを目指したい
- 結婚しても働きたい
- 子どもが生まれたら柔軟な働き方にシフトしたい
1年後、3年後くらいまではなんとなくイメージできても、5年後、10年後のことはイメージしづらい方もいるかもしれません。
未来のことはもちろん誰にもわかりませんが、将来に向けたライフプランを設計すれば、生きていく中での目印になります。
この記事では、将来設計の立て方や設計する際に役立つ「人生設計ノート」の書き方、将来設計のシミュレーション例を紹介します。
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この記事の目次
将来設計(人生設計)とは
「将来設計」とは、自分の将来の理想形を計画することです。
仕事、プライベート、子育てなどの項目について、何をいつ実施するかという予定を立てることを意味します。
将来設計の内容は人によって異なりますが、たとえば以下のようなものです。
- 28歳で結婚
- 30歳で出産
- 33歳でマイホーム購入
- 37歳で子供が学校行っている間に自宅でできる仕事を再開
もちろん、人生は何が起きるかわからないので計画通りに行くとは限りません。
しかし、将来設計を立てておけば目標が明確となります。
ライフイベントに備えて何を準備すべきかがわかり、同時に資金計画も立てやすいです。
キャリアアップや転職など、キャリアに関する計画もより具体的になるでしょう。
そのため、実現できるかわからない内容であっても、目標を立てておくこと自体がとても重要です。
将来設計するメリット
現在の立ち位置を確認・把握できる
「将来こうなりたい」という計画を立てることで、現在の自分の立ち位置と、今後どうしていくかが明確になります。
なんとなく「こうしたい」「これがやりたい」と思っているだけでは、なかなか実現できずに月日だけ過ぎていってしまうことも多いです。
しかし、現在の立ち位置を確認できれば、客観的な視点から自分に必要なものや足りないものを把握できるようになります。
それは「お金」かもしれませんし、「スキル」や「経験」、「人とのつながり」など、目に見えないものかもしれません。
必要なものがはっきりすれば、あとはどのようにして得るかを考え、実行するだけです。
しっかり自分と向き合い、将来やりたいことのためにどうしていく必要があるかを考えるきっかけにしましょう。
目標を定めることでモチベーション向上に繋がる
人間は何をするにも「目的」がないと長続きしづらいです。
例えば貯金について。漠然と貯金をしようと考えている人ほど長続きせず、「まずは50万円」「ひとまず100万円」と、明確に目標を立てている人ほど続けられる事が多いでしょう。
目標を具体的に立てられれば、達成するまでの道のりをある程度逆算できます。
たとえば1年後までに100万円貯金すると目標設定した場合、「1ヶ月で7.5万円、1日あたりなら2,500円を目標に、ボーナス月には5万円多く貯金して目標を達成する。」と決められます。
このようにわかりやすい目標を決めると、具体的な日々の行動に繋げやすいです。
自分のやりたいことやライフイベントについても、ある程度いつまでに実現するという目標を立てることで、その目標に向けてがんばるモチベーションになります。
目標を決める際には、「いつまでに実現したい」という時期もセットで設定するといいでしょう。
お金に対する意識が芽生える
将来のライフイベントを計画することで、それらにいくらお金がかかるかが漠然と見えてきます。
たとえば留学や車の買い替え、結婚、出産、マイホームの購入などには多額の費用がかかります。
不確定であっても、自分の将来設計内のライフイベントごとにかかる費用は、事前に準備しておくに越したことはありません。
ライフイベント上、働くのが難しそうな時期があればなおのこと、働けるうちにある程度貯蓄して、備えておかなければいけません。
ライフイベントは人によって異なりますし、イベントにどのくらいお金をかけるかという考えも人それぞれです。
そのため、世間一般的にいわれている平均値を必ずしも目標金額に設定する必要はありません。
しかし、何にお金が必要か見えてくると、それに向けてお金を貯めなければならないという意識が自然と芽生えてきます。
人生のリスクに備えることができる
人生にはさまざまなリスクがつきものです。
将来設計をしていく中で、災害や不慮の事故、予期せぬ病気、両親の死について考えることもあるでしょう。
今の世の中、いつ何が起きても不思議ではありません。
自分自身、または家庭の事情で働けなくなってしまう可能性もありますし、急に多額の出費が生じる可能性もあります。
起こりうるリスクに対して、完璧に対策をすることは難しいです。
しかし、「自分には関係ないこと」とは思わず、日々起こり得る様々なリスクを自分に照らし合わせることで、いざというときに素早く状況を立て直すことができるかもしれません。
もしなにか起きてしまった時のために、あらかじめリスクを想定して備えることはとても大切といえるでしょう。
将来設計の立て方
将来設計の立て方にはさまざまな方法があります。
ご自身がやりやすい方法で実践するのがベストですが、ここでは一般的な方法をご紹介します。
希望ベースで実現したいことを書き出す
まずは自分の実現したいことをひたすら書き出しましょう。
- やりたいこと
- できたらいいなという希望
- これは必ず実現したいこと
など、何を書いても良いです。
それぞれを書く時に、優先度も合わせて記載できると、あとで整理する時に楽になります。
この時点では将来のことや実現の可能性は考慮せず、とにかく書き出してやりたいことを絞り出しましょう。
実現しそうにないことを書いたとしても、ライフイベントと照らし合わせた際に、何らかのヒントになることがあります。
「やりたいこと」と「ライフイベント」を分けて考える
将来設計をしていく上で、「やりたいこと」と「ライフイベント」は分けて考えるのがおすすめです。
やりたいことは最悪諦めることができますが、ある程度のライフイベントは避けて通ることができないからです。
例えば出産してお子さんが生まれたとしたら、何歳の時にいくらお金が必要かがざっくり見えてきます。
ライフイベントは将来設計の骨組みとなる部分なので、これらを分けて考えるといいでしょう。
ライフプラン表の作り方のステップは?作成後にやるべきことも併せて解説!
いつまでに実現したいか時期を決める
将来やりたいことを一通り書き出したら、優先度も加味しながら、いつまでに実現したいかを時系列に並べていきます。
基本的にはライフイベントを優先して設定しつつ、どうしても実現したい優先度の高いことは最初に設定してもいいでしょう。
ライフイベントのスケジュールを立て終わったら、やりたいことをどのタイミングで実現するか決めていきましょう。
もちろん、実際にそうなってみないとわからないことが多いと思いますが、ある程度計画を立てることが大切です。
実際のライフイベントが変わったとしても、計画を立てる際に考えたことや、それまでに準備していた内容が後になって役立つことも多いからです。
必要になるお金の予定を立てる
ライフイベントごとに必要となるお金の金額の目安を知っておくことは重要です。
イベントに備えていくら貯蓄や積み立てをするかなど、資金計画を立てやすくなります。
参考として、日本FP協会がウェブサイトで公開しているライフイベントごとの費用目安は下記の金額です。
- 結婚費用:約469万円
- 出産費用:約52万円
- 教育資金:約1,002万円(子ども一人あたり)
- 住宅購入費:約3,494万円
- 老後の生活費:約26万円(一ヶ月あたり)
- 介護費用:約17万円(一ヶ月あたり)
- 緊急資金:約60万円
あくまで平均金額なので、この数字を目標にする必要はないでしょう。
ただ、この数字を目安に金額を設定することで、大きく外すことはないのでおすすめです。
最終行に記載した「緊急資金」は、いざというときの資金として必要なものなので、だいたいの金額を把握して準備しておくとよいでしょう。
将来設計ノート(人生設計ノート)の書き方
考えた人生設計は、実際に紙のノートやアプリ、エクセルやスプレッドシートなど何でもいいので、書き出してみるのがおすすめです。
自分が見やすく、内容に変更があった際に更新しやすい方法で書いてみてください。
実際に書き出してアウトプット、見える化することで、立てた将来設計をより意識できるようになります。
横軸に年齢、縦軸にやることを記載する
将来設計ノートの定番の記入方法をご紹介します。
まずノートの横軸には年齢を、縦軸には年齢ごとのライフイベントと、やりたいことを記入してください。
時系列でライフイベントとやりたいことがはっきりとわかるため、それに備えて事前に何をすればよいかがわかります。
必要となる資金を準備しておくことはもちろんのこと、仕事で実績をつくっておく、人脈を広げておく、資格を取得しておくなど、キャリアの面でも準備すべきことが明確になります。
将来の目標を達成するために何をしておくべきかがはっきりしていると、遠回りせずに済むでしょう。
金額も記入しながら微調整を行う
ノートの縦軸と横軸を埋めることができたら、次にライフイベントごとに想定される費用の目安も記入していきます。
このときに予想できる年収についても記入しておくと、イメージがより具体的になり、目標実現に向けて対策しやすくなります。
とはいえ、ライフイベントや収支は不確定で変動の多いものですから、変更があれば随時内容を更新して調整するようにしてください。
パートナーや家族とも腹を割って話し合う
パートナーや家族がいる場合、一人で将来設計はできません。
パートナーの仕事によって、どこに住むかが変わってくることもありますし、どちらかが転勤になった場合は話し合いが必要になります。
子どもがいる場合、家事の役割分担や、育児に手がかかる間の働き方をどのようにするかも、決める必要があるでしょう。
また、子どもの教育方針について考えが異なる場合もあり、その結果どこに住むかが変わってくることもあります。
それぞれの意見を聞き、お互いに理解を深めながら方針を決めていくのも将来設計における重要な過程です。
将来設計を立てる際のポイント
将来設計を漠然と立ててしまうと、実現に向けたイメージが曖昧になったり、予定時期に目標が達成できなかったりする可能性があります。
そうならないためには、ポイントを押さえながら自分に合った将来設計を考えることが重要です。
ここでは、将来設計を立てる際に大切な3つのポイントを解説します。
- 自分と本気で向き合う時間をつくる
- 時期を具体的に定める
- 収入の変化まで計算する
自分と本気で向き合う時間をつくる
将来設計を立てる際、「将来設計ノート(人生設計ノート)を作って終わり」になってしまっては意味がありません。
自分と本気で向き合う時間を定期的につくり、将来設計を見直しましょう。
例えば「当初は35歳までにマイホームを購入したいと考えていたが本当はどうか」など、定期的に自分の気持ちを見つめ直すことは大切です。
場合によっては「35歳時点のライフスタイルでは賃貸の方が合っているかもしれない」と考え直すかもしれません。
定期的に自分と向き合い、「目標に到達できそうか」「設計当初と気持ちにズレがないか」など将来設計を見直す時間をつくりましょう。
時期を具体的に定める
将来設計を考える際、ライフイベントについては具体的な時期を決めることをおすすめします。
明確な時期があることで目標に向かっていくモチベーションとなり、達成できたときに喜びに変えることができるためです。
例えば「いずれ車を買い替えたい」と「3年後に車を買い替える」では、モチベーションに大きな違いが生まれます。
「3年後に車を買い替える」と目標を決めて、計画通り3年後に車の買い替えに必要な資金が貯まったとき、大きな達成感が得られます。
将来設計を立てる際、達成したい時期はなるべく具体的に設定し、目標に向けたモチベーションを高めていきましょう。
収入の変化まで計算する
将来設計を立てるときは、今後の収入の変化も考慮して計画することが大切です。
より現実的なプランになるため、具体的な将来のイメージが湧きやすくなります。
例えば、昇進や転職によって給料が上がったり、ライフスタイルの変化に伴う時短勤務で給料が下がったりするケースが考えられます。
今後のキャリアプランをイメージしつつ、収入の変化も将来設計に組み込むことが重要です。また、勤め先の業績変化や社会情勢の変化などによっても収入が変動する可能性があります。
当初想定していた収入と比べて増減する場合もあるので、将来設計は収入の変化にあわせて定期的に見直していくこともポイントとなります。
将来設計(人生設計)のシミュレーション例
将来設計の一例をご紹介します。
たとえば未婚の25歳の女性の場合、次のようなシミュレーションができます。
- 28歳 結婚
- 30歳 産休・育休取得 子を出産
- 31歳 子が保育園入園 時短で職場復帰
- 32歳 車を購入
- 35歳 マイホーム購入
- 36歳 家族旅行
- 37歳 子が小学校入学 フルタイム勤務
- 39歳 車の買い替え
- 43歳 子が小学校卒業 中学校入学
- 46歳 子が中学校卒業 高校入学 車の買い替え
- 49歳 子が高校卒業 大学入学
- 53歳 子が大学卒業 車の買い替え
- 60歳 車の買い替え
- 65歳 退職
- 66歳 夫婦で長期旅行
子どもがいる将来設計の場合は、卒業・入学タイミングが節目となり、出費が重なることに注意しましょう。
働き方については、育児をしながら勤務を続けやすい職場もありますが、場合によっては働き方を変えざるを得ないケースもあり、柔軟に設計し直す必要があります。
また、車を所有する場合には定期的に買い替えなければいけませんので、必ず出費予定を織り込むようにしてください。
まとめ:将来設計ノートを作って理想の未来に近づこう
「やりたいこと」と「ライフイベント」をリストアップすれば、将来設計ノートは簡単に作成できます。
将来設計ノートを書いて将来について計画することで、理想の未来のために何をすべきかがわかり、実践すれば目標に近づけます。
未来のことは誰にもわかりませんし、予期せぬ出来事が起きることもあるでしょう。
ときに家族と話し合いながら、ノートの内容を更新して未来へ備えることで、その時々のベストがわかるかもしれません。
さっそく今日からでも、思いつくままに将来設計ノートを作成してみてはいかがでしょうか。
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記事監修者
マネカツ編集部
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