近年、過去に例がないほどの資産運用ブームが起きています。資産運用の対象となる金融商品には様々な種類がありますが、多くの方が利用しているのは「米国高配当ETF」です。

高配当という名がつくだけあって高い配当金が特徴になりますが、それ以外にも米国高配当ETFには様々な特徴やメリット・デメリットがあります。

この記事では米国高配当ETFについて詳しく解説します。「そもそもETFってなに?」というところから説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。

米国高配当ETFとは

「米国高配当ETF」とは、簡単にいうと復数の高配当株を1つにまとめたセット商品のようなイメージです。

高配当ETFを購入するだけで結果的に複数銘柄に分散投資することになるため、手軽に分散投資したい方や個別銘柄を復数購入するのは億劫だという方に向いています。

ETFとは

ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、日本語では「上場投資信託」といいます。日経平均株価やNYダウなどの指数に連動する投資信託の一種です。

ETFと投資信託にはたくさんの違いがありますが、最も大きな違いはリアルタイムに売買することができることでしょう。

投資信託の場合は、1日1回しか基準価額が変わりませんが、ETFは証券取引所に上場されているため、市場が動いている時間であればリアルタイムな価格で売買することができます

そして米国高配当ETFとは、その名の通りアメリカで高配当を出しているETFのことです。

高配当ETFとは

高配当ETFとは、株式の中でも配当金が高い銘柄で構成されたETFのことです。

皆さんご存知の通り、株式の中には配当が出るものがあります。配当は企業によっていくら出るか異なるもので、たくさん出る企業もあれば少ししか出さない企業もあります。

高配当ETFは、数ある株式の中でも「特に配当が高い銘柄」がセットになった商品です。投資することで、配当がたくさんもらえることが特徴です。

配当金利回りとは

配当金利回りとは、購入した企業の株式が1年間に出す配当を数字で表したものです。たくさん配当を出せば配当金利回りは高くなりますし、配当が少ないと配当金利回りは少なくなります。

個別銘柄に投資する場合、この配当金利回りを確認することは非常に重要です。なぜなら、配当金利回りが高い銘柄に投資すれば、それだけたくさんの配当金を受け取ることができるからです。

しかし、個別銘柄の場合は配当金利回り以外にも企業の業績や信用力など、様々な要素から判断して投資を行わなければなりません。一方、ETFの場合は一つのETFで複数の銘柄に分散投資できるため、個別銘柄投資に比べて安定的な値動きを期待できます。

米国高配当ETFに投資するメリット

米国高配当ETFに投資するメリットはたくさんありますが、主なメリットは4つに集約されます。

  • 高い配当金(配当利回り)を得られる
  • ほとんどの銘柄で年4回の配当がある
  • 値動きが比較的小さめ
  • 結果的に分散投資になる

米国高配当ETFに投資するメリットについてわかりやすく説明していきます。

高い配当金(配当利回り)が得られる

米国株は日本株に比べて配当金利回りが高い企業が多いため、日本株のETFに投資するよりも高い配当金を受け取れる場合が多いです

高い配当金を受け取ることができることは、米国高配当ETFの最大のメリットといえるでしょう。

ほとんどの銘柄で年4回の配当がある

日本株の場合、多くの企業は年2回の配当ですが、米国株の場合はほとんどの銘柄で年4回の配当があります。つまり、3ヶ月に1回、配当を受け取ることができるということです

銘柄によっては毎月配当を出す銘柄もあるので、配当金を毎月の生活費などに当てている投資家もいます。

配当が出る回数が多いことは、米国高配当ETFの大きな特徴でしょう。

値動きが比較的小さめ

米国高配当ETFに限った話ではないですが、ETFは複数の銘柄がまとまった投資商品のため、個別株に比べて値動きが比較的小さいです。

いくら高い配当が出ても、値動きが激しいと安心して長期で保有することはできません。

値動きが比較的安定していることは、米国高配当ETFを長期余裕しやすい理由の一つでしょう。(長期投資になれば、しっかりキャピタルゲインも狙うことができます。)

結果的に分散投資になる

ETFは先ほど説明した通り、複数の銘柄に投資されています。一つのETFを購入すれば、結果的に分散投資を行うことになるのです。様々な銘柄に分散投資することになるので、個別銘柄に投資するよりもリスクを抑えることができます。

投資の基本は長期分散投資と言われていますが、高配当ETFに投資するのは配当を積み上げていくことが目的です。つまり、配当を積み上げていくために必然的に長期投資を行うことになります。

高配当ETFに投資することによって自然と長期分散投資することになり、安心した資産運用ができるようになります。

米国高配当ETFに投資するデメリット

米国高配当ETFに投資するメリットは様々ありますが、当然デメリットも存在します。主なデメリットは三つです。

  • 売却益が狙いにくい
  • 配当金に米国課税が追加されてしまう
  • 配当金が減配される可能性がある

米国高配当ETFに投資するデメリットについてわかりやすく説明します。

運用益が狙いにくい

米国高配当ETFに限らず、高配当ETFは高い配当を受け取ることが目的のため、運用益が狙いにくいというデメリットがあります。

分散投資されているため値動きは安定していますが、その分個別銘柄に比べて大きな価格上昇は狙いにくいです。株式投資最大の醍醐味である、大きな売却益(キャピタルゲイン)を狙いたい方にとってはデメリットになるでしょう。

ただし、過去の値動きを見てみると米国株は日本株に比べ大きく上昇しているため、ETFの価格も大きく上昇しているものが多いです。個別銘柄に比べると見劣りするのは事実ですが、売却益を全く狙えないわけではないので、売却益も含めて投資対象を検討するといいでしょう。

配当金に米国課税が追加される

米国ETFから受け取れる配当金に関しては、まず米国現地で10%の税金がかかり、配当を日本で受け取る場合はさらに20.315%が課税されます。米国と日本で2段階、最終的に約30%の課税がされてしまいます。

いくら配当が高くても、配当金に対して30%も課税されてしまうと結果的に受け取れる配当金は少なくなりがちです。しかし、米国分の課税に関しては「外国税額控除制度」という制度があり、確定申告をすることによって米国に支払った10%の税金が戻ってきます。

外国税額控除制度を利用するためには、「外国税額控除に関する明細書」を作成する必要があり、証券会社の「年間取引報告書」や「支払通知書」の書類が必要となりますので、しっかり保管するようにしてください。

配当金が減配される可能性がある

米国高配当ETFは名前の通り高い配当金が特徴ですが、未来永劫高い配当が出続けるとは限りません。企業業績によっては配当金が「減配」される可能性があります。

もちろん、ETFの場合は複数銘柄に分散投資されていますので、構成銘柄の一部が減配されても個別銘柄に投資している場合ほど大きな影響はありません。

ただ、配当金が減配される可能性が常につきまとうことは、米国高配当ETFに投資する際の不安要素になってくるでしょう。

おすすめの米国高配当ETF5選

米国高配当ETFのメリットやデメリットを解説したところで、ここからはおすすめの米国高配当ETFを5つ紹介します。

ご紹介するおすすめの米国高配当ETFは以下の通りです。

  1. SPYD(SPDRポートフォリオ・S&P500高配当株式ETF)
  2. HDV(シェアーズコア・米国高配当ETF)
  3. VYM(バンガード・米国高配当ETF)
  4. BND(バンガード・米国トータル債券市場ETF)
  5. VIG(バンガード・米国増配当株式ETF)

※各銘柄の構成比率は2021年7月時点のものを掲載しています。

現在は構成比率が変わっている可能性があるため、詳細は公式サイトをご覧ください。

1. SPYD

米国高配当ETFの中で特におすすめな銘柄が「SPYD」です。SPYDの純資産総額は約5,180億円です。

SPYDの特徴は、S&P500に採用されている銘柄のうち約80の高配当銘柄に一気に投資できることになります。採用銘柄は「金融」や「不動産」銘柄が主になっています。

SPYDの特徴と構成銘柄

SPYDが採用している上記10銘柄についてまとめました。投資比率が最も高い小売業のヘインズブランズでも1.34%と低く、細かな分散が効いているETFといえるでしょう。

順位 銘柄名 比率
1 ヘインズブランズ 1.34%
2 ファイザー 1.34%
3 サイモン・プロパティー・グループ 1.34%
4 シーゲイト・テクノロジー 1.32%
5 フランクリンテンプルトン 1.31%
6 マラソンペトロリアムコーポレーション 1.31%
7 コメリカ 1.30%
8 パブリック・サービス・エンタープライズ・グループ  1.29%
9 アメリカン・エレクトリック・パワー 1.29%
10 ハンティントンバンクシェアーズ 1.29%

SPYD最新構成比率はこちら

SPYDの配当利回りについて

SPYDの配当利回りは4.00%です。ここ5年は安定して約4%の配当を維持しています。

年度 年末株価 年間分配金 利回り
2020 $32.94 $1.632 4.16%
2019 $39.25 $1.746 5.13%
2018 $34.07 $1.619 4.32%
2017 $37.45 $1.422 4.08%
2016 $34.86 $1.514 5.17%

こちらは直近の配当金額の推移です。2021年6月の分配金は3月に比べると少なかったですが、株価も順調に回復しており運用自体は悪くないため今後に期待しましょう。

決算日 分配金
2021/06/21 $0.398912
2021/03/22 $0.636159
2020/12/21 $0.606617
2020/09/21 $0.263572

2. HDV

HDVは純資産総額が約7,870億円。配当利回りの直近値は3.34%と高く、経費率は0.08%と格安です。

エネルギーやヘルスケア、通信や生活必需品セクターの比率が高く、連続増配を続けている高配当株を中心に構成されています。

HDVの特徴と構成銘柄

HDVが採用している上記10銘柄について記載しています。エクソンモービルやジョンソン&ジョンソン、ベライゾン・コミュニケーションズやP&Gなど、米国高配当株の定番銘柄を中心に構成されています。

順位 銘柄名 比率
1 エクソンモービル 8.45%
2 ジョンソン&ジョンソン 7.34%
3 ベライゾン・コミュニケーションズ 6.33%
4 シェブロン 6.11%
5 プロテクター・アンド・ギャンブル 5.69%
6 フィリップ・モリス・インターナショナル 4.83%
7 メルク 4.22%
8 コカ・コーラ 4.17%
9 シスコシステムズ 4.05%
10 ブロードコム 3.88%

HDV最新構成比率はこちら

HDVの配当利回りについて

HDVの配当利回りは3.34%です。ここ5年は安定して約3.5%の配当を維持しています。

年度 年末株価 年間分配金 利回り
2020 $87.67 $3.568 3.65%
2019 $97.79 $3.209 3.80%
2018 $84.38 $3.095 3.43%
2017 $90.14 $2.949 3.59%
2016 $82.25 $2.700 3.68%

こちらは直近の配当金額の推移です。利回りも分配金も非常に安定していることがわかります。

決算日 分配金
2021/06/21 $0.398912
2021/03/22 $0.636159
2020/12/21 $0.606617
2020/09/21 $0.263572

3. VYM

VYMは、純資産総額が約4兆2,250億円と非常に規模の大きいETFで、配当利回りの直近値は2.83%と高く、経費率は0.06%と格安です。

VYMの特徴と構成銘柄

VYMの特徴は金融セクターを中心に、主にマーケットの平均を上回る大型銘柄で構成されています。

倒産リスクの低い大型銘柄に投資されているので安心感が強いです。

順位 銘柄名 比率
1 JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー 3.53%
2 ジョンソン&ジョンソン 3.28%
3 ホーム・デポ 2.59%
4 プロテクター・アンド・ギャンブル 2.48%
5 バンク・オブ・アメリカ 2.35%
6 エクソンモービル 2.02%
7 コムキャスト 1.96%
8 ベライゾン・コミュニケーションズ 1.75%
9 インテル 1.71%
10 シスコシステムズ 1.69%

VYM最新構成比率はこちら

VYMの配当利回りについて

VYMの配当利回りは2.83%です。ここ5年は安定して3%の配当を維持しています。

年度 年末株価 年間分配金 利回り
2020 $91.51 $2.906 3.11%
2019 $93.43 $2.842 3.64%
2018 $77.99 $2.649 3.09%
2017 $85.63 $2.401 3.17%
2016 $75.77 $2.206 3.30%

こちらは直近の配当金額の推移です。安定的に推移していることがわかります。

決算日 分配金
2021/06/22 $0.75230
2021/03/23 $0.65640
2020/12/22 $0.80960
2020/09/22 $0.70530

4. BND

BNDは純資産総額が約8兆8,150億円と、こちらも非常に規模の大きいETFです。

BNDの特徴と構成銘柄

配当利回りの直近値は1.89%と上記三つのETFに比べると低いですが、それでも2%近くの配当を誇ります。経費率は0.04%と格安です。

BNDの特徴は、上記のETFと異なり債券で運用されていることです。主に格付けの高い債券で構成されているので安定感は抜群です。BNDは毎月配当がもらえるのも特徴です。

BNDの公式HPはこちら

BNDの配当利回りについて

BNDの配当利回りは1.89%です。ここ5年は安定して2.5%の配当を維持しています。

年度 年末株価 年間分配金 利回り
2020 $88.19 $2.098 2.50%
2019 $83.95 $2.280 2.88%
2018 $79.21 $2.229 2.73%
2017 $81.57 $2.075 2.57%
2016 $80.79 $2.031 2.51%

こちらは直近の配当金額の推移です。

配当の回数が多く、毎月配当金を貰えるという楽しみがあるETFです。

決算日 分配金
2021/07/02 $0.13210
2021/06/02 $0.13448
2021/05/04 $0.13057
2021/04/05 $0.13905
2021/04/05 $0.00340
2021/04/05 $0.05000
2021/03/02 $0.12875
2021/02/02 $0.139196

5. VIG

VIGは純資産総額が約6兆9,000億円と、人気ETFらしく規模が大きいのが特徴です。配当利回りの直近値は1.68%と、他の高配当ETFと比べると決して高くありませんが、経費率は0.04%と格安です。

VIGは10年以上連続増配している優良銘柄で構成されているため、今後の増配にも期待できます。

VIGの特徴と構成銘柄

VIGが採用している上記10銘柄について記載しています。

10年以上連続で増配している銘柄で構成されているため、成長企業と言うよりは成熟企業が多く、日本でも聞いたことあるお馴染みの銘柄が多いです。

順位 銘柄名 比率
1 マイクロソフト 4.19%
2 JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー 3.80%
3 ジョンソン&ジョンソン 3.67%
4 ウォルト・ディズニー 3.41%
5 ウォルマート・ストアズ 3.88%
6 ビザ 3.22%
7 ユナイテッドヘルス・グループ 3.22%
8 ホーム・デポ 2.91%
9 プロクター・アンド・ギャンブル 2.82%
10 コムキャスト 2.21%

VIG最新構成比率はこちら

VIGの配当利回りについて

VIGの配当利回りは1.68%です。ここ5年は安定して約2%の配当を維持しています。

年度 年末株価 年間分配金 利回り
2020 $141.17 $2.297 1.84%
2019 $124.55 $2.134 2.18%
2018 $97.95 $2.038 2.00%
2017 $102.03 $1.919 2.25%
2016 $85.18 $1.826 2.35%

こちらは直近の配当金額の推移です。連続増配銘柄が多いこともあり、配当は安定して行われています。

決算日 分配金
2021/06/22 $0.67500
2021/03/23 $0.51310
2020/12/22 $0.66440
2020/09/30 $0.55750

まとめ:米国好配当ETFで金のなる木を育てよ

今回は米国高配当ETFについて解説しました。米国高配当ETFは高い配当を安定的に出している銘柄が多く、投資金額を大きくしていけば3ヶ月毎の配当金を大きくすることができます。

大きな金額を一括投資するのはなかなか難しいかもしれませんが、毎月コツコツ積立投資で購入していくのもおすすめです。一回あたりの投資金額が少なくても、長い期間かければ大きな投資金額になり、高い配当金をもらうことができます。

米国高配当ETFは「金のなる木」です。しっかり育てていけば大きな収入源にすることができます。この記事を参考に、米国高配当ETF投資を始めてみてください。

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