積立NISAとは?投資初心者におすすめの理由をわかりやすく解説
資産運用の手段としてよく耳にする積立NISA(つみたてNISA)。
国が推奨するお得な運用方法で、将来に向けた資産の準備にとても適しています。
しかし「聞いたことはあるけど詳しく知らない」「興味はあるけど今さら人に聞けない」という人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、「積立NISAとは?」という基本的な情報から「おすすめする理由」「始めるときの注意点」「おすすめの証券口座」まで分かりやすく解説していきます。
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この記事の目次
積立NISA(つみたてNISA)とは
積立NISAとは、私たちの資産形成を国が支援するための非課税制度です。
具体的にどのような制度なのかチェックしていきましょう。以下の3つの特徴を紹介します。
運用益(値上がり益)が非課税
積立NISAは、運用期間中に発生した利益がすべて非課税になる制度です。
本来、株式や投資信託などで得た利益には20.315%の税金が徴収されますが、積立NISAの口座を利用すると一切税金がかかりません。
ただ運用益が非課税といっても、どれくらい利益が出るのかイメージしにくいでしょう。
そこで、年率5%で20年間運用した場合の利益がどれくらいになるのか、確認してみます。月の上限33,333円と、5,000円、10,000円のケースを表にしました。
積立元本 | 運用収益 | 合計金額 | |
33,333円 | 7,999,920円 | 5,701,065円 | 13,700,985円 |
5,000円 | 1,200,000円 | 855,168円 | 2,055,168円 |
10,000円 | 2,400,000円 | 1,710,337円 | 4,110,337円 |
本来であれば、上に記載した表の「運用収益」に対しておよそ20%の税金がかかります。
積立NISAでは、運用収益を非課税でそのまま受け取ることができます。
税金を引かれることなく運用できるのが、積立NISAの大きな特徴です。
関連記事:NISAと積立NISAはどっちがいい?違いや選び方を比較
運用期間は最大20年
積立NISAを利用して非課税で運用できる期間は、最大で20年間です。
そのため20年間を経過した後は、「特定口座・一般口座に移管する」もしくは「売却して現金にする」という手続きが必要になります。
特定口座・一般口座に移管した場合、20年間の非課税期間に発生した利益には税金がかかりません。移管後に得た利益に対して税金がかかるようになります。
また売却して現金化した後に、再び積立NISAを開始することも可能です。その場合も同じく最大で20年間、非課税で運用することができます。
積立NISAを利用する際は、20年間の非課税期間が終わった後のこともあらかじめ検討しておくと良いでしょう。
関連記事:NISA口座変更時のデメリットは?手続き方法や申請期限
投資するのは国が厳選した投資信託
積立NISAの口座で取引できる金融商品は、国が指定した投資信託とETF(上場投資信託)のみです。
つまり株式や債券、国が指定していない投資信託などを購入することはできません。
対象商品が指定されているのは、初心者にも運用しやすい商品で投資を始めてもらいたいという考えが背景にあります。
国は私たちに、積立NISAを活用して運用を始めてほしいと考えています。
そのため比較的リスクが低い商品を厳選して、対象商品を定めているのです。
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積立NISAが投資初心者におすすめの理由
これから投資を始める人には、積立NISAの活用がおすすめです。
初心者にお得なメリットが多く存在するためです。
この章では、積立NISAが初心者におすすめな理由について解説していきます。
少額から投資ができる
積立NISAは少額から投資をスタートできるため、初心者にもおすすめです。
月100円から積み立てることができるケースもあります。「投資を失敗するのが怖い」「投資に回せるお金はそんな多くない」という人でも、毎月少額からコツコツ積み立てることができます。
いきなり数百万円という金額を投資するのはハードルが高いですが、月5,000円なら始められるという人もいると思います。
コツコツ運用して将来に備えることができるのが、積立NISAのメリットです。
関連記事:積立NISAは一括購入できる?40万円一括投資や楽天証券・SBI証券でのやり方
定期積立で複利を活かした運用益が見込める
複利効果で長期的な運用益が見込めることも、初心者におすすめする理由の1つです。
複利効果とは、投資によって得られた利益を再投資することで元本が膨らんでいき、得られる収益が大きくなっていく効果のことです。
積立NISAは、長期に渡って運用するため複利効果が大きくなりやすいです。
さらに得られた収益が税金で引かれることなく再投資されるため、課税口座と比べて効率的に複利を得る事ができます。
複利効果の恩恵を受けながら資産を運用できるのが、積立NISAの大きな魅力です。
関連記事:積立NISAは20年後はいくらになる?暴落したらどうするかや利益をシミュレーション
国が厳選した銘柄から投資先を選べる
すでに紹介した通り、積立NISAは国が選んだ比較的リスクの低い商品しか購入できません。
つまり国からお墨付きをもらった銘柄の中から、投資先を選ぶことになります。
初心者は、「どれを購入すればいいのか分からない」という悩みを持つことが多いです。
よく分からないまま購入した商品のリスクが高く、失敗してしまったというケースもあります。
こうした失敗を防ぐため、積立NISAの銘柄は比較的リスクが低く、運用にかかる手数料も低いものが選ばれています。
このように、国が厳選した安全性の高い商品に投資できる積立NISAは、初心者に優しい制度と言えるでしょう。
関連記事:積立NISAのおすすめ銘柄10選!組み合わせや楽天・SBIの銘柄を紹介
いつでも現金に変えられる
あまりおすすめはしませんが、積立NISAで運用しているお金はいつでも現金に変えることができます。
非課税期間は20年間ですが、期間満了前に途中で売却することができるのです。
もし急遽お金が必要になったときにも、積立NISA口座の商品を売却して現金にすることができます。
しかし途中で現金化するのは、基本的にはおすすめしていません。
なぜなら、積立NISAは長期運用を前提とした仕組みであるためです。先ほど紹介した複利効果は、長期運用によって効果を発揮します。途中で解約すると、複利による恩恵は受けられなくなります。
急な事態で積立NISAを現金化しなくても済むように、必ず余裕資金で投資するようにしましょう。
関連記事:ジュニアNISAは廃止後どうなる?今からでもやるべき理由を解説
積立NISAを投資初心者が始める場合の注意点
メリットが多く初心者におすすめの積立NISAですが、注意すべき点もあります。
しっかり把握しておかないと、投資を始めてから「失敗した…」となりかねません。
初心者が積立NISAで運用する際に押さえておくべき注意点を解説していきます。
元本割れの可能性がある
積立NISAは比較的リスクが低い商品での運用とはいえ、元本を損なう可能性もあります。
「安全だから必ずお金が増える」という考えで投資していると危険です。
投資をする上では、元本割れを絶対にしない商品は存在しません。
どれだけリスクを抑えてプロが運用しても、損失を被る可能性はあるのです。
したがって「元本割れのリスクはある」ということを把握した上で、積立NISAをスタートしましょう。
関連記事:積立NISAにはデメリットしかない?メリットや注意点もあわせて解説
個別銘柄は選ぶことができない
積立NISAで購入できる銘柄は、あらかじめ決められています。
個別の株式や、国が選んだ銘柄以外の投資信託には投資することができません。
「もう少しリスクの高い投資信託が買いたい」「株式投資もしてみたい」という人は、積立NISA以外に特定口座・一般口座などの課税口座を利用する必要があります。
自分が投資したいと思った商品が、積立NISAの対象商品になっているかを事前にチェックしておきましょう。
関連記事:新NISAとは?変更点やいつからか、積立NISAと比べて解説
年間40万円以上は投資できない
積立NISAの非課税枠は年間40万円に設定されています。
毎月積み立てる場合は、月33,333円が上限になります。
もし月33,333円まで投資をして余剰資金があるというケースでも、それ以上の金額で積立NISAを利用することはできません。
さらに投資をしたい場合は特定口座などを利用しましょう。
非課税枠は翌年に持ち越せない
積立NISAの非課税枠40万円は、翌年に持ち越すことができません。
例えば、今年30万円分投資して10万円分の非課税枠を残しても、翌年の非課税枠は40万円のままです。
残念ながら「来年に枠を取っておこう」ということはできません。
年間で利用できる非課税枠をしっかり把握してから、積立NISAをスタートしましょう。
関連記事:一般NISAの利用期限は?積立NISAとの違いやロールオーバーを解説
積立NISAを始めるタイミングについて
ここまで読んでみて「積立NISAを始めてみようかな」と思った方も多いでしょう。
しかし一方で、「いつから始めればいいのだろう?」という疑問をお持ちの方もいると思います。
「積立NISAをいつから始めるか?」は結論から言うと「今この瞬間から」です。理由は2点あります。
「始めよう!」と思った瞬間が始めるべき時期
1つ目は、投資を始めるベストなタイミングは誰にも分からないということです。
投資は「安い時に買って高い時に売る」という原則がありますが、いつが安いかは後になってみないと分かりません。
考えても分からないことで迷うのであれば、今すぐスタートしてしまうべきでしょう。
2つ目は、積立NISAがドル・コスト平均法という運用方法を用いているということです。
ドル・コスト平均法とは、毎月一定の金額で積立投資を行う手法のこと。価格が高い時には少なく買い、安い時には多く買うため平均の取得単価を抑えることができます。
つまりどのタイミングで始めても、ある程度は取得単価を抑えることができます。いつ始めてもいいのであれば、今この瞬間から始めても一緒です。さっそくスタートしてみましょう。
関連記事:積立NISAは「毎日」と「毎月」どっちがおすすめか?検証結果を解説
積立NISAを始めるのにおすすめの証券会社
積立NISAの口座は、1人につき1つの金融機関でしか開設することができません。
そのため、口座開設する金融機関は慎重に選ぶ必要があります。
この章では、積立NISAを利用する際のおすすめの証券会社について紹介していきます。
SBI証券
おすすめの証券会社1つ目は、SBI証券です。
口座開設数No. 1のSBI証券は、積立NISAの取り扱い商品が174本(2021年6月現在)と金融機関の中で最多となっています。
さらに2021年6月からはTポイントを活用した投資を行うことができるのも、特徴の1つです。投資金額に応じてTポイントが貯まったり、貯まったTポイントを投資に利用することもできます。
「豊富なラインナップから投資先を選びたい」「普段からTポイントを利用している」という人は、SBI証券で積立NISAを始めることをおすすめします。
楽天証券
2つ目のおすすめ証券会社は、楽天証券です。
楽天証券も積立NISAの取り扱いが多く、172本(2021年6月現在)の商品が用意されています。
普段から楽天ポイントを利用している人には、楽天証券の利用をおすすめします。積立NISAの積立設定を楽天カードクレジット決済にすると、ポイントが貯まる上に楽天市場の買い物もポイント+1倍になります。
ネットショッピングやクレジットカード、銀行など生活のほとんどで楽天を利用する「楽天経済圏」の人は、楽天証券で積立NISAを始めると良いでしょう。
松井証券
3つ目のおすすめ証券会社は、松井証券です。
積立NISA対応商品が170本(2021年6月現在)と豊富で、多くの選択肢から選ぶことができます。
松井証券の魅力は「投信工房」というツールです。ロボアドバイザーが、運用のアドバイスをしてくれる上に利用料は無料です。
「積立NISAをどのように始めれば良いか分からない」という人は、松井証券の「投信工房」を利用してみるのも良いでしょう。
まとめ:積立NISAは投資初心者におすすめの制度
将来の資産を準備するためには、積立NISAを利用して資産運用を始めることをおすすめします。
積立NISAは国が厳選した銘柄に投資でき、運用で発生した利益は非課税になります。少額からの投資で、複利効果の恩恵を受けながら投資資金が増えていく可能性が高いです。
元本割れの可能性もありますが、ドル・コスト平均法を活用することでリスクを抑えることも可能です。
積立NISAは「始めたい」と思った時が、始めるべきタイミングです。
ぜひ将来に向けた資産運用を積立NISAでスタートしましょう。
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記事監修者
マネカツ編集部
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