配偶者や子ども、リタイアした両親など、自分の収入で養っている家族のことを「扶養家族」と呼びます。

会社員や公務員の方であれば、一定の条件を満たす扶養家族がいると、税金や健康保険料の負担が軽減されます。

家計が改善される可能性がある点で、扶養家族についての知識は重要です。

この記事では、自身の収入で養っている家族がいる方に向けて、扶養家族の条件や控除金額を中心に、メリットや履歴書の書き方などを解説します。

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扶養家族とは

扶養家族とは

自分の収入で養っている家族のこと

扶養家族とは、扶養者の収入によって養われている家族を指します。

家族を養う、いわゆる一家の大黒柱を「扶養者」と呼び、扶養者に養われる家族を「被扶養者」と呼びます。

一定の要件を満たした配偶者や子ども、リタイアした両親などが対象です。

扶養家族の制度を活用すると扶養者の税負担が軽減されたり、被扶養者の健康保険や年金の負担がなくなるといった恩恵を得られます。

税法上の扶養と健康保険上の扶養がある

扶養家族は「税法上の扶養」と「健康保険上の扶養」に分けられます。

2つを総称して扶養家族とすることが多いですが、それぞれ対象となる親族の範囲や所得制限、年齢などの条件が異なります。

所得税法では「扶養親族」と呼ばれている

所得税法では、扶養家族のことを「扶養親族」として扱います。

扶養親族は、扶養者の親族であれば6親等内、配偶者の親族であれば3親等内の方が対象です。

以下、3親等・6親等の親族をまとめます。

  • 3親等の親族:総祖父母・おじ(おば)・甥(姪)・ひ孫
  • 6親等の親族:はとこ・いとこの孫・祖父母のいとこ

扶養者と血の繋がりのある親族であれば、多くの方が対象となり得る一方で、配偶者の親族となると、扶養者の血の繋がりのある親族ほど広い範囲ではありません。

健康保険法では「被扶養者」と呼ばれている

健康保険法では、扶養家族のことを「被扶養者」として扱います。

被扶養者の対象となる親族は、扶養者と配偶者のそれぞれ3親等内の親族です。

被扶養者の配偶者は、いわゆる内縁の配偶者と呼ばれるような「事実婚」の場合でも成立します。

事実婚とは、婚姻届は提出していないが、実態的には夫婦同然の状態を指し言葉です。

内縁の配偶者の子どもや父母も、他の要件を満たすと被扶養者に認定されます。

ただし、上記に該当する方であっても、75歳以上の方は後期高齢者医療制度の被保険者となるため、被扶養者からは外れます。

扶養家族となる条件

扶養家族となる条件

ここでは、扶養家族となる条件のうち、所得や収入を中心に解説します。

所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額です。

会社員や公務員の方であれば、必要経費として収入から「給与所得控除」が差し引かれます。

扶養家族となる条件を税法上と健康保険上で分けてまとめると以下のようになります。

扶養家族の種類条件補足
税法上の扶養家族
(扶養親族)
年間”所得”が48万円以下給与所得のみの場合は年間103万円以下
健康保険上の扶養家族
(被扶養者)
年間”収入”が130万円未満・60歳以上、または障害者は180万円未満
・一部のパート・アルバイトの方は106万円未満

税法上の扶養家族の条件が「所得」であることに対して、健康保険上の扶養家族の条件は「収入」である点に注意が必要です。

所得税法の場合:年収103万円以下

税法上の扶養家族(扶養親族)の条件は、以下の通りです。

  • 配偶者以外の親族、または里子、市町村長から養護を委託された老人であること
  • 扶養者と生活費を共有していること
  • 年間の合計所得が48万円以下であること
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと、または白色申告者の事業従事者ではないこと

扶養者の仕送りで生活をしている学生や単身赴任中の扶養者の給与で生活している場合など、同居をしていなくても扶養親族と認められるケースがあります。

令和2年以降、扶養親族の条件の1つである所得制限が年間48万円以下となりました。

パートやアルバイトなど、給与所得を得ている方であれば、年間103万円以下であることが条件です。

一方で、ブログ(アフィリエイト)やせどり、ハンドメイド販売など、収入が事業所得である場合は、経費を差し引いた所得が年間48万円以下であることが条件になります。

また、個人事業主として開業しても、所得が年間48万円以下で、他の条件を満たす場合は扶養親族として認められます。

健康保険法の場合:年収130万円未満

健康保険上の扶養家族(被扶養者)の条件は、以下の通りです。

  • 3親等以の親族(一部の親族以外は同居が必要)
  • 収入が一定額未満かつ扶養者の収入の半分未満
  • 扶養者の収入で生活していること

被扶養者の収入は、年収130万円未満であることが求められます。

60歳以上の方や障害厚生年金を受けられる程度の障害がある方は、年収180万円未満が条件となります。

ただし、以下の要件を満たすパート・アルバイトの方は、年収106万円を超えると勤務先の社会保険に加入することとなり、給与から健康保険・厚生年金の保険料が差し引かれる点に注意が必要です。

  • 正社員が501人以上
  • 収入が月88,000円以上
  • 雇用期間が1年以上
  • 所定労働時間が週20時間以上
  • 学生ではない

被扶養者の条件の注意点1.収入基準

加入している健康保険によっては、年間収入が一定額を超えたタイミングではなく、一定額を超えると見込まれたタイミングで被扶養者資格を失う点に注意が必要です。

年収130万円未満が収入基準の方であれば、1ヶ月でも月収が10万8,334円を超えたり、直近3ヶ月の平均月収が10万8,334円を超えたタイミングで被扶養者資格を失います。

判断基準は加入している健康保険組合によって異なるため、各自でご確認ください。

収入基準月収の目安
年収130万円未満約10.8万円以下
年収180万円未満15万円以下

また、勤務先からの収入だけではなく、個人で稼いだお金や資産収入、失業手当なども月の収入に計算される点に注意してください。

被扶養者の条件の注意点2.別居中の親族

加入している健康保険組合によって、別居中の親族が被扶養者に認定されるための条件が異なります。

主な条件は以下の2点です。

  • 仕送り額>被扶養者の収入
  • 仕送り額が一定額以上

仕送り額の下限やその他の条件は加入している健康保険組合によって異なります。

詳細は「加入中の健康保険組合公式サイト」にてご確認ください。

扶養家族がいる場合のメリット

扶養家族がいる場合のメリット

扶養控除・配偶者控除が受けられ税金が抑えられる

税法上の扶養家族(扶養親族)がいる場合は「扶養控除」や「配偶者控除」を利用でき、扶養者の税負担が軽減されます。

扶養控除は15歳以下の扶養親族が対象外である点、配偶者控除は扶養者の年間所得が1,000万円を超える年は利用できない点に注意が必要です。

数字を使って、独身と既婚者の所得税の差を見ていきます。
前提条件は以下の通りです。

  • 年収500万円の会社員
  • 給与所得控除・基礎控除・社会保険料控除が適用される
  • 独身の会社員に扶養親族はいない
  • 既婚者の会社員の扶養親族は妻と高校生の子どもの合計2人

独身の会社員の場合、課税所得は236万円となり、所得税は「13.85万円」です。

既婚者の会社員は、配偶者控除と扶養控除を利用できるため、課税所得が160万円となり、所得税は「8万円」まで減額されます。

扶養控除・配偶者控除は住民税の計算の際にも適用されるため、年収や扶養親族の人数にもよりますが、税負担の差が年間10万円以上生じるケースもあります。

健康保険料が抑えられる

健康保険上の扶養家族(被扶養者)の要件を満たすと、被扶養者の健康保険料は負担がなくなります。

加えて、会社員や公務員の配偶者が専業主婦(主夫)である場合、国民年金保険料の負担もなくなります。

一方で、自営業やフリーランスなどが加入する「国民健康保険」には、被扶養者の概念がありません。

そのため、家族の人数分の国民健康保険料と20〜60歳の人数分の国民年金保険料を負担する必要があります。

単純に、養う人数が増えるほど国民健康保険料の負担が大きくなるということです。

養う家族がいる方であれば、基本的には被扶養者の概念のある健康保険の方が健康保険料の負担は少なくなります。

履歴書の扶養家族欄の書き方

履歴書の扶養家族欄の書き方

「配偶者」は入籍の有無を記入する

「配偶者」は、入籍の有無を記入する項目です。

配偶者が扶養に入るか?という点は関係なく、入籍している場合は「有」に、入籍していない場合は「無」にチェックを入れましょう。

「入籍しているかどうか」がポイントになるため、事実婚の場合は「無」に該当します。

とはいえ、健康保険法では内縁の配偶者も被扶養者として扱うため、扶養家族欄に内縁の配偶者がいる旨を記入しておくといいでしょう。

履歴書における内縁の配偶者の記載方法に明確なルールはないため、入社後に担当者に相談することをおすすめします。

「配偶者の扶養義務」は被扶養者の条件を満たすかどうか

配偶者が被扶養者の条件を満たす場合は「有」に、条件を満たさない場合は「無」にチェックを入れます。

被扶養者の条件は、以下のとおりです。

  • 3親等以内の親族(一部の親族以外は同居が必要)
  • 収入が一定額未満かつ扶養者の収入の半分未満
  • 扶養者の収入で生活していること

同居している3親等内の親族であれば、年収が主な条件となるでしょう。

60歳未満の方であれば年収130万円未満かどうか、60歳以上または障害がある方は年収180万円未満かどうかがポイントです。

「扶養家族(配偶者を除く)」は被扶養者の数を記入する

「扶養家族(配偶者を除く)」は、文字通り配偶者以外の扶養家族の人数を記入します。

主な対象者は以下の通りです。

  • 父母
  • 祖父母
  • 兄弟姉妹

注意点として、別の健康保険組合に加入している方は、被扶養者の条件を満たしていても「扶養家族(配偶者を除く)」の人数に加算できません。

共働き夫婦で、子どもが配偶者の扶養に入っている場合などが該当します。

扶養家族の有無を記入する理由

履歴書に扶養家族の有無を記入する理由は、会社が税金の計算や社会保険の手続きをしやすくするためです。

そのため、履歴書の扶養家族欄には正確な情報を記載する必要があります。

また、企業によっては「家族手当」や「住宅手当」といったものがあり、扶養家族の人数によって支給額が変動するため、情報を把握したいという目的も含まれます。

両親(父母)を扶養家族にすることも可能

両親(父母)を扶養家族にすることも可能

税方法上の扶養家族(扶養親族)・健康保険上の扶養家族(被扶養者)の条件を満たしていれば、両親を扶養家族にできます。

両親を扶養家族にすると、扶養控除を利用でき税負担が軽減される点がメリットです。

扶養家族の種類ポイント・注意点
税方法上の扶養家族
(扶養親族)
・入院などで1年以上別居していても同居扱い
・老人ホーム等に入居している場合は別居扱い
・別居の場合、仕送りが必要
・一定額以上の年金を受給していると扶養から外れる
健康保険上の扶養家族
(被扶養者)
・75歳未満であること
・配偶者の両親は同居が必要
・年金を含む収入が一定額以下
・別居の場合、一定額以上の仕送りが必要(仕送り額 > 収入)

老齢年金は、雑所得に該当します。

公的年金等控除を踏まえた年間所得が48万円を超えない範囲は、65歳未満の方であれば「108万円」、65歳以上の方であれば「158万円」です。

ただし、他の所得がある場合は、年金受給額の上限は低くなります。

まとめ:扶養家族の条件を理解して税金控除を活用しよう

扶養家族の条件を理解して税金控除を活用しよう

「扶養家族」は、所得税では扶養親族、健康保険では被扶養者として扱われます。

どちらも対象となるのは扶養者の収入によって生活している方で、年齢や収入など一定の条件を満たしている必要があります。

収入の条件は扶養親族が年間所得48万円、給与所得のみであれば年収103万円以下であること、被扶養者は年収130万円未満であることです。

扶養親族がいると扶養者の税金の負担が軽減され、被扶養者は健康保険料の負担がなくなるため、家計の負担が大きく軽減されるでしょう。

ご自身の収入で養っている家族がいる方は、扶養親族・被扶養者の条件を満たすかを確認してみてください。

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