30代、40代の時はまだまだ先のことと思っていた「定年退職」や「老後の生活」。

それらの言葉が急に現実味を帯びてくるのが50代です。

「50代」というと会社では管理職になっていたり、お子様がいる方は高校生・大学生になって学費や仕送りの負担が重かったり、はたまた社会人として家を出ており家計が楽になったりと、家計の事情もさまざまでしょう。

老後が間近となった50代では、老後資金をどのように準備すればよいのでしょうか。

この記事では50代の平均貯金額と中央値、理想的な貯金額や貯金がない方の割合を紹介します。

50代からできる老後資金の準備方法についても解説しますので、今後の参考にしてみてください。

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50代の平均貯金額・中央値

50代の平均貯金額・中央値

50代の貯金額はいくらくらいでしょうか。

金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査」で2020年の50代の貯金に関するデータを見てみましょう。

下表は、調査対象全体を100%とした場合の金融資産の保有額分布です。

50代の金融資産 単身世帯 二人以上世帯
金融資産非保有 35.7% 23.2%
100万円
未満
7.8% 8.9%
100~200万円
未満
6.8% 6.5%
200~300万円
未満
2.5% 4.5%
300~400万円
未満
5.0% 4.0%
400~500万円
未満
3.1% 3.4%
500~700万円
未満
6.2% 6.4%
700~1,000万円
未満
7.1% 6.3%
1,000~1,500万円
未満
5.3% 8.0%
1,500~2,000万円
未満
5.9% 5.7%
2,000~3,000万円
未満
5.9% 6.6%
3,000万円
以上
7.1% 12.9%
無回答 1.6% 3.5%
金融資産保有額の
平均額
1,067万円 1,386万円
金融資産保有額の
中央値
130万円 400万円

保有額は、預貯金のほか生命保険や株式などの投資商品も含む金融資産の額を表しています。

「50代」と一口にいっても、単身世帯と二人以上世帯では傾向が大きく異なることがわかります。

出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]各種分類別データ(令和3年)」
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]各種分類別データ(令和3年)」

単身・独身の場合の平均額・中央値

前述の調査結果から、単身世帯の貯金額には以下のような特徴があることがわかります。

貯金平均額は1,067万円

50代の単身世帯の場合、金融資産の保有額の平均額は1,067万円です。

平均額は全体の数値の合計を調査人数で割って算出しています。

そのため、資産保有額が多い方が対象に入っているとその影響を受けて平均額が引き上がります。

50代は社会的な地位が高い方もいらっしゃる関係で、高所得の方が平均額を引き上げている可能性が高いと考えられます。

貯金額中央値は130万円

50代の貯金平均額が1,067万円なのに対して、貯金額中央値は130万円です。

平均値と中央値の差額が約930万円ですから、大きな乖離がある結果となっています。

中央値は取得したデータの真ん中の数字を表すため、より実態に近い数値です。

つまり調査対象となった方の半数が、貯金130万円以下の方ということになります。

50代の単身世帯では、一部の富裕層が平均値を引き上げているものの、実態ベースは貯金額が少ない方が多いようです。

二人以上世帯の平均額・中央値

前述の調査結果から、二人以上の世帯の平均額や中央値についても以下の内容がわかります。

貯金平均額は1,386万円

50代の二人以上世帯の平均貯金額は1,386万円です。

単身世帯の平均貯金額1,067万円と比べると、約300万円も多くなります。

この差を考えると、二人以上世帯は共働きによって収入を大きく増やしているということがわかります。

共働きすることでシンプルに収入が増えると仮定すると、この結果にも頷けるのではないでしょうか。

貯金額中央値は400万円

50代の二人以上世帯の貯金額中央値は、400万円です。

貯金平均額と比較すると約270万円もの差がありますが、それでもある程度貯金がある世帯が多いことが読み取れます。

単身世帯と比較した場合、中央値を単身世帯の130万円と単純に比較すると、単身世帯と共働き世帯では270万円も差があります。

中央値で比べただけでもこれだけの差があるので、実態ベースでも単身世帯より二人以上世帯の方が効率的に貯金できているようです。

50代の貯金なし世帯

貯金がない世帯の実態についても、上記のデータからわかります。

下記の数値は、上記の表の「金融資産非保有者」から算出しています。

  • 単身世帯:35.7%
  • 二人以上世帯:23.2%

50代単身者の貯金なしの割合は全体の約3割となっており、30代・40代と比べても同程度という結果でした

“いま”を生きていくには問題ないかもしれませんが、老後生活が見えてくる50代としては、将来に向けて少しずつ貯金を意識したいところでしょう。

特に二人以上世帯で貯金なしの割合は23.2%で、こちらは40代の24.8%と大差ない結果となりました。

子供の教育費・進学費がこの時期に重なると、出費が大きくなり貯金がほとんどないという状態が生まれてしまうのかもしれません。

子供が独立すれば、今まで子供にかかっていた資金がかからなくなる分、余裕が生まれます。

余裕ができた資金から順に、老後のために貯蓄・資産運用するように変えていきましょう。

50代から意識したい老後資金

50代から意識したい老後資金

50代は退職が視野に入り、子育ても落ち着いてくるため、お金に対する意識ががらりと変わってくる時期です。

近年、話題となっている「老後2,000万円問題」に危機感を感じている方も多いのではないでしょうか。

平均寿命が延びている中では年金収入よりも支出が上回り、老後の30年間で約2,000万円の資金が不足するといわれています。

しかし、これはあくまで平均をもとにざっくりと計算された数値です。実際に用意すべき金額は人によって異なります。

支出が少ない方であれば、年金だけで生活できる場合もあります。反対に、支出が多ければ、さらに多額の老後資金を準備する必要があるでしょう。

今からできる対策として、まずは老後の生活のイメージをしましょう。

特に老後の収入と支出のバランス、つまり収支をシミュレーションしておくことが必要です。

老後の収入について把握する

老後資金を準備するにあたって、まずは老後の収入について確認しておきましょう。

老後の主な収入は年金、つまり「老齢年金」です。

退職時の退職金も人によって金額に大きな差がありますが、老後のための資金にあてられることが多いです。

年金や退職金はいくら受け取れるのか、前もって確認しておくといいでしょう。そうすれば収支を試算でき、ライフプランをイメージしやすくなります。

年金の支給見込み額は、ねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。

退職金や企業年金については、会社に確認してみてください。

老後の支出から必要金額を算出する

老後のライフプランをイメージする上では、老後の支出を知っておくことがとくに大切です。

会社を退職しても、食費・光熱費・通信費などは必ずかかりますし、賃貸にお住まいの場合には、家賃も大きな支出となります。

まずは現在の毎月の支出を洗い出してみましょう。その中で、老後も必ず支払わなければならないものが、そのまま老後の支出になります。

現在と老後では生活パターンが異なるため、イメージしにくいかもしれませんが、おおむね現在の支出の7割程度が目安となるでしょう。

支出20万円の時の例

たとえば、現在の支出が20万円なら、老後の支出は14万円と試算できます。

こうして試算した老後の支出金額と、年金収入の予定額の差額を計算し、老後から平均寿命までの年数を掛け合わせます。

そこに現在の貯金額と退職金の予定額を足して、さらに資金に余裕がある状態が理想的な老後資金の金額です。

自身が病気になる可能性や介護の可能性も考えると、多めに準備しておくに越したことはありません。

50代から始める老後資金の貯め方

50代から始める老後資金の貯め方

支出を見える化して無駄を省く

まずは現在の支出を見える化して、無駄な出費をやめるようにしましょう。

見える化するには、手書きの家計簿も良いかもしれませんが、現在は家計簿アプリを利用するほうが簡単です。

レシート撮影で自動入力出来たり、銀行口座やクレジットカード情報と紐づけて自動的に記録されていく仕組みのものもあります。

入力する手間が省けて内容も漏れにくいうえ、簡単なので長続きします。

洗い出し出費の中で無駄と思われる項目については、意識して無くしていきましょう。

例えばほとんど利用していないのに毎月支払いだけ続けているサービスの会費、昔に加入したままの保険などは、解約したり内容の見直しをしたほうがいいかもしれません。

無駄な出費が減るほど、貯蓄にあてられる金額は増えていきます。

50代からでもiDeCoを活用する

もしまだiDeCoに加入していないのであれば、iDeCoに加入するのもおすすめです。

50代からとなると加入期間は短くなりますが、税制優遇も考慮すると始めるメリットは大きいでしょう

積立時には所得税・住民税が軽減され、運用で発生した利益は非課税になります。

特に所得税・住民税の節税効果は非常にわかりやすく、毎年の年末調整・確定申告で還付される形です。

こうした税制優遇で還付されたお金を投資に回せば、資産形成の速度を早めることができます。

余剰資金で投資を行う

税制優遇のことを考えると、投資は先述したiDeCoから始めるのがおすすめです。

しかしiDeCoには掛金に上限があり、毎年投資できる金額が限られます。

老後資金を手厚くするためには、余剰資金で投資を行うと良いでしょう。

投資には「株」や「投資信託」以外にもさまざまな種類があり、リスク・リターンもさまざまです。

50代の投資では、相場暴落時のマイナスを取り戻す時間が確保しにくいため、ハイリスク・ハイリターンな投資対象はあまりおすすめできません。

これまで投資をしてこなかった方は、投資信託をメインに少額から積立投資を行うと失敗しづらいでしょう。

積立NISAであれば運用益が非課税となるメリットもありますから、検討しても良いかもしれません。

不動産投資

年収が高ければ、初期費用少なめで不動産投資を始めることが可能です。

不動産価格や賃料は物価と連動していますから、インフレにも強い資産といえるでしょう。

不動産は不労所得を生み出してくれるだけでなく、売却時の利益にも期待でき、最終的には資産として子供への贈与にも使えます。

物件にもよりますが、相続対策に利用できたり節税効果が見込める場合もあります。

うまく活用できれば老後を不安なく過ごすことができますので、気になる方は検討してみましょう。

まとめ:50代からでも貯金を増やして老後に備えましょう

50代からでも貯金を増やして老後に備えましょう

50代の貯金額は環境によってさまざまですが、中央値を見ると貯金額が少ない方が多いことがわかります。

現在の貯金額が少ないため、老後資金への不安や焦りを感じている方も多いかもしれません。

しかし、50代からでも老後資金を貯めることはできます。

まずは現在の支出を見直して、貯蓄・資産運用に回す資金を増やしましょう。

貯蓄に充てる資金が増やせれば、iDeCoで税制優遇を受けたり積立投資を始められます。年収次第では不動産投資という選択肢もあるでしょう。

先延ばしにしていると、老後はあっという間にやってきてしまいます。

老後に備えて、早めに資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。

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