クレジットカードの支払いを滞納したらどうなる?適切な対処法を紹介
クレジットカードを利用するうえで気になるのが、「支払いを滞納するとどうなるのか」という点です。
自分の信用力に基づいてお金を前借りしているような状態であるため、適切な返済が行われないと法的手続きやブラックリストへの掲載といった事態に発展してしまう恐れがあります。
「1週間や1ヶ月くらいなら滞納しても平気」だと考えている場合は、小さな油断が致命傷になりかねないため特に注意が必要です。
この記事では、クレジットカードを滞納した場合のリスクや対処法について詳しく解説します。
正しい使い方を知ったうえでクレジットカードを有効に活用しましょう。
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この記事の目次
クレジットカードの支払いを滞納するとどうなるのか
クレジットカードの支払いを滞納した場合、主に以下のような問題が発生しやすくなります。
- クレジットカードが利用できなくなる
- 翌日から「遅延損害金」が発生する
- 滞納が長引くと信用情報機関に登録される
上記3つのポイントについて詳しく解説します。
クレジットカードが利用できなくなる
クレジットカードの支払いが滞納した場合、基本的に引き落とし日の翌日からカードの利用が停止されます。
公共料金や家賃、電話料金などをクレジットカードで支払っている場合、利用停止期間中に引き落とし日が来るとこちらも滞納扱いになる可能性があるため注意が必要です。
クレジットカードの支払いを滞納すると実行される手続き
クレジットカードの支払いを滞納した場合、クレジットカード会社からどのような処理がされるのか解説します。
滞納期間 | クレジットカード会社が行う処理 |
1日 | 引き落とし日の翌日からカードの利用が停止される |
1~5日 | 指定口座から自動的に再引き落としが実行される |
1週間~1ヶ月 | 電話や支払通知書による督促が行われる |
2ヶ月~ | 利用契約が強制解除され、ブラックリストに掲載される |
3ヶ月~ | 過去に滞納した残高と遅延損害金が一括請求と催告書が送られる 弁護士や債権回収業者へと督促業務が代行される |
滞納期間が1週間以上に及ぶとクレジットカード会社から督促状が届きますが、通知を無視し続けると、その途中で書類が最終督促状に切り替わります。
最終督促状は配達員からの手渡しが必要な「内容証明郵便」で送られてくることがほとんどです。
内容証明郵便は文書の内容や差出人、宛て先、郵送した事実などを公的に証明する郵便サービスであるため、クレジットカード会社が最終督促状を送るのは、「このまま返済が滞るようだと裁判も辞さず、そのための公的証明を取得する」と強い意志を示していることを意味します。
滞納期間が長引くほど法的トラブルに発展する可能性が高まるため、クレジットカードの支払いを滞納しないよう資金管理には十分注意する必要があります。
翌日から「遅延損害金」が発生する
クレジットカードの支払い日に指定口座から引き落としができなかった場合、その翌日から1日ごとに「遅延損害金」が発生します。
遅延損害金は、入金が遅れた月の支払い金額に対してクレジットカード会社所定の利率(遅延損害率)で計算される賠償金です。
遅延損害率は、クレジットカード会社の会員規約に記載されています。
例えば三井住友カードで20万円の支払いを1週間・1ヶ月・3ヶ月滞納した場合、以下のように遅延損害金が発生します。
滞納期間 | 遅延損害金 |
1週間 | 560円 |
1ヶ月 | 2,400円 |
3ヶ月 | 7,200円 |
損害遅延金は、期日までに支払っていれば発生することのない費用であるため、滞納しないように気をつけましょう。
参考:三井住友カード「三井住友カード会員規約(個人会員用)」
1週間滞納した場合
三井住友カードで利用金額20万円を1週間滞納した場合、遅延損害金額は以下のようになります。
- 利用金額20万円 × 遅延損害率14.6% × 滞納日数7日 ÷ 365 = 遅延損害金560円
1ヶ月滞納した場合
三井住友カードで利用金額20万円を1ヶ月滞納した場合、遅延損害金額は以下のようになります。
- 利用金額20万円 × 遅延損害率14.6% × 滞納日数30日 ÷ 365 = 遅延損害金2,400円
3ヶ月滞納した場合
三井住友カードで利用金額20万円を3ヶ月滞納した場合、遅延損害金額は以下のようになります。
- 利用金額20万円 × 遅延損害率14.6% × 滞納日数90日 ÷ 365 = 遅延損害金7,200円
滞納が長引くと信用情報機関に登録される
クレジットカード会社の多くは「CIC(CREDIT INFORMATION CENTER)」や「JICC(日本信用情報機関)」といった信用情報機関に加盟しており、入会審査の際に個人のローン・公共料金等の支払い情報や滞納履歴などを参照します。
クレジットカードの支払いを61日以上または3ヶ月以上支払が延滞した場合、この信用情報機関の内部データに「カード料金を滞納した」という異動情報が残ります。
これがいわゆる「ブラックリストに載る」という状態です。
クレヒスとは?確認方法や育て方、傷がつく原因と対策を紹介
クレジットカードを滞納した際のリスクとデメリット
クレジットカードの支払いを滞納した際に起こり得るリスクについて解説します。
今後のローン契約やカード発行に影響が出る
クレジットカードの滞納が長引くと、信用情報機関に異動情報が登録されます。
信用情報機関に登録された異動情報は、同じく信用情報機関の情報を参照して審査を行う別のクレジットカード会社や金融機関と共有されます。
信用情報に滞納の記録が残ってしまうと「返済能力に欠ける人」だと判断されるため、新しいクレジットカード発行や住宅ローンなどの審査に通過しづらくなります。
登録された異動情報は、信用情報機関にかかわらず延滞解消から約5年間保存されるといわれています。
つまり5年もの間、クレジットカードや住宅ローンなどの新規契約に影響が出る可能性があるため注意が必要です。
強制解約される可能性がある
長期間の滞納が続いた場合、クレジットカードを強制解約される可能性があります。
一般的に強制解約が実行されるのは、延滞が発生してから2ヶ月後が目安です。
クレジットカード会社によっては強制解約にまで至らないケースもありますが、その場合でも利用限度額が大幅に引き下げられることも珍しくありません。
財産差し押さえの可能性がある
クレジットカードの滞納が3ヶ月以上に及ぶと、クレジットカード会社は督促業務を弁護士や債権回収業者に依頼します。
その後はクレジットカード会社と同じように督促状が発行され、それでも支払いが行われないようなら最終通告となる最終督促状が送られてきます。
最終督促状が送付される場合は、裁判になる一歩手前の段階です。
この状態でも料金が支払われないようなら裁判が行われ、強制執行の判決が出ると給与や銀行口座残高、自家用車など資産価値の高いものから優先して財産が没収される可能性があります。
給与の場合は手取り額の4分の1までと定められていますが、銀行口座は制限なく全額差し押さえられてしまう可能性があるため、財産差し押さえの事態になる前に対応しましょう。
クレジットカードを滞納した場合の対処法
クレジットカードを滞納した場合に絶対に避けなければいけないのは、催促を無視して延滞を長引かせることです。
クレジットカード会社からの電話や通知を無視していると相手からの心証が悪くなり、延滞金を完済した後でも利用継続を断られる可能性があります。
このような事態を避けるためにも、クレジットカードを滞納したときの対処法をよく理解しておきましょう。
クレジットカード会社に連絡・相談する
クレジットカードの支払いを滞納してしまった場合は、速やかにクレジットカード会社へ連絡することが大切です。
クレジットカード会社に連絡すると延滞金の支払期日や決済方法を教えてもらえるため、期限に間に合うように入金しましょう。
万が一手元に支払えるお金がない場合でも、必ず担当者にその旨を伝える必要があります。
引き落とし日から数日程度の滞納であれば、返済の目途や支払方法の変更について親身になって相談に乗ってくれるケースも珍しくありません。
支払方法を分割払いやリボ払いに変更することで返済を数回に分けることもできますが、所定の金利による利息が発生する点には注意が必要です。
対応できないときは専門家に相談する
どうしても期日までに返済ができない場合は、専門家に相談して債務整理を検討しましょう。
例えば弁護士にクレジットカードの滞納状況を相談すると、現在の収入状況から現実的な返済計画を立ててもらえます。
その後弁護士とクレジットカード会社の交渉に移りますが、この間は一時的に返済を保留状態にすることもできるようです。
クレジットカードの支払いを滞納しないために
クレジットカードの支払いを滞納しないためには、クレジットカード会社が提供しているサービスを活用してクレジットカードの利用状況や銀行口座の残高を把握しておくことが大切です。
通知サービスで使いすぎを防ぐ
クレジットカード各社は、利用者の使いすぎを防ぐために以下のような通知サービスを提供しています。
クレジットカード会社 | 通知サービス | サービス内容 |
楽天カード | カード利用お知らせメール | 金額指定はできないが、カード利用後最短2日後に利用内容を通知してくれる |
三井住友カード | 使いすぎ防止サービス | 利用内容のメール通知、アプリのプッシュ通知、LINE通知が選べるほか、通知を受け取る金額まで指定できる |
JCBカード | My安心設定 | カード利用額やカード利用内容の通知、または利用制限を設定できる |
エポスカード | お支払予定額通知サービス | 支払予定額が設定した金額を超えた翌日に「大切なご連絡メール」で通知される |
アメリカンエクスプレス | 次回口座振替のお知らせメール | 金額指定はできないが、登録したメールアドレスに毎週利用金額通知が来る |
例えば、締め日までにまだ15日ある段階ですでに10万円分のカード利用があることを通知によって知ることができれば、「残り15日間はできるだけカードの利用は控えよう」と使いすぎを防げます。
通知は、利用金額だけではなく代金の内訳を確認できる場合もあるため、不正利用の早期発見にも役立ちます。
引き落としの数日前にスケジュールを入れておく
クレジットカードの引き落とし日は基本的に毎月同じタイミング(土日祝日にあたる場合は翌営業日)であるため、あらかじめ利用料金や現在の残高を確認するスケジュールを設定しておくと便利です。
例えば、引き落とし日の2~3営業日ほど前を基準に、「利用料金と現在の段高チェック」とカレンダーやスケジュール帳に記載しておく方法が挙げられます。
またスマートフォンのリマインダーに確認日を設定しておくのも良いでしょう。
この段階で支払いが難しいようであれば、決済後に支払方法を変更できる「あとから分割」や「リボ変更」を活用しましょう。
まとめ:クレジットカードの支払いを滞納しないように気を付けよう
クレジットカードは便利な反面、支払いを滞納してしまうとカードの利用停止や法的トラブル、信用の失墜といったさまざまなリスクを引き起こします。
こうした事態を避けるためにも、すでに滞納がある場合は速やかに支払うか、クレジットカード会社に相談するようにしましょう。
また、普段から利用料金通知サービスや引き落としスケジュールの設定を行い、クレジットカードの支払いを滞納をしない仕組みを整えておくことも大切です。
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