最近は「結婚をしない」という選択が世間に認められるようになっており、一生独身でいる人が増えています。また、一度結婚をしても3組に1組は離婚するといわれており、結果的に独身になる人も増えています。独身の方は人生設計において結婚している人とどのような違いがあるのでしょうか。

近年、結婚適齢期を過ぎても独身でいる男女が増えている

「結婚適齢期」と言う言葉を聞いたことはありますか?最近では死語になりつつある言葉かもしれません。「男性は外で働いてお金を稼ぎ、女性は家事に専念して家を守る」というのが常識だった時代、男性は20代後半、女性は20代前半が「結婚適齢期」と言われていました。しかし、最近では晩婚化の傾向が顕著になり、独身者が増加しています。その理由はどのようなものなのでしょうか。

①女性の活躍
昔に比べ、女性の社会進出が進んでいます。仕事が充実していることで金銭的にも精神的にも男性に頼る必要がない女性が増え、独身者が増加したと言えるでしょう。

②プライベートの充実
結婚してパートナーができたり子どもができたりすると、自分の時間が少なくなり、趣味や自己投資の時間が制限されてしまいます。特に子どもできると、可愛い子どもに恵まれて幸せな反面、自由な時間はほとんどなくなると言っても良いでしょう。

生活が豊かになり、手軽に娯楽を楽しめるようになったこのご時世。家族との時間より自分の自由な時間を優先したいという人が多くなっていることも独身者が増えた理由と言えそうです。

独身でいることを気楽に考えている一方、将来が不安という声も

これらの理由などにより、独身の方が気楽だと考える人が増えています。そんな一方、将来に不安を抱えている人もいるようです。お金の面や、独身のまま老後を迎えて後悔しないかなど、様々な理由があります。

老後の現実

現在は人生100年時代と言われるほど、定年後の生活が長くなっています。定年後は年金収入が主な収入源となります。総務省統計局によると高齢者単身世帯の平均収入は月額114,027円、支出は月額154,742円となっており、毎月40,715円の赤字。

つまり貯金を取り崩して生活をしていくことになります。独身世帯は子供から介護等の援助を受けることができないので、余裕のある現役時代にしっかりとお金を貯めておく必要があります。

このようなことが、独身者の不安要素となっているようです。

参考:高齢単身無職世帯の家計収支https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy00.pdf#search=%27%E9%AB%98%E9%BD%A2%E5%8D%98%E8%BA%AB%E7%84%A1%E8%81%B7%E4%B8%96%E5%B8%AF%E3%81%AE%E5%AE%B6%E8%A8%88%E5%8F%8E%E6%94%AF%27

独身のメリット

独身でいることのメリットはどのようなものがあるのでしょうか、確認しておきましょう。

仕事や趣味に集中できる

結婚すると、自分だけではなくパートナーの分まで料理をしたり洗濯をしたり、家事の時間を多く費やさなければいけません。子どもがいるならさらにその負担は増えることでしょう。

実家暮らしでこれらのことをご両親が全てしてくれていた方や、一人暮らしで自由気ままに過ごしていた方は、それが特に負担に感じるかもしれません。家事に時間が取られる分、仕事や趣味に費やす時間が少なくなってしまいます。自分の好きなことに好きなだけ集中したい方は独身を好む傾向にありそうです。

自分の好きなように時間やお金を使える

時間ももちろんですが、お金についても同じことが言えます。独身の間は、稼いだお金は全部自分の好きなように使うことができます。ただし、結婚後はそういう訳にはいきません。生活費や教育費は家族が増えれば増えるほど必要となりますし、家や車を買うとなると大きな出費が発生します。

夫婦の中ではお小遣い制などの導入により、自分の使えるお金が制限される場合もあるでしょう。自分の好きなように好きなだけ時間やお金を使いたい人にとっては、独身の方が良いかもしれませんね。

親族に気を遣わなくてすむ

結婚すると、パートナーの親や兄弟姉妹との関わりも必要になってきます。イベントやお祝い事の際は顔を合わせることもあるので、たとえ仲が良くてもある程度の気遣いが必要となります。人付き合いが苦手な人にとっては少し苦痛かもしれません。そういったお付き合いを避けたい人も独身を好む傾向にありそうです。

挑戦・失敗が許される

起業を考える方や、現場の仕事に満足できず転職を考える方、海外移住を検討している方にとっても、独身の方が心配事が少なくチャレンジできそうです。家族がいると、どうしても失敗した時のリスクを考えなければいけませんし、場合によっては家族から反対されるかもしれません。人生の選択を自分一人でできる点も独身者のメリットと言えるでしょう。

老後は自分の心配だけすれば良い

老後の生活は何かしら不安が生じるものです。金銭的なことや、体力的なことが一般的でしょう。パートナーがいることにより更に心配事が増える場合もあるでしょう。

万一施設に入るとなるとお金も多くかりますし、施設に入るまででなくても、身体が不自由になった場合は介護が必要になってきます。独身だとこういった心配事も自分のことだけで済むので、気楽だと考える方もいるかもしれません。

独身のデメリット

独身でいることのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。確認しておきましょう。

周囲から哀れみの視線で見られる

独身の人が増えているといえども、一般的には結婚=幸せの象徴という考えは未だに根強く残っています。敢えて結婚しない、という考えであっても、周りからは結婚できないかわいそうな人という目で見られることがあるかもしれません。

体調不良や病気の時も自分で何とかしなければいけない

体調不良や病気の時、一人暮らしの人は大変です。食事や洗濯、買い物など、どんなに辛くても全て自分でこなす必要があります。パートナーがいる場合はこれらを相手に頼ることができるので助かりますね。

金銭的援助がない

独身の人は当然、子供やパートナーからの金銭的援助はありません。定年後は収入が無くなり、年金だけで生活することになります。前述の通り、年金額だけでは生活費を賄えない人も多く、老後資金は不足しがちです。金銭的援助が期待できない独身の人はご自身のお金でなんとかしなければいけません。

老後孤独になる可能性がある

退職後は人と接する機会も減り、家族がいないと急に孤独を感じる人も多いでしょう。特に仕事に没頭していた方はそうなる傾向にあります。パートナーがいれば老後は一緒に趣味や旅行を楽しむことができますし、孤独を感じる可能性は低いかもしれません。

独身者の悲惨な老後とは?

独身者は経済的に余裕がある若い時に準備しておかないと、悲惨な老後を迎えることになります。もちろん、しっかりと準備を行っていれば理想的な老後人生を歩むことができます。

ここでは、老後の悲惨な状況を考えてみましょう。

貯蓄が足りなかったり保険を適当に済ませておくことから起こる老後の貧困

老後の支出は年金収入を上回ります。そのため、貯金や年金保険等で、自分自身で財産を作っておく必要があります。また、老後は現役時代には無かった出費も増えます。代表的なものは介護費用等ですが、体が動かなくなるとタクシーに乗る回数が増えてしまったり、何かと出費も多くなります。現役時代にしっかり貯めておかないと老後に貧しい暮らしをせざるを得ません。

60代になると働きたくても就ける職が限られてくる

60代になると働ける職も限られてきます。企業はこれから成長する若い社員に仕事を任せようとします。60歳を過ぎると就ける職は極端に減っていき、収入も減ってしまいます。体が元気でもいつまでも同じように働けるわけでは無いということは頭に入れておきましょう。

病気や介護が必要になった時の金銭問題

老後の出費の代表的なものとして病気になった時の入院費や介護費用があげられます。

厚生労働省の統計によると人口一人当たり国民医療費は

65歳未満:18万3,900円

65歳以上:72万7,300円

となっており、高齢者の医療費負担は非常に大きい事がわかります。医療費の負担は現役時代よりかなり大きくなるということを認識しておいた方がよいでしょう。

参考;https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/16/dl/kekka.pdf

また、介護にも多額の費用がかかります。介護保険サービスを利用した場合、(要介護1・2割自己負担の場合) 月額約3.3万円と大きな負担となります。老後は現役時代には無かった金銭的負担も多くなることを認識しておきましょう。

参考;https://kaigo.benesse-style-care.co.jp/fee/jikofutan/

生涯独身を貫くなら!悲惨な独身者にならないために今すべきこと

生涯独身を貫くなら、今どのようなことを心掛けるべきなのでしょうか。悲惨な独身者にならないためにするべきことを確認しておきましょう。

節約を心がける

老後は何かとお金が必要です。そのためには、若いうちからの蓄えが必要です。日々の節約を心がけ、老後資金に備えましょう。

急な病気や入院を想定し保険を見直す

高齢になればなるほど、病気になるリスクは増えます。入院費や治療費は想像以上に高いものです。そういった時に焦らないよう、もしもの時の保険に入るのもひとつの手段でしょう。最近は医療の力も進歩しているため、日帰り手術なども増えてきています。現在の医療技術やご自身の健康状況にあわせて保険を契約することが重要です。

資格などを取得し安定した職に就けるようにする

独身の方は定年前に職を失うと、養ってくれる人がいないので、非常に経済的に厳しくなります。そのため、安定した職業に就くことが大切です。勤め先が大企業であっても何が起こるかわからないので、資格を取得するなど、自分の能力を高めて、職を失わないようにする努力が必要です。

いざという時のために頼りになる人を見つけ信頼関係を築いておく

いざという時に頼りになる人と信頼関係を築いておくことも大切です。相続発生時の手続きや判断能力が低下した場合のお金の管理等は信頼のおける人にしか頼めません。甥・姪等、候補となる方とは普段から信頼関係を築いておくことが大切です。

老後のために貯蓄する

独身の方は子供に介護等をしてもらったり、生活の手助けをしてもらうことができないので、何かとお金が必要です。老後に困らないために、現役時代にしっかりとお金を貯めておくことが大切です。子育て世代に比べると独身の方は余裕があるので、しっかりと貯金をしておきましょう。

老後に向けた資産形成におすすめの投資商品

老後に向けて貯蓄をすることは大切です。しかし、日本はマイナス金利政策導入以降、超低金利の状態が続いており定期預金では大きく元本を増やすことはできません老後に向けた資産形成にはどのような投資商品を購入すれば良いのでしょうか。

つみたてNISA

つみたてNISAは年間40万円までのつみたて投資が非課税で最大20年間投資をできる制度です。長期間非課税で投資できるので、老後に向けた資産形成に適した制度です。

参考:https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html

個人年金保険

将来の年金を自分で作る個人年金保険は「私的保険」とも呼ばれています。個人年金保険は円建てで将来受け取れる金額が確定しているものや、外貨建てや株や債券で運用されていて、運用次第で大きく値上がりするものもあります。個人年金保険は老後に向けた資産形成において有効な選択肢となります。

確定拠出年金

確定拠出年金は一定額を毎月積み立てて、60歳以降に一時金や年金の形式で受け取ることが出来る制度です。個人型確定拠出年金は「いまからできること」を略して「iDeCo」という愛称が付けられており、政府は国民一人一人が老後の資産形成を行うために普及を目指しています。

そのため、運用益の非課税や所得控除の税制メリットが用意されており、とてもお得な制度となっています。60歳まで引き出すことが出来ない点はiDeCoのデメリットでもありますが、確実に老後資産を形成できる点では魅力でもあります。

参考;https://www.ideco-koushiki.jp/

まとめ

独身の方が老後のために考えるべきことや準備しておくべきことをご説明しました。

独身の方は「援助が受けられない」点が最大のデメリットです。しかし、その代わり現役時代には時間的にも金銭的にも余裕があります。悲惨な老後にならないために、独身の方は余裕がある時にしっかりと貯めておくことがとても大切です。