専門資格を取得してスキルアップを目指す際に、「教育訓練給付制度」という国から補助金を受け取れる制度があります。

あまり聞き慣れない方も多いかもしれませんが、会社員がスキルアップのために活用できるお得な制度になっています。

この記事では、「教育訓練給付制度」の特徴や対象者となる条件、申請方法をわかりやすく解説します。

いくら支給されるのかや、制度の対象となる主な資格の一覧も紹介しているので参考にしてください。

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教育訓練給付制度とは

教育訓練給付制度とは

雇用保険の給付のひとつ

雇用保険では「失業を防ぐ」「雇用を安定させる」などのために、「育児休業給付金」や「介護休業給付金」などさまざまな給付がされています。

「教育訓練給付制度」もそのひとつです。

働く人々の主体的な能力開発の取り組みやキャリアアップを支援しています。

教育訓練給制度は、労働者の能力不足による失業を防ぐことや雇用の安定、スキルアップ、早期の再就職を促進させることを目的とした制度です。

「厚生労働大臣が指定した資格の講座」を受けると、費用の一部が返金されます。

出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」

受講料の20%〜最大70%が支給される

教育訓練給制度によって支給される金額は、受講料の20%〜最大70%です。

「一般訓練給付金」の場合、厚生労働大臣指定の講座を修了し、本人(対象者)が支払った教育訓練経費の20%に相当する金額がハローワーク(公共職業安定所)から支給されます。

上限支給額は10万円で、支給金額が4,000円以下になるような講座の場合はこの制度は適用されません。

例えば10万円の講座を受講した場合は、2万円がキャッシュバックされる仕組みです。

一般訓練給付金以外の「特定一般教育訓練」や「専門実践教育訓練」の給付金については、後ほど解説していきます。

出典:厚生労働省「Q&A~一般教育訓練給付金~」

教育訓練給付制度の種類と対象者になる条件

教育訓練給付制度の種類と対象者になる条件

教育訓練給付制度の給付対象となる教育訓練は、レベルに応じて以下の3種類に分けられます。

  • 一般教育訓練
  • 特定一般教育訓練
  • 専門実践教育訓練

「現在雇用保険に加入している」、もしくは「過去に雇用保険に加入していた」という方が対象者になります。

公務員や自営業の方は雇用保険がないため、基本的に教育訓練給付制度の対象外であることに注意が必要です。

これら3種類の講座(訓練)は、講座の種類分類の意味合いが多く、給付を受ける条件については「初めて給付を受ける場合の雇用保険加入年数」以外に大きな違いはありません。

一般教育訓練・対象者

「一般教育訓練」は、労働者の主体的な能力開発の取り組みを支援し、雇用の安定と就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練のことです。

給付を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 在職者の場合:雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めて受給する場合は1年以上)
  • 離職者の場合:離職から1年以内で、雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めて受給する場合は1年以上)
  • 2回目以降の利用は3年以上経過している必要がある

具体的にどのような資格が一般教育訓練に該当するのかチェックしておきましょう。

出典:厚生労働省「Q&A~一般教育訓練給付金~」

一般教育訓練の主な資格一覧

一般教育訓練給付の対象になる資格は、以下のようなものがあります。

  • TOEIC
  • TOEFL
  • 中小企業診断士
  • インテリアコーディネーター
  • Webクリエーター能力認定試験
  • 簿記検定試験(日商簿記) など

上記のような資格取得を目指している方は、一般教育訓練給付の受給を検討しましょう。

出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」

特定一般教育訓練・対象者

「特定一般教育訓練」とは、特に速やかな再就職と早期のキャリア形成効果が高い講座を対象とした教育訓練です。

給付の条件は以下の通りですが、一般教育訓練と大きな差はありません。

  • 在職者の場合:雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めて受給する場合は1年以上)
  • 離職者の場合:離職から1年以内で、雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めて受給する場合は1年以上)
  • 2回目以降の利用は3年以上経過している必要がある

具体的にどのような資格の受講費用が補助されるのか、チェックしておきましょう。

出典:ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」

特定一般教育訓練の主な資格一覧

特定一般教育訓練の対象となる資格は、以下のようなものがあります。

  • 社会保険労務士
  • 税理士
  • ファイナンシャルプランニング技能検定
  • 介護職員初任者研修
  • 宅地建物取引士資格試験
  • 大型自動車第一種・第二種免許
  • 自動車整備士 など

上記のような資格取得を目指している方は、「特定一般教育訓練給付」の受給を検討しましょう。

出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」

専門実践教育訓練・対象者

「専門実践教育訓練」とは、特に労働者の中長期的なキャリア形成に資する専門的・実践的な教育訓練のことです。

以下の条件を満たした場合に受給することができます。

  • 在職者の場合:雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めて受給する場合は2年以上)
  • 離職者の場合:離職から1年以内で、雇用保険の被保険者期間が3年以上(初めて受給する場合は2年以上)
  • 過去に教育訓練給付金を受給した場合は3年以上経過している必要がある

具体的にどのような資格の受講費用が補助されるのか、チェックしておきましょう。

出典:厚生労働省「専門実践教育訓練給付金に関するよくあるご質問」

専門実践教育訓練の主な資格一覧

専門実践教育訓練の対象となる資格は、以下のようなものがあります。

  • 看護師
  • 保健師
  • 美容師
  • 理学療法士
  • 調理師
  • キャリアコンサルタント
  • 第四次産業革命スキル習得講座(クラウド、IoT、AI、データサイエンスなど) など

上記のような専門的な資格取得を考えている場合は、「専門実践教育訓練給付」の受給を検討しましょう。

出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」

対象かどうかはハローワークで確認できる

「教育訓練給付金を受給する資格があるか」「受けたい講座が厚生労働省指定の資格か」などについては、ハローワークで確認することができます。

自身が教育訓練給付金の対象者であるか分からない場合、お近くのハローワークで確認することをおすすめします。

全国のハローワークは、以下のリンクからチェックすることができます。

ハローワークの所在地一覧

教育訓練給付制度でいくら支給されるのか

教育訓練給付制度でいくら支給されるのか

一般教育訓練の支給額

一般教育訓練に該当する講座を受講した場合、受講費用のうち20%に相当する金額が支給されます。

例えば10万円の講座を受講した場合であれば、20,000円がキャッシュバックされます。

ただし、キャッシュバックの金額が10万円を超える場合は10万円が上限となり、4,000円以下の場合は支給されません。

※50万円以上の講座は10万円までの支給、20,000円以下の講座は対象外となります。

特定一般教育訓練の支給額

特定一般教育訓練給付では、受講費用の40%に相当する金額が訓練修了後に支給されます。

例えば、15万円の講座を受講した場合であれば、60,000円がキャッシュバックされます。

キャッシュバックの金額は20万円が上限で、4,000円以下の場合は支給されません。

※50万円以上の講座は20万円までの支給、10,000円以下の講座は対象外となります。

専門実践教育訓練給付金の支給額

専門実践教育訓練給付金は、受講費用の50%(年間上限40万円)が6ヶ月ごとに支給されます。

さらに、資格を取得して訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用されたら、受講費用の20%(年間上限16万円)の追加支給を受け取れます。

つまり、条件を満たせば最大で70%が戻ってくるということになります。

例えば、20万円の講座を受講した場合であれば、10万円のキャッシュバックを受けることができ、訓練修了後1年以内に雇用されたら追加で4万円が支給されるということです。

出典:厚生労働省「教育訓練給付制度」

教育訓練給付制度の申請方法

教育訓練給付制度の申請方法

どの講座を受けたいか調べる

まずは、どの講座を受講するかを決めましょう。

受けたい講座が決まったら、ハローワークと専門学校に利用条件を満たす講座であることを確認した上で、専門学校に受講を申し込みます。

場合によっては通常のコースと教育訓練給付制度対象のコースで分かれて提供されていることもあるため、申し込む際は専門学校に「教育訓練給付制度を利用して申し込む」と伝えておきましょう。

また、給付を受けられるのは講座受講修了後であるため、最初の入学金や受講料等はすべて自腹で対応することになります。

あとからキャッシュバックはされますが、受けたい講座が高額な場合はまとまったお金を準備しなければならない点に注意が必要です。

また、一部の職業訓練や専門実践教育訓練は、受講前にジョブ・カードを使ったキャリアコンサルティングを受ける必要がある場合があります。

出典:厚生労働省 ジョブ・カード制度総合サイト「ジョブ・カードとは」
出典:ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」

講座を受講して修了する

講座に申し込んだ後は、資格試験を受けるなどの形で講座を修了しましょう。

途中で受講をやめると給付を受けられなくなるため、注意が必要です。

試験を受けなかったり不合格となった場合でも、受給資格があれば問題なく給付を受けることができます。

ただし、専門学校によっては講座修了の条件が個別に設けられている場合があります。

例えば、LEC東京リーガルマインドでは出席回数や添削提出回数が80%以上、確認テストの点数が70点以上で受講期間を終えた場合に修了証明書が発行されます。

各講座で設けられた修了条件を満たすよう、途中で放棄せずにしっかりと取り組みましょう。

出典:株式会社フォーサイト「試験を受けられなかったり、不合格でも教育訓練給付制度を利用できますか」
出典:​株式会社東京リーガルマインド​「よくある質問 – 教育訓練給付制度」

ハローワークに教育訓練給付金を申請する

講座を修了したら専門学校から申請に必要な書類を受け取り、お住まいの地域を管轄するハローワークで教育訓練給付金を申請します。

支給の申請は講座修了日の翌日から起算して1ヶ月以内であるため、忘れず早めに申請手続きを行ってください。

「支給決定日」については、受給申請者に対してハローワークから送付される「教育訓練給付金支給/不支給決定通知書」に明記されています。

出典:ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付制度」

まとめ:教育訓練給付制度を活用してスキルアップを目指そう

教育訓練給付制度を活用してスキルアップを目指そう

「教育訓練給付制度」について特徴や対象者となる条件などを解説しました。

教育訓練給付制度は、雇用の安定や再就職支援を目的にされた制度です。

知名度が低くあまり知られていない制度ですが、内容や給付条件、申請方法などをしっかりと理解した上で活用し、お得にスキルアップを目指していきましょう。

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