夢のような収入である「年収2,000万円」を稼いでいる人は、どれくらいの手取り金額をもらっているのでしょうか。

狭き門であることは間違いありませんが、生活レベルや家賃を知ることで年収アップに向けたモチベーションの向上につながります。

この記事では年収2,000万円の方の手取り金額や生活レベル、支払う税金などについて解説します。

やや現実味の欠ける内容と感じる部分もあるかもしれませんが、「こういう人もいる」という目線でお楽しみください。

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年収2,000万円の手取り金額

年収2,000万円の手取り金額

「年収2,000万円」といわれる場合の「年収」は、いわゆる額面での金額です。

実際には「税金・社会保険料」などが差し引かれます。

年収2,000万円の人は税金等が引かれた後、どれくらいの手取り金額をもらっているのでしょうか。

ここでは年間の手取り金額と毎月の月収について、それぞれ紹介します。

手取り金額は約1,200万〜1,300万円

年収2,000万円の人の手取り金額は、年間約1,200万〜1,300万円ほどです。

額面で2,000万円をもらっていても、手元に残るのは6割程度ということになります。

所得税は「累進課税制度」が適用されているため、所得金額が多くなればなるほど税率が高くなる仕組みです。

そのため、年収2,000万円という大きなお金を稼ぐ人には高い税率が課され、手元に残る金額の割合も小さくなってしまいます。

結果として年収が2,000万円あっても、手取り金額は1,200万〜1,300万円ほどになってしまうということです。

月収は手取り90万円前後

年収2,000万円の手取り月収については、ボーナスの有無や金額によって異なります。

おおよその計算をした場合、以下のような金額が毎月の月収です。

  • ボーナスなしの場合:手取り約100〜108万円
  • ボーナス年2ヶ月分(夏冬1ヶ月)の場合:手取り約85〜92万円
  • ボーナス年4ヶ月分(夏冬2ヶ月)の場合:手取り約75〜81万円

ボーナスでもらえる金額の割合が大きいほど、毎月の月収割合は小さくなるため金額も少なくなります。

しかし、ボーナスの比率が大きくても毎月80万円近くの金額を毎月受け取ることができます。

年収2,000万円の生活レベル

年収2,000万円の手取り金額のイメージがついたところで、次は生活レベルを見てみましょう。

ただし前述したように、年収2,000万円の方は年収におけるボーナスの比率によって、月々の手取り金額が変わります。

生活レベルのシミュレーションはあくまでイメージとして確認ください。

年収2,000万円の生活レベル

独身・一人暮らしの場合

年収2,000万円の場合の独身・一人暮らしの方の生活レベルを考えてみましょう。

ボーナスが年4回(4ヶ月分)支給されると仮定し、手取り収入(月収)を75万円で計算します。

以下の表は、年収2,000万円の独身・一人暮らしの生活レベルのイメージです。

費目金額
食費82,000円
家賃250,000円
水道光熱費14,000円
交際費33,000円
通信費10,000円
雑費78,000円
合計467,000円
残高(貯金可能額)283,000円

政府統計の総合窓口(e-Stat)2023年のデータを基に試算

ボーナスの比率を高めに設定し、毎月の手取り額を抑えて見積もっていますが、それでも毎月約28万円の貯金が可能です。

家賃は手取りの1/3と仮定して月額25万円としています。

家賃25万円は山手線沿線のタワマンに住めるレベルです。

もしタワマンに住んだとしても比較的手元に余裕があり、食費や娯楽費、服飾費などにお金を使えるでしょう。

参考:株式会社LIFULL「JR山手線の賃貸物件 物件一覧」

2人以上の世帯の場合

2人以上世帯(夫婦・子どもあり)の場合の生活レベルを見てみましょう。

手取り収入は、ボーナスが年4回(4ヶ月分)支給されると仮定しますが、扶養家族が増え控除額も増えることを考慮して、81万円としています。

以下の表は、年収2,000万円の2人以上の世帯の生活レベルをイメージしたものです。

費目金額
食費130,000円
家賃270,000円
水道光熱費27,000円
交際費38,000円
通信費17,000円
教育費39,000円
雑費105,000円
合計626,000円
残高(貯金可能額)184,000円

政府統計の総合窓口(e-Stat)2023年のデータを基に試算

支出の合計は約63万円で、残高(貯金可能額)は約18万円となっています。

子どもがいる家庭では教育費が必要になりますし、2人以上の世帯では食費や水道光熱費などが一人暮らしよりも高くなりやすいです。

そのため、手取り収入は一人暮らしの方よりも多くなりますが、貯金可能額は少なくなってしまいます。

ただし、過度な贅沢をしなければ生活費や娯楽費には困らないでしょう。

家計の収支を把握して、教育資金や老後資金などのお金を分けて管理、運用することがおすすめです。

年収2,000万円の割合

年収2,000万円の割合

年収2,000万円の割合は0.6%

国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると年収2,000万円の方の割合は0.6%となっています。

具体的には、年収2000万〜年収2,500万円以下の割合が0.3%、年収2,500万円以上の割合が0.3%です。

日本全体で年収2,000万円以上の割合は0.6%となり、年収2,000万円以上稼いでいる人がほとんどいないことがわかります。

また、全体の平均年収は458万円でした。

この数字からも、年収2,000万円以上稼ぐことの難しさが伺えます。

出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」

世帯年収2,000万円の割合は1.4%

厚生労働省が発表した「2022年(令和4)年 国民生活基礎調査」によると、世帯年収が2,000万円を超えている割合は全体の1.4%でした。

世帯年収ということで働き手が増えるため、夫婦や複数の働き手がいる場合も含まれます。
例えば、夫婦がそれぞれ1,000万円以上稼いでいる場合もこの1.4%に含まれます。

また、世帯年収の平均値は545万7,000円、中央値は423万円でした。

年収2,000万円は、夫婦で協力したとしても達成するのはごく一部であり、平均年収を大きく上回る金額であることがわかります。

出典:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」

年収2,000万円の税金と社会保険料

年収2,000万円の税金と社会保険料

会社から給与を受け取っている会社員の場合、年収から以下のような税金・社会保険料が差し引かれます。

  • 所得税
  • 住民税
  • 健康保険料・厚生年金
  • 雇用保険料

どれくらい引かれるのか、それぞれ解説していきます。

税金

所得税

所得税は、収入の総額から基礎控除や給与所得控除、社会保険料控除などを差し引いて算出される「課税所得金額」に定められた税率をかけて計算されます。

年収2,000万円の場合は、以下のような内訳になります。

  • 基礎控除:48万円
  • 給与所得控除:195万円
  • 社会保険料控除:約159万円

したがって課税所得金額は「2,000万円 – 48万円 – 195万円 – 159万円 = 1,598万円」となります。

求められた課税所得金額に対して、以下の表に記載された税率をかけることで所得税を算出します。

課税所得金額税率控除額
1,000円から1,949,000円まで5%0円
1,950,000円から3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円以上45%4,796,000円

出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」

つまり、年収2,000万円の課税所得である1,598万円には、税率33%をかけて約153万円を控除するということになります。

以上のことから、年収2,000万円の所得税は「1,598万円 × 33% – 153.6万円 = 約373万円」です。

住民税

住民税は地域によって多少の差はありますが、原則として所得税の計算で算出した課税所得金額に一律10%の税率をかけて算出されます。

年収2,000万円の課税所得金額は1,598万円であるため、「1,598万円 × 10% = 約160万円」が住民税となります。

社会保険料

健康保険料・厚生年金

健康保険や厚生年金保険の料金は、加入する健康保険によって金額が異なります。

例えば東京都で全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入している場合は、健康保険料の自己負担は月額68,388円、厚生年金保険料の自己負担は月額59,475円です。

年間では健康保険料が約82万円、厚生年金保険料が約71万円なので、合計で153万円となります。

雇用保険料

雇用保険は、企業に勤めている会社員が加入する保険で、失業後の再就職支援や介護・育児の給付金などを受けられます。

令和3年度の雇用保険料率の自己負担は「3/1000」であるため、年収2,000万円の人の雇用保険料は年間で約6万円となります。

年収2,000万円の家賃

年収2,000万円の家賃

賃貸より持ち家の方が多い

年収2,000万円を稼いでいる人は、賃貸よりも持ち家を購入することの方が多い傾向にあります。

一般的に住宅ローンの借り入れ可能額は年収の5倍ほどと言われているため、年収2,000万円なら1億円ほど借り入れられます。

1億円であれば、東京都内でも3LDKで100平米を超える物件などに住むことが可能です。

土地が安い地方であれば、さらに広い物件や利便性の高い土地に家を建てることも可能です。

家賃は35万円前後が目安

賃貸を借りる場合の家賃は、おおよそ35万円前後が目安となります。

「家賃は収入の3割」と言われることも多いですが、年収2,000万円を稼ぐ人にはほぼ当てはまらないでしょう。

35万円というのもあくまで目安であるため、住環境を充実させたい方はもっと高価な賃貸に住んでも良いかもしれません。

35万円前後の家賃であれば、都内の高級賃貸マンションやタワーマンションなどに住むことが可能です。

高層階や利便性の高い物件などであればもう少し家賃が高くなりますが、年収2,000万円は十分にグレードが高い物件に住める年収帯となっています。

年収2,000万円の貯金

最後に年収2000万円以上の方の貯金について見ていきます。

ただし、年収2,000万円以上の方に絞った公的なデータがないため、年収1,200万円以上のデータを参考にします。

金融広報中央委員会の「令和5年 家計の金融行動に関する世論調査」によると、年収1,200万円以上の金融資産保有額の平均は4,344万円でした。

また、中央値は1,500万円で、3,000万円以上の貯金がある人の割合が37.4%であることから、貯金できている人とできていない人との差が大きいと考えられます。

出典:金融広報中央委員会「各種分類別データ(令和5年)」

まとめ:年収2,000万円でも将来を見据えて運用しよう

収2,000万円でも将来を見据えて運用しよう

年収2,000万円を稼いでいる人の割合は0.6%、世帯年収に拡大しても1.4%であり、年収2,000万円以上稼いでいる人は多くありません。

年収2,000万円は手取り月収で75万〜108万円ほどあるため、比較的余裕がある生活ができそうです。

しかし税金や社会保険料として引かれる金額も多く、無計画にお金を使っていると「老後の生活費が足りない」、「子どもの教育費が準備できない」という事態になってしまうことも考えられます。

年収2,000万円の方にとって、税金対策や資産運用は大きなメリットがあります。

税金対策をすることで手元に残るお金をふやせたり、資産運用でお金をふやすスピードが速くなったりすることが期待できます。

子どもの教育資金や老後の生活費用など、将来のお金にも目を向けながら、少しずつ資産形成を進めていきましょう。

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