積立NISAの始め方!口座開設の手順やおすすめの開始時期について
結婚や出産、子供の進学、住宅の購入など、人生の節目には大きな出費が伴うため、早い段階から資産形成をしておくことが重要となります。
これまで資産形成についてあまり考えてこなかった人は、少額から積立投資ができる「積立NISA」の活用がおすすめです。
この記事では、積立NISAの基本的な内容や始め方の手順、始めるにあたっての注意点を中心に解説します。
いつから積立NISAを始めるべきか、おすすめの時期はあるのか?という内容も紹介しますので、参考にしてみてください。
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この記事の目次
積立NISAとは
少額からの長期・積立・分散投資を支援する制度
積立NISAは、少額からの資産形成を支援するために国が設けた非課税制度です。
初心者でも投資を始めやすいように、運用できる商品は金融庁が厳選した「長期」「積立」「分散」投資に適した銘柄が中心となっています。
積立NISAの基本的な特徴は、以下の通りです。
投資期間 | 最長20年間 |
年間投資上限額 | 毎年40万円まで |
運用できる商品 | 金融庁が厳選した投資信託 |
通常、投資で発生した利益には20.315%の税金がかかります。
しかし、積立NISA口座で発生した利益に関しては非課税となるため、効率的に資産を運用することが可能です。
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一般NISAとの違い
「一般NISA」とは、積立NISAと同様に少額からの投資を支援する非課税制度です。
積立NISAと一般NISAの違いは、以下の表のとおりです。
積立NISA | 一般NISA | |
投資期間 | 20年間 | 5年間 |
年間投資上限額 | 40万円 | 120万円 |
運用できる商品 | 金融庁が厳選した投資信託 | 株式 ETF 投資信託 REIT など |
一般NISAは通常の株式投資と同じ要領で投資できるため、積立NISAに比べて投資できる商品の選択肢が広いというメリットがあります。
一方で、非課税で運用できる期間は5年と短いです。
「積立NISA」と「一般NISA」はいずれか一方しか選ぶことはできないため、ご自身の運用目的に適した方を選びましょう。
名前のとおりですが、コツコツ積立投資を行いたい方には「積立NISA」が、既に投資を経験されている方がお得に利益を得たいという場合は「一般NISA」がおすすめです。
iDeCoとの違い
積立NISAと同じように、税制面での優遇を受けながら資産運用ができる制度に「iDeCo(個人型確定拠出年金)」があります。
iDeCoとは、公的年金に上乗せして給付をもらえる「私的年金制度」のことです。
掛金の拠出や資産の運用を自分で行い、掛金と運用益の合計額を60歳以降に受け取ることができます。
iDeCoには、税金に関して以下の3つのメリットがあります。
- 掛金が全額所得控除になるため、毎年の「所得税」「住民税」の負担を軽減できる
- 運用で発生した利益が非課税で再投資される(積立NISAと同じ)
- 資産の受け取り時も控除の対象となる
iDeCoの運用資産は、原則として60歳になるまで引き出せません。
老後資産の運用は「iDeCo」、老後を迎える前に必要な資産は「積立NISA」で運用するという方法がおすすめです。
積立NISAの始め方・口座開設の手順
積立NISAを始めるためには、専用の口座を開設した上で積立設定を行う必要があります。
どのような手続きで積立NISAを始めるのか、確認しておきましょう。
積立NISA口座を開設する証券会社を選ぶ
まずは、積立NISA口座を開設する証券会社を選びましょう。
各証券会社が積立NISAを取り扱っており、それぞれ特徴が異なるため、手数料やサービスの使いやすさで選ぶことをおすすめします。
例えば、手数料を安く抑えて投資をしたい人はネット証券を利用するのが良いでしょう。
「楽天証券」や「SBI証券」は、手数料も安く投資初心者でも使いやすいため、これから積立NISAを始める人におすすめです。
各社の特徴を比較し、自分に合った証券会社に積立NISA口座を開設しましょう。
証券会社 | 最低投資金額 | 取扱商品数 | 特徴、メリット |
楽天証券 | 100円 | 170本 | 楽天ポイントが貯まる、使える |
SBI証券 | 100円 | 174本 | 取扱商品数NO.1 |
auカブコム証券 | 100円 | 157本 | auユーザーはお得に利用できる |
松井証券 | 100円 | 164本 | ロボアドバイザーを利用可能 |
SMBC日興証券 | 1,000円 | 147本 | dポイントが貯まる |
野村證券 | 1,000円 | 7本 | 信託報酬0円の商品がある |
みずほ証券 | 100円 | 3本 | みずほ銀行の口座が必要 |
積立NISAは1つの口座しか持てません。
したがって1つの証券会社で積立NISAを口座開設した場合、他の証券会社でNISA口座を作ることができないので注意が必要です。
【2024】楽天証券とSBI証券はどっちがおすすめ?使い分けのコツ
積立NISA口座を開設する
積立NISAを利用する証券会社が決まったら、口座開設手続きをします。
証券会社によって手続き方法は異なりますが、一般的な口座開設の手順は次の通りです。
- 総合口座の申し込み手続き
- 本人確認書類の送付
- 積立NISAの口座解説
現在では、書類を郵送しなくてもスマホやPCから簡単に手続きを進めることができます。
スムーズに手続きが完了する「Web申込み」を活用しましょう。
また、口座開設手続きには「本人確認書類」や「マイナンバーを確認できる書類」が必要となります。
手続きを始める前に、必要書類を準備しておきましょう。
投資する銘柄を選ぶ
口座開設が完了したら、次は積立NISAで投資する銘柄を決めます。
積立NISAで購入できる商品は金融庁が厳選した一部の銘柄であるため、基本的にはどれを選んでも大きな問題はありません。
より大きなリターンを狙いたいのであれば株式の比率が高い投資信託、安定した運用を目指したいなら債券が組み入れられた投資信託を選ぶのがおすすめです。
全世界や新興国、アメリカや日本向けなど、各社さまざまな銘柄を取り扱っているので、自分の運用目的に合った銘柄を選びましょう。
【2024】積立NISAのおすすめ銘柄10選!組み合わせや楽天・SBIの銘柄を紹介
積み立てる金額を決める
最後に、毎月の積立金額を決定します。
金融機関によっては100円から積み立てることができ、月額の最大積立金額は33,333円です。
年の途中から積立を始めた場合は、年間40万円の非課税枠を使い切るために一時的な増額やボーナス払いを設定することもできます。
投資金額は後から簡単に変更できるので、家計に負担をかけない範囲で無理なく積立を始めましょう。
積立NISAはいつ始めるのがいい?
いつから始めてもOK
積立NISAは、途中で増額設定をすることができます。
そのため、いつ始めても年間40万円の非課税枠を使い切ることが可能です。
長期的に運用する制度であるため、短期的な株価の動きは気にせず機械的に積立投資することが基本となります。
そのため、現在の株価が高い・安いというのはあまり気にする必要がありません。
基本的にはいつから始めても良いので、資金の準備ができたら少額からでもなるべく早く始めてみましょう。
強いて言えば1月から
常住した通り、積立NISAは基本的にいつから始めても問題はありませんが、強いて言うなら1月から積立を始められるのが良いでしょう。
なぜなら、1月から始めることができれば、予定していた積立金額を増額することなく毎月上限金額を積み立てられるためです。
例えば、10月に積立を始めた場合、年間40万円の非課税枠を使い切るためには残り3ヶ月で40万円を用意しなければなりません。
しかし、1月から積立を始めていれば、毎月33,333円を積み立てるだけで約40万円の枠を使い切ることができます。
無理な増額設定をせずに積立NISAの恩恵を最大限受けたい場合は、1月からスタートすることをおすすめします。
積立NISAを始める際の注意点
積立NISAには、非課税で運用できるメリットがある一方で注意すべき点も存在します。
これから積立NISAを始めようと考えている人は、以下の点に注意が必要です。
- 元本割れリスクがある
- 非課税枠の繰越はできない
- 個別株には投資できない
- 無理に満額設定する必要はない
上記、それぞれの注意点を確認しておきましょう。
元本割れリスクがある
積立NISAで購入できる銘柄は、金融庁が厳選している銘柄から選ぶことになるため比較的低リスクの商品が多いです。
しかし、投資である以上、元本割れをするリスクがあることを認識しておきましょう。
20年間にわたって運用を続けた場合、プラスになる可能性は限りなく高いといわれていますが、タイミングによってはちょうど20年後に暴落する可能性もあります。
その点も考慮しながら運用する銘柄を決めることをおすすめします。
なお、20年後を迎えたタイミングで、積立NISA口座から普通の課税口座に移管することも可能です。
課税口座に移しても、税金が発生するのは移管後の利益だけなので、非課税運用で発生した利益に課税されることはありません。
元本割れのリスクがあることを頭に入れつつ、20年後の対応についても考えておきましょう。
積立NISAは20年後はいくらになる?暴落したらどうするかや利益をシミュレーション
個別株には投資できない
積立NISAで購入できる商品は、投資信託と一部のETFのみに限定されています。
そのため「トヨタ自動車」や「任天堂」などの「個別株」には投資できません。
一般NISAであれば、個別の株式銘柄を非課税で運用することが可能です。
もし個別銘柄を非課税運用したいのであれば、積立NISAではなく一般NISAを活用しましょう。
NISAと積立NISAはどっちがいい?違いや選び方を比較
非課税枠の繰越はできない
積立NISAの年間非課税枠は、翌年に繰り越しができない点に注意が必要です。
例えば、2022年12月までに20万円の枠を使ったとして、残った20万円の枠を2023年に繰り越すことはできません。
もし年の途中で積立NISAを始めた方で40万円の枠を満額使い切りたい場合は、増額設定やボーナス払いを活用しましょう。
無理に満額設定する必要はない
積立NISAの年間非課税枠の上限は40万円ですが、この枠を使い切るために無理に33,333円を積み立てる必要はありません。
無理して投資に回すことで、家計に負担をかけてしまう可能性があるためです。
資産形成をする上で重要なのは、多額の資金を投資するよりも「継続すること」になります。
生活費を圧迫してまで投資をする必要はないので、上限金額は気にせずに無理のない金額を毎月積み立てて行きましょう。
可能な限り20年運用する
積立NISA最大の特徴は、20年という長期にわたって積立分散投資することで効果を得られる「複利」にあります。
資産運用を長くしていると、「リーマンショック」や「コロナショック」のような大暴落を経験することも少なくありません。
目減りしていく資産に耐えられず、せっかく積み立てた資金を売却したくなることもあるでしょう。
しかし、長期積立投資ではむしろ下落時こそチャンスとなり、その時に投資したお金が長期的には利益になり、資産を増やすことがほとんどです。
短期的な値動きに惑わされず、非課税というメリットが活かせる20年間投資を続けることが何よりも大事と言えます。
まとめ:積立NISAを始めて着実に資産形成しよう
今回は、積立NISAの始め方について解説しました。
積立NISAは、少額からの「長期」「積立」「分散」投資できる、得た利益が非課税で受け取れる制度です。
各証券会社で取り扱いがあるため、特徴を比較して自分に合った業者を選びましょう。
気にする人が多い積立NISAを始めるタイミングですが、タイミングを狙って始める必要はありません。
本記事でご紹介した注意点を参考に、少額から少しでも早く始めることをおすすめします。
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記事監修者
マネカツ編集部
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