土地やマンションといった資産を持っていると、毎年「固定資産税」を払わなくてはなりません。

この固定資産税の支払いには、キャッシュレス決済のPayPayを使うことができます。

固定資産税の支払いにPayPayを利用すれば現金を持って銀行やコンビニに行く必要がなくなり、自宅からでも支払えるため忙しい方におすすめです。

この記事では、固定資産税をPayPayで支払う方法やメリット、デメリット、注意点などについて解説します。

「固定資産税を手軽に支払いたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

\ 人気FP講師による『無料』オンラインセミナー!日程を確認する /

固定資産税はPayPayで払える

固定資産税はPayPayで払える

固定資産税の支払いには、「PayPay」が利用できます。

固定資産税は高額な場合が多く、現金を用意して銀行やコンビニへ払いに行くのが大変なこともあります。

PayPayを使えば自宅からでも簡単に支払えるので、納税時の手間が省けるでしょう。

ここでは、固定資産税の基礎知識やPayPayで支払えるようになった経緯などについて解説します。

固定資産税とは

「固定資産税」とは、所有している固定資産に対して課せられる税金のことです。

固定資産とは、以下のようなものをいいます。

  • マンション
  • 土地(田んぼや山なども含む)
  • 飛行機
  • 船 など

家屋や土地などの不動産はもちろん、事業用の機械なども固定資産に該当します。

固定資産税の主な特徴は、以下の3つです。

  • 該当の固定資産が所在する市町村が課税主体(東京23区は東京都)
  • 1月1日時点で固定資産課税台帳に所有者として記載がある人に課税
  • 年4回の分納が基本だが、一括払いも可能

固定資産税の納税通知書(納付書)が送られてくるのは毎年4~6月頃です。

納税通知書に記載されている「納付期日」までに支払いを完了させる必要があります。

参考:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

固定資産税がPayPayで支払えるようなった経緯

近年は税金の支払いがキャッシュレス決済サービスを使って行えるものが増えており、固定資産税も対応しています。

固定資産税がPayPayで支払えるようになった主な理由は、納税手続きの簡素化のためです。

納税者の利便性を向上させ、納税事務を効率化することで、税金を確実に納めてもらうと同時に管理コストを削減することを目的に導入されました。

固定資産税のPayPay払いは2020年6月に東京都が導入して以来、それに続く形で多くの自治体が導入しています。

税金のキャッシュレス納付は国が主導しており全国的に拡大傾向にあるので、今後さらに多くの自治体が固定資産税のPayPay支払いに対応すると考えられます。

PayPay以外の支払い方法

固定資産税の支払い方法は、PayPay以外にもたくさんあります。

PayPay以外の主な支払い方法は、次の6つです。

支払い方法 特徴
現金 ・金融機関やコンビニエンスストアで支払う
・納付書(税額30万円以内)が必要
・領収証書を受け取れる
・窓口に行く手間がかかる
口座振替 ・事前に登録した口座から自動で引き落とされる
・引き落とし前日までに残高を用意する必要がある
・自分で支払いに行く必要がない(払い忘れがない)
・領収証書が発行されない
・残高が足りないと支払いができない
クレジットカード決済 ・専用の支払いサイトから支払う
・全ての自治体が対応しているわけではない
・カードのポイントが貯まる
・領収証書が発行されない
・カード決済手数料がかかる
eLTAX電子納税 ・eLTAX対応ソフトウェアから支払う
・利用者IDや電子証明書など事前設定が必要
・自宅やオフィスから納税できる
・領収証書が発行されない
・eLTAX対応ソフトやプラグインをインストールする必要がある
決済サービス
(ペイジー)
・金融機関のホームページやペイジー対応の銀行ATMから支払う
・ペイジーマークのついた納付書が必要
・自宅やオフィスからでも納税できる
・領収証書が発行されない
電子マネー
(nanaco、WAON)
・コンビニで支払う
・全ての自治体が対応しているわけではない
・領収証書が受け取れる
・クレジットカードでチャージすればポイントが還元される
・一部のコンビニ(セブンイレブン、ミニストップ)でしか利用できない

参考:東京都主税局「税金の支払い」

固定資産税をPayPayで払える主な自治体

固定資産税をPayPayで払える主な自治体

固定資産税をPayPayで支払える自治体は数多くありますが、ここでは首都圏を中心に主な自治体を紹介します(2022年10月時点)。

都道府県 自治体
東京都 ・23区内
・八王子市
・立川市
・武蔵野市
・青梅市
・調布市
・小平市
・日野市
神奈川県 ・横浜市
・相模原市
・平塚市
・藤沢市
・小田原市
埼玉県 ・さいたま市
・熊谷市
・川口市
・行田市
・秩父市
・所沢市
・春日部市
千葉県 ・千葉市
・銚子市
・市川市
・船橋市
・館山市
・木更津市

上記以外にも、固定資産税をPayPayで支払える自治体は全国に多くあります。

自分の住んでいる自治体で固定資産税のPayPay払いができるか確認するには、PayPay公式サイトを参照してください。

PayPay公式サイトで確認する

固定資産税をPayPayで払う方法

固定資産税をPayPayで払う方法

固定資産税をPayPayで支払う手順は、以下の通りです。

  1. 必要な金額をPayPay残高にチャージする
  2. アプリを開いて「スキャン」もしくは「請求書払い」をタップする
  3. 「固定資産税納付書」にあるバーコードをスキャンする
  4. 支払い先と金額を確認して「支払う」をタップする

基本的なやり方は、バーコードをスキャンして金額を確認し、支払いを完了させるだけです。

注意点として、固定資産税をPayPayで支払う場合、連携させたクレジットカードからの支払いはできません。

固定資産税の支払いは「PayPay残高」からのみなので、必要額をあらかじめチャージしておきましょう。

固定資産税をPayPayで払うメリット

固定資産税をPayPayで払うメリット

固定資産税をPayPayで払う主なメリットは、以下の3つです。

  • 納税プロセスが簡単
  • 決済手数料がかからない
  • 事前手続きが不要

ここでは、PayPayで固定資産税を支払う3つのメリットについて、詳しく解説します。

納税プロセスが簡単

固定資産税の支払いにPayPayを利用すれば、バーコードをスキャンするだけで簡単に納税ができます。

納付書で支払う場合は、銀行やコンビニへ行って手続きしなくてはなりません。

待ち時間もかかりますし、多額の現金を持ち歩くのに不安を感じることもあるでしょう。

クレジットカードや決済サービスなどで支払う場合も、専用のサイトから手続きをしなくてはならないので、作業が複雑に感じることがあります。

PayPayであれば、支払うために出かけたり面倒な作業をしたりすることなく、自宅で納付書のバーコードをスキャンするだけですべての手続きが完了します。

決済手数料がかからない

PayPayで固定資産税を支払う場合、決済手数料はかかりません。

クレジットカード払いをする場合、東京都だと手数料として税額1万円ごとに73円の手数料がかかります。

固定資産税は高額になる場合が多いので、手数料だけで数百~数千円支払わなくてはならないケースもあるでしょう。

PayPayであれば決済手数料がかからないため、余計な出費を抑えて納税することができます。

出典:東京都主税局「クレジットカード納付について」

事前手続きが不要

固定資産税をPayPayで払う場合、金融機関への事前登録やIDの取得など、事前手続きの必要がありません。

やるべきことは、自宅に届いた納付書のバーコードをスキャンして決済を完了させるだけです。

ただし、固定資産税の支払いを「口座引き落とし」にしていた人は、PayPay払いを利用する前に口座振替の廃止手続きをする必要があります。

口座振替の廃止手続きをしなければ「固定資産税納付書」が送られてこず、PayPay払いが利用できないからです。

口座振替の廃止手続きは、振替口座のある金融機関や自治体の納税課、もしくは専用サイトなどから行ってください。

固定資産税をPayPayで払うデメリット・注意点

固定資産税をPayPayで払うデメリット・注意点

自宅からでも簡単に固定資産税を納められるPayPay払いですが、デメリットや注意点もあります。

特に注意したいのは、以下の5点です。

  • 領収書は発行されない
  • 「PayPay残高」での支払いのみに対応している
  • 決済上限額は納付書1枚あたり30万円まで
  • 全ての自治体で使えるわけではない
  • ポイント還元は対象外

ここでは、固定資産税をPayPayで支払う際のデメリットや注意点について、詳しく解説します。

領収書は発行されない

固定資産税をPayPayで支払う場合、領収書は発行されません。

領収書が発行されるのは、基本的に金融機関やコンビニで「現金」、もしくは「電子マネー」で支払う場合のみです。

PayPayの支払い履歴には残りますが、公的な手続きのために正式な領収書が必要な方は、銀行やコンビニで支払いましょう。

なお、「納税証明書」については、PayPay払いでも納付後に発行できます。

東京都の場合は納付日の1週間後から納税証明書の発行が可能なので、必要があれば申請しましょう。

参考:東京都主税局「スマートフォン決済アプリによる納付について」

「PayPay残高」のみ対応している

PayPayで固定資産税が支払えるのは、「PayPay残高」からの支払いのみです。

連携しているクレジットカードからの直接払いや「PayPayあと払い」は利用できません。

PayPayポイントも使えませんので、注意してください。

固定資産税をPayPayで支払う際は、事前にPayPay残高をチャージしておきましょう。

なお、チャージの際にクレジットカードを使うことは可能です。

決済上限額は納付書1枚あたり30万円まで

PayPay支払いで納税できる固定資産税の限度額は、納付書1枚あたり30万円までです。

PayPay支払いでは、納付書のバーコードをスキャンして納税します。

このバーコードは、税額30万円までの納付書にしかついていません。

税額30万円以上の納付書にはバーコードがないため、PayPay払い以外の方法を選びましょう。

参考:東京都主税局「スマートフォン決済アプリによる納付について」

全ての自治体で使えるわけではない

PayPayで固定資産税を支払う方法は、全ての自治体で使えるわけではありません。

例えば、東京都では2022年10月時点で町田市や国分寺市、国立市などで固定資産税のPayPay支払いが利用できないようです。

使える自治体は年々増えている傾向にありますが、確実に使えるというわけではありません。

自分の住んでいる地域でPayPay支払いが利用できるかは、事前に公式サイトより確認してください。

ポイント還元は対象外(2022年10月時点)

PayPayで固定資産税を支払うことによるポイント還元はありません。

2022年3月までは、請求書払いをPayPay残高で支払うと0.5~1.5%のポイント還元ボーナスがありました。

しかし、このサービスは2022年10月時点では終了しています。

今後このようなキャンペーンが復活するかは未定です。

気になる方はこまめにPayPayアプリや公式サイトを確認しておくとよいでしょう。

まとめ:固定資産税をPayPayで払える自治体はある

固定資産税をPayPayで払える自治体はある

固定資産税は、PayPayで支払うことが可能です。

PayPayで支払えばわざわざ銀行やコンビニへ行く必要がなく、納付書のバーコードをスキャンするだけで簡単に納税ができます。

PayPayで固定資産税を支払うには、あらかじめPayPay残高をチャージしておく必要があります。

連携したクレジットカードやPayPayあと払い、PayPayポイントは使用できないので注意してください。

固定資産税のPayPay支払いが利用できる自治体は、全国的に拡大しています。

お住まいの自治体で固定資産税のPayPay払いが利用できるのであれば、利用を検討してみましょう。

\ 人気FP講師による『無料』オンラインセミナー!日程を確認する /

税金の関連記事
税金の使われ方 所得納税書の入手方法
雑所得とは 所得税の計算方法
宝くじの税金 住民税の分割払い
会社員にできる節税 ボーナスの税金
転職後の住民税 配偶者控除について
会社員の確定申告 退職時の税金