会社員や公務員の方の場合、住民税は毎月のお給料から天引きされる形で納付しています。特に意識しなくても会社が勝手に納付してくれているため、住民税のことをあまり知らない方も多いと思います。

会社員や公務員を続けている間は基本的に住民税を強く意識する必要はありませんが、転職時・退職時は別です。普段、あなたの代わりに住民税を納めてくれている会社から離れることになるため、その際の住民税の扱いについて理解しておきましょう。

今回の記事では、住民税の基本情報や転職時・退職時の住民税の扱い、注意すべき点などを解説します。

住民税とは

住んでいる市区町村に対して支払う税金

住民税とは、都道府県に納付する都道府県民税と市町村に納付する市町村税の2種類を合わせた税金のことです。

住民税は、その年の1月1日に住んでいる都道府県や市区町村に納付します。そのため、年内に引っ越して住んでいる市町村が変わっても、その年の住民税は元の住所の市町村に納付します。

住民税は、都道府県や市区町村が行う行政サービスを維持するために利用されることが多いです。

「普通徴収」と「特別徴収」がある

住民税の納付方法には「普通徴収」と「特別徴収」があります。

普通徴収は自営業者や退職済みの方などが該当し、住民税を自分で納めます。特別徴収は会社員や公務員などの方が該当し、お給料から住民税が天引きされ、会社がまとめて納付します。

普通徴収でも特別徴収でも1年間で納める住民税の額は変わりません。納付方法や回数が異なります。

普通徴収

普通徴収では、納税者の住所に住民税の納税通知書が届きます。通知書に書かれてる納税期限までに、記載されている金額を納付します。住民税は、年4回に分けて納税することが基本ですが、一括で納付しても問題ありません。

住民税は、コンビニや金融機関の窓口、役所の窓口で現金にて納付します。また、口座振替で納付することも可能です。一部の自治体では、クレジットカードで納付することもできます。

特別徴収

1年間で納付すべき住民税を12分割し、毎月のお給料から天引きされる形で納付します。

会社員や公務員の方は、副業や仕事以外の収入によって発生した住民税の納付を普通徴収にしない限り、住民税を自主的に納付する必要はありません。

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転職する際の住民税の納付方法

会社員や公務員の方は、基本的に特別徴収で住民税を納付するため、勤務先がお給料から天引きしてあなたが納めるべき住民税を代わりに納付してくれています。

転職すると元勤務先が住民税を代わりに納付してくれなくなるため、転職時の住民税の扱いについて理解しておく必要があります。

転職先が決まっている場合

転職先が決まっている状態で会社を退職する際は、転職先の会社で特別徴収を継続し、住民税がお給料から天引きされている状態をキープできます。ただし、退職後すぐに転職する場合です。

退職から転職先の入社まで1ヶ月以上の期間が空く場合は、特別徴収を継続できないことがあるため注意が必要です。空いた期間の住民税は普通徴収で納付します。

会社に転職先を伝えない場合は普通徴収に切り替え

人によっては元の会社に転職先を知らせたくない方もいるでしょう。そのような方は残念ですが、普通徴収に切り替えるしかありません。

特別徴収を継続する手続きは、転職前の会社と転職先の会社でのやりとりがあるため、転職先の会社を知らせずに特別徴収を継続することはできません。

普通徴収で住民税を納付したのち、手続きをすることで特別徴収に切り替えることは可能です。転職先の担当者に相談してみてください。

転職先が決まっていない場合

転職先が決まっていない場合、お給料から住民税を天引きすることができないため、普通徴収に切り替わります。また、次の6月に来る住民税の納付通知書は支払っていない住民税の通知のため忘れずに納付しましょう。住民税は支払ったと勘違いして未払いになると延滞金が発生し、思わぬ出費になる可能性もあります。

住民税の支払いは6月から翌年の5月までを1年間とし、特別徴収で納付している方の場合、12分割して毎月納付しています。退職する時期によって扱いが違うため注意が必要です。

退職日が1月1日〜4月30日の人

退職日が1月1日〜4月30日の場合、5月までに支払う住民税の総額を退職月のお給料や退職金から天引きされます。

例えば、3月末に退職する場合、最後のお給料から3月・4月・5月分の住民税がまとめて支払われます。仮に一括で徴収される住民税の額が最後にもらうお給料よりも多くなった場合は、普通徴収に切り替わり自分で納付することになります。

退職日が5月1日〜5月31日の人

5月は12分割された住民税の最後の支払い月です。5月分の住民税の納付を5月のお給料から天引きされ、1年間の住民税の支払いが終了します。そのため、この期間中に退職する方は住民税の未払い分について意識する必要はありません。

次の6月から新しい住民税の納税通知書が来るので、そちらを忘れずに納付してください。

退職日が6月1日〜12月31日の人

退職月にまとめて納付するか、普通徴収で分割して納付するか選択できます。

退職月のお給料からまとめて納付する場合、天引きされる金額が多くなるため注意が必要です。

普通徴収で分割して納付する場合、退職月の住民税はお給料から天引きされ会社が納付してくれます。その後、翌年5月までの残りの住民税は普通徴収となり自分で納付します。

例えば、9月に退職する場合、9月分の住民税は9月のお給料から天引きです。その後、10月から翌年5月までの8ヶ月分の住民税は普通徴収に切り替わり自分で納付することになります。

転職時の住民税について知っておきたいこと

会社員や公務員の方の場合、住民税はお給料から勝手に引かれて納付されているため、住民税についてあまり詳しくない方も多いと思います。そこで、住民税の基本性質や転職時の住民税の取り扱いについて把握しておきたいことをまとめます。

6月まで住民税の額は変わらない

住民税の課税対象は前年の所得です。そのため、年収アップのために転職したとしても、すぐに住民税の額が上がることはありません。前年の収入を基に納付すべき住民税の額が算出され、6月から翌年5月にかけて住民税を納付します。

例えば、2021年1月1日〜12月31日までの1年間の収入から算出された住民税の支払いは、2022年6月〜2023年5月にかけて納付することになります。

6月で住民税の支払いが次の年の分へ切り替わるため、6月まで住民税の支払い額は変わりません。

自動的に給与天引きにはならない

退職後、すぐに新しい会社に転職したとしても住民税が自動的に天引きになるわけではありません。手続きをしないと普通徴収になるため注意が必要です。

転職前の会社で「給与所得者異動届出書」を作成してもらい、転職後の会社に提出します。すると、転職後の会社経由で「給与所得者異動届出書」が市町村に提出され、転職後の会社のお給料から住民税を納付することになります。

退職日から1ヶ月以上の期間を空けて転職した場合は「特別徴収切替届出(依頼)書」を提出することになります。住民税の納税通知書やすでに支払った住民税の領収書などを持参して転職先の担当者へ相談してみてください。

退職時期によってはまとまった支払いが必要になる

1月〜4月の間に退職すると、5月までの残りの分の住民税を一気に支払う必要があります。住民税を数ヶ月分まとめて支払っているだけなので、退職月だけ住民税が不当に高くなっているわけではありません。

特に1月・2月に退職する方の場合、4ヶ月分、5ヶ月分の住民税をまとめて支払うことになるため、最後のお給料が予想よりも少ないことが考えられます。

退職月のお給料からは住民税だけでなく、社会保険料も通常よりも多く天引きされることがあるため、注意が必要です。その月にクレジットカードの多額の支払いがあるとお金が足りないことがあるかもしれません。

住民税の二重払いに注意

基本的に、住民税を二重に支払うことはありません。

1月〜5月に退職した場合は、最後のお給料から残りの住民税を一括で納付します。6月〜12月に退職した場合は、最後のお給料から残りの住民税を一括で納付するか、普通徴収に切り替わり自分で納付します。

そのため、退職して特別徴収でなくなる方も、住民税の納付が二重になることはありません。

二重払いで考えられるケース

住民税の二重払いで考えられるケースは、1月〜4月に退職した人が自主的に住民税を納付するケースです。

本来ならば、5月までの住民税は元勤務先の会社が代わりに納めてくれています。しかし、そのことを知らない方の中には住民税を納めていないと勘違いして、自分でも納付してしまう方もいるかもしれません。そうなると、会社と自分で二重に住民税を支払ったことになります。

二重払いになった際の対処法

もし、住民税を二重に支払ってしまった場合は、返金の申請をして払い過ぎた分を取り戻しましょう。

役所が住民税の二重払いを認知すると「過誤納金還付(充当)通知書」が送られます。返金は納税者が指定した口座に振り込む形で行われます。そのため、振込を希望する口座情報を記載し、書類を返送します。自治体にもよりますが、3週間〜4週間ほどで指定された口座に返金されます。

注意点として、納税者に滞納している税金があると、滞納している税金に充当されて返金されないケースがあります。退職時の住民税の取り扱いを覚えて、二重払いをしないように気をつけましょう。

まとめ:転職時の住民税の支払いには注意をしましょう

会社員や公務員の方にとっては、住民税はお給料から勝手に支払われるもののため、あまり実体について詳しくない方も多いと思います。

普段は、住民税を勤務先からもらうお給料から天引きで納めているため、転職する際は住民税の支払いについて注意する必要があります。

退職時の住民税の取り扱いを知らない場合、すでに支払い済みの住民税を支払っていないと勘違いして自主的に納付する可能性があります。そうなると住民税を二重に支払ったことになりますが、払い過ぎた住民税は申請をすると返金されるため、落ち着いて対処してください。

普段、住民税の支払いを意識していないと思いますが、転職時・退職時は注意してください。お給料から天引きで納付する方が自分で納付するよりも便利で楽だと思うので、転職後は忘れずに手続きしましょう。

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