サラリーマン(会社員)が副業で給与以外の収入を得た場合や、複数の収入源を持った場合に必ず知っておきたいのが「雑所得」です。

雑所得とは、所得税法で区分される9つの課税所得のどれにも当てはまらない所得を指します。

雑所得が一定額を超えた場合、確定申告が必要となります。

「知らなかった」では済まされず、申告せずにいると後からペナルティが課されるケースもあります。

この記事では雑所得についてわかりやすく解説します。

普段からメルカリを日常的に利用している方、ブログ・アフィリエイトやYoutubeで収益を得ている方などは必見です。

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雑所得とは何か

雑所得とは何か

雑所得は、所得税法上の9つの課税所得に該当しないその他の所得を指します。

所得の種類は細かく分けられており、必ずしも副業収入 = 雑所得とはいえません。

具体的にはネットオークションで得た利益、公的年金、講演料、印税など、不定期かつ一時的であるものが雑所得に該当する可能性があります。

給与所得、事業所得、不動産所得に次いで申告者が多い所得であり、副業をするなら雑所得に関する知識を備えておきたいところです。

◯◯所得に当てはまらない「その他の所得」

前述した所得税法で定められている課税所得とは、以下の9種類を指します。

課税所得 該当する所得
利子所得 預貯金・公社債の利子、貸付信託・公社債投信の収益の分配など
配当所得 株式の配当、投資信託の収益の分配など
不動産所得 土地や建物などの不動産・借地権など不動産の上に存する権利・船舶や航空機の貸付けによる所得
事業所得 農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業により生ずる所得
給与所得 勤務先から受け取る給料、賞与
退職所得 勤務先から受け取る退職金、確定給付企業年金法及び確定拠出年金法による一時金
山林所得 山林の譲渡による所得(取得後5年以上)
譲渡所得 土地、建物、ゴルフ会員権などの資産の譲渡による所得
一時所得 クイズ・競馬などの賞金、生命・損害保険の一時金・満期保険金

給与所得との違い

雑所得は個人の活動により得られるのに対し、給与所得は勤務先から支給されるという点で大きく異なります。

例えば給与や賞与は、給与所得に該当します。たとえ副業であっても、雇用契約を結んで働いて得た対価は雑所得には当たりません。

給与所得のみを得ている場合、基本的には勤務先が年末調整を行うので確定申告は必要ありませんが、雑所得がある場合は注意が必要です。

利益が20万円を超えると確定申告が必要

会社員が雑所得によって確定申告を行わなければならないのは、基本的に「利益が20万円以上」の場合です。

注意したいのが、「収入」ではなく「利益」である点です。

利益は「収入 ー 必要経費」という計算式で求められます。

例えばフリマサイトでは送料や仕入代金、手数料などが必要経費に当たります。

売上からこれらの費用を差し引き、20万円を超えるなら確定申告が必要です。

また、利益が20万円に満たなくても、以下のケースでは確定申告が必要となります。

  • 会社からの給与で年収2,000万円以上
  • 医療費控除を受ける
  • 個人事業主
  • 年末調整をしていない会社員 など

雑所得の赤字は損益通算できない

雑所得が赤字(経費が売上を上回る)だった場合、損益通算はできません。

損益通算とは、黒字と赤字で損益を相殺することです。

例えば2つの事業をしていたとします。Aの事業では+1,000万円の黒字、Bの事業では-250万円の赤字だった場合、これらを足して最終的には750万円の事業所得として扱われます。

  • 1,000万円 + (-250万円) = 750万円分の事業所得 

雑所得の場合はこの相殺ができず、仮に赤字だった場合はマイナスではなく0円とみなされ、他の所得(例えば給与所得)から差し引くことはできません。

  • Aの事業:1,000万円分の事業所得
  • Bの事業:0円の事業所得(実際は-250万円)

また、損失を繰り越して翌年度の利益と相殺することもできません。

雑所得と事業所得の違い

雑所得と事業所得の違い

雑所得と間違えやすいのが「事業所得」です。

確定申告の際にも迷う方が多いのですが、間違えて申告をすると追徴課税を求められる可能性があるので、自分がどちらで申告するのか確認しておく必要があります。

しかし、その線引きは曖昧で、実際には実態に即して分類されます。

「〇〇による収入だから事業所得」とは、一概にいえないのが実情です。

簡潔に言うと以下がそれぞれの見分け方です。

  • 雑所得:不定期かつ一時的に生じる
  • 事業所得:独立して営利目的として行われ、反復継続して生じる

「反復」「継続」「独立」がキーワードです。

いずれかが欠けると、雑所得とみなされる可能性は高いでしょう。

雑所得の例としては以下のようなものがあります。

  • 公的年金
  • サラリーマンの副業による原稿料(Webライターが代表的)、ブログ・アフィリエイト、フリマアプリでの利益
  • 仮想通貨での利益
  • 税金の還付加算金 など

つまり、同じ原稿料でも個人事業主・フリーランスが主たる業務として書いた原稿に対する報酬は事業所得、サラリーマンが副業として得た場合は雑所得となります。

雑所得に区分されるものの例

ここからは、雑所得に区分されやすい収入源の例を紹介します。

前述したように実態に応じて判断されるため、事業所得やその他の所得になる可能性もあることを念頭に置いてください。

ウーバーイーツ

ウーバーイーツ

手軽に始められる副業として近年人気を集めているのが「ウーバーイーツの配達」です。

副業としてウーバーイーツで得た報酬は、雑所得に分類されます。

ウーバーイーツの配達員は会社に属しているわけではないからです。

ただし、ウーバーイーツの配達を本業(主となる収入源であること)で行っている場合は、金額にかかわらず事業所得として確定申告が可能です。

メルカリ(フリマアプリでの収益)

メルカリ(フリマアプリでの収益)

今や身近なサービスであるメルカリでの売上も雑所得に当たります。

ラクマ、ヤフオク、PayPayフリマを利用する場合も同様です。

売上から経費を引いた利益が20万円を超えた場合は、確定申告を行いましょう。

ただし、洋服や生活用品などの不要品を売っているだけなら確定申告が必要となるケースは稀です。

このような収入は譲渡所得となるため、基本的に課税されないためです。

注意が必要なのは、1点あたり30万円を超える貴金属、美術品等を売却した場合です。

こうした売上は課税対象となる可能性が高いため注意しましょう。

ブログ(アフィリエイト)

ブログ(アフィリエイト)

ブログによる広告・アフィリエイト収入も、雑所得に該当します。

自分の記事から他人が商品を購入した場合はもちろん、自身が購入するセルフアフィリエイト収入も含みます。

売上から経費を引いた金額が20万円を超える場合は、確定申告を行いましょう。

株式(一般口座の場合)

株式(一般口座の場合)

株取引を一般口座で行っている場合、利益が20万円以上なら雑所得として確定申告が必要です。

特定口座で行う取引については、金融機関が源泉徴収を行ってくれるため、確定申告は必要ありません。

ただし、複数の口座で損益通算する場合は、損失を翌年に繰り越す場合は確定申告が必要になりますので、必要に応じて対応するようにしましょう。

仮想通貨

仮想通貨

ビットコインやイーサリアムなど、仮想通貨の利益は雑所得にあたります。

20万円以上の利益を手にしたら、必ず確定申告が必要です。

株式には租税特別措置法が適用され、税率が20.315%と決まっていますが、仮想通貨には今の所このような税制処置がありません。

そのため、利益が多いほど課税所得が上がります。

ただし、仮想通貨を持っているだけなら税金はかかりません。

売却して利益を確定させた時や、仮想通貨を使って買い物を行った際は確定申告が必要になります。

利確のタイミングや、実際に通貨として使用する場合は注意してください。

雑所得と税率(課税所得・累進課税)の関係

雑所得と税率(課税所得・累進課税)の関係

雑所得は、他の所得と合算したうえで以下の所得税率が課されます。

所得金額が大きくなるほど税率も高まる「累進課税制度」が適用されます。

課税所得 税率 控除額
1,000円〜1,949,000円 5% 0円
1,950,000円~3,299,000円 10% 97,500円
3,300,000円~6,949,000円 20% 427,500円
6,950,000円~8,999,000円 23% 636,000円
9,000,000円~17,999,000円 33% 1,536,000円
18,000,000円~39,999,000円 40% 2,796,000円
40,000,000円以上 45% 4,796,000円

出典:国税庁「No.2260所得税の税率」

例えば課税所得が500万円の税率は20%ですが、そこに300万円の雑所得がプラスされれば課税所得は800万円となり、税率が23%にアップします。

課税所得の計算は複雑ですが、副業をするならしっかり計算し、税率が上がる価格帯にも注意するとよいでしょう。

雑所得で経費は認められる?

雑所得で経費は認められる?

前述しましたが、雑所得でも経費は認められます(公的年金を除く)。

しかし、どこまでを経費にできるかというはっきりとした線引きが所得税法に示されているわけではありません。

基本的には、その収入を得るために直接要した費用が対象です。

上記で紹介した副業を例に、経費として認められる費用を以下にまとめました。

副業 経費にしやすい費用
ウーバーイーツ ・配達バッグの購入費用
・自転車やバイクの購入費用
・シェアサイクルの月額料金
・自転車の修理代
・(バイクの場合)ガソリン代
・スマートフォンの通信費
・駐輪場代・車両保険料
フリマアプリ ・仕入代金
・売上手数料
・送料
・梱包材料費
ブログ(アフィリエイト) ・パソコン(全額ではなく一部)
・周辺用品の購入費用
・ドメイン代
・サーバー代
・ソフト代
・通信費(全額ではなく一部)
・勉強用のセミナー会費や書籍購入費用
株式・仮想通貨 ・パソコン(全額ではなく一部)
・周辺用品の購入費用
・セミナーやスクール、書籍にかかる費用

上記は経費として認められる可能性があるものですが、プライベートと兼用して使用しているものは全額ではなく一部だけが経費と認められる場合があります。

例えば自宅を仕事場として使っている場合、「家事按分」をする必要があります。

  • 例:家賃100,000円、仕事場として面積の20%を使用した場合
  • 100,000円 × 20% = 20,000円
  • 20,000円が経費として認められる

水道光熱費も同様に考えます。

プライベートと仕事で車両を兼用する場合のガソリン代も、走行距離に応じて按分し、一部を経費とすることができます。

100%経費となるもの、そうでないものがあることを知り、正しく確定申告しましょう。

不安な場合は税理士に相談することをおすすめします。

まとめ:雑所得が増えると確定申告が必要になる

雑所得が増えると確定申告が必要になる

働き方が多様化し、今や複数の収入源を持つ人が増えています。

収入が増えることは喜ばしいですが、税金に関する知識がないと結果として損をしてしまうかもしれません。

会社員がウーバーイーツの配達、フリマアプリ、ブログなどによって20万円以上の利益を得たら、必ず確定申告を行いましょう。

これらの収入は雑所得にあたり、税金が課されます。

雑所得は金額が増えるほど税率も高まるので、税率が変わる金額のラインを覚えておくのがおすすめです。

「知らなかった」で痛い目を見ることのないよう、しっかり知識を身に付けて副業を楽しみましょう。

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