「国債」という言葉は、ニュースで度々耳にします。

国債は、実は個人でも簡単に投資できる金融商品です。

株や投資信託に比べて元本の安全性が高く、預金よりも高金利が期待できるため、リスクを抑えて運用したい方に適した商品になっています。

この記事では、国債の仕組みや種類、メリット・デメリットについてわかりやすく解説します。

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国債とは

国債とは

国が発行する債券(借金)のこと

「国債」とは、国が発行する債券のことを指します。

債券とは、お金を借り入れる際に発行される有価証券で、国(政府)や会社が資金を集めるために発行する「借用証書」のようなものです。

日本が発行する債券は「日本国債」、アメリカが発行する債券は「米国債」、フランスが発行する債券は「フランス国債」と、それぞれの国が債券を発行しています。

日本国債の残高は年々増え続け、2022年3月末時点では約1,069兆円に達している状況です。

つまり、国の借金が多いということになります。

近年の日本の債務残高は、国の経済規模を示すGDPに対して2倍以上の規模となっており、これは主要先進国の中で最も高い水準にあります。

出典:財務省「国債等の保有者別内訳(令和4年3月末(速報))」

債券の種類

債券は「公社債」とも呼ばれますが、これは「公共債」と「社債」の総称です。

公共債は、国や自治体、政府関係機関などが発行する債券のことで、社債は民間の企業が発行する債券をさします。

大まかな債券の種類は、以下の通りです。

債券の種類 概要 債権の一例
国債 国が発行する債券 ・個人向け国債
・新窓販国債
・利付国債 など
地方債 地方公共団体が発行する債券 ・東京都債
・札幌市債 など
社債 企業が発行する債券 ・ソフトバンクグループ社債
・東京電力債 など
外国債 発行体、発行通貨、発行地のいずれかが海外である債券 ・米国債
・世界銀行債
・トヨタ自動車(米ドル建て)債
など

最も多く国債を保有しているのは日銀

2022年3月末時点で、国債の残高は約1,069兆円となっています。

このうち日本銀行(日銀)が保有する残高は約516兆円で、割合にすると48.2%です。

国債の発行残高のほぼ半数を日銀が保有していることがわかります。

次いで生命保険・損害保険などの保険会社、銀行の順で保有残高が多くなっており、これらの金融機関を合わせると35.1%です。

他にも公的年金や年金基金、海外の銀行やヘッジファンドなどが国債を保有しています。

私たちが銀行に預けている預貯金や保険の掛金、年金などの一部は、日本国債で運用されていることがわかります。

出典:財務省「国債等の保有者別内訳」

個人投資家も国債を購入できる

投資家は、国債を購入することで国にお金を貸し出すことになります。

国債には定期預金のように金利が設定されているため、満期まで保有すれば最初に投資した元本と利子の両方の受け取ることが可能です。

貸出先が日本政府であるため、元本の安全性は非常に高く「無リスク資産」ともいわれています。

個人向け国債には、「変動10年」「固定5年」「固定3年」の3種類がありますが、全体として最も購入されているのは「変動10年」です。

また、国債を購入している方の年齢で最も高いのは60代以上で約47%、20代は約7%、30代は約9%となっています。

出典:財務省「ご購入者の声」

国債の仕組み

国債の仕組み

税金で足りない資金を補う

社会保障やインフラのような生活基盤に必要なお金は、税金から賄われるのが一般的です。

しかし、財政支出が税収入を上回ってしまうと、国は国債を発行することで資金を投資家から募ります。

投資家は国債を購入してお金を国に貸し出し、国は利息の支払いと元本返済の義務を負います。

国が「債務者」、投資家が「債権者」という関係になると理解しましょう。

金利が上がると債券価格が下がる

債券には、以下のような特徴があります。

  • 金利が上昇すると債権価格が下がる
  • 金利が低下すると債権価格が上がる

例えば、銀行預金金利が2%のときに、2%の利率で3年満期の国債が発行されたとしましょう。

市場金利が3%に上がると、国債よりも銀行に預けた方が高い金利を得られるため、利回り2%の国債の魅力は薄れてしまいます。これによって国債の価格は下落する仕組みです。

反対に、市場金利が1%に下がると、2%の金利がもらえる国債の魅力は相対的に上がります。

預金に預けておくよりも国債を買いたいと考える人が増えるために、国債の価格は上昇します。

国債は額面100円で発行されるのが一般的ですが、満期までの間は金利の動向によって国債の価格も上下するということを覚えておきましょう。

国債の種類

国債の種類

国債には、大きく分けて利子がつく「利付国債」と利子がつかない「割引国債」があります。

ここでは主に「利付国債」について紹介します。

個人向け国債

「個人向け国債」は、個人が購入できる国債のことで、銀行や証券会社の窓口などで購入可能です。

変動10年・固定5年・固定3年の3種類があり、それぞれ利率が異なります。

いずれも1万円から購入可能で、0.05%の最低金利が保証されているため定期預金の代替としても利用しやすいのが特徴です。

新窓販国債

「新窓販国債」(しんまどはんこくさい)とは、新型窓口販売方式によって販売されている国債のことです。

「新型窓口販売方式」は、あらかじめ募集期間や価格を公表して投資家を募るという販売方式で、購入単位は5万円単位となっています。

個人・法人の両方が購入でき、10年固定・5年固定・2年固定の3種類がありますが、ここ数年は金利低下の影響で5年固定や2年固定は発行されていません。

物価連動国債

物価連動国債(ぶっかれんどうこくさい)は、物価の水準によって元本が変動する国債で「インフレ連動国債」とも呼ばれています。

利率自体は変わらないものの、元本が変動することによって受け取れる利息が増減します。

通常の固定利付債券はインフレに弱いという特徴がありますが、物価連動国債は物価の上昇に伴って元本が増えるため、インフレ時にも目減りしにくいというのが強みです。

固定利付国債

半年ごとにあらかじめ決められた利率で利子が支払われる国債をまとめて「固定利付国債」(こていりつきこくさい)と呼びます。

世の中の金利が変動しても、国債の利率が変動しないのが特徴です。

固定利付国債には、満期が2年・5年・10年・20年・30年・40年のものがあります。

3年・5年満期の個人向け国債も固定利付国債の一種です。

変動利付国債

満期まで利率が変わらない固定利付国債に対し、世の中の金利水準に応じて利率が変動する国債を「変動利付国債」(へんどうりつきこくさい)といいます。

変動利付国債に当てはまるのは、変動10年の個人向け国債や15年の変動利付国債、物価連動国債などです。

復興応援国債

「復興応援国債」(ふっこうおうえんこくさい)は、東日本大震災からの復興を目的として発行された国債です。

保有期間や残高に応じて「東日本大震災復興事業記念貨幣」が利子として支払われるという特徴がありました。

なお、復興応援国債は2012年12月募集をもって終了しており、現在は発行されていません。

国債を購入(投資)するメリット

国債を購入(投資)するメリット

国が発行するため信用性・安全性が高い

国債の最大のメリットは、投資先としての安全性が高い点です。

国が発行し、元本と利子の支払いを保証しているという特徴があります。

満期まで途中解約せずに保有していれば元本が保証され、日本政府が債務不履行(デフォルト)に陥らない限りは、元本割れの心配はありません。

社債に比べて損をするリスクが極めて低いため、リスクを取らずに安全に大きなお金を運用したい方におすすめです。

銀行預金より金利が高い

銀行預金に比べて高い金利を受け取れる点も国債のメリットです。

個人向け国債では0.05%の最低金利が保証されているため、どんなに金利が下がったとしても0.05%を下回ることはありません。

実際に、メガバンクの定期預金金利と個人向け国債の金利を比べてみましょう。

国債の種類 金利
個人向け国債・固定3年(第145回債) 年0.05%
三菱UFJ銀行・スーパー定期3年 年0.002%
三井住友銀行・スーパー定期3年 年0.002%
みずほ銀行・スーパー定期3年 年0.002%

※定期預金金利は2022年6月30日基準

上記の表からわかる通り、同じ3年であっても適用金利は25倍も違います。

この条件で1,000万円を預けた場合、定期預金の利息は1年間で200円であるのに対し、個人向け国債の利息は1年間に5,000円です。

預ける金額が大きいほど、当然受け取れる利息の差も大きくなります。

少額から投資が可能

個人向け国債は、最低額面金額1万円から購入可能です。

毎月発行されているため、コツコツと積立投資も行えます。

個人向け国債は購入手数料が発生しないため、投資にコストがかからないのもメリットです。

国債を購入(投資)するデメリット

国債を購入(投資)するデメリット

他の金融商品と比べて金利は高くない

個人向け国債は銀行預金と比較すると高い水準の金利ですが、他の金融商品と比較すると期待リターンは高くありません。

国が元本を保証するという性質上、ローリスク・ローリターンの投資商品であるためです。

2016年の1月のマイナス金利政策導入以後、個人向け国債は最低保証水準の0.05%にまで下がっています。

しばらくは超低金利時代が続くと考えられているため、高い金利収入はあまり期待できないでしょう。

購入後1年は途中換金(解約)ができない

個人向け国債は、発行後1年間は原則中途換金(解約)できません。

急な資金需要に対応できないのは、デメリットといえるでしょう。

1年経過すると中途換金が可能となりますが、その際は「直近2回分の利子(税引前)相当額 × 0.79685%」を差し引いた金額が手元に戻ってきます。

直近の1年間に受け取った利子分が丸々差し引かれてしまう点に注意しましょう。

仮に1年経過と同時に個人向け国債を解約した場合は、受け取った利息と差し引かれる金額が相殺されて、利益はゼロとなります。

インフレに弱い性質がある

固定金利の債券はインフレに弱いという特徴を持ちます。

物価が上昇するインフレ局面では、一般的に金利が上昇します。

先述の通り、債券は金利が上がると相対的に価値が下がるという特徴を持つため、急激な金利上昇が起こるとそれまでに発行された債券の価格は下落しやすいです。

インフレや金利上昇に対応したい場合は、個人向け国債の変動10年のような変動金利の債券や物価連動国債などがおすすめです。

個人向け国債の買い方

個人向け国債の買い方

銀行や証券会社で購入可能

個人向け国債を購入するには、銀行や証券会社の口座が必要です。

店頭や電話での申し込みもできるほか、インターネットからでも購入できます。

金融機関によって購入時に適用されるキャンペーンや口座開設にかかる手数料などが異なるため、申し込み前に確認しておきましょう。

個人向け国債が購入できる金融機関は、財務省の公式サイトからも確認できます。

毎月の募集期間に申し込んで購入する

個人向け国債は、毎月募集及び発行を行っています。

発行日の前月の一定期間に購入申し込みが可能ですが、申し込む金融機関によって取り扱っている国債の種類や募集期間が異なるため注意しましょう。

参考:財務省「国債は、いつ、どこで購入できますか」

債券型の投資信託もおすすめ

債券に投資する方法は、直接個人向け国債を買うほか「債券型投資信託」を購入する方法もあります。

債券型の投資信託とは、国債や社債といった複数の債券へ投資を行う「投資信託」のことです。

日本国債のみならず、地方債や社債にも分散投資が可能です。

元本保証の仕組みがない分、個人向け国債よりリスクは高くなりますが、その分期待リターンも上がります。

個人向け国債を含む債券投資に興味がある場合は、債券型の投資信託も選択肢に入れてみると良いでしょう。

まとめ:国債とは何か理解して運用目的別に使い分けよう

国債とは何か理解して運用目的別に使い分けよう

国債は安全性が高く、投資初心者でも挑戦しやすい金融商品です。

銀行預金よりも高い金利を受け取れることから、定期預金の代替として活用する人もいるようです。

株式や投資信託といった他の金融商品に比べると期待リターンが低いため、資産の全部を国債に回すというよりは、ポートフォリオの一部に組み込んでみるのがおすすめでしょう。

国債への投資を検討する際は、他の金融商品との違いやメリット・デメリットをよく理解してから行いましょう。

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