長期投資のメリット・デメリット!おすすめの投資方法を解説
「長期投資」とは、株や投資信託などの金融商品を数年〜数十年の単位で長期的に保有して利益を狙っていく投資手法のことを指します。
「人生100年時代」と言われる現代においては、時間を味方につけて着実に資産形成をしていくことが重要です。
この記事では、長期投資の特徴やメリット・デメリット、おすすめの投資手法を解説します。
長期投資の特徴や投資手法への理解を深め、自身の運用にも取り入れてみましょう。
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この記事の目次
長期投資とは
長期的に金融商品を保有し続ける投資手法のこと
「長期投資」とは、株や投資信託などの金融商品を長期的に保有し続ける投資手法のことです。
長い期間の資産運用で利益を上げる方法で、時間を分散することで価格変動リスクを抑え、安定した運用を目指します。
長期投資の明確な期間の定義はありませんが、3年〜5年以上の運用が長期投資とされるのが一般的です。
一方で、「個人向け10年国債」という商品があることから、10年以上の運用を長期投資とする考え方もあります。
短期投資との違いは目的や期間
短期投資と長期投資では、主に以下の点に違いがあります。
長期投資 | 短期投資 | |
投資の目的 | 投資先が将来成長することを 予想して値上がり益を狙う | 短期間の取引で利益を狙う |
投資期間 | 数年〜10年以上 | 数分〜数日 長くても数ヶ月程 |
短期投資の特徴
短期投資は、短期的な需給バランスを判断して取引を繰り返すことで利益を積み上げていく手法です。
「デイトレード」という手法で1日の間に売買を繰り返すケースや、数日〜数週間で取引するスイングトレードなどの手法がありますが、長くても数ヶ月以内に取引が完了することが多いです。
【2024】スイングトレードの銘柄の探し方や成功のコツを紹介!初心者も必見
長期投資の特徴
長期投資は、短期間の値動きはあまり気にせず、長期的な成長に期待して資金を投じます。
短くても3年、長ければ数十年という単位で投資先の成長と金融商品の値上がりをじっくりと待つ投資手法です。
「株式は長い目で見れば右肩に上がっていく」というこれまでの特性を活かし、未来で利益を狙います。
このように、短期投資と長期投資では目的や期間が異なっています。
どちらが正しいということはなく向き・不向きもありますので、それぞれの特徴を理解し、自身に適した投資手法を取り入れましょう。
長期投資のメリット
複利効果を見込める
長期投資の大きなメリットとして「複利効果を見込める」という点が挙げられます。
「複利」とは、運用で得た利益を投資元本に加えて次の投資に回すことを指します。
例えば、年間5%の利回りで100万円を投資した場合を考えてみましょう。
1年間投資をすると「100万円 × 5% = 50,000円」の利益が得られます。
50,000円の利益を投資元本に加えると105万円となるため、翌年の利益は「105万円 × 5% = 52,500円」の利益となり、元本に加えると「1,102,500円」となります。
このように、運用で発生した利益を元本に加えることで、雪だるま式に元本が増えていくのが複利です。
複利は時間をかけるほど効果を発揮するため、10年・20年の長期投資でじっくりと資産を増やしていきましょう。
複利の効果を簡単に解説!単利との違いや投資信託で効果を得る方法
短期投資に比べて低コスト
投資には売買手数料や信託報酬手数料など、さまざまなコストがかかってきます。
コストを抑えて運用する方が得られる利益が大きくなるため、できるだけ低コストの運用を心掛けることが重要です。
長期投資は短期投資と比べて売買回数が少ないため、運用期間中のコストを安く抑えやすい点がメリットといえます。
ただし、金融商品を保有している期間中にかかる「運用コスト」は、保有期間が長くなるほど負担になる可能性もあります。
運用コストも考慮して、利益が得られる見込みがありそうな商品を選ぶことが重要です。
デイトレードのやり方!1日5,000円を稼ぐ銘柄選びのコツを紹介
時間や精神的な負担が少ない
短期投資の場合、銘柄の値動きをチェックしたり、チャートを分析する時間が必要です。
その上、短期的に価格が下落すると試算が目減りすることで精神的に落ち着かなく、常に銘柄の値動きが気になってしまうケースもあります。
長期投資であれば短期間での利益を狙って売買をする必要がないため、最初の購入以降で時間を取られることは基本的にありません。
長期保有を前提としているため、短期的な値動きがあまり気にならず、安定した精神状態で投資と向き合えます。
リスクをコントロールしやすい
長期的に投資を続けることで、安定したリターンが狙いやすいという特徴があります。
時間分散の効果によって価格変動リスクをコントロールしやすい点が、長期投資のメリットです。
例えば短期投資をしている期間にリーマンショックのような金融危機があると、保有している商品の価格が暴落して大きな損失を抱える可能性があります。
長期投資では、仮に暴落しても数年かけて価格が戻るのを待つため、暴落前の水準を上回るリターンを狙うことも可能です。
時間分散によってリスクを抑えた運用ができる点も、長期投資の魅力といえるでしょう。
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長期投資のデメリット
利益がすぐに発生しづらい
長期投資は短期的にリスクを取って利益を狙う手法ではないため、すぐに大きな利益が発生するわけではない点に注意が必要です。
例えば長期投資で株の取引をする場合、投資先の企業が成長することを予想して株を購入します。
しかし、企業は数週間〜数ヶ月で大きく成長するわけではなく、数年かけてじっくりと成長していくため、短期的なリターンには期待しづらいです。
長期投資は、すぐに利益が発生しづらく、投資先の長期的な成長を待つ手法であることを理解しておきましょう。
損失が大きくなり続ける可能性がある
10年後、15年後の未来を予測するのは非常に困難であり、投資先の価値が将来下がってしまう可能性も0ではありません。
個別株や不動産に投資する場合は、その価値が下がり続けたまま戻らず損失が拡大していく可能性があるため、慎重に商品を選ぶことが大切です。
長期投資の場合は数年単位で商品を保有するため、失敗したときには資金・時間の両方で大きなロスとなります。
損失をなるべく抑えるためにも、保有している金融商品の定期的なリサーチと見直しを心掛けましょう。
損切りとは?目安やタイミング、ルールやラインの決め方を紹介
短期投資と比べて投資効率が悪い
長期投資は、短期投資と比べて頻繁に売買しないため、相場状況に合わせて柔軟に利益を上げていくことができないというデメリットがあります。
例えば100万円を元手に運用する場合で考えてみましょう。
短期投資であれば利益が出たら新たな銘柄に乗り換え、また利益を狙いにいくことができます。
100万円を元手に利益を積み増していき、良いと思った銘柄に速やかに乗り換えることが可能です。
しかし、長期投資の場合は100万円を同じ銘柄で数年以上持ち続けるため、資金をずっと寝かせることになります。
短期投資のように利益を積み増しできない点が、長期投資のデメリットです。
長期投資におすすめの投資方法
長期投資におすすめの投資方法として、主に以下の5つが挙げられます。
- 株式投資
- 投資信託
- ETF(上場投資信託)
- 国債
- 不動産投資
これから長期投資をしようと考えている方は参考にしてください。
株式投資
株式投資は、将来性が期待できる企業の株式を保有し、リターンを狙う投資手法です。
「売買益(キャピタルゲイン)」「配当金(インカムゲイン)」「株主優待」3つのリターンが狙えます。
株式投資の長期運用では、売買益よりも継続的に得られる配当金や株主優待の方が利益を実感しやすい特徴があります。
株の長期保有で配当金や株主優待を受け取りつつ、株価の値上がりをじっくりと待つのがおすすめの投資スタイルです。
ただし、企業業績によって配当金の受け取れる金額が減少したり、株主優待が廃止になったりするリスクもあります。
定期的に投資先企業の動向をチェックすることが重要です。
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投資信託
投資信託は、プロに資金を預けて運用を任せる金融商品のことを指します。
投資家から集めた資金をもとにプロのファンドマネージャー(投資家)が株式や債券、不動産などに投資・運用を行い、運用の成果として生まれた利益を投資家に還元する仕組みです。
投資信託はファンドマネージャーが継続的な収益を目指して運用しているため、長期投資に適した商品です。
商品を選んだ後は自分で運用を行う必要がないため、こまめに投資情報をチェックする時間が取れない人に適しています。
ただし、プロの運用であっても損失が発生する可能性はあります。
当初購入した金額よりも投資信託の価格が下がる「元本割れ」のリスクがあることは、あらかじめ把握しておきましょう。
投資信託のメリット・デメリット!投資初心者にもわかりやすく解説
ETF(上場投資信託)
ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、「上場投資信託」とも呼ばれる金融商品のことです。
基本的な特徴は投資信託と似ていますが、「証券取引所に上場している」という点で投資信託とは異なります。
投資信託の基準価格は1日1回定められる一方で、ETFは株式と同じように取引時間中はリアルタイムで価格が変動します。
値動きを見ながら自由に売買できる点が、ETFの大きな特徴です。
また、ETFは基本的に指数に連動しているため、1つの銘柄でも分散効果に期待できるというメリットもあります。
株式のETFだけでなく、債券ETFやREIT(不動産投資信託)などを組み合わせて、リスク分散するのがおすすめです。
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国債
国債とは、国が資金調達のために発行する債券のことです。
保有期間中に利子を受け取ることができ、満期を迎えたら額面金額が償還されます。
個人が取引できる債券のことを「個人向け国債」と呼び、最低金利が年率0.05%と定められています。
メガバンクの普通預金金利が0.001%であることを考えると、比較的高い利回りで運用することができます。
国が元本の返済を保証しているため、国が破綻しない限り投資資金が返ってくるというリスクの少なさも魅力です。
企業倒産や元本割れするリスクを避け、比較的安全性の高い運用をしたい方におすすめの商品といえます。
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不動産投資
不動産投資は、マンションやアパート、一軒家などの物件を購入し、貸し出したり売却したりすることで、利益を狙う投資手法です。
株や投資信託とは違って実物資産であるため、金融危機が起きても価値が下落しにくく物価変動に強いという特徴があります。
不動産投資では物件の値上がりによる売却益だけでなく、毎月の家賃収入を得ることができます。
仮に不動産投資で赤字が出ても、所得税・住民税の節税効果を得ることができる点はメリットでしょう。
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長期投資のやり方とポイント
投資の期間を決める
長期投資をする際には、まず初めに運用の期間を決めましょう。
投資する期間が分かると、どの程度のリターンを狙えば良いのか見えるため計画的に運用ができるようになります。
老後の資金や教育費、住宅購入の頭金など、運用の目的や資金が必要になる時期はそれぞれ異なります。
具体的な運用の目標から期間を決め、どれくらいの年数を運用していくのか考えていきましょう。
投資先を慎重に選ぶ
運用の期間が定まったら、次は投資先を慎重に選びましょう。
投資先に関するリサーチをし、将来性・成長性が期待できるかどうかを判断することが重要です。
長期投資では、中長期の目線で継続的な利益を得られる投資先を選ぶ必要があります。
事業の安定性や成長性をしっかりと見極め、長期的なリターンが期待できる投資先を選びましょう。
リスク分散をする
長期投資をする際は、一つの投資先に全ての資金を投じるのではなくさまざまな金融商品に分散投資してリスク分散することがおすすめされています。
まずは「60歳までに2,000万円の資産を準備する」「子供の高校・大学受験に必要な費用を準備する」といった目標、年齢、収入の安定性などを踏まえ、自分にあったリスクとリターンのバランスを考えましょう。
リスクとリターンについて目処がついたら、時間や地域、金融商品の分散をしながら運用を始めましょう。
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余剰資金で行う
長期投資を行う際は、余剰資金で行うことを心がけましょう。長期投資は一度投資した資金を長く運用することが目的です。
しかし、余剰資金以上のお金で投資を行ってしまうと、有事の際に現金が手元になく運用途中で売却する必要が出てきます。
まずは何かあった際に備えるためのお金「生活防衛資金」を貯め、その後投資に回す資金を工面しましょう。
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まとめ:「時間」を味方につけて計画的に資産形成をしましょう
長期投資は、長い期間にわたって金融商品を保有し続けることでリターンを狙う投資手法です。
複利効果で雪だるま式の資産増加が期待できるのに加え、時間分散効果でリスクを抑えられたり、短期的な価格変動による精神的な負担が少ないメリットがあります。
利益を得るまでには長い時間がかかりますが、短期投資よりもリスクを抑えた運用ができますので、投資初心者の方ほどおすすめの投資手法です。
運用期間を決めてリスク分散をしながら、「時間」を味方につけた資産形成を着実に進めていきましょう。
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記事監修者
マネカツ編集部
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