暖房設定温度の目安は?電気代を節約する8つの方法や部屋干しのコツ
暖房の電気代は、温度や風量などの設定によって変わります。
設定温度を下げると電気代を抑えられますが、寒さを我慢してまで設定温度下げるのはあまり意味がありません。
暖房の設定温度の目安や電気代を抑えるための方法を知ることで、冬を快適に過ごしつつ電気代を抑えられるでしょう。
この記事では、暖房設定温度の目安や電気代節約のコツを紹介します。
電気代を抑えつつ、寒い冬を乗り越えるための方法を紹介しているので参考にしてください。
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暖房の設定温度調整が大切な理由
電気代が高くなる
暖房の電気代は消費電力によって変動し、消費電力量は外気温と設定温度の差で変動します。
外気温と室内温度の差が大きいほど暖房が設定温度にするために多くの電力を使うため、その分電気代が高くなります。
必要以上に部屋を暖かくすると電気代が高くなるので、暖房の設定温度を適切に調節することが大切です。
環境省によると、暖房の設定温度を1℃低くした場合、消費電力を10%削減できます。
電気代を抑える効果が見込めるため、下記で紹介する暖房設定温度を下げる方法を参考にしてください。
体調を崩してしまう
夏より冬の方が光熱費が高くなりやすいとはいえ、冬場の電気代を気にして暖房を使わない選択肢もおすすめできません。
寒い部屋に長時間いると体が冷えてしまい、免疫機能が低下するリスクがあります。
免疫機能の低下は体調不良につながるため、暖房器具を使用して部屋を暖める必要があるといえます。
室温が高過ぎても低過ぎても体調不良の原因となってしまうため、適切な温度設定が大切です。
暖房の設定温度の目安
環境省の推奨は「室温20℃」
環境省は暖房使用時の室温目安として「室温20℃」を推奨しています。
これは地球温暖化対策の1つとして、過度な暖房に頼らずに快適に過ごすための室温です。
注意点として、20℃は冬の暖房使用時の「室温」であって、暖房の推奨設定温度ではありません。
室温が20℃に近づくような暖房の温度設定を目安として、部屋の状況に合わせた適切な温度設定を行いましょう。
自分が快適に感じられる温度への調整が大事
環境省が推奨する暖房時の室温20℃は、節電も考慮された温度になっています。
目安の20℃はあくまでも「室内温度の目安」なので、エアコンの20℃設定が必ずしも室内の20℃になるとは限りません。
部屋の間取りや構造、住んでいる地域の違いだけでなく、人によって快適に過ごせる温度は異なります。
例えば気密性が低く冷気が入りやすい家の場合、暖房の効き目が悪く冬場でも20℃では快適に過ごせないかもしれません。
暖房の設定温度だけを意識してしまうと部屋が寒くて体調を崩してしまう可能性があるため、自分が快適に過ごせることを重視しつつ、暖房の温度を設定しましょう。
部屋干しの場合は20℃+除湿機がおすすめ
洗濯物を部屋干しする場合、エアコンをドライ(除湿)モードで使用すると洗濯物から蒸発した水分が室外に放出されやすくなるため、通常時と比べて早く乾きます。
しかし、ドライモードは湿度を下げると同時に室温も下げてしまうため、冬場の使用はおすすめできません。
冬に部屋干しをする際は、暖房モードで20℃に設定してください。
室温が高い方が洗濯物が乾きやすいため、暖房を使い室温を上げましょう。
洗濯物を干すと部屋の湿度が高くなって乾きが遅くなるため、除湿機を同時に使用するのがおすすめです。
また、サーキュレーターを併用して部屋の空気を循環させることでより効率的に洗濯物を乾かせます。
暖房の電気代を節約する方法8選
暖房の電気代を節約する方法を8つ紹介します。
無理のない範囲で生活に取り入れてみましょう。
暖房の運転モードを「自動運転」にする
消費電力を抑えると電気代の節約につながるため、「弱運転」の設定が最適と考えるかもしれません。
しかし、暖房使用時の電力は電源を入れてから室温が設定温度まで上がる過程で多く消費されます。
弱運転では室温が設定温度に上がるまでの時間がかかるため、電気代が高くなってしまいがちです。
暖房の運転モードを「自動運転」にすると、最短で室温を設定温度まで上げてくれるため、無駄なく電気代の節約ができます。
設定温度に達した後は自動で風量を調節してくれるため、結果的に電気代の節約につながります。
サーキュレーターや加湿器を使用する
暖房使用時は、サーキュレーターや加湿器などを併用することで効率的に部屋を暖められるため、結果的に電気代の節約につながります。
暖かい空気は上に溜まり、冷たい空気は下に溜まり性質があります。
サーキュレーターを上向きにつけると、暖かい空気と冷たい空気が混ざって早く部屋を温められます。
また、快適に過ごすためには室温だけではなく「体感温度」の管理も重要です。
体感温度は「湿度」を上げると高くなるため、同じ室温でも湿度が高いと暖かく感じやすくなります。
とはいえ湿度を高くし過ぎると、じめじめして不快に感じたり、カビやダニが発生しやすくなるため、適度な調節が必要です。
室内の湿度の目安は40〜60%がいいとされています。
参考:ダイキン工業株式会社『まずはチェック!「あたたまりやすいお部屋」かな? 』
風向きは「下方向」に設定する
風向きを設定できる暖房の場合、風向きを「下方向」に設定してみてください。
上に溜まりやすい暖かい空気を下方向に流せるため、効率的に部屋を暖められます。
人のいる場所や床の温度を感知するセンサーを搭載している暖房の場合は、自動で風向きを調節してくれる「自動モード」が最適です。
電源はこまめに切るよりも「つけっぱなし」にする
短時間の外出時や部屋を換気するタイミングなど、都度暖房の電源をON・OFFすることがあります。
短時間の電源ON・OFFは、かえって電気代が高くなる要因となるため、つけっぱなしにすることがおすすめです。
暖房は室温を維持しているときよりも、電源が入って運転を開始するまでや室温を設定温度まで持っていくときの方が電力を多く消費します。
30分程度であれば電源を切るのではなく、つけっぱなしの方が節電になるといわれているため、ちょっとした外出や換気時は暖房をつけっぱなしにしてもよいでしょう。
参考:ダイキン工業株式会社『mission6-2 「冬場に窓開け換気をする際、エアコンは“つけっぱなし”にすべきか“小まめに電源オン・オフ”すべきかを検証せよ!」 』
定期的にフィルターや室外機を掃除する
暖房のフィルターや室外機にほこり・汚れがたまっていると暖房効率が悪くなり、電力を余計に消費してしまいます。
暖房のフィルターを綺麗にすると、消費電力が約6%削減されるようです。
2週間に1度を目安に、フィルターの掃除をしてみましょう。
室外機に関しては、掃除するだけではなく周りに物を置かないことも重要です。
観葉植物や物置など、障害物となるようなものをなくし、風通しを良くすると節電効果が見込めます。
雪が積もりやすい地域に住んでいる人は、雪が室外機の近くに積もらないよう対策しましょう。
窓やカーテンの断熱対策をする
暖房で温められた空気は窓や壁、床、天井、屋根など、家のさまざまな部分から逃げていきます。
電気代を抑えるためには、暖かい空気を室外に出さないような工夫も効果的です。
特に、窓からは全体の熱の約50%が流出していくといわれています。
窓に断熱シートやプラスチックダンボールを貼ったり、複層ガラスや二重サッシに交換すると、熱が逃げにくくなります。
断熱性の高いカーテンを使うのも効果的です。
断熱シートやプラスチックダンボールなどは、ホームセンターやAmazonで購入できるため検討してみてください。
家族が同じ部屋で過ごす時間を増やす
家族が家にいるとき、子どもが自室で勉強やゲームをして、親が自室で仕事をしたりすると、それぞれの部屋で暖房をつけることになります。
結果として稼働している暖房が多くなり、電気代が高くなってしまいます。
電気代を抑えたい場合、家族が同じ部屋で集まって過ごす時間を増やすと効果的です。
家族団欒の時間を増やすという意味でも、同じ部屋で過ごす時間を増やしてみてください。
電気料金プランを確認する
暖房の温度設定や使い方を意識したり、窓の断熱対策をしたりしても電気代が高いと感じる場合は、契約している電力会社のプランが合っていない可能性があります。
ライフスタイルによって適切な電気料金のプランは異なります。
例えば、家族が多くて消費電力が大きい場合は、規定の使用量を超えると電気代がお得になるプランがおすすめです。
他にも、日中よりも夜間に電力を多く消費する家庭にお得なプランやオール電化の家庭がお得に利用できるプランもあります。
ライフスタイルに合った料金プランを提供する会社に乗り換えるのもおすすめです。
体を温めて暖房設定温度を下げる方法
冬の寒さを乗り切る手段として、暖房で部屋を暖める以外の方法で体を温めることも有効です。
体を温めることで暖房温度を下げても快適に過ごせるようになり、電気代の節約につながります。
機能性肌着や羽織を着る
衣類の素材によって体感温度は変わります。
例えば、吸湿発熱素材と呼ばれる、汗を含む体から蒸発される水分を熱に変える素材があります。
吸湿発熱素材が使われているシャツや下着、靴下などを着ると体が温まりやすくなるでしょう。
衣類で体を温める際は、首や手首、足首といった太い血管が通っている部分を温めると体全体が温まりやすくなります。
靴下やレッグウォーマーを使うと、体から熱が逃げにくくなり、効率的に体を温められるでしょう。
加えて膝掛けや羽織など、着脱しやすい衣類を併用すると簡単に体温調節できるようになります。
湯たんぽやスリッパを活用する
湯たんぽやスリッパを使い、足元を冷やさないようにすると体が温まります。
湯たんぽはお湯を沸かす必要があるため、用意するのが面倒だと感じる人もいるかもしれません。
最近では、容器に水を入れて電子レンジで温めて使えるタイプの湯たんぽが販売されています。
他にも充電式の湯たんぽも販売されており、お湯を沸かす手間をかけずに使えます。
お湯を沸かさないタイプの湯たんぽであっても、保温時間が3時間、4時間以上の商品が販売されているため、通常の湯たんぽと同程度の活躍が期待できるでしょう。
体を温める効果を高めたい場合は、冬用のスリッパがおすすめです。
通常のスリッパと比較して保温性が高い素材が使われているため、足元の寒さから守れます。
入浴で体を温める
入浴には、体を芯まで温める効果があります。
お湯の温度が高い方がより体が温まると考えるかもしれませんが、体を芯から温めるにはぬるめの温度がおすすめです。
38〜40℃くらいの温度で、10〜20分ほど全身ゆったりとお風呂につかるのが理想です。
入浴剤を使うと、より効果的に体を温められます。
お風呂上がりには、パジャマの上に羽織を着て熱を逃さない服装をすることで保温効果が長く続きます。
入浴する時間を確保できないときは、足湯もおすすめです。
足首〜ふくらはぎまで浸かるようなバケツや桶などを用意し、40℃前後のお湯に15〜20分ほど足をつけておくと、体が温まります。
運動で体を温める
運動すると体内で熱が作られて体が温まります。
部屋でもできる運動としては、例えばヨガがあります。
ゆっくり深呼吸をしながら行うヨガは、血流が良くなり体が温まります。
YouTubeには家でできるヨガの動画がたくさんあるので、参考にしてみてください。
他にもストレッチや筋トレがおすすめです。
筋肉の収縮により体が温まる点に加えて、継続すると基礎代謝が上がり少しずつ冷えにくい体に変わっていきます。
他にも雑巾掛けや窓拭き掃除など、家の中で体を動かして体温を高めましょう。
まとめ:暖房の設定温度は20℃が推奨されている
環境省は暖房の設定温度として20℃を推奨しています。
とはいえ、暖房の設定温度を20℃にしただけでは寒い冬を快適に過ごせないかもしれません。
加湿器を使って部屋の湿度を調節したり、暖房の風向き設定やサーキュレーターを使用するなどして、暖かい空気が部屋全体に行き渡るような工夫もしてみましょう。
暖房を長時間使用する際は、空気環境を整えるために定期的な換気を行ってください。
換気の際は、暖房の電源を切らない方が電気代を抑えられます。
部屋を暖める工夫をしたり、体を温めたりしても20℃の設定温度では寒いと感じた場合は、ウォームビズや室内で体を動かして調節し、それでも寒い場合は設定温度を上げて調節しましょう。
20℃はあくまでも目安です。
暖房の設定温度を下げると電気代の節約につながりますが、自分が快適に過ごせることが重要ですので、温度設定以外の方法も取り組みながら適した温度を見つけましょう。
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記事監修者
マネカツ編集部
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