2,000万円問題や長寿社会と年金制度に不安が高まるニュースを聞くたびに、自分の老後の生活は大丈夫?と心配が尽きません。どうにか年金を増やす方法はないかとサーチすると「付加年金」という制度にたどり着いた方も多いのでは?この記事では「付加年金」の仕組みやそもそもサラリーマンは加入できるの?といった疑問を解決していきます。

付加年金制度とは?わかり易く解説

「付加年金」は国民年金制度のひとつです。

公的年金だけでは老後の生活が不安

日本年金機構によると老齢基礎年金のみを受け取る場合、月額65,075円(令和3年度・満額の場合)を受給できます。また、第2号被保険者であった人が厚生年金を受け取る場合、月額220,496円(令和3年度・平均的な収入で40年間就業した場合での夫婦2人分)を受給できると試算しています。この年金額だけでは現在と同じ生活を送っていけるのかと不安になってしまいますね。まずは国民年金の仕組みと付加年金の関係を見ていきましょう。

出典:令和3年4月分からの年金額等について|日本年金機構

国民年金の加入者は第1~3号の3種類

国民年金は日本に住む20歳以上60歳未満の方すべてに加入する義務があります。国民年金保険料を納める加入者は「被保険者」と呼ばれます。働き方によって3種類に分けられ、国民年金保険料の納付方法や金額が異なります。

第1号被保険者 自営業者・農業者・フリーランス・学生・無職等
第2号被保険者 サラリーマン(会社員)・公務員
第3号被保険者 専業主婦・専業主夫等(第2号被保険者に扶養されている配偶者)

第1号被保険者としてよく知られているのは、個人事業主である自営業者や農業者・漁業者等ご自分で事業をされている方です。そのほかにも、正社員としては会社に属さずに、パートやアルバイト・臨時職員として仕事をして収入があり配偶者の扶養からは外れている方や、学生・無職の方も該当します。

第2号被保険者は、サラリーマンや公務員といった、会社や公共団体等から給料をもらう職についている方です。

第3号被保険者は、サラリーマンや公務員の配偶者であり、かつ配偶者に扶養されている方です。専業主婦(主夫)等が該当します。お仕事をしていても年間の収入が130万円未満であれば配偶者の扶養として第3号被保険者になります。

付加年金は、上記3種類の加入者のうち、第1号被保険者が加入することのできる年金制度です。

日本の年金の構造は3階建て

日本の年金制度は3階建て構造と呼ばれます。それぞれの特徴は次のとおりです。

1階部分は、基礎年金とも呼ばれます。すべての国民が加入し保険料を納める義務があり、老齢基礎年金や障害年金等を受給することができます。

2階部分は、1階部分に上乗せされる年金であり、保険者の分類により年金の種類が異なります。

  • 第1号被保険者が加入できるのは、国民年金基金や付加年金です。
  • 第2号被保険者のうち、サラリーマン(会社員)が加入するのは厚生年金、公務員が加入するのは共済年金です。
  • 第3号被保険者は、2階建の部分に加入できる年金はありません。

3階部分は、さらに手厚い補償を受けるための年金です。

  • 第1号被保険者が加入できるのは、確定拠出年金です。
  • 第2号被保険者のうちサラリーマン(会社員)が加入できるものは厚生年金基金や確定給付の企業年金等、公務員が加入できるのは退職等年金給付、両者が加入できるのは確定拠出年金です。
  • 第3号被保険者が加入できるのは、確定拠出年金です。

上記のように年金制度は加入できる年金の種類や加入できる人が制限されます。付加年金は2階部分で第1号被保険者だけが加入することができる制度です。

任意加入被保険者とは

国民年金は20歳から60歳までの日本国民が保険料を納めるものですが、次のような場合には60歳を過ぎてからも納めることができます。

  • 老齢基礎年金を受給するためには受給資格期間が10年以上必要。しかし、60歳の時点で期間が足りず、年金を受給できなくなってしまう方。
  • 加入期間480か月で満額の老齢基礎年金を受給できる。しかし、60歳以前に保険料の免除や納付猶予等により保険料を納めていない期間があるが、満額に近い金額を受給できるようにしたい方。

また、20歳以上65歳未満の外国に居住する日本人も任意加入被保険者として国民年金に加入することができます。この、任意加入被保険者も付加年金制度を利用することができます。

付加年金はサラリーマン(会社員)でも加入できるのか

残念ながらサラリーマン(会社員)は対象外、日本国民のすべての人が付加年金に加入できるわけはなく限定されています。

加入できる人

付加年金に加入できるのは、第1号被保険者の自営業者、フリーランス、農業者、学生、無職等と、65歳未満の任意加入被保険者です。

加入できる人でも納めることができない人

第1号被保険者や任意加入被保険者であっても、次に該当する人は付加年金を納めることができません。

  • 第1号被保険者で国民年金基金に加入している人
  • 保険料納付免除・猶予を受けていて保険料を納めていない人
  • 65歳以上の任意加入被保険者

加入できない人

第2号被保険者のサラリーマン(会社員)や公務員と第3号被保険者の専業主婦等に該当する人は付加年金に加入することができません。

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付加年金加入でもらえる年金額

基礎年金だけでは不安だという方におすすめなのが付加年金です。具体的な保険料や受給額を紹介します。

付加保険料

付加保険料は「月額400円」です。国民年金保険料と一緒に上乗せして納めます。

受け取る受給額

付加年金を納めたことで受給できる年金が年間で「200円×納付月数」増額します。

試算例

では、付加年金保険料を納めるとどれだけ受給できるのかを試算してみましょう。

【40歳から60歳までの20年間付加保険料を納めたケース】
納めた保険料 400円×240か月(20年の月数)=96,000円
年金の年間増加額 200円×240か月=48,000円
毎年48,000円ずつ年金をプラスして受給することができます。つまり、2年間で納めた保険料と同額の96,000円を受給することができるのです。3年目以降は得をする計算になりますので長生きすればするほどプラスになっていきます。

付加年金のメリット

付加年金の主なメリットをご紹介します。

2年で納付した保険料の元がとれる

前述では、20年間で96,000円の保険料を納めることで、年金が1年間に48,000円増額するケースを紹介しました。5年間で24,000円の保険料を納めれば年間で12,000円の年金が増額します。つまり、保険料を納めた期間に関わらず年金の受給を始めてから2年間で元が取れるのです。

全額所得控除に使え所得税・住民税が安くなる

納めた付加年金保険料は全額が社会保険料控除として所得控除されます。そのため、所得をもとに算出される税金である所得税と住民税が安くなるのです。

老齢基礎年金の繰り下げをすると付加年金も増える

老齢基礎年金は繰り下げ受給をすることができます。繰り下げ受給とは、通常は65歳から受給できる年金を66歳から70歳の間に受給開始することです。受給開始を遅らせることで年金額が増加する仕組みで、付加年金も老齢基礎年金とセットで繰り下げられ受給額は増加します。

納めた月が36か月以上ある場合は死亡一時金がもらえる

死亡一時金は、年金保険料を納めている方が年金を受給する前に死亡した場合に遺族に支給されるものです(遺族基礎年金を受給できる場合を除く)。保険料を納めた月数により120,000円から320,000円が支給されますが、付加保険料を36か月(3年間)以上納めている場合には、死亡一時金として8,500円が加算されます。

前納すると割引される

一般の年金保険料はまとめて前納することで割引されますが、付加保険料も同時に前納することで割引を受けることができます。付加保険料は毎月400円なので1年分を毎月支払うと4,800円です。例えば、これを現金で前納すると4,710円(90円割引)に、口座振替で前納すると4,700円(100円割引)になります。

クレジットカードで支払い可能

付加保険料は納付書による支払いや口座振替のほか、申請書を提出すればクレジットカードで納付することもできます。年金保険料とともに付加保険料もクレジットカードで2年分前納ができ割引を受けられます。さらにクレジットカードの利用ポイントも期待できます。

付加年金のデメリット

付加年金の主なデメリットとして次のものがあげられます。

過去にさかのぼって支払い不可

免除や納付猶予等により納めていなかった国民年金保険料は一定期間の分はさかのぼって支払うことができる追納の制度があります。しかし、付加年金保険料は過去にさかのぼって支払いをすることができず、現時点以降の国民年金保険料に上乗せして支払うという方法のみです。

付加年金はインフレに対応しない

付加年金は受給できる金額が「200円×納付月数」と確定しています。もしも受給するタイミングでインフレにより物価が上昇していたとしても受給できる金額は「200円×納付月数」と変わりません。付加年金は物価にスライドせずインフレには対応しません。

老齢基礎年金が全額支給停止だと付加年金はもらえない

付加年金は老齢基礎年金に加算し支給されます。そのため、老齢基礎年金が支給されなければ付加年金も同様に支給されません。老齢基礎年金が全額支給停止になる理由としては、受給年齢に達してからも毎月の給与収入が一定額以上ある場合や、障害基礎年金を受給している場合等があります。

国民年金保険料の免除を受けている場合は付加年金保険料を払えない

付加年金はもととなる国民年金に沿い、保険料の納付や受給が行われます。全額や4分の1等免除される金額に関わらず国民年金保険料の免除を受けていれば、付加年金保険料も納めることはできません。

まとめ:将来のために「今何ができるか」を知ろう

将来の老後の生活を考えると心配事が尽きませんね。しかし、心配ばかりしていても何も変わりません。老後の不安を少なくできる方法が、実はいろいろとあるのです。今行動を起こすことで将来の心配事が減らせるかもしれません。まずは、「今何ができるのか」を知ることから始めてみませんか?

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