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M life 記事

お金 2018.7.19

【FP監修】所得とは?混合しがちな収入と所得の違い

 

「所得」と「収入」、この違い分かりますか?なになく使っているこの言葉。意味を知っていないと相手が尋ねてきたことが理解できず、曖昧に答えてしまうこともあるかもしれません。

 

そこで今回は、基本的な所得の説明と所得と収入の違い、そして所得の種類をご紹介していきます。違うのはわかるけど説明はできない、所得に種類があるのを知らなかった、などなどそんな疑問を一緒に解決していきましょう。

 

所得とは…

 

そもそも「所得」とはなんなのでしょうか。会社員をしている人なら、最初に思い浮かべるのは月々のお給料かもしれません。確かにそのお金は所得でもあります。しかし厳密にいうと、「所得」とは、収入金額から収入を得るために使ったお金「経費」を差し引いたもののことを指す言葉です。

式で表すと、

 

所得金額=収入-必要経費

 

となります。

そして所得税法では、所得を所得が発生した形態によって10種類に分類してます。また、計算された所得金額に対してかかってくる税金を所得税と呼びます。

 

所得と収入の違い

 

それでは、「所得金額=収入-必要経費」の式をもとに、会社員、個人事業主、年金生活者の場合、どのようなものが式に当てはまるのか、それぞれの違いを見ていきましょう。

 

一般的な会社員の場合

会社員にとっての収入とは、1年間に得た給与や賞与、各種手当のことになります。そして、会社員にとって必要経費に当たるのは、「給与所得控除」と呼ばれる所得控除になります。給与所得控除とは、所得税などの税金を計算するときに、収入から差し引くことのできる金額のことです。

 

ほとんどの会社員は、このあと説明する個人事業主のように、収入から引ける必要経費がありません。そこでこの必要経費の代わりに、給与所得控除を差し引くことができるようになっているのです。

 

会社員の所得=収入(給与収入)-給与所得控除

 

個人事業主の場合

個人事業主の場合は、収入=売上になります。分かりやすいですね。そして、売上を得るために使った経費が必要経費になります。経費になるものとしては、以下のようなものがあげられます。

 

・水道光熱費

・交通費

・地代家賃代

・租税公課

・修繕費

など

個人事業主の所得(利益)=収入(売上)-必要経費

 

出典:No.2210 やさしい必要経費の知識|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm

 

年金生活者の場合

それでは年金を受給し生活を送っている人の場合はどうなるのでしょうか。国民年金(公的年金ともいいます)は、雑所得という所得に当てはまり、所得税・住民税の課税対象となっています。よって、年金受給者が収入として受け取る年金は雑所得となります。また、必要経費に当たる部分として、「公的年金控除」と呼ばれる、年金収入から差し引くことができる控除があります。

 

年金受給者の所得(雑所得)=収入金額(公的年金等の収入)-公的年金等控除額

 

公的年金等控除は年齢(65歳未満と65歳以上)と収入金額によって違いがあり、場合によっては、税金がかからないこともあります。

 

例えば、65歳未満であれば、70万円までの場合は所得金額が0となります。

また、65歳以上であれば、120万円までの場合は所得金額が0となります。

上記の金額までなら、所得は0円という扱いになるので、税金はかかりません。

 

出典:高齢者と税(年金と税)|国税庁https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/03_1.htm

 

所得の種類

 

それは今回のメインの1つである10個の所得について、概要を整理しておきましょう

 

給与所得

給料、賞与、役員報酬などや金銭以外の物で支給された利益などが給与所得となります。給与所得は、総合課税の対象ですが、給与所得以外に所得がなく、その他の還付申告もない場合は、源泉徴収のみで年末調整を行うことで課税が完了したことになり、個人で確定申告をする必要はありません。

 

事業所得

農業、漁業、製造業、卸売業、サービス業などの自営業から生じた所得が事業所得となります。事業所得は、総合課税の対象になり、所得額にかかわらず、確定申告の必要があります。また、事業所得における必要経費の中には「減価償却費」というものがあります。

 

資産の中には、建物や車両など、購入してから時間の経過によって古くなることで、価値が下がるものがあります。こういった価値が減少する分について、使用する期間に分けて経費計上することを減価償却と呼び、必要経費に入れることができます。

 

不動産所得

土地や建物、船舶や航空機などの貸付による所得が不動産所得となります。不動産所得は、総合課税の対象で、もし所得に損失がある場合、他の所得と合算して計算する損益通算という仕組みを使うことができます。損益通算は事業所得、総合課税の譲渡所得、山林所得の損失でも使える仕組みです。

 

利子所得

預貯金の利子や国債などの公社債の利子、公社債投資信託の収益分配金などが、利子所得となります。預貯金の利子所得については、源泉分離課税の対象となります。

 

配当所得

法人から受け取る利益配当(株式の配当金)や株式投資信託・上場投資信託・不動産投資信託の収益分配金などが、配当所得になります。配当所得は、原則、総合課税の対象です。

 

ただし、上場株式等に係る配当等、公募株式等証券投資信託の収益の分配などは、源泉徴収してもらい課税が完了する「申告不要制度」や「申告分離課税」を選択することもできます。

 

退職所得

退職金、企業年金の退職一時金などが、退職所得になります。退職所得は、申告分離課税の対象です。退職所得の金額は、(退職金-退職所得控除額)×1/2となるのですが、勤続年数によって退職所得控除の金額が変わるため、計算するときには注意が必要です。

 

山林所得

所有期間が5年を超える山林を伐採して譲渡したことによる所得が、山林所得となります。山林所得は申告分離課税の対象となります。

 

譲渡所得

不動産や株式、ゴルフの会員権、機械などの譲渡による所得が、譲渡所得となります。譲渡所得は、譲渡した資産の種類によって、総合課税か申告分離課税かに分かれます。

 

注意すべきポイントは、譲渡する資産を譲渡するまでにどの程度の期間所有していたかによって、短期譲渡所得と長期譲渡所得に分かれるということです。もし譲渡を行うときにはこの区分について調べておきましょう。

 

一時所得

臨時かつ偶発的なもので、対価(営利目的の活動によってもたらされたもの)ではない所得が、一時所得となります。一時所得は、総合課税の対象です。

一時所得の例としては、

・保険の満期保険金や解約返戻金

・懸賞金や賞金

・競輪や競馬の払戻金

などがあります。

 

雑所得

他のいずれの所得にも該当しない所得が雑所得に分類されます。公的年金の老齢給付金や年金形式で受け取る退職金、個人年金の保険金、仮想通貨の取引による所得、本業以外の人が受け取る原稿料や講演料など他の所得に入らないものも雑所得に入ります。なお原稿執筆や講演業が本業である場合は原稿料や講演料は事業所得に区分されます。また、雑所得は総合課税の対象になります。

 

出典:所得の種類と課税方法|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/b/01/1_03.htm

 

所得の課税方法

 

10種類の所得について説明の際、分離課税や総合課税の対象になるということを述べました。ここで、分離課税と総合課税について、解説しておきます。

 

総合課税

総合課税とは、各種の所得を合計し、合計した所得に対して所得税額を計算し、課税する方法になります。基本的に所得税は、こちらの総合課税となります。

総合課税の対象になるのは、

・利子所得

・配当所得

・不動産所得

・事業所得

・給与所得

・譲渡所得

・一時所得

・雑所得

の8つです。

 

出典:No.2220 総合課税制度|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2220.htm

 

分離課税

分離課税とは、先ほどの総合課税と切り離して、他の所得と合算せず、個々に税額を計算し、課税する方法になります。

分離課税の対象になるのは、

・利子所得(源泉分離課税に該当しないもの)

・配当所得(源泉分離課税に該当しないもの)

・退職所得

・山林所得

・譲渡所得

の5つになります。

また、分離課税には、2つの分離課税があります。

 

①申告分離課税

確定申告によって、自身で税金を納める方法です。

例えば、

・不動産売却による譲渡所得

・山林所得

・先物取引による雑所得

などが当てはまります。

 

出典:No.2240 申告分離課税制度|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2240.htm

 

②源泉分離課税

所得を支払ってもらうときに一定の所得税を先に差し引いてもらうことで、自分で手続きすることなく、所得税の納税が完了する方法です。

例えば、

・利子所得の利子

・懸賞金付預貯金等の懸賞金

・金融類似商品の補てん金

などがあります。

 

出典:No.2230 源泉分離課税制度|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2230.htm

 

所得はなぜ区分けされるの?

所得の種類について整理してきたのですが、ここで1つ疑問がわきます。それは、なぜ所得はここまで区分けされているかということです。

 

課税の公平性

税制は、「公平・中立・簡素」であることが基本原則となっています。中でも公平の原則では、経済力が同等の人には等しい負担を求める「水平的公平」と経済力のある人により大きな負担を求める「垂直的公平」があります。言い換えると、税金を負担する能力に応じた金額を課税することが原則ということです。

 

このような原則がある理由として、例えば一時所得として偶発的な巨額の収入があった場合、給与所得のように継続して発生する所得と同じ形式で課税してしまうと、収入に対して課税される税金に不公平が生じてしまいます。その解決策として、各種所得や各種所得控除などを設けることにより、個々人の負担できる力に合わせたきめ細かい配慮を行えるよう所得は区分けされているのです。

 

出典:もっと知りたい税のこと(平成29年7月発行)|財務省https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei2907/index.htm

 

実際にいくら取られている?所得税の計算方法

 

それでは、所得について整理が終わりましたので、最後に実際に所得税の計算はどうなるのか、例を使って計算してみましょう。

税金を計算するときは、

 

①所得金額を求める

所得金額=収入-必要経費

 

②課税所得金額を求める

課税所得金額=所得金額-所得控除

 

③所得税額を求める

所得税額=課税所得金額×税率−税額控除

 

の流れで計算していきます。

 

今回の例では、給与収入が600万円のAさんについて、計算してみましょう。

 

①所得金額を求める。

給与所得控除額:6,000,000円×20%+540,000円=1,740,000円

所得金額:6,000,000円(収入)-1,740,000円(給与所得控除額)=4,260,000円

給与所得控除額(平成29年分)は以下のリンク先を参考にご覧ください。

 

出典:No.1410 給与所得控除|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm

 

②課税所得金額を求める

本来なら、社会保険料控除や生命保険料控除、配偶者控除などがあれば、所得金額から引かれるのですか、今回は基礎控除である38万円だけを控除として用います。

課税所得:4,260,000円-380,000円=3,880,000円

 

③所得税額を求める

課税所得に応じた税率をかけて、さらに課税控除額を差し引いた金額が所得税額となります。平成25年から平成49年までは、所得税に加え、復興特別所得税をあわせて納付します。

 

所得税額:3,880,000円×20%-427,500円=348,500円

 

よって、Aさんが実際に納税する所得税額は348,500円となります。

 

所得税の速算表は以下のリンク先を参考にご覧ください。

 

出典:No.2260 所得税の税率|国税庁https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

 

まとめ

 

「所得とは?混合しがちな収入と所得の違い」いかがだったでしょうか。所得と収入について整理することはできましたか。なになく受け取っているお金も、場合によってはいろいろな形の所得として扱われます。今まで受け取ったお金もこうした所得のどこかに分類されるものです。

 

割り当てられる所得によって税金の仕組みも変わってきますので、今後お金を受け取る機会があるときには、今回の内容を参考に、ぜひどんな所得になるのか意識してみてください。

 

 

監修:杉浦 詔子(ファイナンシャルプランナー)

 

 

 

 

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