「貯金」と似た意味を持つ言葉に「貯蓄」がありますが、厳密にいうと「貯蓄」と「貯金」では性質が異なります。

資産を増やすためには、貯蓄と貯金の性質の違いを理解しておくことが大切です。

この記事では、貯蓄と貯金の違いや各年代別の平均貯蓄額、中央値についてご紹介します。

貯蓄を増やすために実施したいことも解説しているので、資産の増加の参考にしてください。

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「貯蓄」と「貯金」の違い

「貯蓄」と「貯金」の違い

「貯蓄」は金融資産を蓄えること

貯蓄とは、金融資産を蓄えることを指します。

現金以外に投資商品や保険商品なども貯蓄に含まれ、保有している金融資産全体の金額のことを貯蓄額と呼びます。

例えば株式や債券、投資信託や不動産などへの投資も貯蓄に含まれます。

リスクに備えて加入する「生命保険」や「年金保険」も貯蓄の一種です。

貯蓄は、保険や預金などのもしもに備えた「守りの資産」と、株式や不動産などの増やすことを目的とした「攻めの資産」の2種類に分類されます。

資産形成をしていく際には、貯蓄のなかでも「攻めの資産」を活用し、貯蓄額の増加を目指していくことが重要です。

「貯金」はお金を貯めること

貯金は、お金を貯める行為のことです。

金融資産全体の「現金」に注目しているのが貯金であり、広い意味では貯蓄の一部ということになります。

金融機関に振り込まれた給与の残りや貯金箱に貯めている小銭、定期預金などが貯金に該当します。

そのほかに、企業の福利厚生で活用できる「財形貯蓄」も貯金の一種です。

増やすことを目的とした投資商品とは違い、いつか使う時のために取っておく資産が「貯金」の特徴になります。

各年代別の平均貯蓄額と中央値

各年代別の平均貯蓄額と中央値

金融広報中央委員会が発表した「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」によると、二人以上世帯の金融資産の平均は1,436万円、中央値で650万円となっています。

各年代が保有している金融資産額(貯蓄額)の平均値と中央値は以下の通りです。

年代 平均値 中央値
20歳代 292万円 135万円
30歳代 591万円 400万円
40歳代 1,012万円 520万円
50歳代 1,684万円 800万円
60歳代 1,745万円 875万円
70歳以上 1,786万円 1,000万円

ここでは、各年代の貯蓄額の特徴をそれぞれ解説していきます。

20代の貯蓄は少なめ

20代は、全体と比べて平均的に貯蓄額が少なめとなっています。

年収が低い傾向にあるだけでなく、子どもがいない世帯も多いことから趣味に使うお金が多いという点も理由として挙げられます。

しかし、20代のうちから資産形成を始めている人も少なくありません。

貯蓄を続けることで長期的に成果が出てくるため、若いうちから着実に貯蓄することを習慣付けておきましょう。

30代・40代から貯蓄額に差が出てくる

上記の表を見ると、30代〜40代以降は貯蓄額の平均値と中央値に差が開いていることが分かります。

20代のうちから始めた貯蓄の習慣が、30代・40代で貯蓄額の差として表れてきています。

また、人によっては子育てが始まるタイミングでもあるため、出費が増えて貯蓄が減少するケースも少なくありません。

将来のための資金はもちろん、子どもの教育資金・養育費についても早い段階から準備しておくことが重要です。

50代は子育ての状況で貯蓄額に差がある

50代は、子育ての状況次第で貯蓄額に差が出てくる時期です。

子育てが終わった世帯から少しずつ余裕が生まれてくる一方で、子育ての開始が遅かった世帯は50代が最も金銭面で厳しい可能性があります。

教育資金や養育費がどれくらいかかるのかを把握し、計画的に準備を進めていきましょう。

60代は子離れ+退職金等で貯蓄額が高い

60代は、多くの場合で子どもが独立し、務めていた会社から退職金が入ってくることから貯蓄に余裕が生まれてくる世代です。

ただし、「人生100年時代」と言われる現代においては、長生きすることで老後の生活費が足りなくなるリスクがあります。

貯蓄があるからと使ってしまうのではなく、老後に向けた資産準備を計画していくことが大事です。

貯蓄額0円世帯も少なくない

貯蓄額0世帯も少なくない

金融広報中央委員会が発表した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、単身世帯と二人以上世帯で金融資産を保有していない世帯の割合は以下の表の通りです。

年代 単身世帯 二人以上世帯
20歳代 43.2% 16.0%
30歳代 31.1% 8.2%
40歳代 35.5% 13.5%
50歳代 41.0% 13.3%
60歳代 29.4% 18.3%
全体 36.2% 16.1%

上記の表を見て分かる通り、各年代で貯蓄額が0の世帯が一定数います。

特に、単身世帯で貯蓄ができない世帯が多く、経済的に格差が広がっていることが分かります。

貯蓄額0の苦しい状況を回避するためにも、早いうちから着実に貯蓄を増やしていく方法を考えておきましょう。

貯蓄を増やすために実施したいこと

貯蓄を増やすために実施したいこと

家計簿をつける

貯蓄を増やすためには、現状の収入と支出の把握を意識することが大切です。

家計簿をつけることで収支が可視化されるため、打つべき手を考えられるようになります。

収支を理解しないまま貯蓄をしても資産は増えず、かえって減少してしまう可能性もあります。

家計簿アプリなどを活用し、現時点の月々の収入と支出を管理することから始めましょう。

支出を見直す

家計簿で収入と支出を把握したら、次は無駄な支出の削減に取り掛かりましょう。

携帯料金やサブスクリプションサービスなどの月々かかる固定費を見直すことで、大きな支出削減効果が得られます。

また、日々のちょっとした出費にも注意が必要です。

例えば、出勤時にコンビニで買ってしまう飲み物などの細かな出費は、気が付くと大きな支出となっている可能性があります。

家計簿によって発覚した細かな出費を減らし、少しずつ余裕資金を貯蓄に回していきましょう。

先取り貯金を取り入れる

「貯蓄をしたいのについお金を使ってしまう」という方は、先取り貯金を取り入れましょう。

先取り貯金は、給料が入ったらまず貯金する金額を引き出し、残ったお金を生活費や娯楽費に回すという考え方です。

先に決まった金額を貯金できるため毎月の貯金額にバラつきがなく、一定期間で目標金額を目指す場合に有効な貯金方法です。

「いつまでに」「どれくらいの」金額を貯金したいのかを明確にした上で、先取り貯金の活用も視野に入れてみましょう。

余剰資金で投資を始める

支出の削減や貯金ができたら、余剰資金を投資に回して貯蓄を増やすことを目指しましょう。

投資にはリスクがあるものの、投資対象を分散して長期間運用することでリスクを軽減できます。

これから投資を始める方は、投資対象の分散と長期運用を両立しながら非課税で運用できる「積立NISA」と「iDeCo(イデコ)」の活用がおすすめです。

それぞれの制度への理解を深め、着実な資産形成を進めましょう。

積立NISA

積立NISAとは、年間40万円・最長20年間の運用を非課税で行える制度のことです。

少額からの長期投資を支援する目的でスタートしており、初心者でも始めやすいように対象商品は金融庁が厳選したものに限定されています。

本来、投資で得た利益に対して20.315%の税金がかかりますが、積立NISAの口座で購入した商品は20年間非課税で運用できます。

例えば、100万円の利益が出た場合、本来ならば約20万円の税金が引かれるところを、積立NISAでは課税されずに100万円を受け取ることが可能です。

毎月一定額を自動で買い付けてくれるため、購入のタイミングに迷うこともありません。

細かく相場を確認する必要もなく、放置していても毎月自動的に資産が積み上がっていくため、自力では中々貯蓄できない人におすすめの制度です。

iDeCo

iDeCo(イデコ)とは、自分で老後の年金を用意する「個人年金制度」です。

掛金の拠出や運用をすべて自分で行う必要がありますが、税制面でメリットを受けられるという特徴があります。

まず、iDeCoは掛金が全額所得控除となるため、所得税・住民税の負担を軽減できます。

積立NISAと同様、運用期間中に発生した利益が非課税で再投資されるため、効率的に資産を増やしていくことが可能です。

さらに、年金を受給するタイミングでも「退職所得控除」もしくは「公的年金等控除」を受けられます。

このように、iDeCoは税制面でのメリットを受けつつ、老後に向けた資産準備ができます。

「人生100年時代」への備えとして、iDeCoの活用も視野に入れておきましょう。

まとめ:家計を見直しながら貯蓄を増やしましょう

家計を見直しながら貯蓄を増やしましょう

「貯蓄」とは金融資産を蓄えることを指し、現金のみを貯める「貯金」とは意味が異なります。

資産形成においては貯蓄が重要であるため、貯金とは区別して考えましょう。

また、貯蓄を増やしたいと考えている方は、まず家計簿をつけて支出を見直すことが大切です。

先取り貯金や積立NISA、iDeCoなどを活用して、着実に貯蓄額を増やしていきましょう。

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