株式投資の始め方を初心者向けに解説!メリットや注意点も紹介
近年はネット証券の登場やNISAの普及などがあり、以前よりも株式投資が身近なものになりつつあります。
しかし、これまで投資に馴染みがなかった方にとっては、株式投資の始め方が分かりにくいのも事実です。
この記事では、株式投資の始め方や手順、メリット・デメリット、おすすめの証券会社などを解説します。
正しい始め方や株式投資のポイントを理解し、着実に資産形成を始めていきましょう。
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この記事の目次
株式投資とは
「株式投資」とは、企業が発行している「株式」を購入・保有して、リターンを狙う投資手法のことを指します。
株式は、企業が事業に使う資金を調達するための手段の一つです。
投資家は、成長しそうだと判断した株式を購入し、企業に出資します。
企業は出資された資金をもとに設備投資や研究開発などを行い、利益を増やすことを目指します。
事業が上手くいって利益が発生したら、その利益の一部が株を持っている人(株主)に「配当」という形で配分されるのが、株式投資の基本的な仕組みになります。
投資とは?行う目的や種類、リスクについてわかりやすく解説
株式投資の始め方
証券会社で口座を開く
株式投資を始めるには、専用の口座が必要となります。
まずは、証券会社で株式投資の取引用口座を開設しましょう。
口座開設の申し込み方法は、「書類の郵送」もしくは「公式サイトからの申し込み」のどちらかが一般的です。
いずれの方法でも、運転免許証や健康保険証などの「本人確認書類」と「マイナンバー確認書類」が必要となるため、事前に準備しておきましょう。
また、証券会社の口座には「特定口座」と「一般口座」の2種類があります。
それぞれの特徴を理解し、自分の投資目的に適した方を選びましょう。
関連記事:配当金はいつもらえる?スケジュールや受け取り方について解説
特定口座
「特定口座」とは、証券会社が株式や投資信託の損益計算を行なってくれる口座です。株式投資で発生した利益に対する所得税・住民税の納付を、簡単な手続きで行うことができます。
「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があり、いずれかを選択することになります。
源泉徴収ありの特定口座では、証券会社が源泉徴収を代行してくれるため、自身で確定申告をする必要がありません。
源泉徴収なしの特定口座では源泉徴収は代行されないものの、証券会社が「年間取引報告書」を発行してくれるため、比較的簡易な手続きで確定申告ができます。
一般口座
「一般口座」とは、年間の損益計算や確定申告等の手続きを全て自分で行う必要がある口座です。
確定申告に必要な「年間取引報告書」を自分で作成する必要があり、負担も大きくなってしまうため、現在では資金力の大きい一部の方を除いてほとんどメリットはありません。
特別な理由がない限りは、特定口座(源泉徴収あり)を選ぶことをおすすめします。
特定口座と一般口座の違い!源泉徴収あり・なしのメリットデメリット
口座に入金する
証券口座の開設ができたら、次は株式の購入資金を入金しましょう。
日本株を購入する場合、通常は1株単位で購入できず、100株を1単元として購入することになります。
つまり、最低でも株価の100倍の資金が必要ということです。
また、株式投資では購入代金のほかに売買手数料もかかります。
株式を購入するためには、「株価の100倍の資金 + 手数料」が必要となることを頭に入れておきましょう。
関連記事:ドルコスト平均法のメリット・デメリット!やり方やシミュレーション
買いたい株式を選ぶ
資金の準備ができたら、購入したい株式を選んでいきます。
株式の選び方にはさまざまな方法があるため、自分に合った方法で購入する株式を見つけ出しましょう。
例えば、銘柄名で検索する方法もあれば、人気ランキングから選ぶ方法もあります。
また、各証券会社のおすすめ銘柄を選ぶことも可能です。
「欲しい株主優待がある」「最近成長している」「予算に合う」など、自分の投資目的に合った銘柄を選びましょう。
高配当株に投資するメリット・デメリット!銘柄選びのポイントも紹介
選んだ株式を購入する
買いたい株式を選んだら、購入手続きを進めましょう。
証券会社を通じて証券取引所に発注し、株式を購入します。
株式の発注方法には、以下の3つの方法があります。
成行注文 | 購入価格を指定しないで発注する方法。 取引時間中であれば発注時点の価格で注文が成立する。 |
指値注文 | 購入価格を指定して発注する方法。 買い注文なら指値以下の株価、売り注文なら指値以上の株価になると注文が成立する。 |
逆指値注文 | 指値注文の動きをする発注方法。 「指値以上になったら買い」「指値以下になったら売り」という注文方法。 |
各注文方法を上手く活用して、選んだ株式を購入しましょう。
指値・逆指値とは?使い方や成行注文との違いについても解説
株式を保有しつづける・売却する
購入した株式は、保有しつづけるか売却するかの判断が必要です。
株式の価格(株価)は、投資家の需要に応じて変動します。
購入時よりも株価が上がったタイミングで売却することで、売買差益を得られます。
配当金がある銘柄の場合、保有しつづけることで配当収入が見込めます。
長期的に保有して配当金を受け取りつつ、じっくりと株価の上昇を待つのも良いでしょう。
長期的に保有しつづけるのか、希望価格で売却するのかをしっかりと考えて、自分に合った投資方法を見つけましょう。
長期投資のメリット・デメリット!おすすめの投資方法を解説
株式投資のメリット
売却益(キャピタルゲイン)が得られる
株式投資の大きなメリットとして、売却益(キャピタルゲイン)が得られる点が挙げられます。
キャピタルゲインとは、株式を売却した時に得られる売買差益のことです。
例えば、100万円で購入したA社の株式が150万円まで値上がりした場合、売却すると50万円の利益を得ることができます。保有している株式の評価額が2倍、3倍となれば非常に大きな利益を得ることも可能です。
安定して収益を上げられるわけではないものの、大きな利益となる可能性がある点が株式投資のメリットです。
関連記事:高配当株に投資するメリット・デメリット!銘柄選びのポイントも紹介
配当益(インカムゲイン)が得られる
キャピタルゲインのほかに、配当益(インカムゲイン)が得られる点も株式投資の魅力です。
インカムゲインとは、株式を保有している期間中に得られる配当金など、定期的に受け取れる収益のことを指します。
例えば、高い配当金を出す企業として人気がある「JT(日本たばこ産業)」は、2021年の予想配当金を140円と発表しています。
100株保有していたら、税引き前で14,000円の配当金を受け取れる計算になります。定期的に安定した収益が得られることも、株式投資の大きなメリットです。
ただし、企業によっては配当金を出していなかったり、配当金が減る・無くなるというリスクもあります。配当金だけを目当てにして投資をすることには、リスクがあることを抑えておきましょう。
出典:JTウェブサイト「配当」
関連記事:米国高配当株のおすすめ13選!特徴を理解して楽しもう
銘柄によっては株主優待を受けられる
日本株のなかには、保有している株数に応じて株主優待を受けられる銘柄があります。
企業のサービスを割引で受け取れたり、商品をもらえたりするため、お得な制度として投資家から人気を集めています。
優待の種類は企業によってさまざまで、例えば「イオン」の株主優待は、全国のイオンやマックスバリュでの買い物でキャッシュバックされる「オーナーズカード」がもらえます。「日清食品ホールディングス」では、自社グループ製品の詰め合わせを受け取ることができます。
優待でお得にサービスを受けられる点も、株式投資の魅力のひとつです。
【2024】女性・主婦におすすめの株主優待10選!10万円以下で買えるものや美容系まで紹介
企業の経営(意思決定)に参加できる
企業の経営に参加できる点も、株式投資の大きなメリットです。
株主総会に出席して議決権を行使することができるため、間接的に企業の意思決定に自分の意見を反映させることができます。
例えば、役員の選任や利益の処分内容などの重要な事案の決定に参加することが可能です。株の保有数に応じて議決権の数も異なり、1単元未満しか株を保有していない場合は決議に参加することができません。
近年ではインターネットで議決権を行使できる仕組みとなっているので、総会に出席しなくても企業の経営に参加することが可能です。
株主総会とは?開催時期や流れ、書面決議についてわかりやすく解説
株式投資のデメリット
元本保証がない
株式投資は、利益が得られるチャンスがある一方で元本が保証されていません。
株価はさまざまな要因で上昇・下落を繰り返すため、売買のタイミングによっては損をしてしまう可能性があることを知っておきましょう。
ただし、預金を除くほとんどの金融商品で元本の保証はありません。
預金以外の手段でお金を増やしていきたいと考えているのであれば、投資金額がマイナスとなってしまうリスクを取りながら、長期的なリターンを目指していきましょう。
関連記事:株の配当金だけで生活するにはいくら必要?おすすめ銘柄も紹介
銘柄によってはまとまった金額が必要になる
購入する銘柄によっては、ある程度まとまった金額が必要となるケースがあります。
多くの証券会社において日本株は100株からの購入が基本となるため、投資金額が大きくなってしまうことが多いです。
例えば、「クックパッド」の株価は223円(2022年6月1日終値)なので、100株単位の購入をしても22,300円で購入できます。
しかし、ユニクロやGUなどの「ファーストリテイリング」の株価は61,610円(2022年6月1日終値)であるため、100株単位からの購入では約620万円が必要となります。
銘柄によって、大きな投資資金を用意しなければ投資できないケースがあることを抑えておきましょう。
関連記事:利上げとは何か?株価や為替への影響やアメリカの状況をわかりやすく解説
すぐに売買が成立しないことがある
株式投資は、買い手と売り手の双方がいることで売買が成立します。
自分が売りたいと思ったタイミングで売却注文を出しても、買いたい人がいなければ売却することができません。
例えば、1日の値幅制限いっぱいまで下落する「ストップ安」になると、取引が停止となります。
「保有株の企業が事件を起こしたので株を売却したい」と思っても、売却注文が集中して思うようなタイミングでは取引できない可能性があります。
売りたいタイミングで売買が成立しない可能性があることを把握しておきましょう。
関連記事:デイトレードのやり方!1日5,000円を稼ぐ銘柄選びのコツを紹介
初心者が株式投資を始めるときのポイント・注意点
投資の目的を明確化する
株式投資を始める際は、「何を目的に投資するのか」を明確にしましょう。
目的が明確にあることで、「いつまでにどれくらいのリターンを狙えば良いのか」「どのような商品を運用すればいいか」などが具体的になるためです。
投資の目的は、人によってそれぞれ異なります。
老後の生活資金を準備するケースもあれば、子どもの教育資金の準備、住宅購入の頭金を用意することが目的だという方もいるでしょう。
投資する目的を明確にしてから株式投資を始めましょう。
関連記事:株式投資だけで生活している人はいる?いくら資金が目安か、リスクについて解説
株式投資について本やネットで勉強する
株式投資は必ず儲かるものではなく、損失が発生する可能性もあります。
できるだけ損失を回避するためにも、本やネットで勉強をして投資の基本的な知識を身に付けておきましょう。
書店に行けば、投資のプロが初心者向けに執筆している書籍が多く並んでいます。
インターネット上にも、投資に関する基本的な内容をまとめたサイトが数多くあります。
信頼できる発信者であることを確認した上で、書籍やサイトをチェックすることがおすすめです。
投資セミナーやSNSからの情報収集も有効な手段になります。
積極的に株式投資に関する情報を集め、知識やスキルを身に付けていきましょう。
お金(投資)の勉強は何からする?初心者はまずこれから!勉強法3選
余剰金で始める
投資で発生した損失は自己責任であり、元本も保証されていません。
仮に元の金額より減ってしまったとしても、生活に支障が出ない余剰金で投資を始めましょう。
一般的には、株式投資を始める前に3ヶ月〜1年分ほどの「生活防衛資金」の準備が必要といわれています。
投資の資金は生活費とは別の余剰金を使うようにし、仮に損失が出ても生活に支障が出ない範囲で取引を行いましょう。
【2024】生活防衛資金の目安はいくら?一人暮らしに必要な金額や貯金との違い
分散・少額投資から始める
株式投資では、投資する金額が大きくなるほど損失を抱えた場合の金額も大きくなります。
株式投資を始めるときは、株価が下がってもリスクが最小で済むように少額から投資を始め、利益が積み上がってきたら少しずつ投資金額を増やしていくことをおすすめします。
また、損失のリスクを低減させるために投資先を複数に分散させることも有効です。
ひとつの銘柄が下落しても、ほかの銘柄でカバーできれば、保有資産全体の損失を抑えることができます。
これから株式投資を始める方は、少額を分散投資して損失のリスクを抑えながら運用することを心掛けましょう。
分散投資とは?種類やポートフォリオの例もあわせてわかりやすく解説
損切りルールを決める
株式投資を始める際には、自分なりの「損切りルール」を決めておきましょう。
「損切り」とは、株価が下落したときに早い段階で売却することで損失の拡大を防ぐことです。
損切りルールが決まっていないと、「ここからまた上がるかも」「損をしたくない」という感情に流されてしまい、適切な売買のタイミングを逃してしまいます。
事前に「株価が購入時よりも5%下がったら売却する」「評価額が50万円になったら売却する」などのルールを決めておくことで、損失の拡大を防ぐことができます。
長い目で見れば、投資では勝つことよりも負けないことの方が重要です。
大きく負けてしまう前に損切りをして、次の有望銘柄を探しましょう。
損切りとは?目安やタイミング、ルールやラインの決め方を紹介
NISA枠を使って始める
NISAとは、投資で得られる利益にかかる税金が非課税になる制度のことです。
NISAには「一般NISA」と「積立NISA」があり、一般NISAであれば個別株式を購入することができます。
本来、株式投資で得た利益に対しては20.315%の税金が課されますが、NISA枠で購入した場合は売却益や配当金が非課税になります。
利益が税金で引かれないため、効率的に資産を運用していくことができます。
ただし、NISAを利用している場合、並行して「積立NISA」を利用することはできません。
それぞれの特徴を理解して、自分の投資目的に合った方を選びましょう。
NISAと積立NISAはどっちがいい?違いや選び方を比較
積立NISAとは
積立NISAとは、年間40万円の枠で購入した金融商品の運用益が最長20年間非課税になる制度です。
積立NISAの口座で取引できる金融商品は、金融庁が厳選した投資信託と一部のETFのみになっています。
長期・積立・分散投資に適している投資信託が中心となっており、個別の株式銘柄を購入することはできません。
積立NISAのメリットは、長期間運用することによって、利益が利益を生む「複利効果」を効率的に得られるという点です。
少額からの投資でも時間を味方に付けられるため、ゆっくりと資産形成をしたい方に適した制度となっています。
積立NISAとは?投資初心者におすすめの理由をわかりやすく解説
株式投資を始める際におすすめの証券会社
株式投資を始める際は、どの証券会社で取引するのかも重要となります。
証券会社ごとに特徴や手数料が異なるため、しっかりと比較することが大切です。
ここでは、初心者でも使いやすい証券会社を紹介します。
取引手数料や使いやすさを比較して、自分に合った証券会社を選びましょう。
SBI証券
SBI証券は、国内株式の個人取引シェアがトップクラスの証券会社です。
手数料が安いことに加えて、Tポイント・Vポイントを投資に使うことができるため、お得に株式投資をスタートできます。
海外株式やETFなどの商品取り扱い数が多いことも特徴です。
日本以外の投資先を探している方にもおすすめできる証券会社となっています。
SBI証券の主な特徴は、以下の通りです。
- 国内株式の現物取引アクティブプランなら1日の取引金額100万円まで手数料0円
- Tポイントを「1ポイント=1円」として投資に使える
- NISA・積立NISAにも対応
SBI証券の口座開設はこちら楽天証券
楽天証券は、楽天グループが運営する証券会社です。
ツールの使いやすさや手数料の安さに加えて、楽天ポイントを貯めたり、投資に使える点が特徴となっています。
楽天ポイント投資をすることで、楽天市場での買い物で還元されるポイント倍率が高くなるため、普段から楽天経済圏を利用している方にもおすすめできます。
「楽天経済圏」でお得にポイントを利用したい方は、楽天証券の利用を視野に入れましょう。
楽天証券の主な特徴は、以下の通りです。
- 取り扱う全ての投資信託の購入手数料が無料
- 各種のセミナーやマーケット情報など、投資家向けの情報が充実
- 他社と比べてアプリが使いやすいと評判
LINE証券
LINE証券は、チャットアプリでおなじみの「LINE」から株式投資ができる証券会社です。
LINEアプリ上で簡単に株の売買ができるので、LINEを使ったことがある方なら操作性に困ることはないでしょう。
投資初心者でも使いやすいように設計されているため、直感的に操作できるという点が特徴となっています。
LINE証券では「いちかぶ(単元未満株)」のサービスにより、通常100株ずつ購入する必要がある日本株を1株から購入できる点も魅力です。
投資に使える資金が少ない方でも使いやすい証券会社といえるでしょう。
LINE証券の主な特徴は、以下の通りです。
- 「いちかぶ(単元未満株)」によって1株単位から株式投資が始められる
- LINE PayやLINEポイントを利用した投資が可能
- 馴染みがあるLINEのUIで投資ができる
まとめ:株式投資で資産形成を始めよう
株式投資はハードルが高く、始めるのが難しい印象を持っている方もいるでしょう。
しかし、手順に従って取り組み、「少額から始める」「損が大きくなる前に切る」といった投資のルールを決めておくことで、初心者でもリスクを抑えた運用が可能です。
本記事で解説した始め方や注意点を参考にして、株式投資で資産形成を始めてみましょう。
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