会社に勤めている方なら誰もが楽しみにしているのがボーナス(賞与)ですよね。家電の買い替えや旅行の資金、ローンの繰り上げ返済など、人それぞれ計画をたてることと思います。しかし、支給されるボーナスがそのまま手元に入ってくるわけではありません。給料と同様、税金が天引きされた支給額が自由に使えるお金なのです。税金を考慮しないとせっかくたてた計画も実行できない可能性があります。

この記事では、ボーナスからどのような税金がどれだけ引かれるのかを解説します。

ボーナスにかかる税金について

ボーナスも毎月の給料と同様に税金が引かれます。一般的に税金といえば○○税と呼ばれるものなのですが、ここでは社会保険料である「健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料・介護保険料」も、国や地方公共団体へ支払うものとして「税金」という言葉で解説をすすめていきます。
では、給料から引かれる税金と比べながら見てみましょう。

ボーナスからは4つの税金が引かれる

ボーナスから差し引かれる税金は「所得税」「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」の4つです。40歳以上であれば、「介護保険料」も健康保険料に加算される形で支払うことになります。この4つの税金は、毎月の給料からも天引きされているものです。

ボーナスから天引きされる税金

  • 所得税
  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料
  • (40歳以上の方)介護保険料

住民税はボーナスから引かれない

住民税は毎月の給料からも天引きされています(特別徴収の場合)。しかし、ボーナスからは住民税は引かれません。

住民税は前年の所得をもとにして計算され、毎月の給与から差し引かれる仕組みです。今年のボーナスとして受け取った金額は、来年度の住民税の計算対象となります。そのため、今年のボーナスから住民税が差し引かれることはありません。

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ボーナスにかかる税金の計算方法

前述のようにボーナスからは4つの税金が差し引かれますが、それぞれの計算方法や税率・保険料率は異なります。どのように計算されるのか、また税額はいくらになるのかそれぞれ確認していきます。

ボーナスの約2割が税金として引かれる

まずはザックリとですが、目安としてボーナス額の約2割(15%~25%)が税金として差し引かれます。ボーナスが20万円なら、3万円~5万円が税金として差し引かれ、手元に残るのは15万円~17万円ということになります。

これを知っているだけでもボーナスの使用計画を進める一歩になります。なお、金額に幅があるのは、年齢や家族構成などにより計算過程が異なるからです。

税金の計算方法

ここからは具体的にボーナスにかかる4つの税金の計算方法を見ていきます。計算方法とともにどのような税金なのか、その保険料を支払うことによるメリットなどもあわせてご紹介します。

所得税

所得税の計算方法

ボーナスから差し引かれる所得税は次の計算式により算出されます。

ボーナスの金額×税率

ボーナスから源泉徴収される所得税の税率は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」より、次の手順で確認できます。

「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の使い方
例:ボーナス200,000円、前月の給与250,000円、前月中の社会保険料等の合計37,000円、扶養親族の数1人

1.まずは「前月の給与-社会保険料等」により「前月の社会保険料等控除後の給与等の金額」を求めます。
250,000円-37,000円=213,000円

2.次に「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使用して、1に該当する金額と扶養親族等の数から税率(賞与の金額に乗ずべき率)を確認します。
扶養親族1人の列で213,000円は「94千円 ~ 243千円」に該当します。これにより税率は2.042%と判明します。この率には復興特別所得税も含まれています。

3.最後に所得税額を計算します。
ボーナス200,000円×2.042%=4,084円
4,084円が所得税および復興特別所得税の合計として差し引かれます。

参考:国税庁HPより「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和3年度)」

所得税の概要

所得税とは、1年間の個人の収入(所得)に対して支払う税金です。会社に勤務して給料を受け取っている方は給与所得に所得税がかかり、毎月の給料から天引きされています。ボーナスに関しても同様に個人の収入として所得税がかかり天引きされます。

ただし、毎月の給料やボーナスから差し引かれる所得税はあくまでも概算額(1年間の見込額)です。正確な所得税の計算は、12月の給与やボーナス額が確定したあとに年末調整で行われ、還付や追加納付により精算されます。

健康保険料

健康保険の計算方法

ボーナスから差し引かれる健康保険料は、次の計算式により算出されます。

ボーナスの金額(1,000円未満切捨て)× 保険料率 × 1/2

例えばボーナスが200,000円だとします。支給額から千円未満を切捨てたものを標準賞与額といい、「200,000円」が標準賞与額となり保険料率を掛ける元になります。
200,000円 × 9.84% × 1/2 = 9,840円
9,840円が健康保険料として差し引かれます。

もし40歳以上で介護保険料支払対象ならば、健康保険料率に介護保険料率1.80%も合わせて計算されます。上記と同条件で40歳以上であれば、保険料率は11.64%(9.84% + 1.80%)で計算します。
200,000円 × 11.64% × 1/2 =11,640円
11,640円が健康保険料と介護保険料の合計額です。

健康保険の概要

健康保険料を納めることで、病気やケガにより医療機関で治療を受けたり薬剤を処方されたりしたときに、医療費用の一部を健康保険で負担してもらうことができます。また、子どもが生まれたら出産育児一時金を、出産で会社を休んだときには出産手当金を受け取ることができるなど、さまざまな保証を受けることができます。

健康保険料は毎月の給料から納めていますが、ボーナスからも納めることになります。保険料は加入している健康保険の団体により異なります。「協会けんぽ」または「組合健保」のどちらに加入しているのか、さらに協会けんぽは都道府県により保険料が異なりますので、加入している団体のホームページや窓口で確認することができます。

また、健康保険料は労使折半なので、保険料のうち半分は従業員が負担することになっています。そのため、計算式の最後に「1/2」を掛け保険料を半分にして従業員の支払金額が算出されるのです。

参考:全国健康保険協会「令和3年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」

厚生年金保険料

厚生年金保険料

ボーナスから差し引かれる厚生年金保険料は次の計算式により算出されます。

ボーナス額(1,000円未満切捨て) × 18.30% × 1/2

例えばボーナスが200,000円だとします。支給額から1,000円未満を切捨てたものを標準賞与額といい、200,000円が標準賞与額となり保険料率を掛けるもとになります。
200,000円 × 18.30% × 1/2 =18,300円
18,300円が厚生年金保険料として差し引かれます。

厚生年金の概要

年金にはいくつも種類がありますが、会社員が納めるのは厚生年金保険料です。年金は払い込んだ金額によってもらえる金額が変わります。会社員の年金保険料は労使折半なので会社が半分を負担して、残りの半分を自分が負担する仕組みです。年金保険料を納めることで、老後の年金だけではなく障害年金や遺族年金を受け取ることもできます。

保険料率は地域などの差はなく一律18.30%です。厚生年金保険料は健康保険料と同様に労使折半です。そのため、計算式の最後に「1/2」を掛け保険料を半分にして従業員の支払金額が算出されます。

雇用保険料

雇用保険料の計算方法

ボーナスから差し引かれる雇用保険料は次の計算式により算出されます。

ボーナス支給額×従業員の保険料率(一般の事業なら0.3%)

例えばボーナスが200,000円で一般の事業に従事している場合の計算式は次のとおりです。
200,000円 × 0.3%= 600円
600円が雇用保険料として差し引かれます。

雇用保険料の概要

雇用保険は失業した時の給付金や育児休業中の給付金などを受け取ることができる保険です。
保険料は従業員が負担するものと会社が負担するものに分けて計算されます。従業員の雇用保険料率は、一般の事業なら0.3%、農林水産・清酒製造の事業と建設事業なら0.4%です(2021年度)。

具体例でボーナスの税金を計算してみよう

ボーナスの税金は家族構成や年齢により異なってきます。具体的に支給されるボーナスからどれだけの税金が差し引かれるのかを以下の2つの例でご紹介します。

30代前半・ボーナス300,000円(独身)の場合

30代前半のAさんは、東京都に住む独身女性です(扶養親族0人)。勤務先は東京都で、協会けんぽに加入しています。前月の給与は250,000円、ボーナスは300,000円の場合、ボーナスにかかる税金は次のとおりです。

税金 費用
1.所得税  12,252円
2.健康保険料  14,760円
3.厚生年金保険料 27,450円
4.雇用保険料 900円
合計  55,362円

1.所得税

ボーナス300,000円 × 源泉徴収税額の算出率4.084% = 12,252円

2.健康保険料

ボーナス300,000円 × 9.84%× 1/2 = 14,760円

3.厚生年金保険料

ボーナス300,000円 × 18.30% × 1/2 = 27,450円

4.雇用保険料(一般の事業として算出)

ボーナス300,000円 × 0.3% = 900円

上記のように、合計で約55,000円、割合にすると約18%の税金が差し引かれることが分かります。手取り額は244,638((300,000円-55,362円)です。

40代後半・ボーナス500,000円(嫁1人、子1人)の場合

年齢後半のBさんは、東京都に住む男性です。妻と16歳高校生の子が1人います(扶養親族2人)。勤務先は東京都で協会けんぽに加入しています。前月の給与は380,000円、ボーナスは500,000円の場合、ボーナスにかかる税金は次のとおりです。

税金 費用
1.所得税 30,630円
2.健康保険料(介護保険料含む)  29,100円
3.厚生年金保険料 45,750円
4.雇用保険料 1,500円
合計 106,980円

1.所得税

ボーナス500,000円 × 源泉徴収税額の算出率6.126%= 30,630円

2.健康保険料(40歳以上なので介護保険料を含む保険料率で算出)

ボーナス500,000円 × 11.64% × 1/2 = 14,760円

3.厚生年金保険料

ボーナス500,000円 × 18.30%× 1/2 = 45,750円

4.雇用保険料(一般の事業として算出)

ボーナス500,000円 × 0.3%= 1,500円

上記のように、合計で約107,000円、割合にすると約21%税金が差し引かれることが分かります。手取り額は393,020円(500,000円-106,980円)です。

まとめ:ボーナスは税金も想定して計画をたてましょう

ご覧いただいたように、ボーナスからはさまざまな税金が差し引かれます。支給額を聞いて思いつくままに計画をたてるのではなく、差し引かれる税金も想定して実際に支給される金額をベースに計画をたてましょう。

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