ライフプラン表の作り方!メリットやシミュレーション方法を紹介

「ライフプラン表」は、人生の設計図ともいわれています。
ライフプラン表を作成すると、自分の人生における夢や目標を成し遂げる手助けとなってくれます。
将来に向けてさまざまなライフイベントを想定して準備しておくことは、今後の人生における適切な資金準備に必ず役立ちます。
この記事ではライフプラン表の作成方法や作成するメリットなどを解説します。
目次
- 1 ライフプランシミュレーションの目的
- 2 ライフプランを作る際のコツ
- 3 ライフプラン表の作り方とシミュレーション
- 4 ライフプラン表を作るメリット
- 5 まとめ:ライフプラン表を作って人生計画シミュレーションをしてみよう
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ライフプランシミュレーションの目的
ライフプラン表を作りながら人生設計をする
「ライフプランシミュレーション」とは、今後の人生における様々なライフイベントをあらかじめシミュレーションし、将来必要となる支出に備えることです。
節目となる大きな予定を一覧にして見て確認できるように書き出し、それぞれのイベントでどのくらいのお金が必要なのかを見積もることで、計画的に資金を準備しやすくなります。
具体的には、「1年に1回は海外旅行に行く」「5年後に家を買う」などといったように、時系列に沿ってライフプラン表を作成していきます。
理想の人生を「見える化」する
FP(ファイナンシャル・プランナー)が「ライフプラン」「ライフプランニング」という言葉を使う場合は、経済的な面での生活設計という意味で使用されることが多いです。
ライフプランニングにあたっては、まず現在の収入やライフスタイルから生涯収支や貯蓄額を想定します。
同時に人生の目標やライフイベント、収入・支出などを時系列に沿ってまとめたライフプラン表を作成していきます。
ライフプラン表を作る目的は、今後の生活や理想の人生を「見える化」することです。
理想とするキャリアデザイン、家族構成、人生設計などについて深く考えながらライフプラン表に落とし込んでいきましょう。
主なライフイベント
ライフプラン表を作るにあたって、どういったものがライフイベントになり得るかを確認しておきましょう。
支出のタイミングが予測しやすく、計画的に準備しやすいライフイベントには下記のようなものがあります。
- 就職、転職
- 独立開業
- 結婚
- 出産、子育て
- 子どもの就学
- 住宅購入
- マイカー購入、買い替え
- 子どもの独立
- 退職
- セカンドライフ(老後)
人生においては上記以外にも生活を豊かにするための支出や、予測し得ない突発的な出来事・支出も想定する必要があります。
- 旅行
- 趣味
- 生活家電・家具の買い替え
- ペットの費用
- 住宅のリフォーム
- 病気やケガへの備え
- 介護
- 身内の他界
ライフプランを作る際のコツ
ライフプラン表は一気に作り上げるのではなく、順を追って作成していくことがポイントになります。
理想の人生をイメージした上で、「ライフイベント」や「ライフイベントにかかるお金」を具体的に計算して作成するのがおすすめです。
また、さまざまなパターンを想定して準備しておくことで、いざというときに焦らず軌道修正できるでしょう。
ライフプラン表はどのような方法で作っても問題ありませんが、より正確なライフプラン表を作るためには具体的な情報に落とし込んでいく必要があります。
人生の夢や目標を明確にする
ライフプラン表を作る際に重要なのは、自分が叶えたい夢や何を大切にして人生を過ごしていくかという「価値観」を明確にしておくことです。
自分の価値観に基づいてライフイベントに優先順位をつけると、住宅の購入や転職などの選択肢が迫った時に、何を優先して何を諦めるか(後回しにするか)という取捨選択がしやすくなります。
たとえば「家族と過ごす時間が何より大事」という人であれば、全国転勤のない仕事やリモートワークを推進している企業を選ぶというように人生の選択における指針となるのです。
働き方について考える
仕事は収入の源になるため、キャリアデザインのイメージを持つことはライフプランを考える上で非常に重要です。
会社員として同じ会社で定年まで勤め上げるのか、転職をしてキャリアアップを図るのか、早期にFIREを目指すのか、など働き方についての選択肢は人によってさまざまです。
子どもを持ちたいと考えている人であれば、育休はいつ頃まで取得するのか、子どもが小さいうちはどのように働きたいのか、などについても考える必要があります。
配偶者がいる場合は2人でしっかりと話し合い、お互いの意思を尊重しつつ家族にとっての最善の選択肢を探しましょう。
理想の家庭について考える
ライフプランを作る際は、どのような家庭を作りたいのかを考えておくことも大事です。
結婚はするのかしないのかというだけでなく、結婚するのであればいつ頃するのか、結婚後は共働きがよいのか専業主婦になるのか、などについても理想の形を検討します。
子どもを作る・作らないもライフプランに大きく関わってくる部分です。
いつ頃欲しいのか、作るなら何人欲しいのかについて、現時点での希望をある程度明確にしておくといいでしょう。
人生の三大資金を考える
人生の三大資金は、主に以下の3つといわれています。
- 教育資金
- 住宅資金
- 老後資金
生涯において支出の大きな割合を占めることから、前もって準備しておく必要があります。
三大資金のどこに重きを置くかで人生設計も異なってくるため、ライフプランニングではきちんと意識しておきましょう。
教育資金
文部科学省のデータによると、子ども一人当たりの1年間の教育費用は以下のとおりとなっています。
幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高校 | |
公立 | 223,647円 | 321,281円 | 488,397円 | 457,380円 |
私立 | 527,916円 | 1,598,691円 | 1,406,433円 | 969,911円 |
加えて、日本政策金融公庫の調査によると、大学入学から卒業するまでにかかる費用は、国公立大学で537万円(入学費用77万円+在学費用460万円)が必要だということがわかります。
以上のことから単純計算すると、幼稚園から大学まですべて公立に行かせた場合でも教育費の合計は1,080万円(幼稚園〜高校の教育費:543.5万円+大学の教育費:537.0万円)以上にもなります。
この数値はあくまでも目安ですが、総額で大きな支出が必要となるため早いうちからの準備が肝心です。
私立に行かせたり留学させたりする場合は、更なる資金の準備も必要になります。
出典:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」
出典:日本政策金融公庫「令和2年度「教育費負担の実態調査結果」」
住宅資金
住宅資金については、まずはマイホームを購入するのか、賃貸に住み続けるのかを考えてみましょう。
購入するのであれば何歳頃に購入するのか、それまでに頭金をいくら用意するのか、毎月のローン支払いはいくらにするのか、を逆算して考えます。
住宅は購入した後のリフォームや修繕費用などがかかるので、それも計算に入れます。
賃貸に住み続けるのであれば、リタイア後に収入が減ったときの生活費に加え家賃分を考慮しておく必要があります。
老後資金
生命保険文化センターによると、夫婦の老後の最低日常生活費は平均で22.1万円、ゆとりある老後生活には平均36.1万円が必要となっています。
この金額は持ち家か賃貸かによっても変わりますし、退職金・年金などの収入によっても変わってくるでしょう。
自身のイメージする老後の生活から逆算し、必要な予算を計算するようにしましょう。
出典:公益財団法人 生命保険文化センター「老後の生活費はいくらくらい必要と考える?」
ライフプラン表の作り方とシミュレーション
エクセルテンプレートの活用が便利
ライフプラン表を自作する際は、予め用意されたテンプレートをダウンロードして活用するのが便利です。
エクセルに不慣れであっても、汎用的な雛形をダウンロードすることで簡単に作成できます。
もちろん、自分でオリジナルのライフプラン表を作成しても良いでしょう。
自分でライフプラン表を作成すると、シミュレーションサイトよりも詳細にライフプランに沿った計画が立てられるのがメリットといえます。
おすすめの無料テンプレート
ライフプラン表のテンプレートは、さまざまなサイトから無料でダウンロード可能です。
おすすめのサイトを3つ紹介します。
サイト名 | 特徴 |
日本FP協会 | ・ニーズに合わせたさまざまなワークシートが用意されている ・エクセル版とPDF版がある |
マイクロソフト | ・1年間と10年間のシミュレーションが可能 ・金額を自動計算してくれる ・収支バランスがグラフで表示される |
ゼクシィ | ・「カンタン家計簿」「ライフプラン表」の2種類がある ・20年間のライフプラン表をグラフで確認できる |
「日本FP協会」では、家計の収支確認表やライフイベント表、家計のキャッシュフロー表などさまざまなワークシートが用意されているため、ニーズに合わせて使い分けられます。
ローンが多い人は、「家計のバランスシート」を用いて家計の健全度を確かめてみるのも良いでしょう。
「マイクロソフト」のライフプラン表は、シンプルでわかりやすい作りとなっています。
必要事項を入力するだけで1年間、および10年間の家計の変動がグラフで表示されるため、使い方も簡単です。
「ゼクシィ」のライフプラン表は20年のライフプランに対応しているため、長期目線で計画を立てたい人に向いているでしょう。
シミュレーションサイトでも作れる
大まかなライフプランは、無料シミュレーションサイトでも作成できます。
シミュレーションサイトを利用すると、設問に答えたり指示に従って入力したりするだけで、スマホからでも簡単に操作できるというメリットがあります。
ただし、細かなライフプランニングに沿ったシミュレーションができない点や、平均的な数値をもとに算出されるため精度がやや低い点はデメリットです。
おすすめの無料シミュレーションサイト
ライフプランのシミュレーションができるおすすめサイトをいくつか紹介します。
サイト名 | 特徴 |
金融庁 | ・12の選択式の質問に答えるだけで家計を診断できる ・シミュレーション結果はシンプルなグラフとアドバイス |
日本FP協会 | ・9の質問に答えるだけで家計を診断できる ・年金受給開始や年間収支が赤字になるタイミングがわかりやすい |
全国銀行協会 | ・「くわしくシミュレーション」では住宅購入予定や旅行の予定についてもシミュレーション可能 |
りそな銀行 | ・10年ごとの収支と貯蓄額がチェックできる |
iction!(リクルート) | ・65歳までの簡易シミュレーションが可能 |
「金融庁」や「日本FP協会」のシミュレーションは、設問の数も少なくシンプルで回答しやすい点が特徴なので、大まかな収支バランスや将来の貯蓄額を知りたい場合におすすめです。
マイホームの購入予定や旅行の予定などを加えてシミュレーションしたい場合は、 「全国銀行協会」や「りそな銀行」のシミュレーションの方が良いでしょう。
リクルートの「iction!」でシミュレーションできるのは65歳までに限られていますが、働き方を見直した場合のシミュレーションも可能です。
詳しくシミュレーションしたい場合はFPへ相談
自分1人でライフプラン表を作成するのが難しいと感じる場合や、もっと詳しくシミュレーションしたい場合、ライフプランの組み立てにアドバイスが欲しい場合はFP(ファイナンシャル・プランナー)に相談するのが良いでしょう。
FPは金融や税制、不動産、住宅ローン、保険などに関する幅広い知識を持ち、人生計画や夢の実現をサポートしてくれるお金のプロです。
FPに相談すれば、自分だけでは見落としてしまいがちな将来に関するさまざまな選択肢を示してもらえます。
ライフプランと照らし合わせ、将来に向けた資金準備は十分であるか、足りない場合はどのように対策をすれば良いかなどについても、プロの視点からの具体的なアドバイスが期待できます。
ライフプラン表を作るメリット
ライフイベントは、「人生の節目となる大きな予定」とも言い換えられます。
どのタイミングでどのくらいのお金が必要かを把握するためにライフイベントを書き出したものを「ライフプラン表」といいます。
ライフプラン表を作るメリットについて確認しましょう。
時系列でお金の動きを明確化できる
ライフプラン表を作成すると、時系列に沿ってライフイベントやキャッシュフローについてまとめられます。
一時的に支出が大きくなるタイミングや、収支が赤字になりそうなタイミングを把握することで、それまでにどれだけ資金を準備しておけば良いかが明確になります。
ぼんやりとお金が必要だと感じていた頭の中を整理し、お金の動きを「見える化」できるのはメリットといえるでしょう。
貯金や節約の目標が明確になる
ライフプラン表を作成することで、いつまでにいくら貯めれば良いのかという具体的な数値が可視化されます。
これによって節約の意識が高まったり、計画的に貯蓄できるようになるかもしれません。
国の保障制度なども考慮しながらライフプラン表を作成すると、備えるべきリスクがわかり、保険の見直しもできるでしょう。

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老後の不安が軽減される
老後2,000万円問題や、退職金・年金だけで老後の生活を賄えるのかなど、老後に関して漠然とした不安を持っている人は多いでしょう。
ライフプラン表を作成すると、老後までに資金が足りるのかを具体的にシミュレーションできます。
早いうちに自分のキャッシュフローを理解して老後の生活がイメージできるため、老後のために資金をどのように準備すればよいかを考えながら計画的にお金を貯めることが可能です。
老後に向けた課題に対して対策の手を打ちやすくなり、将来の不安軽減に繋がります。

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人生を豊かにするためのリスクがとれる
ライフプラン表を作る際は、収入が途絶えてしまうリスクや予期せぬ出費が発生するるリスクなど、複数のパターンを想定してライフプランニングすることをおすすめします。
万が一の不幸やアクシデントがあった際でも、国や勤め先から得られる収入や補助金を考慮してシミュレーションしておくことで、「想定していない事態が発生した場合でも生活していける」という安心感が得られます。
これによって、やってみたい仕事にチャレンジする、憧れていた場所に移住するなど、人生をより豊かにするためのリスクがとれるようになるかもしれません。
まとめ:ライフプラン表を作って人生計画シミュレーションをしてみよう
自分のライフプラン表を作成することは、将来の夢や目標を実現する準備となります。
一度作成したら終わりではなく、定期的に見直すことが重要ですので、周期的に見直すタイミングを設けておくのがおすすめです。
時間の経過と共に人生の計画や状況は変わっていくものなので、その都度その時のベストな形に修正しましょう。
ライフプラン表を人生の指針としてうまく活用し、将来に対しての備えを始めてみましょう。
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記事監修者
マネカツ編集部
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