株式投資に関連したニュースをチェックしていると、「テーパリング」という言葉を目にすることがあります。

テーパリングは株価に影響を与えることも多いため、特徴や過去の実例などへの理解を深めておくことが大切です。

この記事では、テーパリングの基本的な特徴や株価への影響、過去の実例などをわかりやすく解説します。

「テーパリングって何?」「株価はどうなるの?」といった点に疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

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テーパリングとは

テーパリングとは

金融緩和を縮小すること

「テーパリング」とは、景気を下支えするために実施してきた国債などの買い入れ(量的金融緩和政策)を、段階的に縮小していくことです。

量的金融緩和政策が一定の成果を出した場合に、通常の金融政策に戻していくことを目的にしています。

英語で表記すると「tapering」となり、「先細り」「徐々に減少する」という意味を持ちます。

そのため、一気に金融引き締め政策を行うのではなく、少しずつ緩和を縮小していくのがテーパリングの特徴です。

量的金融緩和政策とは

「量的金融緩和政策」とは、不景気のときに国債などの資産を中央銀行が買い入れて、市場に流通する資金を増やして景気を刺激することです。

日本では、2001年3月に初めて量的金融緩和策が導入されました。

最近では新型コロナウイルスによって落ち込んだ景気を回復させるために、アメリカを始めとする各国が金融緩和を進めてきました。

各国の中央銀行は、金融緩和や引き締めによって市場に流通する資金量をコントロールしています。

金融政策の転換点といわれる

テーパリングは不景気な状態から回復してきて、中央銀行が金融面におけるサポートを次第に終了させていく局面で実施されます。

そのため、テーパリングが始まるタイミングは金融政策の転換点ともいわれており、インフレや景気動向にも影響が出ることから投資家が注目しています。

また、テーパリングを実施する局面においては、次のステージである「利上げ」が意識されます。

金利の上昇に伴う株価への影響も不安視されるため、状況によっては株式市場が不安定な動きをするケースがあることを頭に入れておきましょう。

テーパリングによる株価への影響

テーパリングによる株価への影響

長期金利の上昇

テーパリングが実施されると、中央銀行による国債などの買い入れが減少します。

そのため、需給バランスが変化して国債価格が下落し、長期金利が上昇します。

長期金利の上昇は企業の借り入れや住宅販売件数、株価にも影響を与えるため、しっかりと注目しておきましょう。

株価が下がる傾向にある

長期金利が上昇すると、株式よりも債券や預貯金の方が相対的な魅力が高くなるため、株式の投資価値が低下する傾向にあります。

この流れが続くと株式を手放す人が増え、株価が下落してしまう要因になります。

ただし、テーパリングの実施はある程度事前に公表されるため、テーパリングが実際に実施されるよりも前から株価がそれを織り込む場合があります。

その場合は、テーパリングが実際に実施されても株価に大きな影響は出にくいです。

テーパリングが実施されるタイミングだけでなく、テーパリングが示唆されるタイミングから相場の動きを注視しましょう。

テーパリング後の政策金利にも注意

テーパリングが終了した後は、政策金利引き上げの影響に注意が必要です。

政策金利が上昇すると、銀行預金や債券、住宅ローンなどの金利が上昇します。

株式から金利が高い債券に資金が流入し、為替変動にも影響が発生します。

例えば、米国で政策金利が上昇すると、金利の高い米ドルに資金が移ることで「ドル高・円安」になります。

テーパリング後の政策金利にも注意 円安チャート

2022年4月時点では1ドル126円まで下落しており、低金利の円から高金利のドルに資産が流れていることがわかります。

このように、テーパリング後の政策金利引き上げも注視しておくことが大切です。

テーパリングが注目されている理由

テーパリングが注目されている理由

2022年時点でテーパリングが注目されているのは、アメリカが高インフレ対策として金融引き締め姿勢を強めているためです。

これまで各国の中央銀行は、新型コロナウイルスへの対策として大規模な金融緩和政策を続けてきました。

しかし、ワクチンの普及やパンデミックの落ち着きがみられていることを踏まえ、急激なインフレを防ぐための金融引き締めが実施されるとみられています。

特にアメリカでは、経済活動の再開に加えてモノや労働力の供給不足により急速なインフレが警戒されています。

物価上昇の圧力を抑え込む対策として、テーパリングがいつ実施されるのか注目を集めているのです(アメリカでは2022年3月にテーパリングが終了し、利上げが開始されました)。

テーパリングの過去の実例

テーパリングの過去の実例

リーマンショック以降に実施

アメリカの中央銀行である「FRB」は、2008年のリーマンショック後に資産の買い入れなどによる金融緩和を実施しました。

投資家はリーマンショック後もしばらく金融緩和が継続するだろうとみていましたが、2013年5月にFRBのバーナンキ議長(当時)からテーパリングを示唆する発言がありました。

予期せぬタイミングでのテーパリング示唆によって米国債の利回りが急上昇し、金融市場は混乱状態になりました。

この一連の騒動は「テーパー・タントラム」と今でも呼ばれています。

テーパー・タントラム後の株価は下落せず

2013年5月に株価が下落した後、6月以降は株価が上昇し、テーパリング実施中も株価は右肩上がりに上昇し続けました。

「テーパリングが実施されると株価が下がる」と前述しましたが、リーマンショック後のテーパリングでは株価の下落は一時的でした。

テーパリングに関連するニュースでは、テーパリング開始を示唆した時期が重要となります。

なぜなら、市場は「テーパリングが起きるのではないか」という情報を先に織り込み、それが株価にも反映されるためです。

リーマンショック後のテーパー・タントラムのときも、テーパリングが示唆されたタイミングで市場はリスクを織り込んでおり、それ以降は大きく下落することがなかったということになります。

ステルス・テーパリングについて

通常は、中央銀行がテーパリングを実施する際には事前に開始時期の発表があります。

しかし、場合によってはテーパリングの発表をせず、密かに量的緩和政策を縮小する「ステルス・テーパリング」が実施されるケースもあります。

例えば、日本では2016年9月に「金融緩和強化のための新しい枠組み」が導入されました。

そこから資産の買い入れ額が縮小されており、事実上のステルス・テーパリングではないかと言われています。

テーパリングはいつ実施されるのか

テーパリングはいつ実施されるのか

アメリカ:2022年3月に終了!利上げが開始

アメリカでは、2021年11月から米国債や住宅ローン担保証券の買い入れ額を縮小させるテーパリングを開始し、2022年3月に前倒しして終了しました。

2022年3月からは利上げが開始されており、2022年内に7回に分けて実施すると発表されています(アメリカの情勢により変更の可能性があります)。

アメリカは、コロナ禍で実施された大規模な金融緩和政策の影響によって、インフレが目標を上回るペースで加速しています。

今後のインフレの状況によってはさらなる利上げ加速も言及されており、日々の経済ニュースに注目が集まっています。

ヨーロッパ:テーパリングの加速に前向き

ユーロ通貨圏の金融政策を担っている中央銀行「ECB」は、テーパリングの加速に前向きな姿勢を見せています。

もともとヨーロッパでもインフレ圧力が高まっており、物価の上昇を抑え込むためにもテーパリングの開始は確実とみられていました。

しかし、ロシアによるウクライナ侵攻で景気後退のリスクもあり、不確実性も高まっています。

2022年中にテーパリングに着手される可能性が高いものの、開始時期に関しては今後のロシア・ウクライナ情勢に大きく左右されることになるでしょう。

日本:すでにテーパリングが始まっている?

日本でも、新型コロナウイルス対策のために大規模な金融緩和政策を実施してきました。

長期国債や日本株ETF(上場投資信託)の大量購入で景気を下支えし、市場に資金を流入させました。

しかし、その後は国債やETFの買い入れ額が縮小しており、日本銀行は事実上すでにテーパリングを始めているのではないかとみられています。

発表せずに徐々に金融緩和を縮小していくことで、「市場の混乱を避けている」と考えることもできるでしょう。

まとめ:テーパリングの今後のニュースにも注目

テーパリングの今後のニュースにも注目

テーパリングは、金融緩和政策を次第に縮小していくことを指します。

発表されると株式市場にも大きな影響を及ぼし、場合によっては株価が下落するリスクもあります。

各国のテーパリングに対する姿勢をニュースでチェックし、ご自身の投資にも活かしてみましょう。

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