陶芸の魅力や効果7選!おしゃれな体験教室や美術館も紹介
長く、深い歴史のある「陶芸」には幅広い魅力があり、趣味の一つにあげる方も多いです。
陶芸は鑑賞するだけでなく、自分で作品を作ったり実際に使用したりすることもできるため、さまざまな方向から楽しむことができます。
この記事では、陶芸の魅力や体験できる教室、豊富な作品を展示している美術館を紹介します。
陶芸に触れられる場所は全国にあるため、陶芸を始めたいと思っている方は参考にしてください。
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この記事の目次
陶芸とは
陶芸は縄文時代に土器が作られた所から始まったともいわれており、長い歴史があります。
歴史の中で技術が受け継がれ、進化して今もなお多くの陶芸作品が生まれています。
粘土を成形し焼き物を作る技術
陶芸とは粘土状にしたものを成形して焼き、器や造形物などの「焼き物」作る技術のことです。
大きく2つに分けることができ、粘土状の原料が土の場合は「陶器」、石の粉の場合は「磁器」と呼ばれます。
この原料を細かく砕き素地土を作り、手やろくろなどの道具を用いて皿や器、花びんなどの形を作ります。
成形後は釉薬(ゆうやく・うわぐすり)と呼ばれるガラス質の膜で器をコーティングし、絵付けを施し、窯に入れて高温で焼いて作られるのが陶芸です。
日本各地に特徴のある焼き物がある
陶芸はもともと中国、朝鮮半島の影響を受けて発達した技術です。
17世紀以降は習得した技術を基礎として日本独自の作風がつくり出され、日本各地にはさまざまな特徴のある焼き物が生まれました。
日本に古くからある陶磁器窯の中でも、中世から現在まで生産が続く代表的な「瀬戸、越前、常滑、信楽、丹波、備前」の六つの窯の総称を「日本六古窯(にほんろっこよう)」と呼びます。
これらの窯で焼き上げられる陶器は、産地の特色が生かされている独特なものが多いです。
焼き物の呼び方 | 産地 | 主な特徴 |
瀬戸焼 (せとやき) | 愛知県瀬戸市 | 現在近畿以東では「瀬戸物」、中国地方以西では「唐津物」とも呼ぶ。食器、酒器、装飾具など製品の種類・量ともにに多い陶磁器。 |
越前焼 (えちぜんやき) | 福井県丹生郡越前町 | 釉薬(ゆうやく)を使わず作られ、自然釉の風合いがある陶磁器。1986年に通商産業省(現経済産業省)から伝統工芸品の指定を受ける。 |
常滑焼 (とこなめやき) | 愛知県常滑市 | 鉄分を多く含む土や、ベニガラ(酸化鉄)を発色させて作られる赤い色の炻器。朱泥(しゅでい)急須で飲むお茶は、酸化鉄とお茶に含まれるタンニンが反応してまろやかになるといわれている。 |
信楽焼 (しがらきやき) | 滋賀県甲賀市 | 狸の置物で有名。耐火性、可塑性、腰が強いため大物作りがしやすく、小物作りにおいても細工しやすい粘性があり、多種多様な作品が作られている。 |
丹波立杭焼 (たんばたちくいやき) | 兵庫県丹波篠山市今田地区 | 「丹波焼」または「立杭焼」とも呼ばれる。主に生活用器を焼いてきた。「灰被り(はいかぶり)」という独特の色と模様が特徴で、備前焼や信楽焼に比べて若緑色の大人しい風合いが多い。 |
備前焼 (びぜんやき) | 岡山県備前市 | 酸化焔焼成による赤みの強さ、窯変よる自然な模様が特徴。釉薬を一切使用せず、1200〜1300度の高温で焼成する。高温で約2週間焼き締めるため「投げても割れない」と言われるほどに堅い。使い込むほどに味が出る炻器。 |
陶芸の魅力や効果
土に触れることで心が穏やかになる
子どもの頃粘土遊びに夢中になったように、土の質感を感じながら無心で形成に取り組むことが精神に影響を与えます。
土の独特な香りも楽しみながら、夢中になって練ればストレスも軽減していくかもしれません。
他に気を取られず、一つのことに集中する時間があると気持ちが落ち着く方もいます。
陶芸を楽しむことによって普段のストレスや迷いがなくなり、穏やかな気持ちになれるでしょう。
クリエイティブなアイデアが出やすくなる
繊細な技巧を駆使して、自分の個性を表現した独創的な作品を作れることは陶芸の最大の魅力です。
頭で想像したものを手を使い造形していくことで物作りの楽しさを体感できるので、自分のクリエイティブな一面を新たに発見できます。
陶芸には、イメージするものを一からクリエイトできる魅力があるのです。
日本の伝統に触れられる
日本には現在も数多くの焼きもの技術が受け継がれています。
日本六古窯以外にも、石川県の「九谷焼」、岐阜の「美濃焼」など有名なものが多くあります。
陶芸を通して日本各地の伝統技術に触れることができるのも魅力です。
世界で一つの作品に出会える
陶芸作品は、形・焼き加減・釉の加減・湿度や温度の違いなどの条件によって仕上がりが変わるため、一つとして同じものを作ることができません。
仕上がりをイメージしながら染付や絵付の装飾、施釉の作業も行っても、焼成しなければ完成品がどうなるか分かりません。
窯変の模様は焼成中に釉薬が溶けて作られるもので自然と作られる偶然の産物でもあるため、窯を開けてみると素晴らしい傑作が生まれることもあります。
このように世界で一つの作品に出会えるのも陶芸の魅力です。
半永久的に使える
陶芸作品は半永久的に保持でき、作品としての寿命が長いことも魅力の一つです。
大量生産される使い捨て製品やプラスチック製品とは異なり、割れたり欠けたりしても「金継ぎ」して大切に使うことで半永久的に使用できます。
自分が作った器や湯呑みには愛着が湧くため、それに合わせた献立や盛り付けを考えるのも楽しみになります。
物を大切にする気持ちや、手入れをしながら長く使う日本ならではの美意識を養えるかもしれません。
器を見る目が養われる
陶芸作品作りを始めると、ついつい器に目がいくようになり自然と教養が身に付きます。
食事に行った際にも器の裏を確認し、量産品の焼き物と手作りのものの違いも分かっていくかもしれません。
陶芸をすると他の作品にも興味が湧いてきて自然と器を見る目が養われていきます。
自分とじっくり向き合える
陶芸作品には自分の心が表れるといわれます。
自然の材料を使って作り出すため天候によっても作業のスケジュールが変わったり、良いアイデアが浮かぶかどうかで作品作りのスピードも異なってくるでしょう。
細かな修正、焼き加減などのちょっとした違いは仕上がり品に大きく影響するため、焼き上がるまでどのように完成するかは分かりません。
出来上がった作品に納得できなければ何度も作り直すこともあります。
一つの作品を生み出すために根気がいることもありますが、どこで妥協するのか、どこにこだわるのかなど自分自身とじっくり対話しながら向き合うことができます。
陶芸の始め方
体験教室や工房に行く
陶芸が初めてという方には、体験教室がおすすめです。
必要なものが全て用意されていることが多いため、手ぶらで行って気軽に始めることができます。
まずは体験コースがある教室を探して行ってみて、教室の雰囲気や費用を見て続けられそうなら継続的に通うのがよいでしょう。
大人数が苦手であったり、先生にマンツーマンで教えてもらいたい場合は少人数制や個別レッスンがおすすめです。
湯呑み、花びん、茶碗などの作品の種類や土や釉薬の種類、焼成費などによって費用もさまざまですので体験前に確認をしておきましょう。
陶芸の森(滋賀県)
陶芸美術館、産業製品の展示館、研修施設、アーティストが滞在制作するスタジオを備えた文化施設です。
園内のいたるところに陶芸家の作品が展示されており、「やきもの×アート×自然」を体験できます。
開催日によってテーマの異なる一般向け陶芸講座が開催されているため、実際に体験することも可能です。
陶芸教室Futaba(東京都)
池袋や新宿から近い上板橋駅から徒歩5分の場所にある陶芸教室です。
1日で気軽に体験できるプランや、スタイルに合わせて自由に学べる月会員コース、など目的に応じてさまざまなプランから選べます。
初心者から上級者まで対応しているコースがあり、1人からでも気軽に本格的な陶芸が楽しめる教室です。
陶芸の森 長谷川陶苑(栃木県)
「益子焼」の老舗で、陶芸体験をすることができます。
スタンダードプラン、レディースプラン、家族でちょっとプラン、カップルプランなどのはじめての方でも分かりやすいロクロのセットプランがあります。
ネットからの申し込みは前日の17時まで受け付けているため、気になったらすぐに体験できるのが嬉しいです。
榛名の麓(群馬県)
伊香保温泉より車で約12分の距離にある榛名の麓(はるなのふもと)は、陶芸手びねり体験、電動ロクロ体験、ピザ作り体験、まき割り体験などがさまざまなコースが楽しめる施設です。
各コースにコーヒーが付いており、榛名の森に囲まれたカフェのような空間でリラックスしながら陶芸体験ができます。
体験は予約制なので、公式サイトで営業日や開催時間を確認して予約してから足を運びましょう。
完成した作品は、約2ヶ月から3ヶ月後に宅急便で自宅に届きます。
美術館で陶芸作品を見る
陶芸は作るだけでなく鑑賞する楽しみ方もあります。
自分で作品を作る前に、陶芸作品を見るのもおすすめです。
兵庫陶芸美術館(兵庫県)
兵庫県丹波篠山市にある美術館です。
日本六古窯の一つである丹波焼の里に、陶芸文化の発信・交流拠点として開館されました。
次世代の陶芸文化を担う人材の養成のために、陶芸ワークショップや陶芸文化講座等の創作・学習事業も行なっています。
出光美術館(東京都)
皇居のお濠に面した帝劇ビルの9階に位置する美術館です。
出光興産の創業者、出光佐三が70余年の歳月をかけて集めた日本の書画、中国・日本の陶磁器など東洋古美術を中心とした美術品が展示・公開されています。
国宝1件、重要文化財57件を含む約1万件もの作品があり、中国陶磁、朝鮮陶磁、日本陶磁、茶道具など世界文化の歴史を感じることができます。
オンラインによる事前予約制なので、あらかじめ日時指定予約をしてから足を運びましょう。
大阪市立東洋陶磁美術館(大阪府)
大阪の都心部に広がる自然豊かな中之島公園の中に溶け込むように建っている美術館です。
東洋陶磁のコレクションとして世界第一級の質と量を誇り、2件の国宝と13件の重要文化財も含まれています。
2022年2月〜2023年秋まで改修工事のため休館中です。
京都陶磁器会館(京都府)
清水五条駅から徒歩10分、京都駅から車で約10分の距離にある展示施設です。
京焼・清水焼を直接手にとって見られるのが魅力で、伝統名作品だけでなく、感性豊かな若手陶芸家の新作の展示・販売も行っています。
京焼・清水焼を眺めながらくつろいで鑑賞することもでき、視覚だけでなく全身で陶芸を感じることができます。
まとめ:陶芸には「作る」「使う」「見る」という幅広い魅力がある
陶芸には「作る」、「使う」、「見る」といった幅広い魅力があります。
繊細な技巧を駆使してオリジナル作品を作ったり、美術館や陶器市に足を運ぶことでまだ見ぬ作品に出会えるのも楽しいです。
陶芸は自然由来の材料を使うこともあり、素朴で優しい質感を肌で感じ心が穏やかになるという方もいます。
気になる体験教室や美術館があればぜひ足を運んでみましょう。
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記事監修者
マネカツ編集部
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