会社を辞める際の手順を解説!事前に必要な準備や理由の伝え方も紹介
人間関係や職場環境、給与など、会社を辞めようと考える理由はさまざまです。
退職時にもマナーがあり、会社の辞め方を間違えてしまうとトラブルの元となってしまいます。
この記事では、退職を考えている人に向けて、会社を辞める際の手順を解説します。
円満退職に役立つ必要な事前準備や理由の伝え方、想定されるトラブルへの対処法も解説しているので参考にしてください。
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会社を辞める前に必要な準備
就業規則を確認する
就業規則には、会社と労働者の間の雇用に関するルールが記載されています。
退職に関するルールも記載されているので、会社を辞める前に就業規則を確認しておくといいでしょう。
ほとんどの会社が就業規則に「退職の何日前までには申し出ること」と定めています。
円満退職するためには、会社のルールを守る必要があるため、事前にしっかりと確認してきましょう。
会社を辞めたい理由を明確にする
なぜ会社を辞めたいのか、理由を明確にしましょう。
会社を辞めた後は次の仕事を見つけたり、新しい職場に馴染む必要があったりと、ものすごく労力がかかります。
会社を辞めたい理由を改めて整理し、明確にすることが大切です。
理由によっては会社を辞めなくても、上司に相談すると解決できる可能性があります。
例えば、職場の人間関係や仕事内容に不満がある場合、違う部署に異動すれば会社を辞めたい理由が解消されるかもしれません。
まずは辞めたいと思った理由を整理し、辞める以外に解決策がないことを確認しましょう。
退職までのスケジュールを立てる
就業規則を確認し、退職予定日をゴールとしてスケジュールを立てましょう。
上司に退職の意思を伝えても、すぐに会社を辞められるわけではありません。
退職が認められずに引き止めにあったり、退職を認められても希望日に退職できないケースもあります。
退職を認められた後は、引き継ぎ用のマニュアルや顧客・関係者への挨拶などが必要です。
スムーズに退職するためには、退職予定日の2〜3日前を目安に終わるよう計画を立てるといいでしょう。
有給が余っている場合は、有休消化の日数も含めて退職までのスケジュールを立てておくと余裕を持って行動できます。
可能な限り次の職場を決めてから辞める
転職活動は会社に勤めながらでも辞めてからでもできますが、可能であれば会社に勤めている間に転職先を見つけることをおすすめします。
転職活動は長期化する可能性が十分に考えられます。
会社を辞めた後、多くの人は収入がなくなってしまうため、経済的な不安を抱えてしまうでしょう。
加えて、この先も転職先が見つからないかもしれない、といった不安も抱えてしまうかもしれません。
このような不安を抱えながら転職活動をすると焦りが生まれ、とにかく転職するために希望条件を妥協してしまう可能性があります。
どうしてもすぐに辞めたいときを除き、可能であれば次の職場を見つけてから辞めるようにしましょう。
会社を辞める際の手順
会社を辞める際の手順を紹介します
- 退職の意思を直属の上司に伝える
- 退職届を提出する
- 業務の整理・引き継ぎの準備をする
- 社内外の関係者に挨拶をする
- 余っていたら有給を消化する
- 最終出社日はお世話になった方へ挨拶回り
- 社員証や貸与品を返却する
- 在職期間を過ぎたら健康保険証を返送する
退職の意思を直属の上司に伝える
先ほど解説した会社を辞める準備が整ったら、退職の意思を直属の上司に伝えましょう。
人事や部門長ではなく、直属の上司に直接伝えることがポイントです。
退職時のマナーとしての側面に加えて、トラブルがないよう円満に退職するためでもあります。
体調不良や身内の介護で側を離れられないときなど特別な場合を除き、直属の上司に直接会って退職の意思を伝えるようにしましょう。
退職届を提出する
退職の意思を伝えて認められた後は、退職届を提出します。
退職届が必要な会社、不要な会社がありますが、普通の会社であれば人事から退職に関する指示があるため従いましょう。
フォーマットが決まっていることがほとんどですが、用意されていない場合は書き方を人事に相談したり、インターネットで雛形を確認して退職届を記入してください。
業務の整理・引き継ぎの準備をする
会社を辞めた後、自分がいなくなっても業務が止まらないように、業務の整理・引き継ぎをします。
業務の整理・引き継ぎが不十分な場合、会社や関係者に迷惑をかけてしまい、退職後のトラブルの原因になりかねません。
仕事のやり方や注意点などを整理したマニュアルを作成するだけではなく、可能であれば口頭で説明をしながら業務の引き継ぎを行うといいでしょう。
新しい担当者がスムーズに仕事を引き継げるような配慮が大切です。
社内外の関係者に挨拶をする
退職届が受理された後、社内外の関係者に挨拶をします。
その際は、必ず上司や人事の承諾を得てから口外するようにしてください。
会社の承諾を得る前に退職を口外すると、思わぬトラブルに発展する可能性があるため、注意が必要です。
社外の関係者へ挨拶に行く際は、引き継ぎも兼ねて後任者の紹介も一緒にするといいでしょう。
余っていたら有給を消化する
有給休暇は法律で定められた会社員の権利であるため、余っている有給はすべて消化しましょう。
会社によって残っている有給の日数を確認する方法は異なりますが、勤怠管理システムや給与明細などから確認できます。
転職先の入社日が迫っているなどの理由で、有給を消化する時間がない場合は諦めるしかありません。
そうでない場合は、引き継ぎと有休消化を両立できるように、上手くスケジュールを調整しましょう。
最終出社日はお世話になった方へ挨拶周り
最終出社日は身の回りの整理整頓、業務の引き継ぎの最終確認、挨拶周りをします。
可能であれば少し早く出社して、デスクの清掃や身の回りの整理整頓を始めてください。
お世話になった方への挨拶周りですが、業務時間中であるため、なるべく手短に済ませるように心掛けましょう。
できるだけ午前中は避けて、お昼過ぎや15時以降の夕方からにすることをおすすめします。
言葉で感謝を伝えつつ、簡単なお菓子も一緒に渡すのが通例となっています。
社員証や貸与品を返却する
最終出社日にすることを終えたら、会社から貸与されていた備品を返却します。
返却しない場合は損害賠償請求されたり、業務上横領罪という犯罪に該当する可能性があるため必ず返却しましょう。
一般的に考えられる備品としては、下記のようなものがあります。
- 名刺
- 社員証
- パソコン・スマホ・タブレットなど
- オフィスの鍵・ロッカーの鍵
- 制服・作業着
- マニュアル・書式
- 業務に関する書類・データなど
基本的には直接手渡しで返却しますが、返却を忘れてしまった場合などは退職後に郵送で返却しましょう。
在職期間を過ぎたら健康保険証を返送する
有休消化期間中も、会社に在籍している間は健康保険証を使うことになります。
最終出社日と退職日が同じ日であれば、最終出社日に健康保険証を返却します。
一方で、最終出社日よりも退職日が後の場合、返却してしまうと新しい保険証を手に入れるまで保険証がない状態になってしまうため、注意が必要です。
退職日を迎えるまでは会社の健康保険証を使用するため、退職日以降に郵送で返却しましょう。
会社を辞めるときの注意点
引き止め交渉に聞く耳を持たない
退職の意思を伝えると、ほとんどの職場で最低1度は引き止めに合うかと思います。
組織としての生産性の低下を懸念しての引き止めや退職希望者の退職後のキャリアを心配しての引き止めなど、理由はさまざまです。
余程の問題社員でもない限り、会社は社員に辞めて欲しいとは思わないため、1度は引き止めに合うと考えてください。
退職の意思を伝える際には、引き止めがある前提で強い意思で臨みましょう。
会社に残ったとしても、退職を伝えた事実は残ってしまい「この人は一度辞めようとした人」としてみなされるため、評価や昇進に影響する可能性が考えられます。
また、退職を決断した根本的な原因がなくなる保証もありません。
会社を辞めたい理由を整理し、退職の決断をしたのであれば引き止め交渉に聞く耳を持たず、退職の意思を伝え続けましょう。
ネガティブな退職理由を正直に伝えない
会社を辞めたいと思う理由には、ポジティブな理由もネガティブな理由もあります。
ポジティブな退職理由であれば、正直に伝えても問題ないでしょう。
体調不良や身内の介護など、やむを得ない事情である場合も、正直に伝えても問題ないケースが多いです。
一方で、給与の低さや人間関係、労働環境など、ネガティブな退職理由の場合は正直に伝えない方がいいでしょう。
退職するまで気まずくなってしまう可能性や異動・評価の見直しなどを持ち掛けられ引き止めに合う可能性があります。
ネガティブな退職理由であっても可能な限りポジティブな理由に言い換えて、悪い印象を与えないように心掛けてください。
会社に迷惑をかけないスケジュールを考慮する
退職の意思を伝えたら、退職日までのスケジュールを会社と決めることになります。
基本的には自分の意思を優先して問題ありませんが、可能であれば繁忙期など迷惑がかかりやすい時期の退職は避けた方が無難です。
繁忙期でなくても有給休暇が余っているからと、退職の意思を伝えた次の日からは出社しないというのは、余程のことがない限り避けた方がいいです。
円満に退職したい場合、業務の状況や引き継ぎにかかる時間を考慮して、現実的なスケジュールを立てるようにしましょう。
転職活動がバレないように注意する
会社を辞めようと考えている人の中には、在職中に転職活動をする人もいます。
在職中の転職活動はトラブルの原因になりかねないため、バレないように注意してください。
転職の面接のために有給を使うこともあるかと思いますが、基本的には問題ありません。
私用のため休みますと、細かい理由を告げずに有給を取得しましょう。
転職活動について誰かに話さないように気をつけつつ、会社やキャリアに対する不満を会社関係者に話したり、急に残業をしなくなったりなど、転職活動を怪しまれるような言動も避けるようにしましょう。
会社を辞める際によくあるトラブル
契約社員や派遣社員など、期間の定めのある雇用契約の場合、基本的には期間が終了するまでは退職できません。
病気やケガが原因で働けなくなったり、親の介護が必要となったり、ハラスメントが横行しているなどのやむを得ない事由があれば退職可能です。
多くの正社員のような、期間の定めのない雇用契約であれば、基本的には就業規則に従い退職の意思を申告すると退職できます。
しかし、退職を認めてもらえない、有給消化を認めてくれないといった、トラブルが発生するケースもあります。
退職を認めてもらえない
退職を認めてもらえないケースにおいては、証拠を残した上で行政機関や弁護士などに相談する方法が有効です。
退職届が受理されない場合は、上司や人事にメールを送るか、内容証明郵便で会社に送付すると、会社は受け取っていないと主張できなくなります。
個人の力だけでは退職を認めてもらえない場合は、労働基準監督署を頼りましょう。
労働基準法を守らない企業を取り締まる行政機関で、退職に関するトラブルの相談にも無料で応じてくれます。
退職を認めてもらうためのアドバイスや企業への訪問と調査、是正勧告といった対応が期待できます。
行政機関に相談しても解決しない場合は、弁護士に退職代行を依頼しましょう。
未払い賃金の請求代行や損害賠償請求された場合でも対応してくれます。
有給消化を認めてもらえない
「入社してから6ヶ月が経過」「全労働日の8割以上の出勤」の2つを満たした労働者には、会社から有給休暇が与えられると法律によって定められています。
原則、会社側は労働者が指定した日に有給休暇を与えなければならないため、退職前の有給消化を認めなければなりません。
退職日前の有給消化を認めてもらえない場合は、人事部や総務部に相談してみてください。
社内の他の部署に相談しても認めてもらえない場合は、労働基準監督署や弁護士に相談しましょう。
ただし、退職を伝えて次の日から有給消化をしてそのまま退職日を迎えるというのはトラブルの元です。
業務の整理や引き継ぎなど、職場に迷惑をかけないスケジュールを立てた上で有給を消化しましょう。
退職日を会社の都合のいいタイミングにされる
退職日を会社に指定されてしまうケースも珍しくありません。
しかし、会社側に退職日をコントロールする権限はないため、退職届に記載のある日付が退職日になります。
とはいえ、会社側が労働者に退職日を都合のいいタイミングに変更してもらうための交渉は可能です。
交渉の仕方によっては強制されているように感じてしまうかもしれませんが、あくまで交渉であるため、退職届にある退職日で会社を辞められます。
民法627条によって多くの正社員の場合は、退職したい日の2週間前までに退職の意思を伝えると退職できるとしています。
会社のルールに無理に合わせる必要もないため、ルールを逸脱しない範囲で自分の都合を優先させましょう。
まとめ:会社を辞める際は残った方に迷惑をかけないよう配慮する
会社を辞める決断をした際は、準備として就業規則の確認や退職までのスケジュールを立てます。
業務の整理や引き継ぎにかかる時間、余っている有給の日数などを考慮した上で余裕を持ったスケジュールを立てるよう心掛けてください。
準備を終えたら直属の上司に退職の意思を伝えます。
退職の意思を伝えると、引き止めに合うかもしれませんが、聞く耳を持たず強く主張しましょう。
その際、ネガティブな退職理由ではなく、ポジティブな退職理由を伝えるのがポイントです。
可能であれば、この記事で紹介した準備や手順、想定されるトラブルへの対処法を参考に、しっかりと準備した上で行動に移しましょう。
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記事監修者
マネカツ編集部
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