クレジットカードはそれぞれにメリットがあり、特徴を活かすために複数のカードを所有する人も多いです。

しかし、むやみにカードを契約すると年会費がかかってしまったり、管理が大変になったりとデメリットもあるため、複数のカードの契約には注意が必要です。

この記事では、クレジットカードを複数枚持つことによるメリット・デメリット、使い分けるコツなどを紹介します。

具体的な2枚のカードの組み合わせ例も解説していますので、どのクレジットカードを作ろうか悩んでいる方は参考にしてください。

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クレジットカードは何枚まで作れるのか

クレジットカードは何枚まで作れるのか

最初にクレジットカードの保有制限について解説します。

クレジットカードを作成するためにはクレジットカード会社の審査を通る必要がありますが、その際の注意点もまとめます。

審査に通れば何枚でも作れる

クレジットカードの保有数に制限はありません。

そのためクレジットカード会社の審査さえ通れば何枚でも持てます。

たくさん持ちたい場合は多くのクレジットカード会社に審査を申し込んでください。

注意点として、短期間に複数申し込みをすると「申し込みブラック」という状態になり、クレジットカードの審査がほとんど通らないことがあります

短期間、1ヶ月〜3ヶ月の間に3社以上の申し込みをすると「申し込みブラック」になると言われています。

「申し込みブラック」の期間は6ヶ月〜1年間と言われています。

クレジットカード会社の審査に通ればクレジットカードを何枚も所有することはできますが、短期間で複数の申し込みをする際にはお気をつけください。

クレジットカードの平均所持枚数は1人あたり2.8枚

「一般社団法人日本クレジット協会」の2020年3月末の調査によると、クレジットカードの発行枚数は2億9,296万枚とあります。

これは成人1人あたり2.8枚所有しているという調査結果です

クレジットカード利用者の多くは複数持ちであることがわかります。

参考:一般社団法人日本クレジット協会 「クレジットカード発行枚数調査結果の公表について」

基本的には2〜3枚あれば十分

1枚しか持っていない場合は、管理が楽というメリットはありますが、その1枚に何かあった際にクレジットカードが使用できなくなるというデメリットがあります。

クレジットカードを複数持つことによって、1枚のカードが磁気やICチップの乱れによる故障、盗難や紛失で使えなくなった場合でも他のカードで代用が可能です。

意味もなくクレジットカードをたくさん持っても管理の手間がかかる、年会費のコストがかかるなどのデメリットがあるので、2〜3枚程度クレジットカードを持っていれば十分だと考えます。

クレジットカードを何枚も持つメリット

クレジットカードを何枚も持つメリット

クレジットカードは1枚だけを保有するよりも、何枚か保有している方がメリットを受けられることがあります。

複数のクレジットカードを利用するメリットとしては、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 多くの店舗で支払いに対応できる
  • 複数のサービスや特典を利用できる
  • 海外旅行保険の補償額を合算できる
  • カードが破損・劣化した場合に代用できる

それぞれ確認していきましょう。

多くの店舗で支払いに対応できる

店舗によって利用できるクレジットカードのブランドは異なります。

そのため、複数ブランドのクレジットカードを持っていると、より多くの店舗での支払いに対応することができます。

例えば日本ではJCBに対応している店舗は多いですが、海外ならVISAやMasterCardの方が対応している店舗数が多い傾向にあります。

メインカードをJCB、サブカードにVISAを持っておくと、国内外ほとんどのお店でクレジットカードを使用できるでしょう

複数ブランドのクレジットカードを持つことにより、店舗でカード決済ができない状態を回避できる点がカードを何枚も保有するメリットです。

複数のサービスや特典を利用できる

クレジットカードには、カード毎に豊富な特典が付帯しています。

例えば以下のようなものがあります。

  • 提携している店舗でポイント還元率が高くなるカード
  • 高級ホテルにお得に宿泊できるカード
  • 航空マイルが貯まりやすいカード

ご自身のニーズに合わせたカードを選択可能です。

しかし、1枚のカードが欲しい特典すべてに対応していることは稀でしょう。

複数のカードを所有することで様々な特典を受けられることも、クレジットカードを複数枚保有する魅力のひとつです。

海外旅行保険の補償額を合算できる

クレジットカードには、海外旅行に行った際の保険が付帯しているものが多くあります。

旅行保険の補償額は複数枚で合算できるため、もしもに備えて何枚か保有しておくというのも有効です。

カードの旅行保険適用には「利用付帯」と「自動付帯」があります。

保有しているクレジットカードがどちらに対応しているのか、事前に確認しておきましょう。

利用付帯とは

利用付帯とは、クレジットカードを利用して決済した場合にのみ適用される保険です。

例えば、海外旅行にいく際の飛行機代やツアー料金などをカード決済した場合は、旅行保険が適用されます。

もし保有しているカードが「利用付帯」であった場合は、カードを持っているだけでは保険適用の対象とならないことに注意しましょう。

自動付帯とは

自動付帯とは、クレジットカードを保有しているだけで自動的に付帯される保険のことです。

海外旅行の代金を現金やほかのカードで決済した場合でも、保険が適用されます。

何かあったとき、持っているだけで保険が適用されるため、まさに保険として自動付帯のカードを持っている方も多いです。

カードが破損・劣化した場合に代用できる

クレジットカードは長期間利用していると傷や汚れによって劣化し、磁気やICチップの不良によって利用できなくなることがあります。

仮に1枚のカードが利用できなくても、複数枚のクレジットカードを持っていれば他のカードで代用できます。

特に海外でカードトラブルが発生するとすぐに対応できないケースが多いため、複数枚のクレジットカードを持っておくと良いでしょう。

クレジットカードを何枚も持つデメリット

クレジットカードを何枚も持つデメリット

カードを複数持つことによるメリットが多くある一方で、以下のようなデメリットも存在します。

  • カードの管理に手間がかかる
  • ポイントが分散してしまう
  • 盗難・紛失のリスクが増える
  • 年会費のコストがかかる

複数保有して失敗しないためにも、事前にデメリットを確認しておきましょう。

カードの管理に手間がかかる

何枚もクレジットカードを保有していると、管理する手間が発生します。

利用金額や暗証番号、保有しているポイントなどの管理に手間がかかる点はデメリットです。

もし住所を変更した場合には、すべてのカードで手続きをする必要があります。

複数枚のクレジットカードを利用する際は、自身が問題なく管理できる枚数に留めましょう。

盗難・紛失などのリスクが増える

クレジットカードを多く持てば持つほど、管理の手間がかかり全てのカードを把握することが困難になります。

普段使っていないクレジットカードの場合、盗難・紛失が起きても実際に被害が出るまで気がつかない、なんてことも考えられます。

クレジットカードの盗難・紛失が起きた場合には、カード会社への連絡、警察署に紛失・盗難の届出を出す、再発行手続きをする、などが必要です。

盗難・紛失にすぐに気がつけばいいですが、カード会社ごとに設定されている補償期間を過ぎると不正利用された金額が戻ってこない可能性があります。

クレジットカードの盗難・紛失が起こると大変なので、ご自身で管理できる範囲内でクレジットカードを所有することをおすすめします。

ポイント獲得が分散してしまう

クレジットカードを利用すると、決済金額に応じてポイント還元されるものがほとんどです。

カードを使い分けることでポイントが分散してしまう点が、複数のカードを持つデメリットといえます。

例えばひとつのカードだけを利用していたらポイント加算が集中するため、効率的にポイントを貯めることができます。

しかし、用途ごとにクレジットカードを分けて利用するととポイントが貯まるまでに時間がかかります。

効率的にポイントを貯めたい方にとっては、複数枚のカード保有でポイントが貯まりにくい点に注意が必要です。

盗難・紛失リスクが増える

複数のクレジットカードを持つと、盗難や紛失のリスクが高まってしまいます。

例えば、複数のカードを財布にまとめて収納している場合は、財布が盗まれたり失くした際にすべてのカードが使えなくなります。

普段はあまり使わないカードを自宅に保管している場合は、長期間使用していないことで紛失してしまう恐れもあります。

また、利用明細の確認を怠っていると不正利用に気付くことが遅れてしまいます。

カード管理をより意識する必要がある点は覚えておきましょう。

年会費のコストがかかる

クレジットカードの中には、豪華な特典を利用できる代わりに年会費がかかるカードがあります。

年会費がかかるカードを複数持っていると、その分コストがかかってしまいます。

あまり利用していないのに年会費がかかっているカードを持っている場合もあるので、定期的にコストに見合った特典を受けられているかを見直しましょう。

クレジットカードは何枚持ちが理想?

クレジットカードは何枚持ちが理想?

2枚持ちが最強

ここまでご紹介してきた通り、クレジットカードを複数保有することにはメリットとデメリットの両方が存在します。

バランス良く恩恵を受けるためには、2枚持ちが適している場合が多いでしょう。

メインカードとサブカードで特徴が違うものを選び、デメリットを打ち消しあえる組み合わせを選ぶことをおすすめします。

2枚持ちの例:楽天カード + 三井住友カードナンバーレス(NL)

例えば、普段使いは楽天カード、コンビニでの決済は三井住友カードナンバーレス(NL)で使い分けることがおすすめです。

楽天カードは、ポイント還元率1%に加えて年会費無料で利用できます。

楽天グループのサービスと組み合わせて使うと楽天市場でよりお得にポイントが貯まっていくため、楽天市場をよく利用する方には特におすすめです。

三井住友カードNLは、セブンイレブンやローソン、ファミリーマート、マクドナルドでのポイント還元率が最大5%還元となります。

普段の買い物や楽天グループでのショッピングは楽天カード、コンビニでの買い物は三井住友カードNLを使い分けると、効率的にポイントを貯まることができます。

2枚持ちの例:JCBカードW+ビックカメラSuicaカード

JCBカードWとビックカメラSuicaカードの組み合わせもおすすめです。

JCBカードWは18〜39歳の方限定で加入でき、通常のJCBカードと比べてポイント還元率が2倍のクレジットカードとなっています。

特にAmazonやスターバックスでの利用で恩恵が大きいです。

普段の利用でお得にポイントが貯まっていくため、メインカードとしておすすめできます。

ビックカメラSuicaカードは、Suica機能が搭載されているのが特徴のカードです。

自動改札機にタッチするだけで入金ができる「オートチャージ機能」は、JRE POINTが通常の3倍である1.5%も貯まります。

普段の買い物はJCBカードWでポイントを貯めつつ、電車やバス、スマホを使ったSuica払いにはビックカメラSuicaカードでチャージすることで、ポイントを効率的に貯めていくことができます。

効率的にポイントを貯めるためにも、よく利用するサービスに強みを持つカードを複数選んで契約しましょう。

使わなくなったカードは解約する

メインやサブで利用するカードが決まるまでは、さまざまなカードを発行することも多いでしょう。

最終的に「このカードを使う」と決めたら、使わないカードは解約しましょう。

年会費がかからないカードであっても、盗難・紛失により不正利用をされてしまう危険性があります。

思いも寄らないトラブルに巻き込まれるリスクを避けるためにも、利用しないカードは速やかに解約することが大切です。

クレジットカードを複数枚使い分けるコツ

クレジットカードを複数枚使い分けるコツ

国際ブランドをメインカードとサブカードで分ける

クレジットカードを複数枚利用するときは、異なる国際ブランドのカードを契約することをおすすめします。

店舗によって利用できる国際ブランドが異なるため、複数ブランドのカードを持っておくと支払いできる店舗が増えるためです。

例えば楽天カードをJCBにして、三井住友カードNLをVISAにすると、国内外ほとんどの店舗で利用できるでしょう。

複数枚使い分ける際には、クレジットカードの国際ブランドにも注目しましょう。

付帯サービスや特典、ポイント還元率で選ぶ

クレジットカードを契約する際には、付帯しているサービスや特典、ポイント還元率の高さで選ぶことをおすすめします。

例えば、普段楽天グループのサービスをよく利用する人は楽天カード、コンビニで買い物をすることが多い人はコンビニでの還元率が高い三井住友カードNLがおすすめです。

通勤にJRの電車を利用している人は、便利なオートチャージ機能でポイントもお得に貯まるビックカメラSuicaカードを選ぶと良いでしょう。

このように単純にお得かどうかではなく、よく利用するサービスで特典が受けられるかどうかを重視することをおすすめします。

特典重視ならプロパーカードより提携カード

クレジットカードには年会費が必要なものと年会費無料のものがあります。

クレジットカードには「プロパーカード」と「提携カード」の2種類があります。

プロパーカードは、「JCB」や「アメリカン・エキスプレス」などの国際ブランドが直接発行しているカードです。

提携カードは、国際ブランド以外の企業が提携しているクレジットカードで、イオンカードやANAカードなどが該当します。

プロパーカードはステータスが高いという特徴はあるものの、ポイント還元率や特典は提携カードに劣ることが多いです。

用途に適したカードを発行すれば通常よりもお得なカード利用ができるため、ポイントや特典を重視するなら提携カードを選びましょう。

サブカードは年会費無料のカードを選ぶ

メイン・サブ両方のカードを年会費がかかるものにしてしまうと、維持コストが大きくなってしまいます。

年会費を支払っても元を取れるのであれば問題ありませんが、できるだけ年会費の負担を抑えることが大切です。

基本的に年会費がかかるクレジットカードはメインカードだけにしておき、サブカードは年会費無料のカードにすることをおすすめします。

まとめ:クレジットカードを複数枚所持して特典を活用しよう

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クレジットカードは、複数枚持つことで「多くの店舗で支払いができる」「複数の特典を利用できる」というメリットがあります。

一方で「カード管理に手間がかかる」「盗難・紛失のリスクが高まる」というデメリットも存在します。

これらのメリット・デメリットを踏まえると、クレジットカードは2枚持ちがバランス良くおすすめです。

国際ブランドの使い分けや付帯しているサービスを理解し、自身に適したクレジットカードを選びましょう。

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