満期を迎えた定期預金の取り扱い(解約/継続)の手続きについて

皆さんのなかには定期預金を行っていて、満期が近づいてきている方がいるでしょう。もしくは、実際に満期を迎え、次の運用先を検討されている方もいるかと思います。
またはボーナスなどまとまったお金が入ったことから、定期預金を始めることを計画している方もいるでしょう。そこで今回は、定期預金の仕組みをお伝えするとともに、満期を迎えた定期預金の解約や継続の手続きなどについて解説していきます。
目次
定期預金とは
まず定期預金の仕組みをおさらいしましょう。定期預金とは、一定期間にお金を引き出さないことを条件に、一般的に普通預金よりも高い金利を受け取ることができる金融商品です。余裕資金で運用を考えているが、株式やFXなどハイリスクな投資はしたくなく、元本が保証された金融商品に投資したい方におすすめです。
普通預金より金利が高い分、長い期間お金が自由にならないというイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、銀行によっては週単位で定期預金が可能な商品を提供しているところもあります。また定期預金をするには、数百万単位のある程度まとまったお金が必要なイメージもあるかと思いますが、少額から始めることができる銀行もあります。
そして定期預金をするのであれば、金利が比較的高いインターネット銀行で行うことをお勧めします。超低金利の今、少しでも金利の高い銀行で定期預金を申し込み、効率的にお金を増やしていきましょう。
そこで比較するために、インターネットバンクのオリックス銀行の定期預金とメガバンクの一角であるみずほ銀行の普通預金を比べてみましょう。オリックス銀行では、2018年8月31日まで、インターネット専用預金「eダイレクト預金」特別金利キャンペーンを実施しており、1年もの定期預金で年0.25%の金利がつきます。
出典:オリックス銀行
https://www.orixbank.co.jp/personal/deposit/edirect/
またオリックス銀行では、2週間定期預金も可能です。こちらは預入金額が50万円以上で年0.05%の金利を提供しています。
出典:オリックス銀行https://www.orixbank.co.jp/personal/deposit/edirect/2week.html
一方で、みずほ銀行の普通預金金利は0.001%となっています。
出典:みずほ銀行
https://www.mizuhobank.co.jp/rate_fee/rate_deposit.html
このように、オリックス銀行はキャンペーン特別金利であるとはいえ、定期預金と普通預金ではこれだけの金利差があります。銀行の普通預金にただお金を寝かせておくなら、少しでも金利の高い定期預金に預けた方が、より効率的にお金を増やしていけるでしょう。
なお、定期預金は基本的に満期までお金を引き出さない前提で、高い金利が約束されています。ただし、満期前に定期預金を解約することもできます。その際は、金利が低くなってしまいますが、元本保証のため、途中解約するからといって元本割れすることはありませんので安心してください。
最近は途中解約できない「新型定期預金」や「仕組み預金」と呼ばれるものもありますので、定期預金と混同しないように、申し込む際は金融機関にしっかり確認しましょう。「仕組み預金」とは、預金の預入期間を決めるのは金融機関となり、その代わりに高い金利を提供する金融商品です。この仕組み預金では、預入期間を1年、3年と金融機関が延長することができるため、お金が拘束され、資金の流動性が低いといえるでしょう。
定期預金が満期を迎えたことを忘れていた場合どうなる?
ここからは、実際に定期預金を始めたあとに迎える満期について解説していきます。
満期を迎える前に通知してもらえる
まずインターネット銀行では、定期預金が満期を迎える前に、メールでお知らせを入れてくれます。また大手都市銀行などでは、満期日のご案内を郵送で知らせてくれるサービスを行っているところもあります。
特に数年スパンの定期預金になると、満期を忘れがちになります。このようなサービスを行ってくれる金融機関で定期預金を始めると、満期を思い出させてくれるため大変便利かと思われます。ただし、郵送での満期通知サービスをなくす銀行もありますので、定期預金を申し込む際にはどのような通知サービスを行ってくれるか確認してみてください。
時効により払い戻しが受けられない!?
自動継続などにより定期預金の期間が長年に及ぶと、それなりの金利もついているので、ついつい何もせず放っておいてしまうこともあるかと思います。そこで少し気をつけなければいけないことが、定期預金口座の時効です。
まず、10年間取引がない口座は時効、いわゆる休眠口座扱いとなります。そして口座が時効となると、預金者は預金に対する権利を失うことになります。そこで定期預金を10年間そのまま放置しておくと、預金に対する権利を失い、銀行は支払い義務がなくなりますので注意しましょう。
ただし、実際には時効を迎えても、銀行から返金してもらえるケースがほとんどですので安心してください。
定期預金が満期を迎えた後の取り扱い方法
ここからは、定期預金が満期を迎えた後の取り扱い方法をご紹介します。一般的に、定期預金を申し込む際に満期後の取り扱いを決めます。
自動継続
まずは自動継続ですが、こちらは元利金継続型と元金継続型の2つに分かれます。ご自身で定期預金の解約を申し出ない限り、満期を迎えたらそのまま継続されることになります。そして、満期時点の店頭金利によって、定期預金が継続されます。
元利金継続型
自動継続のうち元利金継続型は、元金と利息の両方を、預入時の期間と同期間定期預金として継続します。この場合、利息にも新たに利息がつく、いわゆる「複利」効果が働くため、効率的にお金を増やしていくことができます。
今は超低金利ですので、元利金継続型による複利効果を活かし、元本保証でありながら、少しでも効率的にお金を増やしていくことは賢明な投資といえるでしょう。
元金継続型
次に元金継続型は、元金だけ預入時と同期間で定期預金を継続していきます。利息については普通預金口座に入金されていきます。
自動解約
そして自動解約は、定期預金の満期を迎えたら、元金と利息の両方を普通預金口座に入金されます。自動継続にしておけば、知らず知らずのうちにお金が着々と増えている可能性があります。そのため、当分使い道がない余裕資金であれば、自動継続を選択するのが良いでしょう。
一方で、新たに定期預金がスタートするため、基本的にさらに何年間かお金が拘束され自由が利かなくなります。もともと定期預金は余裕資金で行うわけですが、ある程度の資金の流動性を高めたい場合は自動解約とするのがよいでしょう。またさきほどお伝えしましたが、自動解約にしておけば、休眠口座となるリスクも減るかと思います。
なお一度自動解約して、次の運用先を検討している間は、例えば先ほどご紹介したような2週間定期預金にとりあえずお金を預けておけば、わずかな期間でも利子を受け取れることになります。
満期後の定期預金を自動継続としていた場合途中でも変更できる?
ここからは、満期後の定期預金を自動継続としていた場合の変更方法をお伝えします。
満期日前なら自動継続から自動解約に変更できる
まず満期日前であれば、自動継続から自動解約へ変更することは可能です。なお、インターネットバンキングを利用している場合、ネットで簡単に変更手続きを行える銀行もあります。
自動継続の場合は更新のタイミングの金利が適用される
そして自動継続を選択した場合、継続日の店頭表示金利が満期日まで適用されます。
満期を迎えた定期預金の引き出しに必要な手続きについて
ここからは満期を迎えた定期預金の引き出しに必要な手続きについてお伝えします。
定期預金の引き出し手続きに必要な書類
まず定期預金の引き出し手続きに必要な書類として、通帳や届出印、運転免許証などの本人確認書類が挙げられます。そのほか、払い戻し請求書など金融機関によって必要となる書類が異なってきますので、事前に金融機関に確認しましょう。
また現在は多くの金融機関でインターネットやATMで定期預金の解約予約ができますので、こちらも併せて確認してください。
満期日が土日など休日の場合はいつ手続きを行う?
そして満期日が土日などの休日の場合、翌営業日が満期日の扱いとすることが多いようです。満期日より前の営業日に引き出し手続きを行ってしまうと、中途解約となり、本来よりも低い金利が適用されてしまうことにもなりますので注意してください。
さきほどお伝えしました満期日の通知メールなどが届いた際は、満期日を確認のうえ、自動継続するにしても解約するにしても計画的に準備を行いましょう。
本人以外が定期預金を引き出せる?
原則として、定期預金を引き出す際は本人が手続きを行う必要があります。ただし本人が病気などで銀行に行って手続きを行えず、本人以外が定期預金の引き出しを行う場合、委任状が必要となることが多いようです。委任状には預金者本人の氏名住所や届出印による押印、委任内容、代理人の氏名住所などが必要です。
また、本人に対して電話確認などを行う場合もあります。さらに本人と代理人との関係を示す証明書を別途提示する必要が出てくる可能性もあります。最近は銀行による本人確認が厳しくなってきているため、本人以外が定期預金を引き出そうとする場合は、銀行に必要な手続きを確認するようにしましょう。
満期を迎えた定期預金の取り扱い手続きについてのまとめ
最後となりますが、今回は定期預金の基礎から、満期を迎えた定期預金の解約や継続の手続きについて解説してきました。定期預金の仕組みや満期を迎えた後の取り扱い方法などをしっかり理解したうえで、お金を効率的に増やしていきましょう。また、お金を増やしたい思いはあるものの、ハイリスク商品は避けたい方は、元本保証の定期預金をぜひ活用してください。