アセットアロケーション、という言葉を聞いたことはありませんか。アセットアロケーションは投資や資産運用の世界でよく使われる言葉です。アセットアロケーションを理解することで、リスクとリターンを意識した運用が可能になります。

この記事では、アセットアロケーションについてポートフォリオとの違いや資産クラスの種類・特徴などの解説をはじめ、アセットアロケーションの決め方も解説します。資産運用をしている方、始めようと考えている方は参考にしてください。

アセットアロケーションとは

アセットアロケーションとは

アセットアロケーションとは「アセット(asset)=資産」と「アロケーション(allocation)=配分」を合わせた言葉です。

ここでは、アセットアロケーションが実際にどのようなものか、またアセットアロケーションの重要性について解説します。

運用資産の割合を決めること

資産運用をする際には、運用する資金を国内外の株式や債券などから、目標・資産状況・リスク許容度などに合わせて配分します。その際、運用資産の割合を決めることを「アセットアロケーション」といいます。

毎年5%くらいの利回りで運用したい、60歳になるまでに2,000万円の資産が欲しいなど、資産運用の目的がある方も多いと思います。決めた目標を達成するために、目標に合わせた適切なアセットアロケーションが大切になります

資産運用の目標やリスク許容度などから、自分に合った適切なアセットアロケーションを決めましょう。

リスクとリターンのバランスが大事

アセットアロケーションを決める際に意識することは、リスクとリターンのバランスをとることです。さまざまな資産の組み合わせから、目標に到達するために背負えるリスク、各資産クラスの特徴などを考慮してアセットアロケーションを決めることが大切です

例えば、毎年3%の利回りを目指すのが運用目標とします。株式100%の運用でも毎年3%の利回りは実現可能です。一方で、株式と債券を組み合わせて運用することでも目標リターンには到達します。複数の資産を組み合わせることを意識しない場合、運用の中心である資産(このケースでは株式)が値下がりした際に資産を大きく減らすことになります。

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アセットアロケーションとポートフォリオの違い

アセットアロケーションと似たような言葉として「ポートフォリオ」というものがあります。どちらの言葉も資産をどのように運用しているかを表現する言葉として使われます。それぞれの言葉の違いは、具体的な金融商品を示すかどうかです。

アセットアロケーションは「資産クラスの配分」

アセットアロケーションは、具体的な金融商品は示しません。保有している資産クラスの配分を示します。資産クラスとは、株式や債券、不動産など投資対象となる資産の種類や分類のことです。

大まかに株式や債券、REITなどの「資産クラス」で配分を決めています。

アセットアロケーションの例

  • 株式:50%
  • 債券:30%
  • 現金:20%

上記の例ですと、すべての資産のうち株式が50%、債券30%、現金が20%で構成された「アセットアロケーション」という表現になります。株式の比率を高めることでリターンを狙いつつ、債券で手堅く資産を運用しています。株価が下落した時に買い増せるよう、現金も20%確保しています。

ポートフォリオは「金融資産の配分」

ポートフォリオは、実際に運用している金融商品の一覧のことです。

例えば、先ほどアセットアロケーションで示した株式50%は「トヨタ自動車」の株式30%、「ソフトバンク」の株式20%だったとします。アセットアロケーションで資産配分を決めた後の具体的な金融資産の一覧がポートフォリオです。

資産クラスだけでなく、金融資産の投資対象も分散させることが大事です。例えば株式のすべてがトヨタ自動車のものだとします。この場合、トヨタ自動車の株価が下落すると、全資産の50%に対して影響を受けることになります。これを下記のように分散させることで、トヨタ自動車の株価が下落しても、他の株でカバーするといったリスクヘッジが可能になります。

ポートフォリオの例

  • トヨタ自動車:25%(自動車関連)
  • ソフトバンク:25%(情報・通信)
  • 三井住友フィナンシャルグループ:25%(銀行)
  • ソニーグループ:25%(電気機器)

例えば上記のようなポートフォリオ、株式比率は50%で、その内訳は4つのジャンルに25%ずつ投資しているとします。

この状態でトヨタ自動車株が下落しても他の3銘柄に影響がないため、株式50%のうちの25%(全体の資産の12.5%)にだけ影響を受けるといった形になります。先程の例のように株式のすべてがトヨタ自動車の場合、資産の半分(50%)に影響を受けることになりますが、上記のように分散することで37.5%の資産がリスクヘッジできることになります。

ポートフォリオを組む際は1つの業界に突出せず、様々なジャンルに分散投資することが大事になります。

資産クラスの種類と特徴

アセットアロケーションで示す資産クラスには株式や債券、不動産など多くの種類があります。それぞれの種類と特徴を解説します。

株式

資産クラスとしての株式は、ハイリスク・ハイリターンのものとして扱われます。資産を大きく増やしたい方は株式をアセットアロケーションに積極的に組み込む必要があります。

国内株式と外国株式

通常、株式は国内株式と外国株式に分けて表現することが多いです。分ける理由として外国株式の場合、為替変動リスクやその国の政治・経済状況によって株価の変動が起き得るためです。国内株式には無いリスクが外国株式にはある、と覚えておいてください。

また、外国株式の中でも新興国と先進国の株式では特徴が異なるため、分けて表現することが多いです。

新興国株式

新興国株式の特徴は値動きの揺れ幅が大きいことです。大きな上昇もあれば、大きな下落もあります。国内株式や先進国の株式と比較して、値動きの揺れ幅が大きいため、アセットアロケーションの中に新興国株式と分けて表現するケースがあります。

先進国株式

先進国の経済は比較的安定しているため、新興国のような激しい値動きはあまりありません。また、先進国の中でも米国株式だけを分ける場合もあります。

先ほど紹介した投資信託の地域別の割合で、米国が半分以上を占めていたように、先進国株式の投資信託を購入する場合も米国の株式が占める割合が大きいためです。GoogleやApple、Amazonなどの成長の著しいハイテク株が米国に多くあるためと考えられます。

債券

債券は株式と比較して、ローリスク・ローリターンであることが多いです。また株式の値動きとは逆の動きをすることが多いため、リスクを減らすためにアセットアロケーションに組み込まれることが多いです。

債券には国や地方公共団体などが発行するもののほか、企業が発行する場合もあります。発行元の信用が高いほど期待できるリターンは低いです。債券も国内だけでなく外国のものもあります。

発行元によってリスクとリターンが異なる

債券の発行元によってリスクとリターンが異なります。例えば、経済が安定している先進国の債券は利回りが低く設定されているケースが多いです。逆に新興国の債券は利回りが高く設定されているケースが多いです。

債券をアセットアロケーションに組み込む際は、どこが発行している債券を組み込むかを意識しましょう。

コモディティ(貴金属)

コモディティとは「商品」のことを示す言葉で、投資対象としては「金」や「プラチナ」などの貴金属です。他にも「原油」や「小麦」、「トウモロコシ」なども投資対象になっています。

コモディティをアセットアロケーションに組み込むメリットは、投資対象を分散できる点とインフレに強い点です。特に金は「有事の金」とも言われており、大きな利益を得ることは難しいですが、値動きが緩やかなため「守りの資産」として活用している方も多いです。

不動産

「不動産投資」という言葉があるように、不動産も資産クラスの1種です。不動産投資は家賃収入を中心に利益を出します。不動産の資産価値や家賃収入は経済状況に左右されにくい性質を持つため、リスク分散が可能です。

不動産投資には2種類あります。

実際に不動産を購入して運用する

1つ目は、実際に不動産を購入して運用するケースです。自分で不動産を選び、家賃事業を行い収益を得ることや売却益を狙います。メリットは購入した不動産を自分のものとして扱えます。デメリットは不動産を購入する際に大きなお金が必要なことです。

不動産投資信託(REIT)を購入する

2つ目は、REITと呼ばれる不動産投資信託を購入する方法です。多数の投資家からお金を集めて、そのお金で投資用不動産を購入し、運用する方法です。REITのメリットには多額のお金が必要ないこと、自分で家賃事業をする必要がないことなどがあります。

また、REITには外国のものもあるため、外国の不動産で投資することも容易です。デメリットは、不動産の所有権がないことです。所有権が自分にないため、購入した不動産に住むことや、家賃事業を自分の思う通りに行うことはできません。

現金預金

手持ちの現金や預金口座にあるお金のことです。資産運用をする際に、どの程度現金を手元に残しておくかは重要です。現金がどの程度あるかは資産運用をする際のリスク許容度に関わってきます。

アセットアロケーションに含める現金のことを「生活防衛資金」ということもあります。生活防衛資金は会社の倒産やリストラ、入院が必要な病気にかかってしまって働けない、などといった万が一の状況下においてしばらくの間生活できる現金のことを指します。会社員の方は失業手当が出るまでの2〜3ヶ月分の生活費が一つの目安です。

そのため、どの程度現金を確保しておくかは、アセットアロケーションにおいて重要になります。勤務先の安定性や家計の状況などから、ご自身の状況に合わせた割合・金額を決める必要があります。

アセットアロケーションの決め方と理想比率

大前提として、アセットアロケーションの決め方は人によって異なります。世帯収入や家計の状況、年齢、資産運用の目標、リスク許容度などが人によって異なるからです。

アセットアロケーションを決める際に大切なのは、株式や債券などの運用資産と現金の割合です。運用資産は現金に戻す際に時間がかかること、元本割れのリスクがあるなどの理由から、急にお金が必要になった際に不便な面があります。そのため、有事の際に備えて現金を確保することが大切になります。

株式と現金で構成する

資産運用に長期間、具体的には20年以上の時間を使える方は、株式と現金での構成がおすすめです。20年以上の運用期間があると、株式投資ではマイナスになりにくいというデータがあるからです。このデータは、積立NISAを主導する金融庁も参考にしています。

株式のみで運用する場合に気をつけて欲しいことは、分散をしっかりとすることです。国内株式だけではなく海外株式も購入する、一部の業界だけではなく幅広い業界の株式を購入する、などでリスクを分散します。

おすすめの投資方法は世界経済の成長に合わせる方法です。投資信託の中には、全世界や先進国、米国の株価に連動するものがあります。このような投資信託を利用した運用もおすすめです。

株式と債券と現金で構成する

株式と現金だけでなく、債券を加えた構成もおすすめです。債券を加えることにより、株価の下落局面において債券が資産減少のストッパーの役割になることを期待できるからです

運用資産の株式と債券の割合も大切になります。リターンを求めつつ暴落時のリスクヘッジをしたいという方は株式多め、リターンを抑えてでも暴落時のリスクヘッジをしたい、という方は債券多めの割合がいいでしょう。

株式40%:債券40%:現金20%の割合をベースに、リターンを求める方は株式多めの割合に、暴落時のリスクヘッジを重視する方はと債券多めの割合に変更して運用するのがおすすめです。

8資産均等型で構成する

株式と債券、これに不動産を加えた構成もあります。国内の株式・債券・不動産、先進国の株式・債券・不動産、新興国の株式・債券の計8つの資産クラスに分散投資する方法です。

分散投資を意識して、さまざまな資産クラスの金融商品を購入することが面倒だと感じる方もいるかもしれません。そのような方には、8資産均等型で構成されている投資信託がおすすめです

eMAXISSlim バランス(8資産均等型)という投資信託を例として紹介します。

eMAXISSlimバランスの資産配分

  • 国内株式
  • 先進国株式
  • 新興国株式
  • 国内債券
  • 先進国債券
  • 新興国債券
  • 国内REIT
  • 先進国REIT

eMAXISSlimバランスは、上記8つの資産クラスで構成されています。8資産均等型とあるように、それぞれ12.5%ずつの構成です。

バランス型投資信託のメリットは、1つの商品を購入するだけで分散投資が可能な点です。各資産の資産配分を保つことも運用会社がしてくれます。資産運用をしていると、当初は株式50%:債券50%で運用していたが、株価が上昇する局面では株式60%・債券40%と変わってしまうことがあります。個人で運用していると、資産配分の調整は自分でしなくてはなりません。

1つの投資信託を購入するだけで分散投資になる点、価格変動による資産配分のズレを調整してくれる点がバランス型投資信託のおすすめの理由です。

まとめ:アセットアロケーションを意識して資産運用をしよう

アセットアロケーションは、運用資産の割合を決めることです。目標利回りや60歳までに2,000万円の資産を作るなどの目標や年齢、収入の安定性等、どの程度リスクを背負えるのかなどの要因から、自分にあったリスクとリターンのバランスを基に決定します。

20代〜30代の方など資産運用に20年以上の時間をかけられる方は、株式を中心にアセットアロケーションを組むことがおすすめです。株式のみだと暴落時のリスクが心配という方は、アセットアロケーションに債券を組み込む、現金を多く保有する、などの選択肢がおすすめです。

アセットアロケーションは人それぞれの目標・状況などによって最適解が変わります。今回の記事を参考に、自分にあったアセットアロケーションを探してみてください。

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