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M life 記事

お金 2018.9.20

“預金封鎖”とは?もしもの時に備えておきたい対策法

 

突然、預金を引き出せなくなる“預金封鎖”。自分には関係のない話だと思ってはいませんか?もちろん頻繁に起こることではありませんが、実は世界各国で何度も起こっていることなのです。どのようなときに預金封鎖が起こるのか、そして、万が一、預金封鎖が起こったときに不利益を被らないために何ができるのかについてまとめました。

 

世界各国で起こる預金封鎖とは?

 

 

“預金封鎖”とは、その名の通り、預金が封鎖されて自由に引き出せなくなることです。個人の財産であるはずの預金がなぜ封鎖されるのか、また、どのような目的を果たすために起こるのかについて探っていきましょう。

 

預金封鎖の仕組み

預金封鎖とは、個人の財産である預金に政府が関与する方法の1つです。預金を引き出せなくすることで、貨幣の流通量を制限したり、国民から強制的に財産を徴収したりするのです。

 

もちろん、国の財政が安定し、経済的に破綻していないなら、預金封鎖が実施されることはありません。しかし、国家としての財政破綻が近づいているときやすでに破綻してしまったときは、預金封鎖が実施されることもあるのです。

 

預金封鎖の目的は財産税の導入

1946年2月17日、第二次世界大戦後の経済的混乱が続く中において、日本国内で預金封鎖が実施されました。円(旧円)を新円に切り替えるという理由がつけられ、3月3日以降は新円しか使えないことになったのです。

 

また、預金封鎖後に一度限りという条件で財産税が実施されました。当時の課税価格になりますが、現金100,000円以上の財産がある人は25~90%の割合で、各段階にスライスされた資産に対して課税されました。金融機関から引き出せない預金のうちの多額を、財産税の名の下、政府に差し出さなくてはならなくなったのです。

 

預金封鎖は現金が引き出せない

一般的に、預金封鎖は、各金融機関レベルで決定されるのではなく国家レベルで決定され、一斉に実施されます。特定の日に預金封鎖が実施されることが国から告知され、その日以降に銀行に残っている預金は自由に現金が引き出せないようになります。

 

インフレ回避や政府の財源確保などの預金封鎖の目的を果たすためには、国民が預金を全部引き出してしまっては意味がありません。そのため、預金封鎖後は、「1日に引き出せる金額は〇円まで」や「預金封鎖実行日までに引き出せる金額は総額〇円まで」と制限を設け、事実上、国民が自由にお金を引き出せないように操作するのです。日本の預金封鎖においては、引き出し可能額が、月額世帯主が300円、世帯員は1人100円と出金が制限されました。

 

預金封鎖が行われた国の事例とその実態

 

金融破綻や経済状況の悪化により、預金封鎖を実施した国は日本だけではありません。アメリカやブラジル、アルゼンチンなどの国々において、預金封鎖が実施されました。

 

1933年:アメリカ合衆国

1929年の世界大恐慌から立ち直れずにいたアメリカ合衆国の景気を、1933年に就任したフランクリン・ルーズヴェルト大統領は“銀行封鎖”という形で解決しようとしました。封鎖期間中に“緊急銀行救済法”が可決され、経営危機に瀕している金融機関をアメリカ政府がサポートすること、そして、各金融機関が営業を再開する前に政府が監査することが明文化されました。

 

1990年:ブラジル

1989年に実施された「サマープラン」が失敗し、消費者物価指数が前年比1,319.6%と過去最高の超インフレ状態に陥っていたブラジルは、1990年3月、預金封鎖を実施しました。この預金封鎖は、当時の大統領の名前をとって、“コロールプラン”とも呼ばれています。

 

開始された後、インフレは沈静化されていきました。また、経済安定化策がどんどん打ち出され、「レアル・プラン」では、通貨単位をクルゼイロからレアルに切り替え、インフレ状態を食い止め、経済状況を改善することができたのです。ただし、インフレ状態がなくなったといっても、国民の生活が楽になったわけではありません。国民は預金の大半を失うことになったわけですので、資産を失う人も続出したのです。

 

出典:経済企画庁
http://www5.cao.go.jp/keizai3/sekaikeizaiwp/wp-we90-2/wp-we90-01c02.html

 

出典:日本ブラジル中央協会
https://nipo-brasil.org/archives/4944/

 

2001年:アルゼンチン

不安定になりがちなブラジル経済は、1990年のコロールプランの後にも貨幣の急落・高騰を繰り返しました。1999年には、ブラジルのレアルが暴落し、その余波を受けて、隣国のアルゼンチンの通貨であるペソ高騰を招きました。

 

ペソが高騰したために、アルゼンチン輸出競争力が低下、国内市場においても国内生産品が割高になってしまいました。また、同時に経済成長率も落ち込み、年間-11%という低い数値を記録するようになりました。そこで、2001年12月、アルゼンチン政府は預金流出や資本逃避を食い止めるため、預金封鎖を実施し、銀行から週250米ドル以上のお金を引き出せないように制限したのです。

 

しかし、預金封鎖の適用を受けていなかった外国系の金融機関が、預金封鎖中に150億ドルもの資金をアルゼンチンの金融市場から引き出したため、アルゼンチン国民の政府に対する不信感はいよいよ高まることになりました。反政府デモが広がり、数十人もの死者を出す騒動になったのです。その後、対外債務の停止や変動相場制への切り替えなどを実施し、アルゼンチン経済は徐々に落ち着きを取り戻していきました。

 

参照:JICA
https://www.jica.go.jp/jica-ri/IFIC_and_JBICI-Studies/jica-ri/publication/archives/jbic/report/review/pdf/26_10.pdf

 

2013年:キプロス

地中海の島国、キプロス共和国。税率が低いため、海外からの預金が集まるタックス・ヘイブン(租税回避地)の国としても知られていました。一時は、国内総生産の数倍もの海外預金が集まったこともあります。

 

民族がギリシャ系が殆どであり、ギリシャと深い結びつきがありました。そのため、キプロスの銀行では多額のギリシャ国債を運用していたのですが、2010年前後にギリシャの経済破綻のあおりを受けて、大きな損失を出してしまいます。キプロスはEUに援助を求め、支援された資金を返済するためにも預金を一時的に封鎖し、預金額に応じて一律課税が実施されました。

 

日本で預金封鎖が起こる3つの理由

 

預金封鎖は遠い昔の話ではありません。21世紀になってからでも、世界各国で何度も実施されている経済危機への対処法の1つです。戦後に起こったような預金封鎖が二度と日本国内で起こらないとは言えないのです。次の3つの根拠により、今後、日本で預金封鎖が起こることが予測されます。

 

①マイナス金利

マイナス金利によって円の価値が下落すると、大規模なインフレになる可能性があります。過去の預金封鎖も「インフレの回避」という名目で実施されましたので、大規模なインフレが起こる可能性があるということは、預金封鎖が起こる可能性もあるということになります。

 

前回の預金封鎖は財産税の導入と合わせて実施されましたが、次回、預金封鎖が起こるときは、何と合わせて実施されるかは分かりません。とはいえ、日本は天文学的な負債を抱えた国家ですので、国の負債を埋めるために国民の財産が徴収される何かが実施されるかもしれません。

 

②マイナンバー制度の導入

マイナンバー制度が導入され、12桁の数字を通してどの金融資産がどの個人に属しているのかが明確化することになりました。この制度によって、金融機関に預けている限り、隠し資産を持てないようになったのです。

 

また、マイナンバーは金融口座だけでなく住民票ともつながっています。つまり、すべての資産を金融機関に預けているならば、政府は個人の資産を管理できる土壌が整ったということでもあるのです。個人資産を把握した上で預金封鎖を実施すれば、政府は効率よく資金吸収することができるでしょう。

 

③楽天銀行の預金封鎖

2015年9月ごろから、一時的に楽天銀行は預金封鎖を実施しました。ただし、すべての口座に対して一斉に実施したのではなく、悪用されている恐れがある口座等の調査のために順に実施したということになっています。とはいえ、大手と言われる銀行でも預金封鎖が実地されるのですから、国単位で預金封鎖が実施されるのもあり得ないことではないでしょう。

 

日本は戦後に預金封鎖が実施された

日本は、過去に一度も預金封鎖が実施されたことがない国ではありません。一度起こったことが二度繰り返されない保証はどこにもないのですから、預金封鎖に備えておくことは必要なことだといえるのです。

 

万が一に備えて!預金封鎖の対策法

 

 

近い将来に起こらないとは言えない“預金封鎖”。預金封鎖が起こってからでは、対応しきれない部分もあります。万が一に備えて、次の4つを進めていきましょう。

 

1:円以外の通貨を持つ

2つ以上の通貨が同時に使えなくなる可能性は、1つの通貨が使えなくなる可能性よりも確実に低いです。すべての金融資産を円で預けるのではなく、円以外の通貨でも預金しておきましょう。

 

2:実物資産への投資

すべての資産を金融資産として保有することは危険です。不動産や金など、それ自体に価値のある実物資産も保有しておきましょう。

 

3:海外に資産を作る

日本の経済が破綻したときに備えて、海外に資産を形成しておくこともおすすめです。できれば安定度が高い国やこれからの発展が期待される国で、資産を形成しておきましょう。

 

4:預金封鎖の知識を身につける

預金封鎖について知っておくことも、万が一のときのために必要なことです。いざというときにあなたの資産を守るのはあなただけです。金融や投資についての知識を深めておきましょう。

 

最後に

 

 

預金封鎖は将来いつでも起こり得る可能性があります。特に、大規模なインフレの兆候が見え隠れする現代においては、決して絵空事ではないのです。万が一に備えて、資産分散を始めていきましょう。

 

 

 

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