デビットカードのメリット・デメリット!選ぶポイントや利用時の注意点
デビットカードは、銀行口座から即時にお金を引き落として代金を支払う決済タイプのカードです。
クレジットカードと同じように使えますが、銀行預金残高を超える支払いはできないため、使い過ぎを防ぐことができます。
この記事では、デビットカードのメリットやデメリット、利用時の注意点などについて解説します。
メリットとデメリットをしっかり押さえて、賢くデビットカードを使いましょう。
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デビットカードとは即時決済のカード
デビットカードとは、支払いと同時に銀行口座からお金が引き落とされる「即時決済のカード」です。
1回のお買い物ごとに口座から即座に利用代金が引き落とされます。
銀行口座と紐づけられており、口座の残高以上は使えないため、残高以上のお金の使い過ぎを予防できます。
デビットカードには、大きく分けて以下の2種類が存在します。
- J-Debit
- 国際ブランドつきデビット
「J-Debit」は銀行のキャッシュカードで支払いができるサービスで、「国際ブランドつきデビット」は、VISAやMaster Cardなどのブランドがついたデビットカードです。
J-Debitが使えるお店は加盟店に限られていますが、国際ブランドつきデビットは、クレジットカードが使えるお店であれば同じように使うことができます。
デビットカードを使うメリット
ここでは、デビットカードを使うメリットについて解説します。
預金残高以上のお金を使う心配がない
デビットカードを使えば、預金残高以上にお金を使ってしまうことはありません。
デビットカードは銀行口座と紐づけられており、残高以上の支払いは引き落としがされずエラーになる仕組みです。
利用代金が口座になければ決済できないため、支払い能力を超えた買い物をする心配がなくなります。
また、多くのカードで利用限度額を自分で設定することも可能です。
カードの使い過ぎが心配な方は、予め利用限度額を設定したデビットカードを使えば安心でしょう。
15歳から利用できることが多い
デビットカードは、早ければ15歳から利用できます。
クレジットカードの場合は「18歳かつ高校生でないこと」が利用条件であるため、それに比べるとデビットカードの年齢制限はゆるいといえるでしょう。
高校生くらいの年齢でも使える理由は、デビットカードにはカードの使い過ぎを防ぐ仕組みがあるためです。
クレジットカードは「後払い」であるため、その仕組み上支払い能力以上にカードを使うことができてしまいます。
そのため、クレジットカード会社はあらかじめ審査を行いカードの利用限度額を厳しく定めます。
一方、デビットカードは預金残高以上の支払いができないため、支払い能力を確認するための厳しい審査が必要ありません。
未成年でも保護者の同意なく作れるデビットカードもあり、初めて作るカードとしても適しています。
現金感覚で使える
デビットカードは支払いをしたその瞬間にお金が引き落とされるため、使用感はクレジットカードよりも現金に近いです。
クレジットカードの場合は利用代金を翌月以降にまとめて後払いするため、つい使いすぎることもあるかもしれません。
デビットカードであれば預金残高以上は使えないため、支払い金額に対してシビアになります。
利用した店舗の決済履歴が自動で記録されるため、「いつ・どこで・何に・いくら使ったか」の管理がしやすく家計の管理も簡単です。
デビットカードが1枚あれば、スマートに買い物を楽しめるでしょう。
海外のATMから現地通貨を引き出せる
デビットカードを使えば、海外のATMで現地通貨を引き出すことができます。
海外のすべてのお店でキャッシュレス決済が使えるわけではなく、現金が必要な場面もあるかもしれません。
キャッシュレスに対応していないお店での決済はもちろん、チップの支払いで現金が必要な場面もあります。
デビットカードであれば、現地通貨が必要な場面でATMからすぐに現金を引き出すことができ、手数料も現地の両替所より安く済むことが多いです。
国際ブランドによって使えるATMが異なるので、VISAなら「Plus」のマーク、Master CardやJCBなら「Cirrus」のマークがあるATMを利用しましょう。
ネットショッピングでも利用できる
デビットカードは実店舗だけでなく、ネットショッピングでも利用できます。
ネットショップでデビットカードを利用する際は、決済方法として「クレジットカード決済」を選んでください。
使い方はクレジットカードと同じで、以下の情報を入力します。
- カード番号
- 名義
- 有効期限
- セキュリティコード
Amazonや楽天などのECサイトはもちろん、NetflixやSpotifyのようなサブスクリプションサービスでも利用できます。
保険や補償が付帯されている
デビットカードには、もしものときに備えた保険や補償特典がついたものがあります。
主な補償内容は、以下の通りです。
- ショッピング保険:購入したものが盗まれたり破損したりした場合に補償を受けられる
- 国内・海外旅行傷害保険:旅行中のけがや病気に対する補償を受けられる
- 不正利用補償:デビットカードの紛失や盗難により不正利用された場合に補償を受けられる
例えばセブン銀行のデビット付きキャッシュカードでは「不正利用補償」が付帯しており、1事故あたり500万円を上限として補償を受けられます。
デビットカードの種類によって補償の内容や補償を受けられる条件が変わるので、契約前に必ず確認しておきましょう。
デビットカードを使うデメリット
現金なしで買い物ができる便利なデビットカードですが、デメリットもいくつかあります。
ここでは、デビットカードを使う主なデメリットについて解説します。
預金口座の残高を超えて使えない
デビットカードは、銀行口座の残高を超えては使えません。
これは使い過ぎを防ぐという点ではメリットですが、デメリットになる場合もあります。
よくあるトラブルが、デビットカードを使おうとしたが残高不足でエラーになってしまうケースです。
現金をあまり持たずデビットカードの支払いだけに頼っていると、このような場面で支払いができず困ってしまうことがあるかもしれません。
デビットカードを使う際は、預金残高をこまめに確認するよう心がけましょう。
分割払いやリボ払い、キャッシングは使えない
デビットカードでは分割払いやリボ払い、キャッシングなどのサービスは利用できません。
クレジットカードで使えるこれらのサービスは、信用でカード会社からお金を借りるサービスです。
予め立て替えてもらったお金を「後払い」という形で返金する仕組みになっています。
デビットカードは銀行口座に入っているお金をカードで支払うものであって、カード会社からお金を借りる目的では使えません。
そのため、分割払いやリボ払いなどのサービスは、デビットカードでは使えないので注意してください。
公共料金をはじめ支払いに使えない場面がある
デビットカードには、一部利用できない場面があります。
たとえば、以下の支払いにはデビットカードは使えません。
- 公共料金
- 新聞の定期購読
- ガソリンスタンド(一部)
- 飛行機の機内販売
- 高速道路料金
公共料金や定期購読、ガソリンスタンドの料金は、支払い方法を指定した時点で「支払えるだけのお金が口座にあるか」が確認できず、デビットカードでの決済時に残高不足の懸念があるため使えません。
また飛行機の機内販売は、上空でのリアルタイム決済が難しいため使えない場合が多いようです。
高速道路の料金については、引き落とせなかった場合に渋滞や事故などのトラブルが発生する危険があるため使えないとされています。
ただし、一部のデビットカードではこれらの支払いもできる場合があるので、事前にカードの基本情報を確認するとよいでしょう。
ポイント還元率が低い傾向にある
デビットカードはクレジットカードと比べて、ポイント還元率が低い傾向にあります。
セブン銀行の「デビットつきキャッシュカード」と、「セブンカード・プラス」の還元率を比較してみましょう。
還元率 | セブン銀行 デビット付きキャッシュカード | セブンカード・プラス |
セブンイレブンでの還元率 | 1.0% | 1.0% |
イトーヨーカドーでの還元率 | 0.5% | 1.0% |
デニーズでの還元率 | 0.5% | 1.0% |
イトーヨーカドーハッピーデーでの5%還元 | なし | あり |
通常使用の還元率 | 0.5% | 0.5% |
セブンイレブンで使う場合は、どちらのカードも1%の還元率です。
しかし、デニーズやイトーヨーカドーでの還元率はデビットカードが0.5%と低くなっています。
ハッピーデーでの還元もありません。
このように、デビットカードのポイント還元率はクレジットカードよりも低い傾向にあります。
もしも高い還元率に魅力を感じるなら、クレジットカードやキャッシュレス決済サービスを選んだ方がよいでしょう。
楽天カードを使うメリットは?カードの特徴やお得に使える方法を解説
ETCカードが発行できないことが多い
ETCカードは、基本的にデビットカードでは発行できません。
デビットカードが即時引き落としのカードだからです。
預金残高が残っていないと決済が完了せずトラブルの原因となる可能性があるため、デビットカードではETCカードを発行できなくなっています。
高速道路を利用する際はクレジットカードに紐付いたETCカードを作るか、現金を用意しましょう。
デビットカードの選び方・注意点
デビットカードは多くの銀行が発行しており、たくさんの種類があります。
自分にぴったりのデビットカードを選んで快適に利用するために、大切なポイントを押さえましょう。
預金残高をこまめに確認する
デビットカードを使う際は、預金残高をこまめに確認することが大切です。
デビットカードは口座にお金がなければ使えないタイプのカードであるため、預金残高には常に気を払いましょう。
現在はほとんどの銀行がアプリで簡単に残高確認できるサービスを提供しているため、デビットカードを使用する前に残高を確認する癖をつけておくといいでしょう。
年会費を確認する
デビットカードを選ぶ際に気をつけたいのは、年会費についてです。
デビットカードには、年会費がかかるものとかからないものがあります。
年会費の額はカードの種類によって異なるため、年会費の支払いが負担に感じる場合は年会費無料のカードを作るとよいでしょう。
有料と無料カードの違いは、カードに付帯する特典や補償の金額です。
充実した特典を活用したい場合は、年会費のかかるカードを検討してもいいでしょう。
ポイント還元率を確認する
デビットカードのポイント還元率はクレジットカードよりも低い傾向にありますが、それでも毎月カードを使えばポイントは貯まっていきます。
デビットカードでポイントを貯めるなら、ポイント還元率やキャッシュバック率の高いものがおすすめです。
また、もらえるポイントの種類は普段よく使う店舗やライフスタイルにあったものがベストです。自分の用途にあったポイントが還元されるかを確認しましょう。
補償や特典はクレジットカードより弱い
デビットカードを選ぶ際は、クレジットカードよりも補償や特典が弱い点に注意しましょう。
例として、ここでは楽天銀行デビットカードと楽天カードの補償を比較します。
補償・保険 | 楽天銀行 デビットカード | 楽天カード (クレジットカード) |
不正利用補償 | あり | あり (チャージバック補償保険) |
ショッピング保険 | なし | あり |
海外旅行傷害保険 | なし | あり |
楽天銀行デビットカードにあるのは、不正利用に対する補償のみです。
楽天カードでは不正利用補償はもちろん、ショッピング保険や海外旅行傷害保険など、保険サービスが充実しています。
特典に関しても、楽天カードは新規作成で5,000~8,000ポイントほどもらえるのに対し、楽天銀行デビットカードでは新規入会+利用で500円と少額です(2022年9月時点)。
デビットカードを作る際は、必要な補償や特典が受けられるかも判断基準としましょう。
まとめ:デビットカードのメリット・デメリットを理解して使おう
デビットカードは即時決済で銀行口座から直接お金が引き落とされるタイプのカードです。
デビットカードの大きなメリットは、使い過ぎを予防できることでしょう。
預金残高が利用上限額となるため、支払い能力を超えた買い物ができない仕組みになっています。
一方でメリットはデメリットにもなり、預金残高以上の大きな買い物で使えなかったり、クレジットカードでは一般的な分割払いやリボ払いが利用できない点はデメリットといえるでしょう。
「クレジットカードだと使い過ぎが不安」という方は、まずデビットカードからキャッシュレス生活を始めてみるのがおすすめです。
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